AI画像生成は、複雑な構図や抽象的なイメージも簡単に表現でき、クリエイティブな可能性を大きく広げてくれます。近年話題の生成AIツールですが、利用方法が分からない方もいるのではないでしょうか?
この記事では、AIで画像生成する具体的な方法と、初心者でも簡単に利用できるおすすめツールを紹介します。
生成AIとは
生成AI(ジェネラティブAI)とは、膨大なテキストや画像などのデータを学習し、新しいコンテンツを生み出すAI技術のことです。
近年は、GPT-3やLaMDAなど高性能な生成AIモデルが開発され、プロンプト(入力テキスト)に対する表現の精度が格段にアップしました。
さらに、ユーザーからのフィードバックや評価を学習する「進化学習機能」を搭載した生成AIも登場し、コンテンツのクオリティがさらに向上しています。
生成AIは、アート、教育、ゲーム開発など、活用される分野は広がり続ける一方、著作権侵害やフェイクニュース作成などの悪用リスクも問題視されはじめました。
生成AIの進化の裏で、倫理的なガイドラインの策定や法規制の整備を求める声も広がりを見せています。
OpenAIが日本にオフィスを構えるなど、生成AIは私たちの生活にさらに密接な技術となる中、利用者一人ひとりが正しい理解とモラルを持って活用することの重要性も高まっているのです。
生成AIの種類
生成AIにはさまざまな種類があります。ここでは、代表的なツールとともに分かりやすく一覧表でお伝えします。
種類 | 代表的なツール |
テキスト生成AI | GPT-3、LaMDA、Jasper |
画像生成AI | Copilot、Adobe、Image Creator |
音声生成AI | SpeechLab、Whisper、Synthesia |
動画生成AI | Phenaki、DeepMotion、MoviePy |
音楽生成AI | MuseNet、Amper Music、Soundraw |
生成AIは、基本的に指示されたテキストにあわせてコンテンツを作成します。
生成コンテンツには各ツールの創造性や学習データに基づいた特色もプラスされるので、それぞれのオリジナリティを理解したうえで選択すると良いでしょう。
画像生成AIとは
画像生成AIは、AI技術を用いて、人間が指示したテキストのイメージに合わせて画像を自動的に生成する技術です。
例えば、アニメ風の黒猫と指示すれば、アニメに登場するような黒猫の画像を生成します。
また、ノスタルジックで温かみのある空間など、具体的な指示がなくても、テキストのイメージに合わせた画像を生み出します。
画像生成AIの特徴は、同じ指示を与えても同じ画像を生成しないことです。
その都度異なる画像を提示するため、イメージに合わないと感じた場合は数回繰り返して画像を生成することで、よりイメージに近い画像を入手できます。
画像生成AIが作ったコンテンツの著作権は、基本的にテキストを入力した人物に帰属します。
ただし、著作権に抵触するようなコンテンツを生成した場合は、法的処置を問われる可能性もあるので注意しておきましょう。画像生成AI自身が著作権に関与すると判断した場合、画像生成を中断するケースも見られます。
人間の能力と創造性をはるかに超えた生成AIの革新的な技術。その基盤を支えるAI(人工知能)に関しては、以下の記事を参考にするとさらに理解が深まります。
AIで画像生成するやり方
それでは、AIで画像生成するやり方をステップごとに解説しましょう。
今回は、無料で使える画像生成AIツール・Copilotを使ったやり方をお伝えします。
- ログイン
- 画像生成
- ダウンロード
STEP1.ログイン
Copilotはマイクロソフトが提供する画像生成ツールです。まずはCopilotにアクセスし、マイクロソフトアカウントでログインしましょう。
ログインすると、以下のような画面に代わります。
STEP2.画像作成
次に、画像を作成しましょう。
画面の下部のチャット欄に生成したい画像のテキストを入力します。
今回は、「画像生成 女の子 アニメ風」というキーワードを入れてみました。
テキスト入力後に、右横の紙飛行機型アイコンをクリックして送信します。
数秒待機すると、以下のような4種類の画像が生成されました。
STEP3.画像のダウンロード
続いて、生成した画像をダウンロードします。上記の4つの画像から、ダウンロードしたい画像の上でクリックしましょう。
今回は、画面右上の画像を選択しました。
すると、以下のような画面に代わるので、赤枠の「ダウンロード」をクリックしてください。
これで、生成画像の保存ができました。
画像生成は抽象的なキーワードでも対応しています。
例えば、「静寂な時間 油絵風」というテキストを入力したときは、以下のような画像が生成されます。
画像生成はキーワードを少し変化させるだけで印象がガラッと変わるため、いろいろなキーワードを入力してイメージに近い画像生成を行ってください。
AIで画像生成するやり方や画像の雰囲気はツールによって異なります。
まずは、やり方が簡単なAI画像生成ツールをいくつか試してみましょう。
やり方が簡単なAI画像生成ツール5選
それでは、やり方が簡単なAI画像生成ツールを5選紹介します。
それぞれの特徴や使い方を理解し、希望に合ったツールを選択してください。
- Copilot
- Adobe Firefly
- Image Creator
- Midjourney
- DALL・E3
①Copilot
前項の「AIで画像生成するやり方」で紹介したCopilotは、マイクロソフト社が提供する無料のAIチャットツールです。
