【2024】DXの課題とは?現状の推進状況や推進のためのコツを紹介!

IT技術の進歩や政府の呼びかけから認知度も上がり、順調に進んでいるように見えるDX。しかし現状、とくに日本のDXはとても「理想的なペースで進んでいる」とは言い難い状況にあります。

このような状況に陥っている主な原因は、各企業が課題に直面しているからです。今回の記事ではその代表的な課題と解決方法、さらなる推進に向けてのコツをご紹介します。

課題はこれから始める方々にとって重要な情報になりますので、ぜひ参考にしてください。

DXの現状および推進状況

日本のDXは着実に進んでいるものの、アメリカと比較すると遅れをとっている状況です。以下はLiferayによる「取り組み状況比較」を一覧にしたものになります。

着手済み検討中未着手そもそも知らない
日本28.2%38.4%15.1%18.3%
アメリカ54.7%41.7%2.3%1.3%

出典:Liferay

後にも紹介しますが、もっとも大きな課題といえるのが、やはりDXに精通した人材の確保が難しいことです。すでに存在する「優秀なDX人材」も企業が手放さないため、確保が極めて難しい状況といえます。

また保守的な姿勢も課題のひとつです。たとえば「会議は対面で行うもの」だったり「リモートワークを導入するつもりはない」といった古典的な文化が根強く残っており、新しいことに挑戦しない保守的な姿勢が遅れの一因かつ大きな課題といえます。

ただ近年では政府も推進を積極的に支援しており、企業や地方自治体も積極的な取り組みを行っています。これらの動きにより、日本のDXは徐々に加速していく見込みです。

なお課題以前に概要がいまいちわからないという方は、以下の記事が参考になります。

【1分で分かる】DXの意味とは?どういうことなのかや簡単な始め方も解説

「2025年の崖」とは?

「2025年の崖」とは、簡単にいうと「2025年に起こりうるさまざまな課題点」のことです。レガシーなシステムで運用を続けた場合、2025年からの5年間で毎年約12兆円の損失が生まれると言われています。

理由は2025年はドイツのソフトウェア大手「SAP」が提供するERPシステムが終了するためです。それに加えて現状のペースでは、基幹系の旧型システムを21年以上用いている企業が60%を超えると言われていることも理由のひとつです。

2025年の崖のほか、推進状況や課題については以下の記事でも詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご一読ください。

DXレポートとは?主な4種類のポイントや「2025年の崖」について解説

DXに関するよくある課題3つ

よくある課題とは、以下の3つです。

  1. DXおよびITに精通した人材が不足している
  2. 十分なDX予算が確保できていない
  3. DXの目的やビジョンが低迷している

それぞれ解説してきます。

課題①DXおよびITに精通した人材が不足している

もっとも大きな課題として挙げられるのが、「精通した人材の不足」です。急激に増加していくIT需要に対して高度なデジタルスキルをもつ人材が必要とされますが、このような人材の母数が少ないのが現状だからです。

人材不足は新しい技術の導入や既存システムのデジタル化を遅延させ、競争力の低下を招く可能性があります。

課題②十分なDX予算が確保できていない

十分な予算を確保できないことも、現状の大きな課題です。DXには新しい技術の導入や既存システムの更新が必要ですが、これには多額のコストが必要になります。

必要な投資を実現できず、計画が進められないという課題をもつ企業は少なくありません。結果として効果を最大限に引き出せず、競争力の強化や業務効率の向上が遅れるリスクがあります。

課題③DXの目的やビジョンが低迷している

課題の一つに、目的やビジョン低迷があります。いまや多くの企業がDXに取り組んでいますが、具体的な目標や長期的なビジョンが明確でないため、取り組みが中途半端に終わっている企業も少なくありません。

目的が不明確だと関係者の意識やモチベーションが低下し、効果的な施策が実行されません。加えて全社的な共通認識が欠けると部門間の連携が不十分となり、成果が限定的になるという課題があります。

DXに関する課題の解決方法

DXに関する課題の解決方法

課題を解決する策として、以下のような方法が挙げられます。

  1. 人材確保のみならず社内教育も検討
  2. 現行のDX予算やコストを把握・改善
  3. 根本的なDXの目的・ビジョンの見直し

それぞれ見ていきましょう。

解決方法①人材確保のみならず社内教育も検討する

課題解決には人材確保だけでなく、社内での教育も不可欠です。新しいスキルをもった外部人材の採用が難しいのが現状なので、具体的には「既存社員のリスキリング」が現実的かつ有効な手段となります。

