E資格のシラバスが2022年8月度より大きく改定! 新シラバスの変更点を徹底解説

今回は、JDLA(一般社団法人 日本ディープラーニング協会)が開催しているE資格(エンジニア資格)のシラバスが大幅に改訂となったため、そのシラバス改定についてご紹介していきます。

2021年9月17日と同年10月11日の2回にわたり、大幅に改訂されているため混乱している方も多くいらっしゃるかと思います。

今回、どのような改訂がされたのか参考にしてみてください。

改定となった背景

~JDLA公式サイトより引用~

日進月歩するディープラーニング技術に対応するため、JDLAでは1~2年に1回、シラバスを改訂しております。最先端の技術を踏まえたシラバスに基づくE資格の実施により、ディープラーニングを実装するエンジニア人材を育成し、更なる日本の産業競争力向上に寄与することを目指します。今回の改訂では、ディープラーニング技術の産業活用が拡大する中で、実務や様々な研究のベンチマークに用いられる手法を追加しております。画像認識・自然言語処理で広く用いられている手法はもちろん、音声認識分野もカバーしたものになっております。また、機械学習のモデルの説明性や距離学習といった分野に依らず重要な項目も追加しました。

出典:https://www.jdla.org/news/20210917001/

AIの技術は、様々な論文が多数発表されることから、常に最新の技術が発表されています。
最新技術をキャッチアップしつつ、ある程度実績のついた枯れた技術を利用していくことがAIエンジニアには必要なスキルになってくるため、E資格もそれに合わせて進化をしているということですね!

新シラバス概要

2022年8月26日(金)・27日(土)に開催する「E資格2022#2」より、シラバスが改訂されます。
まず2021年9月17日に、削除・追加と一次改訂(ver1.0)され、同年10月11日には削除・修正と再び改訂(ver1.1)されています。

大きな変更点としては、PyTorchTensorFlowを利用した実装が追加されています。受験される際に、どちらかのフレームワークを選択して実装していく項目が追加されました。

今まではnumpyレベルのスクラッチ実装がプログラム問題として出題されていましたが、実務ではフレームワークで実装することがほとんどです。
前回の改訂で、より一層実践的な内容になったと言えるでしょう。

それでは前回どんな改訂がされたのか、具体的に見て行きましょう!!

改定内容

改定内容

2021年9月17日と同年10月11日に、項目の削除・追加が実施されました。2回の改訂内容を以下にまとめます。

  • フレームワークによらない実装
    • → PyTorchまたはTensorFlowを利用した実装
      (E2022#2出題問題のフレームワーク前提バージョンは2022年2月にアナウンス予定です。)

削除項目

(2021年9月17日削除)※◆中項目 ◇小項目(番号不明)

1.【応用数学】

◆線形代数
◇特異値分解

2.【機械学習】

(1)機械学習の基礎
①学習アルゴリズム
◇教師あり学習アルゴリズム
◇教師なし学習アルゴリズム
◇確率的勾配降下法

3.【深層学習】

(1)順伝播型ネットワーク
◇アーキテクチャの設計
④誤差逆伝搬法およびその他の微分アルゴリズム
・全結合 MLP での誤差逆伝搬法

(3)深層モデルのための最適化
②基本的なアルゴリズム
・ネステロフのモメンタム

(4)畳み込みネットワーク
◇構造出力
◇データの種類
◇効率的な畳み込みアルゴリズム

(5)回帰結合型ニューラルネットワークと再帰的ネットワーク
①回帰結合型のニューラルネットワーク
・教師強制と出力回帰のあるネットワーク
・有向グラフィカルモデルとしての回帰結合型のネットワーク
・RNNを使った文脈で条件付けされた系列モデリング
◇深層回帰結合型のネットワーク
◇再帰型ニューラルネットワーク
◇複数時間スケールのための Leaky ユニットとその他の手法
・時間方向にスキップ接続を追加
・接続の削除

(9)深層学習の適応方法
①画像認識
・VGG

追加項目

(2021年9月17日 追加)(2021年10月11日 削除/修正)

3.【深層学習】

(6)生成モデル
②オートエンコーダ
VQ-VAE

(7)深層強化学習
①深層強化学習のモデル
A3C

(8)グラフニューラルネットワーク

(9)深層学習の適用方法
①画像認識
ResNet / WideResNet
EfficientNet
②画像の局在化・検知・セグメンテーション
MaskRーCNN
FCOS
③自然言語処理
BERT
GPT-n
④音声処理
高速フーリエ変換(2021年10月11日削除)
・メル尺度(2021年10月11日修正)
サンプリング、短時間フーリエ変換、メル尺度
CTC

(10)距離学習(Metric Learning)
(11)メタ学習(Meta Learning)
(12)深層学習の説明性

4.【開発・運用環境】

(5)環境構築
①コンテナ型仮想化
・Docker

※その他、項目の再編成および一部名称に修正を実施(内容変更なし)

注意点として、「教師あり学習アルゴリズム/教師なし学習アルゴリズム」が削除項目として挙げられていますが、実際には小項目にまとめられて残っています。
ディープラーニング以外の、ロジスティック回帰やSVM等の機械学習アルゴリズムに関しても引き続き出題されますので気をつけてください。

まとめ

以上のように、大幅な改訂となったのが把握できたのではないでしょうか。

特に、追加項目である深層学習の説明性(いわゆるXAI)は、ブラックボックスと言われてきたAIを普及させるために考案されたという背景があります。
ただ削除されたから良し、追加されたから大変と単純に捉えてしまうのでは本末転倒です。
これらがどのような流れの中で改良され進歩しているのかを理解しておくことで、今後の新しい技術についても把握しやすくなります。

しっかりと基礎力を付けるため、いま一度、AIの本質を意識した学習をしてみてはいかがでしょうか。

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