近年はさまざまな企業が業務にAIを導入し、生産効率化を図っているのが現状です。その動向に伴ってAI関連の職種に有効活用できる「E資格」が注目を集めています。しかしE資格を取得しようと考えても、どのように学習を始めればいいか分からずにお困りの方も多いのではないのでしょうか。
そこで本記事ではE資格の学習に活用できる問題集6選を紹介し、選び方やメリットを解説します。
E資格とは
E資格とは一般社団法人ディープラーニング協会(JDLA)が認定し、適切な手法により機能を実装できるかどうかを判定する資格です。
E資格の取得がおすすめの人の特徴として、下記の2点が挙げられます。
- AIエンジニア業界への転職を検討している人
- AIエンジニアとして幅広く活躍したい人
E資格を取得すれば、近年注目を集めている機械学習の有効なスキームである、ディープラーニング(深層学習)に関する幅広いスキルや知識を持つことを証明できます。
E資格を取得するメリット
E資格を取得するメリットとして、就職や転職に有利になる点が挙げられます。
E資格所有者はさまざまな業界でニーズが高まっている一方でその数は不足しており、ハイスキルな資格なため取得しているだけでもスキルが高い人材と見なされます。
特に就職や転職を検討中であれば、E資格を取得しているだけでも有利にリクルート活動を進めることも可能です。特にE資格における重要な要素であるディープラーニングは、現在多様な業界で注目されている「自動化」に関する大事なプロセスで、その知識に詳しいE資格取得者はさまざまな業界で重宝されます。
E資格の試験概要
E資格は、8月と2月に夏と冬の年2回行われており、試験時間は120分で出題数は毎回約105問程度です。2024年現在はオンラインでの受講対応はなく、必ず会場に足を運んで受験する形となっています。
受験費用は受講者のステータスによって変わるので、こちらの表を参考にしてください。
受講者のステータス | 値段(税込) |
一般 | 33,000円 |
学生 | 22,000円 |
会員 | 27,500円 |
E資格を受けるには
E資格試験の対策では、まずはJDLA認定プログラムを受講しましょう。
E資格試験の受験資格を得るために、JDLA認定プログラムの修了が必須であることはもちろん、受講内容もE資格の最短合格に向けた合理的な内容となっていて、認定プログラム毎に独自の問題集などを提供しています。
JLDA認定プログラムの受講以外にも自学による復習が必要とはなりますが、わずか4日間の会場での受講やウェビナー、eラーニングで合格レベルまでの学習を可能にした、E資格対策ディープラーニング短期集中講座もおすすめです。
以下の記事ではJDLA認定プログラムの比較を行っていますので参考にしてみて下さい。
E資格の出題内容
E資格の出題範囲はシラバスより、JDLA認定プログラム修了レベルの内容が出題されます。
主に、
- 数学的基礎
- 機械学習
- 深層学習(ディープラーニング)の基礎分野
- 深層学習の応用分野
- 開発・運用環境
の5項目です。
数学的基礎
数学的基礎は、機械学習全般を理解する上で重要となるベイズ側をはじめとする確率モデルと、情報量やエントロピーなどの情報理論に関する出題です。
機械学習
機械学習は、教師あり学習、教師なしの考え方や、過剰適合や性能指標に関する出題です。
深層学習の基礎
深層学習の基礎は、ニューラルネットワークの順伝播、逆伝播に関する出題と学習を効率的に進める方法、また画像や時系列を扱うニューラルネットワークに関する出題です。
深層学習の応用
深層学習の応用は、物体検出や自然言語処理などのニューラルネットワークを応用した技術と深層学習と強化学習を組み合わせた深層強化学習に関する出題です。
開発・運用環境
開発・運用環境は、GPUやTPUなどのアクセラレータとDockerなどの環境構築に関する出題です。
これらの内容を問題集等を使いながら効率よく学習していく必要があります。
その他の試験内容や出題範囲については下記記事でも詳しく解説しています。
E資格問題集おすすめ6選
E資格合格のためのノウハウや対策問題が掲載されている書籍をE資格の問題集といいます。
E資格は一般的な試験や資格とは違って過去問題が公開されないので、問題集を効率的に活用して学習を進めなければいけません。
