AIや機械学習・データサイエンスがDX化に重要な位置を占めるようになり、「E資格を取得したい」という人も多くなってきました。ただし、E資格は難易度が高いというイメージから、自分でも合格できる可能性があるのか不安になっている人もいるでしょう。
この記事では、E資格の難易度とその難易度が高いと言われる試験を攻略する勉強方法についてわかりやすく紹介します。
E資格の難易度に対しての口コミも調査してきたので、実際どのくらい難しいのか知りたい人は参考にしてください。
E資格とはそもそも何?
2分でE資格の難易度の要点を把握したい方は、こちらの動画をご覧ください。
E資格の難易度や受験対策を知る前に、まずはそもそもE資格とは何かを簡単に確認しておきましょう。
E資格とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が運営している資格制度の一つです。AIに関する幅広い知識を問われるG検定と異なり、E資格は機械学習を理解する上での確率や統計学などの数学的知識や機械学習アルゴリズム、またPythonプログラミングを用いた実装に関する問題が出題されます。
E資格を合格した方は、「技術が保障されているAIエンジニア」として認定をもらうことができます。
試験概要
試験日程 | 2月・8月の年2回 |
試験時間 | 120分 |
受験費用(税込) |
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受験会場 | 全国の指定会場 |
出題範囲 |
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受験資格 | 試験日の過去2年以内のJDLA認定プログラムの終了 |
出題形式 | 多肢選択式・100問程度 |
G検定とは?
日本ディープラーニング協会では、ジェネラリストとして十分な知識を持っている人のためのG検定も用意されています。双方の有資格者の協力によって新しい価値を持つ技術が生み出されると期待しています。
G検定を実際に受けてみた感想や対策を知りたい方は、下記記事も参考にしてください。
E資格の試験難易度はどれくらい?
それでは、E資格試験の難易度がどれくらいかを見てみましょう。
まずG検定と比較するとE資格は、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する試験であるため、難易度が高い印象を受ける人が多くいます。
E資格は受験資格が定められていて、受験予定日から2年以内にJDLA認定プログラムを受講していることが必要です。JDLA認定プログラムには様々な種類がありますが、課題や試験などの一定の基準を設けているプログラムも存在します。
実際の試験では、4択あるいは5択の選択式の設問になっていて、およそ120分で100問の問題を解かなければなりません。1問に1分くらいしか時間を割けないことになるため、ある程度のスピードが要求される点からも難易度が高いと言えるでしょう。
E資格が「難易度が高い!」と言われる理由
E資格の試験範囲は広く、数学やプログラミングに関する内容が出題されるため、「難易度が高い」と思われる方も少なくありません。
実際の試験範囲は、
数学的基礎
- 機械学習
- 深層学習の基礎
- 深層学習の応用
- 開発・運用環境
の5大項目に分かれています。
また、シラバスは数年に1度変更されることに加えて、過去問の配布も行われていません。
過去の傾向から次の試験の内容を予測するのが難しいという点でもE資格は難易度が高いという印象を持つ方もおられるでしょう。
E資格の過去問に関しては下記記事で詳しく解説しています。
難易度が高いE資格の合格率
E資格の難易度を知る上では過去試験の合格率を確認しましょう。
E資格の試験は毎年2回行われていますが、合格率については60〜70%台を推移しています。
開催回 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2018年 | 342 | 337 | 234 | 69.44% |
2019年1回目 | 396 | 387 | 245 | 63.31% |
2019年2回目 | 718 | 696 | 472 | 67.82% |
2020年1回目 | 1,076 | 1,042 | 709 | 68.04% |
2021年1回目 | 1,723 | 1,688 | 1,324 | 78.44% |
2021年2回目 | 1,193 | 1,170 | 872 | 74.53% |
2022年1回目 | 1,357 | 1,327 | 982 | 74.00% |
2022年2回目 | 917 | 897 | 644 | 71.79% |
2023年1回目 | 1,131 | 1,112 | 807 | 72.57% |
2023年2回目 | 1,089 | 1,065 | 729 | 68.45% |
2024年1回目 | 1,215 | 1,194 | 867 | 72.61% |
2024年2回目 | 930 | 906 | 600 | 66.23% |
2021年の1回目の試験から合格率が70%台になりましたが、2023年8月と2024年8月に行われた試験で、再び合格率が60%台に下がってしまいました。
しかし、依然受験者数も多く、E資格が始まってから年月も経つのでしっかりと勉強した人の受験が多いと考えられます。近年はリモートワークをする人も増加し、受験対策の勉強をしやすくなったのも合格率の7割近くの合格率の表れではないでしょうか。
SNSの書き込みでは、多くの名無しIDの方から「E資格の難易度が高すぎる!」という叫びも聞かれますが、合格率自体は70%近くもあるのです。