リスキリングは社員が新しい技術や業務プロセスを習得することで、企業内での推進力を高める取り組みを目指します。定期的なトレーニングや研修プログラムを通じて社員のスキルアップを図り、プロジェクトに貢献できる人材を育成し課題解決につなげることが目的です。

なおリスキリングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になるのでぜひご一読ください。

【2024】リスキリングとは?リカレント教育やアンラーニングとの違いも紹介

解決方法②現行のDX予算やコストを把握・改善する

課題を解決するためには、現行の予算やコストを正確に把握し効率的に改善することが重要です。

まずは現状の予算や使い道を分析して把握することです。どれだけの資金が投じられているかを明確にし、無駄なコストやリソースを洗い出します。

そしてそのうえでどこかを思い切って削らなければ、予算を作ることは難しいでしょう。ただそれほどお金のかかる取り組みでなくとも、コストの小さな部分から少しづつ始めるのも課題解決のひとつの方法です。

解決方法③根本的なDXの目的・ビジョンを見直す

課題解決のためには、根本的な目的およびビジョンの見直しを行いましょう。企業がDXを進める際、具体的な目標や長期的なビジョンが不明確だと、プロジェクトが途中で停滞する可能性があるからです。

現状のビジョンや目的を再評価して企業全体で共有することで、全員が同じ方向を目指すことが重要です。またビジョンが現実的で達成可能なものであることを確認し、必要に応じて調整していく姿勢も大切になります。

DXをより推進させるコツ

DXをより推進させるコツ

より推進させるためのコツには、以下のようなものがあります。

  • 上層部が積極的にDXビジョン選定に関わる
  • 企業一丸で取り組むための「周知」を怠らない
  • DX環境の構築に注力する
  • できる部分から小さく始める
  • 長期的な目線で分析・善を繰り返す

それぞれ、順を追って解説します。

上層部が積極的にDXビジョン選定に関わる

推進のための重要なコツの一つは、上層部が積極的にビジョン選定に関与することです。組織のトップリーダーがビジョンを明確にし全社員に示すことで、組織全体が一体となって推進できるようになるからです。

また上層部の関与はDXへの投資やリソース配分にも影響を与えます。トップリーダーが重要性を認識し、積極的な支援を行うことで、はじめて組織全体が前向きに捉え推進力を高めることができるのです。

企業一丸で取り組むための「周知」を怠らない

全社員が理解し、共有するための「周知徹底」も、成功させるための重要なコツです。目的やビジョン、進捗状況などを定期的に全社員にくまなく伝えることで、組織全体が一体となって取り組む意識が醸成されるからです。

とくに理解が低い部門や個人に対しては、個別に説明を行うことも重要です。周知が徹底されることで各部署や個人が自らの役割を理解し、結果として主体的に取り組む姿勢が生まれます。

DX環境の構築に注力する

適切な環境の構築に注力することも、推進するためのカギとなります。「従業員がストレスなく取り組める環境」が整っていないと各々のモチベーションは下がり、企業全体での取り組みは失敗を招いてしまうためです。

環境の整備は社内の意識や文化の変革に大きく直結します。環境を整えることで協力意欲が高まり、成果を出しやすくなるものです。

設備や場所など、快適な環境の構築を行いましょう。また、専門チームを設立するのもひとつの選択肢でしょう。

できる部分から小さく始める

失敗する企業の原因のひとつに「いきなり大規模な変革を一度に行ってします」ことが挙げられます。これはリスクが高いのでおすすめできません。

まずは具体的な課題やニーズを特定し、その一部から小さく始めることで段階的に成果を出すことができます。また小さな成功体験が組織内に浸透し、への意欲や参加意識を高める効果もあります。

長期的な目線で分析・改善を繰り返す

長期的な視点での分析と改善を繰り返していくことが成功のコツです。DXは一過性の取り組みではなく、継続的な改善が必要になるからです。

たとえば導入した取り組みがそのまま必ず成功につながる可能性は極めて低いのが現状。定期的なデータ収集と分析を通じ、その都度地道に改善策を実行していく姿勢が求められます。

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DXの課題まとめ

ここまでDXの推進状況やよくある課題、解決法やコツについて解説してきました。国内のDXはアメリカや中国といった先進国に比べると、遅れを取っているのが現状です。

人手不足や経営スタイルが主な原因で、加えて各企業にも「予算の確保不足」や「ビジョン低迷化」といった課題があります。なるべく早い段階でこれらに気付き、できる部分から少しづつ改善していくことが大切です。

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