機械学習は専門的な分野であり、自分の能力を客観的に証明するために資格を取得しておくことは望ましいです。それではどういった資格が機械学習のスキルを証明するのに役立つのでしょうか。
本記事では機械学習に関連する資格を取得する重要性や、おすすめの資格について解説していきます。
機械学習に関連する資格の重要性
機械学習を使用して仕事をするのに資格は必須ではありません。しかし、関連資格があると仕事や転職で有利になります。
スキル証明としての資格の役割
未経験から機械学習を使用した仕事に転職する場合、関連資格があると採用担当者に自分が機械学習を活用できるスキルがあることを客観的に証明することができます。
例えばPython言語を学習した経験のある方であれば、Pythonエンジニア認定データ分析試験を取得していれば「Pythonを使用した仕事ができそう」だと納得してもらえるでしょう。
資格取得がキャリアアップにつながる理由
機械学習に関連する資格があると、IT系の転職において採用担当者に「実際に会ってみて、詳しく話がしたい」と思ってもらえます。
自分が持つITスキルを活かして転職したいと思ったとき、資格を取得しておくことで、自分がやりたいと思う仕事ができるチャンスをつかむことができます。
機械学習に関連するおすすめ資格10選
ここでは数あるIT系の資格から機械学習に関連する資格以下10選ご紹介します。
- E資格(エンジニア向けの資格)
- G検定(非エンジニア向けの資格)
- ITパスポート(幅広いIT知識を問われる国家試験)
- 基本情報技術者試験(ITエンジニアのキャリアアップのための資格)
- 応用情報技術者試験(ITエンジニアとしての高度な知識を証明する資格)
- Pythonエンジニア認定データ分析試験(Pythonエンジニア向けの資格)
- 統計検定(データ統計と分析のスキルを問う検定)
- 画像処理エンジニア検定(画像処理技術を証明する資格)
- データベーススペシャリスト試験(データベース管理のスペシャリストであることを証明する資格)
- Professional Machine Learning Engineer(Googleが提供する機械学習のスキルを証明する資格)
非エンジニアからでもチャレンジできる資格もありますので、未経験から機械学習をやってみたい方は参考にしてみてください。
E資格(エンジニア向けの資格)
E資格は、日本ディープラーニング協会による資格でディープラーニングの実装を担うエンジニア養成を目的としています。試験ではディープラーニングや機械学習はもちろん、応用数学や環境開発に関する知識が問われます。
そのため、ある程度ITエンジニアとしての経験がある方が知識を証明するのにおすすめです。システム開発や研究に役立つ高度な知識が問われることから、企業から高く評価されています。
E資格を受講するにはJDLA認定プログラムの受講は必要となります。こちらの記事ではJDLA認定プログラム詳しく紹介し比較を行っております。
G検定(非エンジニア向けの資格)
E資格と同じく日本ディープラーニング協会による資格です。ディープラーニングに関する基本的な知識があり、適切な活用方針を決定して、実際の業務に活かせるかが問われます。
非エンジニア向けの試験ということから、最近では企業で資格取得を促す動きが見られます。
オンラインによる自宅受験が可能であり、機械学習をはじめたばかりの方がステップアップとして取得を目指すのにおすすめです。
JDLA認定のG検定対策講座は、短期間でG検定を取得したい人におすすめのセミナーです。
こちらの記事にてG検定のメリットや勉強方法について紹介しております。ぜひ参考にしてみてください。
ITパスポート(幅広いIT知識を問われる国家試験)
独立行政法人IPAが実施している資格試験であり、ITに関する基礎知識が問われます。IT系国家資格では初歩に位置づけられており、営業職の社会人や学生の受験者も多いです。
ITの知識以外でもビジネスや経営に関する基礎的な知識を問う問題も出題されるため、転職に役立てることができます。
これまでにIT系の知識を学習したことがない方は、まずはこちらを取得することを目指すことをおすすめします。
基本情報技術者試験(ITエンジニアのキャリアアップのための資格)
ITエンジニアとしての基本的な知識やスキルを問う試験です。IT系の技術に関わる普遍的な知識が問われることから、プログラマーはもちろん、WEBデザイナーや学生も受験しています。
試験ではPythonやC#をはじめとしたプログラミング言語はもちろん、経営戦略のようにビジネスに関する知識も出題されます。IT系の入門資格に位置づけられていて、ITパスポートをすでに取得していてキャリアアップを目指している方におすすめです。