大規模言語モデル「GPT-4」を基盤にGitHubとOpenAIにより開発され、より直感的な操作で画像生成を実現しました。マイクロソフトアプリやメールなどと連携し、画像生成やコード生成、その他各種質問に回答してくれます。
最新のAI技術によるリアルで美しい画像が特徴で、さまざまなジャンルのテンプレートのジャンルも豊富に揃い、テキストのイメージを忠実に表現します。
②Adobe Firefly
Adobe Fireflyは、テキストを入力するだけでイメージ通りの画像を生成する画像生成AIです。
日本語を含む100ヶ国語に対応しており、直感的な操作で誰でも簡単に利用できます。
Adobe Fireflyは生成スピードが早く、さらに画像の不要な部分をカットできる「Generative Fill」など、さまざまな機能を搭載しています。
料金プランは、無料プランとプレミアムプランがあり、プレミアムプランは月額680円です(特典付き)。
③Image Creator
Image Creatorは、マイクロソフトが提供するAI画像生成ツールです。
先ほど紹介したマイクロソフトのAIチャットツール「Copilot」を活用し、テキストから画像をスピーディに生成します。
トップ画面上部のテキスト入力欄にキーワードを入力するとその場でハイクオリティな画像を提供。一目で分かる画面構成と簡単・手軽な操作方法を実現したツールで、画像生成初心者でも気軽に利用できます。
複数のキーワードを組み合わせた細かい指示、複雑な構図や配置にも対応可能で、マイクロソフトユーザーであれば利用料金は無料です。
④Midjourney
Midjourneyは、入力されたテキストを基に驚くほどリアルで美しい画像を生成します。
Discord(無料のコミュニケーションサービス)を通じて利用するため、事前のダウンロード・アカウント作成が必要です。
料金はスタンダード(10ドル/月、最大200枚の生成)、プロ(30ドル/月、無制限生成)、企業(60ドル/月、高度な機能とサポート)で、無料プランはありません。オープンベータ版は2022年7月13日に公開されました。
⑤DALL・E3
DALL-E3は、まるで写真のようなリアルな質感、洗練された美しいビジュアルを創造する画期的な画像生成ツールです。OpenAI社が2023年9月21日に発表し、単語や文章を記述するだけで、AIがそのイメージに合った画像を生成します。
DALL-E3は、リリース当初「X(旧:Twitter)」のトレンド入りをするなど、各方面で多くの話題を集めました。現在はベータ版として公開されており、世界各国のユーザーに高く支持されています。
利用には月額15ドル(約2,300円)のサブスクリプションが必要で、無料プランはありません。
画像生成AIとデータサイエンス・時代のニーズに応える最先端技術
生成AIのやり方は、高度な技術と相反して非常に手軽で簡単です。
驚異的な進化を遂げ、現在も成長の過渡期にある生成AIツールの数々。生成AIのベースとなっているのは、膨大なデータを収集・分析するビッグデータ解析です。
しかし、生成AIを真に使いこなし、高度な活用を行うためには、データの収集・加工、モデルの選択、生成結果の評価など、ビッグデータ解析に関する専門的な知識とスキルが欠かせません。
これらのスキルを証明するのが、ビックデータのプロフェッショナル・データサイエンティストです。
データサイエンティストを目指したい方は、未経験でもわずか2日間で応用レベルまでマスターできるBIZROADの「データサイエンティストセミナー」がおすすめです。
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AI画像生成のやり方の注意点
画像生成AIは手軽で魅力的なツールですが、利用時にはいくつかの注意点があります。
- 著作権
- クオリティ
①著作権
生成AIで作成した画像は、通常作成した者に帰属します。
ただし、以下のようなケースは著作権侵害に問われる可能性があるので注意しておきましょう。
- 他人の画像(第三者の著作物)
- 公序良俗に反する画像
- 商用利用
商用利用する場合は特に注意が必要で、著作権侵害が無いか十分確認したうえで利用してください。
画像生成中にAI側で著作権侵害を検知する場合もありますが、トラブルを防ぐために利用者一人ひとりがAI画像生成の著作権について十分理解しておくことが大切です。
②クオリティ
生成AIで作成する画像は利用するツールや入力テキスト(プロンプト)によってクオリティが大きく異なります。
満足できるコンテンツが生成されないため、利用をやめたというケースも見られます。
クオリティを上げるためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- 複数のツールを併用する
- 入力テキストの内容を工夫する
- 数回繰り返し画像を生成する
特に、入力テキストを工夫すると画像の雰囲気が大きく変化します。
例えば、猫の画像を生成する場合、「現代アート風」と追記するだけで画像の印象は一変します。また、イメージに近い画像を作りたいときは、細かく具体的な指示を与えましょう。
魅力的なコンテンツを作成するヒントを提供しているツールもあるため、作品制作に煮詰まったときはぜひ参考にしてみてください。
AIで画像生成するやり方まとめ
この記事では、AIで画像生成するやり方について詳しく解説しました。
画像生成AIツールは数多く登場し、各ツールとも使いやすくハイクオリティなコンテンツを生成します。
ただし、それぞれ特色や雰囲気は異なるため、本記事を参考に自分の希望に合った画像AI生成ツールを探してみましょう。