AIは自動運転やロボット掃除機、スマートスピーカーなど、ありとあらゆるシーンで欠かせない存在として浸透しつつあります。その中のひとつに「画像生成AI」という技術もあり、いまや専門家御用達のツールではなく「誰でも無料で気軽に使えるツール」となっているのが現状です。
今回の記事では、そんな画像生成AIの概要やメリット、おすすめのサービス、実際に試す方法や注意点についてご紹介します。本記事を読むことで画像生成AIを理解でき、正しく活用する術を身につけられ、業務効率化や時間短縮に役立つので、ぜひ参考にしてください。
画像生成AIとは
画像生成AIとはその名のとおり「画像を自動で作ってくれるAIツール」です。具体的には、頭の中でイメージしている画像に関する単語や要素を文章として入力するだけで、それに該当するような画像を自動で作ってくれます。
この技術によって、イラストを描くことが得意でない人でも簡単に、素早く大量に、かつコストをかけることなく作れるようになりました。この技術は、のちに紹介する「Canva」をはじめとする数々のデザインツールに導入されており、イラストレーター不在の会社だったり、ゼロからイラストを生み出すことが苦手な方にとって、圧倒的な業務効率化を実現するツールとして役立っています。
画像生成AIを活用するメリット
メリットは、以下のとおりです。
- 素人でも高レベルのイラストを自由に作れる
- プロンプトによって絵のテイストを指定できる
- 読み込みの度に精度が高くなる
それぞれ解説します。
素人でも高レベルのイラストを自由に生成できる
まず最大のメリットは、素人でも高レベルのイラストを自由に手軽に作れるようになったこと。実際に使ってみると、驚かされるのがその画像の完成度の高さです。
人間のイラストレーターが描いたものとまるで遜色ないクオリティで作れることから、「未来のイラストレーターを脅かす存在」として注目されていることも事実です。イラスト制作の経験がない方、絵を描くことに抵抗のある方には、この上なく便意なツールといえるでしょう。
プロンプトによって絵のテイストを指定できる
たとえば「写真のようにリアルな立体の絵をつくる」ようプロンプトとして入力することで、立体的でリアルなテイストのイラストを作ってくれます。また、アニメーション調のテイストでプロンプトを入力すれば、もちろんアニメーションテイストのイラストが作られます。
優れたイラストレーターでも難しい「絵のテイストの切り替え」を自由自在に行えることは、画像生成AIの大きな強みといっていいでしょう。
読み込みの度に生成画像の精度が高くなる
画像を生成する度に精度が上がっていくことも、メリットとして挙げられます。根本は「AI」なので、人工的な学習知能をもっているためです。
たとえばウサギの画像を作る場合、サンプルとなる自分好みのウサギのイラストや画像を大量に読み込ませることで、よりそれらしいものを作ってくれるようになります。
無料で画像生成ができるサービス
この章では、無料で画像生成ができるサービスを、以下のとおり紹介します。
サービス名 | 運営会社 | クオリティ | 使用環境 | 商用利用 | 日本語対応 |
Canva | Canva Pty, Ltd, | ★★★ | ブラウザ | 可 | ○ |
MyEdit | CyberLink | ★★★★ | ブラウザ | 可 | ○ |
Fotor | Everimaging Limited | ★★★ | ブラウザ | 可 | ✕ |
Image Creator from Microsoft Designer | Microsoft | ★★★★★ | ブラウザ | 不可 | ○ |
DALL・E3 | OpenAI | ★★★★ | ブラウザ | 可 | ○ |
Canva
引用:Canva
CanvaはCanva Pty, Ltd,が運営・提供を行っているデザインツールです。さまざまなテイストに対応しており、キーワードを入力するだけで、誰でも簡単に素早く作成できます。作った画像は商用利用も可能です。
画像は自由に編集できるうえ、デザインツールとしてのユーザビリティも非常にわかりやすく、使い勝手がいい点も人気の理由です。
MyEdit
引用:MyEdit
MyEditは、CyberLinkが運営する、無料の画像編集および写真加工サイトです。AIによる自動生成はもちろん、映り込んだ不要な人およびものの削除、アバター作成、高画質化など、多種多様な機能を備えていることが特徴です。
無料とは思えない、人間が描いたような高クオリティで作れる点が人気の理由で、立体化やイラスト化も自由自在に行えます。また編集機能も充実しており、わかりやすいUI/UXで操作に迷うこともなく、イメージどおりのものを作れるでしょう。
Fotor
引用:Fotor
Fotorは、Everimaging Limitedが運営する、無料で生成・編集を行えるサービスです。こちらもブラウザで稼働するツールのため、ソフトのダウンロードなどが必要ありません。
