E資格は数学ができないと難しい?合格に必要な数学知識を解説!

E資格などといったAI関連の資格を取りたいと思っているものの

  • 「数学が苦手な人は合格は難しい」
  • 「受験する人は理系の人たちばかり」

と思い込み、なかなか一歩を踏み出せないという方は少なくありません。

たしかにE資格には「数学」の分野が存在します。しかしながら、それほど高度な数学知識が求められることはないのが現状です。

今回の記事では、E資格に出題される数学分野の詳細や、文系でも合格するための数学対策、必要時間や勉強のコツを徹底解説します。文系出身であることから、E資格に対する不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

そもそもE資格とは?

そもそもE資格とは

E資格とは、JDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会)が運営・提供するAI関連資格です。

AIの中でも機械学習やディープラーニング、プログラミング、数学といった分野が主な出題範囲となっています。AIを適切に扱うことに加え、AIを開発する技術者としての知識も問われます。

E資格の概要を一覧にまとめると、以下のようになります。

目的ディープラーニングの理論の理解
AIに関する正しい知識を有していることの証明
適切な手法でAIを実装する能力の証明
試験会場各地指定の試験会場を選択可
出題範囲シラバスより、JDLA認定プログラム修了レベルの出題
合格率非公開(推定おおよそ60~70%)
受験費用(税込)
  • 一般:33,000円
  • 学生:22,000円
  • 会員:27,500円
受験条件JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること
運営会社一般社団法人日本ディープラーニング協会

E資格の合格率

前章の表にもありますが、JDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会)は、E資格の合格率を公開していません

あくまで推定となってしまいますが、E資格の合格率は60~70%程度と言われています。代表的なIT資格「基本情報技術者試験」の合格率が約50%前後となっているので、比較的、合格率は高いといえます。

E資格は数学ができないと難しい?【いいえ】

E資格は、数学に苦手意識がある方でも合格することは可能といえます。E資格は、それほど高度な数学知識を求められることはないからです。

たしかに、普段の生活であまり触れることのない「統計」や「線形代数」に関する知見は求められます。とはいえ、とくに理系の大学や専門学校などを出ている必要はありません。

まったくの素人でも、しっかり学習時間を確保して理解することで、十分にE資格の設問に対応できるでしょう。

E資格で出題される数学分野

E資格で出題される数学分野

E資格で出題される数学には、大きく以下のような分野があります。

  • 確率・統計
  • 線形代数
  • 情報理論

それぞれ解説します。

確率・統計

確率とは「ある出来事が何回のうち、何回起こりうるか」を推測するための計算です。たとえば「サイコロをふって1が出る確率は何%か」といったものです。

E資格における確率・統計は、とくにディープラーニング(深層学習)を扱ううえで必要になります。ある小売店の期間と売上をデータから分析し、それをもとに未来の売上予想を立てる際などに役立てられています。

E資格では、主に「ベルヌーイの分布」「マルチヌーイの分布」「ガウス分布」「ベイズ則」などが出題されます。

線形代数

線形代数とは、ベクトルや行列などで表現できる、2次元、3次元、およびn次元といった「線形的なもの」を分析する学問のことを言います。別名で「空間数学」とも言われています。

線形代数ができるようになることで、難解な行列式や連立方程式を解けるようになることがメリットです。行列式や連立方程式は、コンピューターで算出することが難しい粒子シミュレーションなどの実現が可能になります。

必ず出題されることが決まっており、かつ広い範囲で出題されるため、初めの学習として取りかかる方も多いです。なお、線形代数の理解をより深めたい方は、以下の動画が参考になります。

情報理論

情報理論とは、情報・通信を数学的に論じる学問のことです。そしてE資格における情報理論では、「自己情報量」や「エントロピー」という概念が登場します。

「自己情報量」とは、ある出来事の起こりにくさを表す尺度のことで、珍しい事象ほど情報量が多くなります。たとえば、街中で犬を見かけるよりダチョウを見かけたときのほうが情報量が多い、といった考え方です。

そして「エントロピー」とは、この情報量の大きさを図るものです。たとえば、ダチョウよりツチノコなどを見かけるほうが、エントロピーは大きいといえます。

ディープラーニングや機械学習の実装には、こういった概念を理解のうえ、アルゴリズムを相違なく構築する力が求められます。

E資格で出題される数学への対策

E資格で出題される数学への対策としては、以下が挙げられます。

  • JDLA認定プログラムを受講する【必須】
  • 書籍や参考書を購入して独学する

JDLA認定プログラムを受講する【必須】

「JDLA認定プログラム」とは、運営会社のJDLAからの認定を受けた企業が提供している、E資格講座の総称です。本プログラムの受講は、E資格を受けるための必須条件となっているため、嫌でも受講しなければなりません。

どの会社の講座を受けるかで内容は変わってきますが、JDLA認定プログラムでは、E資格で出題される数学をはじめ、プログラミングなどの技術面を磨くことが可能になっています。

ちなみに、AI研究所が運営する「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」では、選りすぐりの講師陣による4日間の短期集中プログラムが、76,780円と安価な価格で受講できます。その他、どの会社のJDLA認定プログラムがいいのか、詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

