音声認識や自然言語などさまざまな分野で活用され、私たちの生活にも浸透しつつあるAI。現代では「AI技術で高品質な絵を自動生成するサービス」が次々と登場しており、活用の幅が広がっています。
今回の記事ではそれらのサービスを10個に絞って紹介すると同時に、選ぶ際のポイントや注意点をご紹介します。
AIおすすめツールがわかるうえ、実務に活用することで生産性向上や時間短縮につなげられるでしょう。
AIで絵を自動生成できるサイトとは?
その名のとおり、絵やイラストを自動生成するAIシステムが組み込まれたサイトのことを指します。
これまでWebで用いる絵やイラストはデザイナーが長時間かけて0から作成していましたが、自動生成サイトが誕生したことで誰でも数秒で高品質な画像を作れるようになりました。
さらにAIに対してプロンプト(命令文)を記述することで、「アニメ調」や「実写調」などテイストを指定することも可能。
クリエイティブな現場におけるキャラクターデザインやWebデザイン、新規ゲームキャラのアイデア出しなどの用途で大いに役立てられています。
AIで絵を自動生成できる無料おすすめサイト10選
ここでは「AIで絵を自動生成できる無料のおすすめサイト」として、以下の10サイトをご紹介します。
運営会社 | 商用利用 | クオリティ | 使用環境 | 日本語対応 | |
①Canva | Canva Pty, Ltd, | 可 | ★★★ | ブラウザ | ◯ |
②Fotor | Everimaging Limited | 可 | ★★★ | ブラウザ/アプリ | ✕ |
③PixAI.art | PixAI.Art | 可 | ★★★★ | ブラウザ/アプリ | ◯ |
④Image Creator from Microsoft Designer | Microsoft | 不可 | ★★★★★ | ブラウザ | ◯ |
⑤MyEdit | CyberLink | 可 | ★★★★ | ブラウザ | ◯ |
⑥AIピクターズ | Aipictors株式会社 | 可 | ★★★★★ | ブラウザ/アプリ | ◯ |
⑦PicWish | PicWish株式会社 | 可 | ★★★★★ | ブラウザ/アプリ | ◯ |
⑧WOMBO Dream – AI Art Generator | WOMBO | 不可 | ★★★ | ブラウザ/アプリ | ◯ |
⑨DALL・E3 | OpenAI | 可 | ★★★★ | ブラウザ | ◯ |
⑩AIピカソ | AI Picasso株式会社 | 可 | ★★★★ | アプリ | ◯ |
①Canva
引用:Canva
無料のデザインツールとして絶大な人気と知名度を誇るCanvaは、AIで絵を自動生成する機能も盛り込んでいます。
AI画像生成技術である「Magic Media」を搭載しており、何らかのテキストを自由に入力するだけでそれに該当する画像を生成してくれます。
生成された画像は自由に編集できて商用利用も可能。さらに「実写」や「水彩画」などテイストの指定もできるうえ、誰でも迷わず操作できるUI/UXも人気のポイントです。
②Fotor
引用:Fotor
Everimaging Limitedはブラウザで操作できる無料の画像生成・編集サイトです。アカウント登録さえ行えば、インストール不要で誰でも手軽に使える点がメリットです。
画像生成のみならず、その後のぼかしや要素削除、テイスト変更など、細かな編集も可能です。
③PixAI.art
引用:PixAI.art
PixAI.Artは、アメリカのPixAI.Art社が2022年にリリースしたAI画像生成サイトです。絵のクオリティが非常に高く、実力派のイラストレーターが描いた作品と遜色ない品質が大きな特徴です。
また、既存モデルに特定のお気に入りキャラクターを登録して画像生成できる機能「LoRA」が使えることも、人気の理由として挙げられます。
④Image Creator from Microsoft Designer
引用:Image Creator from Microsoft Designer
「Microsoft」が提供を行う画像生成サイトです。公式サイトからもわかるように、圧倒的超鮮明で思わず見入ってしまうような高品質な画像が最大の魅力です。
