近年の著しい技術革新によって、ますます認知度が拡大し浸透されつつあるDX(デジタル・トランスフォーメーション)。
近年のDXには、主要となっている必要不可欠な技術がいくつかありますが、「具体的にはどんなものがある?」「中でも必須となる技術は何なの?」と疑問に思う方は多いでしょう。
今回の記事ではDXに必要不可欠な技術7つをはじめ、その技術の身近な活用事例や活用のコツを紹介します。
そもそもDX技術とは?
DX技術とは、主に「DX実現に必要不可欠となるIT技術の総称」のことを指します。具体例は後にも紹介しますが、RPAやAI、クラウドやIoTなどです。
使いやすいツールや適切なドキュメントによってコミュニケーションが促進し、企業の生産性が向上したり全体の進行をよりスムーズにできるようになるでしょう。
また経済産業省が2018年および2020年に発表している「DXレポート」でも、
- 現行のレガシーなシステムを使い続けるリスク
- DX加速に向けた課題
として、モダンなDX技術の導入を推奨しています。
DXレポートでは、DXの方向性やリスク、「2025年の崖」への対策などもまとまっています。以下の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方はご一読ください。
DX推進に必要不可欠な技術7つ
重要度および一般的に広く活用されている順にご紹介します。
- RPA
- AI
- クラウドコンピューティング
- IoT
- 5G
- ブロックチェーン
- XR
DX推進に必要不可欠な技術①RPA
RPAは、ソフトウェアロボットを使用して人間の作業を自動化する技術です。主に製造業における不良品検知システムに活用されています。
ルーチン業務やデータ処理など単純かつ繰り返しの多いタスクを完全無人化できるうえ、人間のエラーを減らせることから、現代の製造業では「なくてはならない存在」となっています。
DX推進に必要不可欠な技術②AI
AIは、機械が人間のような知的なタスクを実行する能力のことです。
大量のデータを解析してパターンやトレンドを見つけることに役立てられており、具体的にはSNSやECサイト、YouTubeなどでユーザーの趣味嗜好に沿ったコンテンツを表示する「レコメンド機能」がこれに該当します。
他にも顧客の行動予測、製品やサービス改善に不可欠な技術として、多くの企業で使用されています。
DX推進に必要不可欠な技術③クラウドコンピューティング
インターネットを通じてデータやアプリケーションを提供するDX技術で、ユーザーは自らのデバイスにソフトウェアをインストールする必要がなくなり、インターネット経由で必要なサービスにアクセスできるようになります。
これにより資料やツールの保守・管理が容易になるだけでなく、プロジェクトメンバーとのタスク共有がよりスムーズになるなど、より円滑にビジネスを推進させることが可能になります。
DX推進に必要不可欠な技術④IoT
こちらは「モノ」と「インターネット」をつなぐ、スマート家電が代表例といえるDX技術のことです。インターネットに接続されたさまざまなデバイスやセンサーが情報を収集し、データ交換を行います。
企業はデバイス同士の組み合わせでデータを共有し、新たなビジネスモデルや価値の創出を推進しています。
DX推進に必要不可欠な技術⑤5G
5Gは4Gに次ぐ次世代の通信規格であり、高速・大容量・低遅延の通信を実現します。
こちらもDXを推進する上で重要な技術の1つであり、IoTやVR、ARなどの技術の発展をさらに促し、新たなサービスやビジネスモデルが生まれる可能性があります。
DX推進に必要不可欠な技術⑥ブロックチェーン
ブロックチェーンは「分散型台帳技術」のことで、取引記録をブロックとしてチェーン状に連結して管理します。データの改ざんが極めて困難な取引ができることから、信頼性確保に大きく寄与しています。
主に仮想通貨や金融業界の決済システムで活用されている技術ですが、企業のDXへの応用も進められています。
DX推進に必要不可欠な技術⑦XR
XR(Extended Reality)とは、「VR・AR・MR・SR」の4つの技術の総称です。それぞれの概要を一覧にまとめたものが以下になります。
正式名称 | 日本語訳 | 概要 | 具体例 | |
VR | Virtual Reality | 仮想現実 | 仮想空間をあたかも現実空間ように体験できる技術 |
|
AR | Augmented Reality | 拡張現実 | 現実空間に仮想コンテンツを重ねる技術 |
|
MR | Mixed Reality | 複合現実 | 仮想空間と現実空間を複合させる技術 | HoloLens(Microsoft製ヘッドセット製品) |
SR | Substitutional Reality | 代替現実 | 過去の現実世界の映像を現在の現実世界の映像と複合する技術 | 実現例なし |
一見ARとMRが似ているように感じますが、ARはどちらかというと現実世界が主体、MRは仮想空間が主体となっていることが多い傾向です。
またSRは上記の4つの中でもとくに新しい技術のため、2024年5月現在では活用事例はありませんが、将来的に医療関係の技術に応用されると期待されています。
DX技術の身近な活用事例
DX技術の身近な活用事例を挙げると、以下のようになります。
- スマート家電
- タクシーが呼べるアプリ
- フードデリバリーサービス
- 仮想通貨
- リモートワーク
それぞれ順を追って解説します。
DX技術の身近な活用事例①スマート家電
インターネットに接続されり、スマートフォンや声の指示を通じて制御できる家電製品のことです。
たとえばスマート電球は、スマートフォンから明るさや色を調節できます。またスマートサーモスタットは、家の外からでも温度を調整できエネルギー節約が可能です。
スマート家電は快適性や便利さを提供するだけでなく、省エネやセキュリティ強化にも貢献しています。
