エンジニアの平均年収は?年収を上げる方法も紹介

21世紀に入って以降、企業システムのデジタル化が急速に進み「エンジニア」という仕事が高く評価されるようになっています。そこで今回はエンジニアの仕事を年収という面から解説します。エンジニアの仕事に興味があるという人は、ぜひ読んでみてください。

エンジニアとはどんな仕事?

「エンジニア」とは、工学的な専門的な技術や知識を持ち、それを実際の製品やシステムの開発や設計に応用する人のことです。

海外ではエンジニア(アメリカ:Professional Engineer, : Technician)は「名称独占資格」として扱われるケースが多いです。しかし、日本ではエンジニアについての明確な定義はなく、製品やシステムの設置・設定・設計などを業務とする者を広くエンジニアと呼んでいます。また、2000年以降では特にIT分野における設置・設定・設計の仕事に付く者を指すケースが増えています。

年齢別でみるエンジニアの平均年収

2022年に厚生労働省が発表した「令和3年度賃金構造基本統計調査」と、2021年度に国税庁が発表した「令和2年度民間給与実態統計調査」によれば、エンジニア(システムコンサルタントおよび設計者)の平均年収は733.6万円でした。年齢別の平均年収は、以下の通りになっています。

  • 20から24 360.3万円
  • 25から29 511.5万円
  • 30から34 648.8万円
  • 35から39 770.6万円
  • 40から44 864.6万円
  • 45から49 865.5万円

なお、2021年の日本人の平均年収は443万円でした。したがってエンジニアの多くは20代後半に平均年収を上回る収入が得られているといえるでしょう。ただし、エンジニアという職業は種類が多く、それぞれの役割や就職先に応じてその平均年収や中央値は大きく異なります。

職業別でみるエンジニアの平均年収

以下では、代表的なエンジニア職の平均年収を紹介します。

システムエンジニア(SE

システムエンジニア(SE)は、情報技術(IT)やコンピューターサイエンスの知識を活用して、ソフトウエアやシステム開発などをするエンジニアです。その平均年収は約660万円とされています。ただし、システムエンジニアの年収は企業規模で大きく異なり、大企業で働くシステムエンジニアは給与が高くなるのが通常です。

従業員数1,000人以上の規模では607.6万円であるのに対し、従業員100人未満の規模の平均年収は484.4万円と、平均値を大きく下回る場合もあるでしょう。

プログラマー(プログラムエンジニア)

プログラマーの平均年収は425.8万円ほどとされ、日本の平均給与と大きな差はありません。プログラマーの年収の特徴としては、地域との関連性が高く、地方に行くほどに平均年収は下がる傾向があります。日本でもっとも平均年収が高くなる都市は東京都で、平均年収は488万円という結果でした。

ネットワークエンジニア

コンピューターネットワークの設定や構築といった業務を主に担うのが、ネットワークエンジニアの仕事です。快適な通信環境を確保するために保守や管理なども行います。ネットワークエンジニアの平均年収は約559万円です。

ネットワークエンジニアはエンジニア経験が乏しい方でも比較的活躍しやすい業務とされています。そのため、なるべく早く全国平均よりも高い年収を得たい方におすすめの仕事といえるでしょう。

ウェブエンジニア

ウェブエンジニアは、ECサイトやウェブサイトで用いるシステムやアプリケーションなどの設計や開発をする仕事です。システムやアプリケーションの保守や運用をする場合もあります。平均年収は約523万円です。なお、ウェブエンジニアの仕事は、フロントエンドの仕事(フロントエンドエンジニア)と、バックエンド業務(バックエンドエンジニア)に大別できます。フロントエンドエンジニアでは約600万円、バックエンドエンジニアでは600万以上(800万円以下)が平均年収とされています。

インフラエンジニア

インフラエンジニアとは、システムインフラの設計や構築をするエンジニアの総称です。ネットワーク、サーバー、データベースに介入するようなことが多いため、前述したネットワークエンジニアやシステムエンジニアとは仕事の領域が重なることがあるでしょう。

インフラエンジニアの平均年収は約660.4万円でした。比較的高水準の給与が得られる仕事といえるでしょう。ただしインフラエンジニアはどの段階で参加するかによって年収は大きく変化します。平均年収アップを狙うなら上流工程(企画や設計、システム要件定義作成)への参加ができるだけのスキルと知識を身に付けなければなりません。上流工程に参加できるインフラエンジニアの場合は、平均年収1000万円を超えることも珍しくありません。

企業で年収が変わる!ITエンジニアの平均年収が高い企業の特徴

ITエンジニアは働いている企業(または受注先企業)によってもその年収が大きく変わります。ITエンジニアの平均年収を高く設定している企業の特徴には、次のようなものが挙げられるでしょう。

企業規模が大きい

企業規模はITエンジニアの平均年収に影響を与えます。企業規模が大きいほどブランド力が強くなり、高収益が得やすくなるからです。当然ながら収益性が高いほど、従業員の給与水準も上がります。その点はITエンジニアもほかの仕事も変わることはありません。なお、企業規模が10億円を超える企業の平均給与は609.8万円と、日本全体の平均給与額を160万円以上も上回ります。

専門性や希少性が高い

平均年収が高い企業は、専門性や希少性が高いジャンルを扱っていることが多いです。専門性や希少性が高いほど、参入障壁が高いため市場での競争力が強く、営業利益率が高水準になるからです。また、専門性や希少性が高いジャンルを担えるだけのITエンジニアを確保しなければならないので、比較的高水準の給与が設定されます。

年収をアップしたいなら?ITエンジニアの年収向上の方法とは

ITエンジニアとして年収を向上させるには、次のような方法を実行することをおすすめします。

スキルの習得と向上

ITエンジニアは、常に自分のスキルを磨き続けなければなりません。最新の技術・ツール・業界のトレンドに関心を持つようにしましょう。その上で、需要が高い技術に焦点を当てて、スキルや知識を学ぶようにするとよいでしょう。

認定資格の取得

認定資格を取得すれば、自分のスキルや専門性を強くアピールできます。これによって自らの市場価値を引き上げられるでしょう。例えば、AWSMicrosoft Azureなどのクラウドプロバイダーの認定資格や、プログラミング言語やフレームワークの認定資格などを取得するとよいでしょう。また、認定資格を取得せずとも専門性が高いプロジェクトへの参加実績があれば、スキルを信用してもらいやすくなります。キャリアにも大きなプラスになるかもしれません。

副業の活動で名前を売る

駆け出しのITエンジニアが評価を高めるには、実績を増やす必要があります。そのためには、副業活動もおすすめです。名前が知られるようになれば、プロジェクトに呼ばれる機会も増えるでしょう。当然ながら副業としてITエンジニアの仕事をすれば、収入自体を増やすこともできるでしょう。

転職を検討する

ITエンジニアの年収は、企業や地域によって左右されます。そのため、平均年収アップに転職は非常に有効な手段です。高い技術力や希少なスキルを持っていたり、珍しい業界で働いていたITエンジニアは、転職に際して自分で評価する以上の好待遇を受けることも珍しくないでしょう。

エンジニアの平均年収は高め!さらなる年収アップには転職も視野に入れよう

エンジニアの平均年収は日本人全体の平均年収よりも高い水準にあります。より平均年収を上げたい場合には、認定資格を取得し、スキルや知識を磨き、活動実績を増やすことが効果的です。また、エンジニアの年収の水準は、業種だけでなく、企業規模や地域によっても左右されます。そのため、収入を増やすために転職を視野に入れるのもよいでしょう。

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