ブラウザ利用が可能ですがMicrosoftが提供するブラウザ「Microsoft Edge」でないと利用できず、それに伴いMicrosoftアカウントも必要になります。
また生成された画像は商用利用不可なので、個人で楽しむ用途に限定される点はネックでしょう。
⑤MyEdit
引用:MyEdit
ソフトウェア大手企業「CyberLink」が運営する画像編集・加工サイトです。「鮮やかで鮮明な画像クオリティ」と「操作性の高さ」に定評があります。
元が画像編集・加工サイトなので「生成された画像内の不要な要素の削除」や「高画質化・立体化」など、豊富な加工技術を備えていることから、理想の1枚を作ることが可能です。
⑥AIピクターズ
引用:AIピクターズ
AIピクターズは、二次元キャラクターやグラビア系イラスト作成を得意としています。オリジナリティと可愛らしさに溢れたイラストは、人気イラストレーターに引けを取らないクオリティです。
画像生成のみならずショート動画やAIイラストのコンテストが定期的に開催されるなど、イラストに関心をもつユーザーが交流できるSNSプラットフォームのような位置づけでもあります。
⑦PicWish
引用:PicWish
PicWish株式会社が提供している、AI技術を活用した画像加工および編集サイトです。何らかのキーワードを入力するだけでAI画像が生成でき、イラスト調や二次元調などテイストを自由に選ぶことも可能です。
またぼやけたりブレている画像、また昔の画質の荒い写真の高画質化を行ったり、人物の切り抜きや削除も容易に行なえます。ただ、画像生成や加工・編集は無料で行えるものの、ダウンロードにはお金が必要です。
⑧WOMBO Dream – AI Art Generator
引用:WOMBO Dream – AI Art Generator
カナダにあるAI企業「WOMBO」が運営するイラスト自動生成サービスです。画像のクオリティ、シンプルで優れた操作性が人気でダウンロード数はリリース後たった3週間で2,000万回を突破した実績があります。
特定のキーワードを入力するだけでそれに該当する画像を生成してくれますが、画像のプリントアウトにお金が必要になることと、商用利用が不可である点がネックです。
⑨DALL・E3
引用:DALL・E3
大人気チャットボットサービス「ChatGTP」の会社が2023年9月にリリースした画像生成サービスで、「DALL・Eシリーズ」の最新版(2024年3月現在)です。
テキストを日本語で入力するだけで高品質な画像ができるだけでなく、プロンプトで細かなテイストや表情の指定が可能になっています。
また、使うごとに画像の生成能力を向上させていくAIモデル「Transformer」を採用するなど、人気AI企業ならではの技術を楽しめるサービスです。
⑩AIピカソ
引用:AIピカソ
AI Picasso株式会社が提供する画像生成サービスです。2024年3月現在ではアプリ版のみのリリースされており、AppStore「グラフィック・デザイン」カテゴリで1位を獲得した実績をもちます。
AIピカソはアカウント登録すら不要で、アプリインストールだけですぐに使える手軽さがポイントです。キーワードでの生成のみならず画像アップロードができたりと機能も充実しています。
使用中に都度広告が表示されますが、課金することで広告なしで利用可能です。
絵の自動生成AIが現状でできること
絵の自動生成AIが現状でできることは、以下のとおりです。
- プロレベルの絵やイラストをAIが自動で生成
- 絵やイラストのテイストをプロンプトで細かく指定
- 任意の参考画像を読み込ませて新たな画像を生成
それぞれご紹介します。
プロレベルの絵やイラストをAIが自動で生成
現代の画像生成AIは、凄腕イラストレーターに匹敵するほどの圧倒的高品質なイラストを瞬時に作成できます。
画像の品質は一級品ではあるものの、まだまだ表現にユーザーの意図している表現とマッチしないことは多々あります。
それでも現代は技術革新のスピードが早いことから、すぐに改善される見込みであると同時に「現役のイラストレーターを脅かす存在」にもなりつつあるのが現状です。
絵やイラストのテイストをプロンプトで細かく指定