多種多様なテイストが用意されているため、立体調やアニメーション調、レトロ調などが自由に選択でき、イメージどおりの作成が実現できるでしょう。またアプリも用意されており、スマホやタブレットでも制作作業が可能な点も嬉しいポイントです。
Fotorはアカウント開設時にクレジットが付与されるため、一定の範囲内でしたら無料で使用できますが、その後は基本的に有料になってしまうので注意が必要です。
Image Creator from Microsoft Designer
引用:Image Creator from Microsoft Designer
Image Creator from Microsoft Designer(旧Bing Image Creator)は、マイクロソフトが運営するデザインツールです。生成される画像やイラストの質が非常に高く、高画質できれいなため圧倒されます。
日本語のプロンプトに対応しているため日本語から英語への変換が不要で、イメージを忠実に再現できます。
ブラウザベースなのでソフトのインストールなどは不要ですが、使用の際はマイクロソフト製のブラウザ「Microsoft Edge」からでないと利用できないこと、また「Microsoftアカウント」が必須となります。
DALL・E3
引用:DALL・E3
DALL・E3は、ChatGTPでおなじみの「OpenAI」が運営するデザインツールで、DALL・Eシリーズの最新版(2024年2月現在)となっています。
高精度の学習知能によって生成のクオリティを上げていくこと、また有意義な情報のみを効率よく学習するAIモデル「Transformer」の採用など、ChatGTPでおなじみのOpenAIならではの技術がふんだんに盛り込まれている点が特徴です。
なお、ここまで紹介した5つの他にもサービスは多岐にわたります。以下の記事もぜひ参考にしてください。
Canvaで画像生成AIを使用する手順
いまや画像生成AIは、どんな方でも無料で気軽に利用できます。この章ではCanvaを使った方法について、以下の手順で解説します。
- メニューバーから「マジック生成」を選択
- 作りたい画像と関連するキーワードを入力
- 「画像を生成」をクリックして挿入
①:メニューバーから「マジック生成」を選択
何かしらのプロジェクトを開いた状態で、画面左側に縦に並んだメニューバーから「マジック生成」をクリックします。
②:作りたい画像と関連するキーワードを入力
「AI画像生成」のテキストフォームに、作りたいものに関連するキーワードを入力します。ここでは「うさぎ 白黒」と入力してみます。
入力後、「画像を生成」ボタンをクリックします。
③:「画像を生成」をクリックして挿入
画像が生成されるので、任意のものをクリックすると、キャンパスに自動でペーストされます。
画像生成AIを活用するときの注意点
画像生成AIは便利ですが、活用にあたって以下のような注意点があります。
- あまりにニッチなキーワードは認識できない
- 生成された画像が偽造情報として拡散されるリスクがある
- 生成された画像が著作権侵害に該当するリスクがある
それぞれ解説します。
あまりにニッチなキーワードは認識できない
どんなに優れたAIツールでも、あまりにニッチなキーワードは認識できません。たとえば会社の専門用語を含めたキーワードや、地元民しか知らない単語やキャラクターの名前などは、一般的なツールでの自動生成はできないと思ったほうがいいでしょう。
一度ツールに入力を試してみて該当するものができなければ、自力で制作するか、ツールができる範囲内での制作に留めるのが賢明です。
生成された画像が偽造情報として拡散されるリスクがある
画像生成AIは、現実には存在しないような写真やイラストを作ることが可能なので、偽造情報の拡散が起こる可能性があります。
そうなればひどい場合デマやフェイクニュースの発信源となり、社会的な混乱を招くことで信頼低下につながる可能性があります。使用する場面とタイミングには慎重になったほうがいいでしょう。
生成された画像が著作権侵害に該当するリスクがある
画像生成AIは、膨大な既存データを参考に画像を作るというロジックなので、厳密にはゼロから生み出しているわけではありません。そのため、既存データに酷似したものが偶然作られてしまう可能性もあります。
これについてはChatGTPをはじめとする「文章AI」でも同じこと。AIは完全に信用しきらず、自身の手によるチェックを怠らない姿勢が大切です。
なお、AIの著作権については以下の記事でも詳しく紹介しておりますので、ぜひご一読ください。
まとめ
画像生成AIはすでに「誰でも手軽に使用できるツール」として、私たちの生活に浸透しつつあるのが現状です。便利で圧倒的な効率化や時短を實現できる一方、偽造や著作権といったリスクもゼロではありません。
商用利用などをする際はとくにデメリットやリスクと正しく向き合い、便利に活用していきましょう。