DX技術の身近な活用事例②タクシーが呼べるアプリ
タクシーを呼ぶアプリもDX技術の身近な活用例です。ユーザーは現在地を入力するだけで、GPSやモバイル通信から近くのタクシーを呼ぶことができます。
またタクシーの位置や到着予想時刻をリアルタイムで確認できるため、便利さと安心感も抜群です。加えてドライバー側もアプリを通じて目的地や乗客の情報を事前に確認できるため、効率的な配車が可能というメリットがあります。
DX技術の身近な活用事例③フードデリバリーサービス
Webサイトやアプリから簡単に外食のメニューを注文できる「フードデリバリーサービス」も、代表的なDX事例といえます。
注文状況や配達予定時刻をリアルタイムで確認できたり、配達員の位置情報や到着予想時刻を表示することで顧客は配達の進捗状況を把握できます。
DX技術の身近な活用事例④仮想通貨
仮想通貨は前述したDX技術「ブロックチェーン」を基盤としており、デジタル上で取引されることから国境を越えた取引や高速かつ安全な送金が可能です。
仮想通貨は従来の金融システムに変革をもたらすとされ、いまや仮想通貨は決済手段としてだけでなく投資や資産保全の手段としても利用されています。
DX技術の身近な活用事例⑤リモートワーク
リモートワークもDX技術が身近に活用されている典型的な例です。
クラウドコンピューティングやビデオ会議ツールを活用することで、従業員は自宅にいながらでも効率的に仕事を行えるようになりました。またチャットツールやタスク管理ツールの充実によって、チーム全体の連携も容易になっています。
リモートワークは従業員の柔軟性やワークライフバランスを向上させるうえ、企業にとってもオフィススペースの節約や人材の活用範囲の拡大などのメリットがあります。
DX技術を活用した企業の成功事例
ここでは、DX技術を活用した企業の成功例として、以下の3つをご紹介します。
- FUJITSU
- JAXA
- ソフトバンク
DX技術成功事例①FUJITSU
FUJITSUは、ビッグデータを有効活用するためのDXプラットフォーム「ODMA(Operational Data Management & Analytics)」を導入しています。
「どの製品が」「どこで」「どのくらい売れたのか」といった詳細をはじめ、天気や気温別の販売状況も分析してくれることで、人員の配置や仕入れ量の見込みにおいて重宝されています。
DX技術成功事例②JAXA
JAXAは、国内の人工知能企業「エクサウィザーズ」と協同で開発したロボット「exaBase ロボティクス」を導入しました。
「exaBase ロボティクス」は、宇宙空間における複雑な作業に対応する高機能なAIロボットです。こちらは主に宇宙空間での操作作業の自動化に役立てられており、さらなる自動化の幅を広げるべく、今もなお研究・開発に務めています。
DX技術成功事例③ソフトバンク
ソフトバンクはインターネットだけでなく、LPガス事業者に向けたテクノロジー事業も展開しています。そのLPガス事業の一環として「Routify(ルーティファイ)」をリリースしました。
RoutifyはAI技術で以下2つをかけ合わせ、適切な配送のスケジュールを作成したり、配送ルートを提案してくれたりするものです。
- LPガス事業者がもつデータ(車両情報、運転手情報、ガス容器の残量など)
- 外部データ(天候や気温、交通状況など)
これにより配送効率の向上や最適でムダのないガス補充作業を実現しています。
また上記の成功事例はいずれも大手企業ではありますが、近年は中小企業こそDXの推進が求められています。以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご一読ください。
DX技術を最大限に活用するためのコツ
DX技術を最大限に活用するなら、以下のコツが重要になります。
- 目的意識のもとDX技術を活用する
- セキュリティ強化を怠らない
- 従業員のITリテラシー強化を図る
それぞれ見ていきましょう。
目的意識のもとDX技術を活用する
具体的なビジネス目標や課題解決をもってDX技術を導入し、その効果を見極めていくことが重要です。目的があやふやなままDXを導入すると、方向性のブレや不要なコストの浪費といったミスを招きやすくなってしまいます。
目的意識のもと、それの実現に必要なタスクにのみ投資することが大切です。
セキュリティ強化を怠らない
DXによるデータの流れが増加する中「セキュリティ対策」はますます重要になっています。
現代では機密情報の漏洩やシステムへの不正アクセスは致命傷になるので、データの暗号化、アクセス制御、定期的なセキュリティ対策の更新などをつうじ、データを保護する必要があります。
従業員のITリテラシー強化を図る
新しい技術やシステムを効果的に活用するためには、従業員がそれらを理解し、使いこなす能力が必要です。
定期的なトレーニングや教育プログラムを通じて従業員のスキルを向上させる意識をもちましょう。またIT部門との綿密な連携やフィードバックをつうじ、従業員が抱える課題やニーズを把握することも大切です。
従業員のITリテラシーが向上すると、DX技術の導入や活用がスムーズに進み、企業全体の生産性や効率アップが期待できるでしょう。
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DX技術まとめ
ここまで、DX推進に必要不可欠な技術や活用事例、DX技術活用のコツを紹介してきました。ひとえに「DX技術」といってもさまざまな技術が、あらゆるシーンの多種多様な形態で活躍しています。
広く普及・活用されているDX技術に興味をもって知見を深めておくことで「本当に自社に適しているDX技術」がわかるようになります。ぜひ本記事の内容を参考にDX技術を導入し、圧倒的な生産性アップを図ってみてはいかがでしょうか。