応用情報技術者試験(ITエンジニアとしての高度な知識を証明する資格)
独立行政法人IPAが実施する試験です。基本情報技術者試験よりもさらに細かい知識が問われます。
試験で問われる知識は基本情報技術者試験と大差はないと言われており、基本情報技術者試験の対策が細かい内容まで学習しておけば問題に対応できます。
ITエンジニアとして高度な知識が要求される試験であることから、システムエンジニア、プロジェクトリーダーへのステップアップを目標としている方におすすめです。
Pythonエンジニア認定データ分析試験(Pythonエンジニア向けの資格)
Python言語に関する基本的な知識が身についているかを問う試験です。機械学習において最も注目されているプログラミング言語であり、文法が比較的容易であるため、プログラム初心者におすすめです。
「Python 3 エンジニア認定基礎試験」と「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」に分かれており、初心者の方は文法基礎が出題される「基礎試験」にチャレンジするといいでしょう。
Pythonを基礎からしっかり学びたいという方はPython基礎セミナーの受講をおすすめします。
統計検定(データ統計と分析のスキルを問う検定)
統計に関する知識や活用力が身についているかを問う試験です。1級から5級まであり、機械学習に取り組むのであれば「2級レベル(大学基礎数学レベル)」からチャレンジするのがおすすめです。
統計に関する知識を身につけることで、機械学習の基礎となるデータを見る力を養うことができます。数多くのデータから、コンピュータに学習させる情報を見極めるためにデータを分析する力は必須です。
画像処理エンジニア検定(画像処理技術を証明する資格)
画像処理の設計や開発のスキルを問う試験です。機械学習により、顔認識や物体認識などの画像認識ができるようになってきています。受験資格はなく、画像処理技術に関わる仕事をしてみたい方におすすめです。
データベーススペシャリスト試験(データベース管理のスペシャリストであることを証明する資格)
情報処理技術者検定の一部であり、データベースの知識およびデータベース設計ができるスキルを問う試験です。報処理技術者試験では応用情報技術者より難しいレベル4(高度試験)に位置づけられており、データベースのスキルを活かして、最適な提案ができる人材であることを証明できます。
データベースシステムの知識は機械学習での予測精度向上に役立つため、機械学習エンジニアとしてのキャリアを高めたい方におすすめです。
こちらのデータサイエンティストセミナーはプロの講師からデータサイエンスを学び、2日間という短期間でマスターすることができます。
Professional Machine Learning Engineer(Googleが提供する機械学習のスキルを証明する資格)
機械学習やデータ分析、データ可視などの知識を問う試験です。試験ではさらにビジネスモデルに合わせたGoogle Cloud Platformのサービスの洗濯やコンサルティング能力も問われます。
試験は難しいですが、データに関する幅広い知識を証明できるため、機械学習エンジニアとしての市場価値をさらに高めたい方におすすめです。
機械学習に関する資格取得のメリット
機械学習の資格を取得することには次のようなメリットがあります。
モチベーションアップにつながる
スキルアップのために機械学習を学びたいけれど、モチベーションが上がらないことがあります。そんなとき資格試験の申し込みをすることで、強制的に学習しなければならない状況をつくることができます。
機械学習の学習がなかなか進まない方は、試験の申し込みをしてみることをおすすめします。
機械学習のコミュニティに参加しやすくなる
日本ディープラーニング協会によるE資格やG検定合格者のコミュニティのように、機械学習の関連資格保有者向けのコミュニティが存在します。
こうしたコミュニティに参加することで、自分の知識をアップデートしたり、仕事へのモチベーションを挙げたりすることができます。
機械学習の資格の取得はキャリア発展につながる!
コンピューターの技術向上により、機械学習エンジニアの需要が高まっています。機械学習の知識を身につけ資格を取得することで、キャリアアップが可能になり、できる仕事の幅が広がります。
機械学習の関連資格は初心者から経験者向けのものまでありますので、現在の自分のスキルに合わせて受験してみましょう。