エンジニアは何をする仕事?種類や仕事内容を解説

エンジニアは年々需要が上がっているとは言われているものの、一部の職種は人が多すぎて飽和状態となっているのが現状です。そのため、目指すならキャリア戦略をしっかり立てて目指すことが大切でしょう。それではエンジニアとはどんな職種なのか、エンジニアにはどんな種類があるのかを解説していきます。

エンジニアとは?

「エンジニア」とは、工学に関する技術を用いた仕事をする人のことを言います。エンジニアと言われるとIT系の仕事をイメージする人も多いですが、それ以外にも農業や工業などで使われる機械を作る人などもエンジニアに分類されます。

また、エンジニアとよく混同されやすいのが「プログラマー」です。プログラマーはITエンジニアの中でも、とりわけプログラミング言語を使ってコードを書き、実際にソフトウェアを形にしていく仕事のことを言います。後ほど詳しく解説しますが、ITエンジニアにはソフトウェアを設計・管理する人、ネットワークなどインフラ周りを設計・管理する人など様々なポジションの人がいます。中でもプログラマーはソフトウェアを設計・管理する人のもとで指示を受けて作業を行います。

ITエンジニアの現状

業務効率化でIT技術が様々な業界で必要とされるようになり、とくにITエンジニアの仕事は年々需要が伸びています。ただ、IT業界では2010年代に入ったあたりから人手不足への対策として、大学や専門学校でプログラミングを学んでいない未経験者も採用をするようになりました。これをきっかけにITエンジニアの門戸が広がったことで、ITエンジニア自体の数は増えている傾向にあります。そのため、ITエンジニアの数は不足しているとは言え、プログラマーやインフラの運用・保守業務など経験の浅い人材に任せられるポジションは増えすぎて飽和状態にあるでしょう。

ITエンジニアの中でも特に必要とされているのは、プログラマーなどを管理したり、ソフトウェアなどを設計したりするマネジメントポジションです。このようなポジションは未経験で簡単に目指せるものではなく、プログラマーなどで業務の流れを理解してからキャリアアップするのが一般的です。

IT業界は未経験から目指しやすい分、短期で辞めてしまう人も多いでしょう。ただし、プログラマーなどの下流ポジションが飽和しているのに対し、管理職など上流ポジションが不足している状況なので、ITエンジニアとして働くことを考えているなら上流ポジションへのキャリアを考えて働くことが重要です。

代表的なITエンジニアの種類と仕事内容

先ほど紹介したプログラマー以外にも、ITエンジニアには様々なポジションがあります。ポジションによって求められるスキルもキャリアのルートも変わってくるので、ITエンジニアを目指すなら仕事の種類をよく理解して就職活動や学習に取り組む必要があるでしょう。それでは、ITエンジニアの種類について簡単に解説します。

システムエンジニア

システムエンジニアは、システムを開発するにあたって設計を行うポジションです。そして、プログラマーなどのポジションはシステムエンジニアが作成した「要件定義書」や「設計書」をもとにシステムの開発を行います。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、サーバー・ネットワーク・データベースなどシステム開発におけるインフラ周りの運用・保守を行うポジションです。こちらもプログラマーと同様に、未経験者を積極的に募集しているポジションであり、インフラエンジニアとして下流業務に従事し、経験を積んでからサーバーエンジニアやネットワークエンジニアなど、一つの分野に特化したスペシャリストにキャリアアップしていきます。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、インフラエンジニアの中でも特にクラウドに特化したエンジニアのことを言います。これまではオンプレミスしか選択肢がありませんでしたが、オンプレミスではデータベースの容量を手軽に増やしたり、サーバーを強化したりしにくいのが難点です。それに対してクラウドなら必要に応じた課金制となっており、その手軽さから導入する企業が増えています。クラウドは登場してから年数が浅いこともあり、特に設計などの高度な知識を持った人材が限られており、需要が高くなっています。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、現場の管理者としてスケジュールや人員などの管理を行います。システム開発における最高責任者ポジションであり、システムエンジニアからキャリアアップすることが多いです。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、システムのセキュリティ対策に特化したエンジニアです。IT技術を導入する企業が増え、個人情報など重要な情報もシステムを使って管理されるようになっています。そこで、その情報を狙って不正にシステムにアクセスしようとする攻撃者がいるため、システム開発において不正アクセスへの対策は重要な課題となっているのです。従来のセキュリティ対策はインフラエンジニアなどが担当するケースが多かったのですが、大企業を中心にセキュリティ対策に特化したポジションを用意する企業は増えています。