もちろんE資格を受験した方々の中には、ITやAIを扱う業界で働いている専門家も含まれているため、合格率だけではE資格の難易度を計ることはできません。
E資格の難易度についての口コミ
E資格の難易度については試験対策のサポートや模擬試験を実施している民間企業によって難易度調査が実施されています。
合格率が高かった2021年度第1回の受験者に対するアンケート調査が実施され、主観的な難易度や必要と想定される勉強時間などが集計されました。
想定よりかなり難しかった | 8.82% |
想定よりやや難しかった | 38.24% |
想定通りだった | 33.82% |
受験者が感じた難易度としては上記となっており、合わせると9割近いです。
このアンケート調査の母集団は68名を対象としたもので、内訳としては
- 合格者:85.29%
- 不合格者:14.71%
です。実際の合格率よりも合格者の比率が高いことを考慮すると、やや難易度が低く評価されている可能性が高いでしょう。
このようなサービスを利用して合格を目指していたエンジニアのみが母集団となっている面もあるため、実際にはE資格はかなり難易度が高いと考えるのが妥当です。
難易度の高いE資格に合格するための勉強方法
難易度の高いE資格は、まずJDLA認定プログラムを必ず受講しましょう。
JDLA認定プログラムは、どの事業者でもシラバスの範囲は網羅しているため、合格に必要な知識は基本的に認定プログラムのみで全て網羅可能です。
ただ、認定プログラムの難易度が高いと方や、逆に、より高得点で合格されたい方は、E資格に必要な知識を得るための優良な教材をAmazonや店舗などで購入できますので、ある程度の独学も可能ではあります。
①E資格の対策講座を受講する
E資格に合格するためには、JDLAの認定講座を必ず受講する必要があります。
また、各事業者はJDLAから認定を受けているため、試験範囲に関しては全て網羅しており、合格のために必要な知識を厳選しているので、学習効率が最も高いです。
講座を受けると、E資格の出題範囲や大まかな例年の内容など、独学では調べきれないところも丁寧に教えてもらえます。また、受講をすることで試験対策になるのと同時に、実務での活用を見据えた内容となっていることもおすすめする理由の一つです。
②書籍や問題集で学習する
E資格の合格率は、例年70%前後と決して低くはありません。
難易度の高いE資格に合格するためには、問題形式や時間配分などを掴んでおくことが必要です。そこでここでは、E資格対策向けの書籍や問題集をいくつか紹介します!
徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版
引用:Amazon
こちらはE資格向けとしては唯一と言っていい問題集です。通称黒本と呼ばれています。
2021年5月に新しく第2版として改訂され、前回よりも内容が精査されています。
過去にE資格を優秀な成績で合格した人が執筆しており、網羅性も完璧で、問題に対する解答がとても詳しいので、理解も深まります。
すでにディープラーニングや機械学習を実務で使っているAIエンジニアが自分のレベルを確認するのにも役立ちます。実際の試験と同じく多肢選択式の問題を掲載しているので、試験自体にも慣れることができます。JDLA認定プログラムの講座の受講と合わせて解いていきたい1冊です!
Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践
引用:Amazon
E資格専用の書籍は上記の「黒本」と呼ばれるものが一般的なのですが、こちらの書籍でも基本的な機械学習について学ぶことができます。
E資格では機械学習の知識やPythonの知識を問われる場合もあるので、こちらも参考にすると良いでしょう。
③苦手な範囲について調べる
E資格の難易度攻略に独学は向いていませんが、どうしてもセミナーや書籍は嫌だと言う方は自身の苦手な範囲を検索で調べて学習してみましょう。E資格の範囲は広いので、ざっくりとE資格の知識を調べるより範囲から苦手なトピックに絞って検索すると詳しい知識が得られるでしょう。
その他、E資格の対策に関しては下記記事で8つ紹介しています。
E資格の難易度についてよくある質問
それではE資格の難易度についてのよくある質問を紹介します。
落ちてしまった3割の方はうまく勉強ができなかった、プログラミングができるほど理解していなかったという方もいます。ですので、少しの勉強で合格できるような難易度ではないでしょう。
2年間の間なら何度でも受験することができるので、早めに次の試験に挑戦しましょう。
試験のたびに試験範囲が変わるため、ほとんど毎回違った範囲を勉強することになるので難易度が高いと言われています。
どんな勉強をすればいいのかは模索するしかないのと、公式で発表されている「試験範囲シラバス」は定期的に変更されているのでチェックするようにしましょう。
E資格の難易度は?まとめ
E資格を取得してディープラーニングを活用できるエンジニアとして活躍できるようになりたいと思っても、かなり難易度が高いのは紛れもない事実です。
E資格を取得することは、資格によって客観的なスキルや知識を持っているという証明だけではなく、実践的なスキルや知識をつける事でもあります。
つまり、独学よりも専門の講師に教えてもらった方が、E資格の試験に合格する確率は高まりますし、仕事を始めた瞬間から実践で使用できるスキルや知識も身に着けられます。
しっかりと勉強して難易度への対策を立てる必要がありますが、時間があまりない人も多いでしょう。また、長期的にしっかりとした学習計画を立てたい方もいるでしょう。
自分の都合に合わせてセミナーを賢く利用することがE資格の難易度攻略のコツです。
JDLA認定 E資格対策ディープラーニング短期集中講座を使えば効率的に学んで試験を攻略できます。
自分に合っている対策講座を受講して、E資格の難易度攻略を目指しましょう。