【最新】E資格のJDLA認定プログラム講座を16社比較!各講座の特徴や料金も比べてみた

書籍や参考書を購入して独学する

E資格関連の書籍や参考書を購入し、独学する方法になります。

E資格の数学分野は、前述のJDLA認定プログラムだけですべて補えるものではないためです。JDLA認定プログラムに加え、書籍で自己学習を重ねていくことで、合格率を上げることができます。

E資格は、国内でも最大の認知度と難易度を誇る資格として知られています。そのため、書店などに足を運べば、E資格関連の書籍や参考書はたくさん見つかることでしょう。

なお、E資格の数学対策におすすめの参考書は、次章で後述します。

E資格の数学をやさしく学べる参考書3選

これからE資格に挑戦する初心者でも、数学分野をやさしく学べるおすすめの参考書は、以下になります。

  • 最短コースでわかる ディープラーニングの数学
  • やさしく学ぶ ディープラーニングがわかる数学のきほん
  • ディープラーニングがわかる数学入門

最短コースでわかる ディープラーニングの数学

最短コースでわかる ディープラーニングの数学

出典:Amazon

日経BPから出版されているこちらの書籍は、ディープラーニングで必要になる数学知識を、高校1年生のレベルからやさしく解説していることが特徴です。

短期間集中で習得するために、微分、ベクトル、確率といった必要最低限の数学分野に厳選しています。また、分野ごとの相関関係を特製綴込マップに網羅しているため、全体像を通じて体系的に学ぶことが可能です。

文系出身の初心者でも、わかりやすく効率よく、E資格の数学を学べるでしょう。

やさしく学ぶ ディープラーニングがわかる数学のきほん

やさしく学ぶ ディープラーニングがわかる数学のきほん

出典:Amazon

ディープラーニングの仕組みをはじめ、E資格に必要な数学分野を、登場人物「アヤノ」と「ミオ」による会話形式で楽しく学べる書籍です。

ニューラルネットワークでできることやパーセプトロンのアルゴリズムなど、まったくの初心者でも苦痛なく読み進められるよう構成されています。また、丁寧な図解や数式が随所に盛り込まれているため、理解しやすい点もポイントです。

ディープラーニングがわかる数学入門

ディープラーニングがわかる数学入門

出典:Amazon

図解と具体例をふんだんに使用し、ディープラーニングに不可欠な数学分野をゼロから徹底的に学べる書籍です。Excelのサンプルダウンロードがついているため、実際に入力して体験することで理解を深めることが可能となっています。

ディープラーニングにおける数学知識はE資格の出題範囲となっているので、本書も有効な試験対策となるでしょう。

E資格合格のために必要な勉強時間

E資格の合格に必要な勉強時間は、一般的に100〜300時間程度と言われています。1日3時間勉強に費やしたとして、1ヶ月〜3ヶ月強ほどかかる計算です。

差が大きくなっているのは、各々の前提知識の有無や学習方法によって、勉強に要する時間は大きく変動するからです。「300時間勉強すればOK」と惰性で勉強するのではなく、理解する理解に至るまで学習を続けることが大切です。

E資格に一発合格するための対策・コツ

E資格に一発合格するための対策・コツ

E資格に一発合格するための対策・コツを挙げるなら、以下のとおりです。

  • インプット3割・アウトプット7割を意識する
  • 自分に合ったJDLA認定プログラムを選ぶ

インプット3割・アウトプット7割を意識する

E資格の一発合格を狙うなら、インプット3割・アウトプット7割の勉強がおすすめとなります。アウトプットを積極的に行っていかないと、自分の苦手分野を知ることもできないためです。

インプットは勉強した気にはなって満足度は高いかもしれません。しかし、アウトプットを行って課題にぶつかり、苦手項目を分析して勉強箇所や方法を変えるなど、トライアンドエラーを繰り返さなければ、なかなか知識として定着しないものです。

完璧に覚えてから模擬試験に挑むのではなく、不完全でも積極的に模擬試験に挑戦すること。その結果を分析しつつ、学ぶほうが効率はいいでしょう。

自分に合ったJDLA認定プログラムを選ぶ

E資格の一発合格を狙うなら、必須条件の「JDLA認定プログラム」の選びかたも重要になってきます。JDLA認定プログラムは、JDLAから認定を受けた企業がそれぞれ提供していることから、講座の内容や学習期間、金額が会社によってそれぞれ異なるためです。

JDLA認定プログラムを受講する前に、「どの分野をどのように学ぶのか」「どのくらいの学習期間があるのか」などしっかり調べ、比較検討を重ねることが重要となります。

無料のE資格講座はある?極力安く受講するための方法を解説!

まとめ

E資格では統計や確率・統計、線形代数など、普段扱うことのない数学知識が問われるため、不安を感じてしまう方も多いでしょう。とはいえ、正しく対策を行って理解することで、十分に合格圏内に到達できるようになります。

自分に合った認定プログラムや書籍を選び、じっくりと学習に励むことが重要です。あまり過剰に苦手意識をもたずに自信をもって取り組み、E資格の一発合格を勝ち取りましょう。

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