自動生成されたイラストのテイストや表情は、「プロンプト」で細かく調整できます。プロンプトとはいわゆる「命令文」のことです。
日本語での指定が可能なサイトもあれば、専用のコードや数字で入力しなければならないサイトもあります。
生成されたものがイメージと違う場合、プロンプトを駆使して編集することで限りなく理想に近づけることが可能です。
任意の参考画像を読み込ませて新たな画像を生成
「単語やプロンプトで言語化するのが難しい画像」を作って欲しい場合は、自動生成AIに「参考となる画像を読み込ませる」ことも可能です。
ユーザーはプロンプトや単語を考える手間が減るだけでなく、AI側にとってもイメージに近い画像を生成できる大きなヒントになるので、一石二鳥の取り組みといえます。
AIで絵を自動生成するサイトを選ぶ際のポイント
AIで絵を生成するサイトを選ぶなら、以下のポイントを意識することをおすすめします。
- 理想に近いテイストが選べるか
- 任意の画像サイズが指定できるか
- 参考画像の読み込みが可能か
それぞれ見ていきましょう。
理想に近いテイストが選べるか
ひとえに「絵の自動生成サイト」といっても、サイトによって絵のテイストは大きく異なります。3DやSFのようなニュアンスの生成が得意だったり、二次元キャラクターの生成に強みがあるなど特徴はさまざまです。
まずはどういう目的でどういった画像を作りたいかをしっかり決め、理想に近いテイストを作れそうなサイトを選ぶことが大切です。また、後の編集でそのテイストに近づけられそうかも確認しておきましょう。
任意の画像サイズが指定できるか
サイト選びにおいて見落としがちなのが「画像サイズ指定の可否」です。絵の自動生成サイトの中には「正方形のみ」など、ダウンロード時に画像サイズを指定できないものも存在します。
他のツールを用いれば調整できるものの多少の不便が生じるので、できるだけサイズ指定のあるサイトを選ぶことをおすすめします。
参考画像の読み込みが可能か
参考画像の読み込み(画像アップロード)機能の有無も、確認しておきたいポイントになります。自動生成したい画像が、プロンプトや単語として言語化しにくい場合もあるからです。
それに、たとえ言語化できたとしても、参考となる画像を読み込ませるほうが早いうえに確実性も上がります。画像アップロード機能は「自動生成AIの恩恵を最大限受けられる機能」ともいえるので、ぜひ積極的に活用してほしいと思います。
AIで絵を自動生成するサイトを使う際の注意点
絵を自動生成してくれるサイトを使う際はいくつかの注意点があるので、以下のとおりご紹介します。
- 画像の商用利用の可否は忘れずチェックする
- 自動生成した画像が著作権侵害に該当しないか確認する
画像の商用利用の可否は忘れずチェックする
絵の自動生成サイトの中には「商用利用不可」のものが含まれています。商用利用不可というのは「サービス内で生成した画像の著作権は、すべて運営側にある」と利用規約に書いてあるということです。
「知らなかった」または「大丈夫だろう」などと思って利用すると、後々大きな問題に発展する可能性が高いので、必ずチェックしましょう。
自動生成した画像が著作権侵害に該当しないか確認する
AIによる画像生成サイトは、膨大な画像データをお手本として関連画像を組み合わせて生成しています。そのため、既存の画像やイラストに限りなく似たものがたまたま完成する可能性もゼロではありません。
使用前にかならず生成された画像に対して画像検索を行うなど、AIを過信せず自分でチェックする姿勢が大切になります。著作権については以下の記事も参考になるので、ぜひご一読ください。
まとめ
本記事で紹介したもの以外にも、AIで絵を自動生成できるサービスはたくさんあります。いずれも絵を自動生成してくれることに変わりはないものの、サービスによってでき上がる画像の質は異なるものです。
サービスを選ぶ際は自分自身がどのような目的で自動生成ツールを使うのか、それを踏まえて生成される画像の品質および性能面でマッチしているかを見極める必要があります。完全無料のもの、もしくは最初の数枚が無料となっているサービスは多いので、実際に使って使用感を確認してみるのもいいでしょう。
自分の好みや用途に合ったサービスを選び、圧倒的な生産性向上を実現してみてはいかがでしょうか。