問題集には実際の試験問題を想定した内容が記載され、過去問題ではないものの本試験さながらの事前学習が可能です。
それでは、就職や転職に有利なE資格ですが、実際にどんな問題集が発売されているのでしょうか。ここからは、E資格の取得におすすめの問題集6選をそれぞれを詳しく解説します。
問題集 | 特徴 |
最短コースでわかる PyTorch &深層学習プログラミング | 解析する数字を必要最低限なものだけに絞り、その関連性を特性のマップにしているので効率的に学習を進められる |
[第3版]Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践 | E資格取得に欠かせない回帰問題から深層学習、強化学習まで幅広いコンセプトの学習が可能 |
最短コースでわかる ディープラーニングの数学 | 微分やベクトル、行列や確率など高校性レベルの数学を基準にしたディープラーニングの学習が可能 |
ゼロから作るDeep Learning③ ―フレームワーク編 | 60の学習工程で構築され、工程完了時には効率的なフレームワークの構築を実現 |
深層学習 改訂第2版 (機械学習プロフェッショナルシリーズ) | 著者が企業の実装者たちと研究してきたキャリアに基づいた内容が細かく記されている問題集 |
scikit-learn、Keras、TensorFlowによる 実践機械学習 第2版 | 学習プロジェクト設計からデータモデルによる学習、データ処理やクリーニングなどの基礎からデータ次元処理などの応用までの学習が可能 |
最短コースでわかる PyTorch &深層学習プログラミング
引用:Amazon
最短コースでわかる PyTorch &深層学習プログラミングは、近年話題のフレームワークである「PyTorch」を使用し、ディープラーニングの解析をしている問題集です。
初心者でも学びやすく監修されており、この1冊でE資格に必要なスキルを取得できます。
本書ではディープラーニングに関する新規概念などを急速的に導入せず、概念を少しずつ細分化して丁寧に学習を進められる点もメリットです。
最初は機械学習の基礎から始まり、徐々に学習を深めて「CNN」などを使用した画像認識ディープラーニングの開発やチューニングまで、幅広く学習を進めます。
[第3版]Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践
引用:Amazon
世界各国で翻訳された機械学習に関するベストセラーの第3弾が、[第3版]Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践です。
E資格取得に欠かせない回帰問題から深層学習、強化学習まで幅広いコンセプトの学習が可能で、Pythonコーディングの現実や理論的背景などを考察・解説しています。
最新版の第3版ではscikit-learnやTensorFlowなどなど新規のPython環境にも対応するなど強化学習項目を追加し、従来シリーズよりもさらに専門的な学習を深めることが可能です。
最短コースでわかる ディープラーニングの数学
引用:Amazon
最短コースでわかる ディープラーニングの数学は初心者向けのE資格問題集で、微分やベクトル、行列や確率など高校性レベルの数学を基準にしてディープラーニングの学習を進めます。
この参考書ではディープラーニングを学習するための数学の知識を最短コースで基礎から学べるため、高いスキルを持っていなくても学習しやすい点がメリットです。
解析する数字を必要最低限なものだけに絞り、その関連性を特性のマップにしているので効率的に学習を進められます。
ゼロから作るDeep Learning③―フレームワーク編
引用:Amazon
ゼロから作るDeep Learning③―フレームワーク編は、「作るからこそ、見えるもの」をコンセプトにPyTorch、TensorFlow、Chainerなどの現代のフレームワークに関する知識を深めることを目的とした問題集です。
大ヒット問題集の第3弾で、ゼロの状態から「DeZero」というディープラーニングのフレームワークを構築することで学習を深めます。
全部で60の学習工程で構築され、工程完了時には効率的なフレームワークの構築が実現されます。
深層学習 改訂第2版 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)