社内SE

社内SEは、企業内のパソコンなどの機器の導入からインフラ環境の管理まで、IT全般を担当する何でも屋のようなポジションです。社内の様々な人とコミュニケーションを取るポジションなので、IT全般の知識だけでなく特に高いコミュニケーション能力も求められるでしょう。

テクニカルサポート

テクニカルサポートは、サービスや製品の利用者と企業の窓口となり、利用者の技術面に関する困りごとを解決します。場合によっては、遠隔操作を使って利用者の機器を操作することもあります。コールセンター的な役割も求められるので、こちらもサービスや製品に関する知識だけでなくコミュニケーション能力が欠かせません。

データサイエンティスト

データサイエンティストは企業の課題を洗い出し、それを数学や統計学を用いて解決したり、課題を解決するためのシステムを開発したりします。とくにAI分野は注目度の高い分野であり、データサイエンティストは花形の職業と言えるでしょう。

データアナリスト

データアナリストはデータサイエンティストと同様、顧客が抱える課題をデータの視点から分析し、改善策を提案します。データサイエンティストと比べると課題解決に重点を置いたポジションであり、IT系でもマーケティングの知識が求められます。

データエンジニア

データエンジニアは、データサイエンティストやデータアナリストが業務で取り扱うデータを整える作業を行います。データの中には業務に不要なデータも含まれています。そこで、データを使いやすいように整理することで、より正確な分析をできるようにサポートします。

ITエンジニアの平均年収はいくら?

求人サイト「求人ボックス」の情報によると、ITエンジニアの平均年収は480万円です。ただ、ITエンジニアはポジションによって求められる責任や業務の難易度に差があります。

例えば、下流ポジションであるプログラマーの平均年収は338万円、責任者であるプロジェクトマネージャーは641万円であり、稼ぎたいなら経験を積んで需要の高いポジションを目指すと良いでしょう。

ITエンジニアになるために必要なスキル

ITエンジニアになるために必要なスキルはどんなものでしょうか。この章では、特に大切なスキルを紹介します。

プログラミングやインフラ周りのスキル

ITエンジニアになるにあたって必要なスキルは、まずプログラミングやインフラ周りのスキルです。プログラマーでもインフラ周りの最低限の知識は欠かせませんし、インフラエンジニアでもシステムの構造を理解するためにプログラミングコードを読める必要があります。そのため、どのポジションでもプログラミング言語とインフラ周りの知識は欠かせません。

論理的思考力

次に、論理的思考力もITエンジニアには必要です。システムを開発するにあたっては、何を作りたいのか、作りたいものを実現するにはどんな手順でコードを書いていく必要があるのかなど、結果から逆算して考えることが求められます。また、システムは規模が大きければ大きいほど様々なコードが複雑に絡み合っており、それぞれの関係性を考えてコードを書く必要もあるでしょう。したがって、物事の関連性をよく理解し、論理立ててコードを組み立てていく論理的思考力が特に必要なのです。

ITエンジニアに向いている人は?

ITエンジニアに向いている人は、考えることが好きな人と、根気強く物事に取り組める人です。システム開発はトライアンドエラーを繰り返し、完成に近づけていきます。そのため、失敗しても完成に近づくまで何度も考えることを諦めずに続けられる根気強さが何よりも求められます。

ITエンジニアになるためには?

ITエンジニアになること自体は、ITに関する経験が少ない状態でも若さがあればある程度は可能です。未経験者を積極的に採用している業界なので、これからプログラマーになりたいと思っているならば、独学やスクールなどである程度基礎的な知識を身につけてから未経験者枠に積極的に応募して、まずはキャリアを積むのが良いでしょう。

求人サイトなどで検索する場合は、「未経験者でも可」といった条件で探してみると積極採用している企業を見つけやすいです。さらに、募集要項に研修などのサポートが詳しく記載されている求人であれば、入社後も安心してスキルアップしやすいでしょう。

エンジニアになるにはキャリア戦略が大切!

ITエンジニアの仕事は需要が高いですが、その反面、未経験から目指しやすいポジションは人材が増えすぎて飽和状態にあります。そのため、ITエンジニアを目指したいのであれば、入社後のキャリア戦略もよく考えて目指すのが良いでしょう。

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