引用:Amazon
深層学習 改訂第2版 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)は、ディープラーニングにおける数学的な根拠にとらわれず、現時点での有効な解析方法を解説した参考書です。
現在のディープラーニングの普及に関しての定番となる問題やスキーム、有名な方法でなくても著者の見解から重要と思われるディープラーニングの手法が網羅されています。
さらにディ―プラーニングの実践的技術や実用性も解説するなど、著者が企業の実装者たちと研究してきたキャリアに基づいた内容が細かく記されている問題集です。
scikit-learn、Keras、TensorFlowによる実践機械学習 第2版
引用:Amazon
機械学習の基礎を学ぶため、コードを動かしながら学習を進める問題集がscikit-learn、Keras、TensorFlowによる実践機械学習 第2版です。
例題を出題してサンプルデータを示し、機械学習での問題解決における一連の作業を詳しく解説します。
scikit-learnをディープラーニング以外の学習機械として使用し、学習プロジェクト設計からデータモデルによる学習、データ処理やクリーニングなどの基礎からデータ次元処理などの応用までの学習が可能です。
E資格の問題集の選び方
E資格対策のための問題集を紹介しましたが、あくまで大前提として、JDLA認定プログラムの教材カリキュラムをまずはしっかりと取り組みましょう。
その中で、認定プログラムの内容が少し難しく感じる方、あるいは更に理解を深めたい方が問題集に手を出すと良いでしょう。
あとは、実際に書店に行ってみて、どの問題集が一番自分に合っていそうか選んでみるのをおすすめします。
認定プログラムを受けてみて数学の内容に自信のない方は、先ほど「E資格問題集おすすめ6選」でご紹介した「最短コースでわかる ディープラーニングの数学」を学習しましょう。自信のある方はこちらは飛ばしても問題ありません。
次に、実装力を上げたいのであれば「ゼロから作るDeep Learning」シリーズを読んでみるのがおすすめです。1~4までありますが、筆者は1のみを完璧にすることで合格点を取ることができました。
最後に余力のある方は、PyTorchやTensorFlowに関する書籍を学習しましょう。
どの問題集1冊にしても完璧に理解するのは、かなりの時間と労力が必要です。
各問題集を自分の言葉で人に説明できるようになるくらいまで取り組めれば完璧です。
下記にE資格の参考書の有効な選び方を紹介した記事を掲載するので参考にしてください。
E資格問題集以外のおすすめ勉強法
E資格は問題集を活用しての取得も可能ですが、過去問例で学習できるサイトや講座を利用しての取得もおすすめです。
E資格模擬テストAIスキルチェック
E資格の問題集とあわせて過去問例を解いて自分の現状のレベルを把握することも重要です。
E資格模擬テストAIスキルチェックなら、無料で23問の例題に挑戦できるのおすすめです。
全問正解を目指して頑張りましょう!
JDLA認定E資格ディープラーニング短期集中講座
E資格取得には多岐にわたる問題集があるため自分に適した問題集を見つけるのは手間がかかります。
一方の講座による学習の中には試験問題に的を絞り、効率的な学習プログラムを組んでいるケースが多いです。そして数ある講座の中でも、E資格対策ディープラーニング短期集中講座は成果を出しやすい講座といえます。
この講座は最短4日間でE資格に合格するための最適なカリキュラムが組まれ、合格のための無駄のない効率的な学習が可能です。
会場受講やウェビナー、eラーニングでの学習が可能で、自分に最適な学習スタイルを選べるのもメリットの1つです。
問題演習では講師による詳しい解説もあるので、E資格試験に関する理解を深めることもできます。
E資格の問題集まとめ
本記事ではE資格の学習に活用できる問題集6選を紹介し、選び方やメリットを解説しました。
多様な業種でE資格が重要視されるにつれて資格取得を目指す人も増加し、その動向に伴って有効な問題集も多数販売されています。
しかし自分に適した問題集を見つけるのは大変なので、学習方法を検討中の方は効率的に学習ができる講座受講も視野に入れてE資格取得を目指してください。