ITエンジニアに転職するには？必要なスキルや未経験からのなり方

エンジニア職は市場において人材不足が続いており、引く手あまたの状態が続いています。その将来性の高さから、エンジニア職への転職を検討している人も多いでしょう。本稿ではITエンジニアへの転職について、求められるスキルや未経験から挑戦する際のポイントなどを紹介します。

この記事の概要目次

1.ITエンジニアという仕事について
2.ITエンジニアへの転職で求められるスキル
3.ITエンジニアの転職で取得が望ましい資格
4.ITエンジニアに転職するプロセス
5.ITエンジニアになった後のキャリアパス
6.将来性の高いITエンジニアに転職して、自分の得意分野で活躍しよう

ITエンジニアという仕事について

この章では、ITエンジニアという仕事について詳しく紹介していきます。

ITエンジニアは情報技術職の総称

ITエンジニアの仕事は仕様設計やプログラミングによって、システムの開発・運用・保守などを担うことです。デジタルツールの普及が爆発的に進んだ現代社会において、将来の担い手となる重要な人材となっています。

また、ITエンジニアは特定の職種を指すというよりも、IT分野における様々なエンジニア職を含意した総称として用いられる言葉です。職種によって専門分野が異なり、場合によってはソフトウェアの他にハードウェアも扱うことがあるので留意しておきましょう。一般的にITエンジニアは「開発系」「インフラ系」「その他」の3パターンに分類されます。

開発系ITエンジニア

開発系エンジニアとは、業務システム・サービス・アプリ・Webサイトなど、様々なソフトウェアやデジタルツールを設計・開発するエンジニアを指します。「アプリケーションエンジニア」と呼ばれることもあるでしょう。ソフトウェアを駆使した業務が中心であり、一般的に「ITエンジニア」というと開発系の業務が連想されます。

開発系エンジニアの代表例は「SE(システムエンジニア)」「PG(プログラマー)」「フロントエンドエンジニア」「バックエンドエンジニア」「Webエンジニア」などです。

インフラ系ITエンジニア

インフラ系エンジニアは、従業員が快適に業務を遂行するための環境を構築・整備を担当する技術者たちです。社内でインターネットや社内ネットワークをスムーズに利用できるのは、インフラ系ITエンジニアの仕事による恩恵と言えるでしょう。インフラ系エンジニアもプログラミング言語を用いる場面が多いですが、それに加えてサーバや周辺機器といったハードウェアの知識や取り扱いスキルも求められます。

インフラ系として知られているITエンジニアは「ネットワークエンジニア」「サーバエンジニア」「セキュリティエンジニア」「クラウドエンジニア」「データベースエンジニア」などです。

その他のITエンジニア

エンジニア系職種でありながら、開発系にもインフラ系にも属さないものが存在します。例えば「セールスエンジニア」がその1つです。セールスエンジニアは社内の営業担当者が効果的なセールス活動を行うために、顧客情報や課題点を踏まえて最適なITサービスやシステムの提案を行います。

このようにITの知識を活かしたサポート職には他にも「データサイエンティスト」「ITコンサルタント」「社内SE」などが挙げられます。

ITエンジニアへの転職で求められるスキル

この章では、ITエンジニアの転職で求められるスキルを紹介していきます。

プログラミングスキル

開発系であれインフラ系であれ、基本的にITエンジニアとして働くためには「プログラミングスキル」が必要になります。セールスエンジニアやITコンサルタントといった一部の職種は直接開発や環境構築に関わる訳ではありませんが、このスキルを身に付けておいて損はありません。身に付けるべき言語は専門分野や製作物によって異なるため、自分が携わりたい仕事にどんな言語が必要なのか予め調査しておきましょう。

コミュニケーションスキル

ITエンジニアはプログラミング業務のイメージが強いため、個人作業がメインの仕事と思われがちです。しかし、実際は様々な人と関わり合いながら仕事を進めていくため、「コミュニケーションスキル」が重要になってきます。例えば、システム開発における案件定義では、クライアントが抱える課題や要望を丁寧に聞き出す作業が必要になるでしょう。個人作業に思われがちなプログラミングも、基本的には複数名でチームを組んで行うのです。

ロジカルシンキング

ITエンジニアは、求められている機能をどうすれば効率的に実装できるかを考える場面が多く、「ロジカルシンキング」が大切な職種です。このスキルはクライアントとの打ち合わせやトラブルシューティングなど、様々な局面で役に立ちます。ITエンジニアはただ何となく仕事をこなすのではなく、論理的な根拠に基づいて最適解を導き出すことが重要なのです。

ITエンジニアの転職で取得が望ましい資格

この章では、ITエンジニアとして活躍することに役立つおすすめの資格を紹介します。

基本情報技術者試験・応用情報技術者試験

「基本情報技術者試験」とその上位資格にあたる「応用情報技術者試験」は、ともに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営している国家資格です。経済産業省認定の有名な資格なので、説得力はお墨付きと言えるでしょう。内容としてはソフト・ハード両面からの知識だけでなく、プロジェクトマネジメントやIT戦略など幅広い分野をカバーしているため開発系・インフラ系を問わず役立つ資格となっています。

Oracle認定Javaプログラマ

プログラマー志望の人におすすめなのが、日本オラクル社が公式認定している「Oracle認定Javaプログラマ」です。未だ根強いシェアを誇るJavaについてのスキルを証明できる資格であり、難易度は「Bronze」「Silver」「Gold」の三段階に分かれています。実務レベルとしてはSilver以上の取得が望ましく、Goldの受験にはSilverでの合格実績が必要になります。

Cisco技術者認定

インフラ系エンジニアを目指す場合は「Cisco技術者認定」の受験を視野に入れてみましょう。同資格の運営元であるCisco社はネットワーク機器のメーカーであり、資格の内容もネットワークエンジニア向けのものとなっています。ネットワークの設計・構築・運用に関する知識を証明することが可能で、8つのテクノロジー分野(2024年2月時点)に関する認定試験を行っているので職種に合わせたものを選びましょう。難易度は4段階設けられていますが、分野によって用意されている難易度は異なります。

ITエンジニアに転職するプロセス

この章では、ITエンジニアに転職するプロセスを、スキルのある人と未経験の人両方の場合について紹介していきます。

一般的な転職プロセス(プログラミングスキル保有者)

ITエンジニアへの転職に興味が湧いたら、まずどのエンジニア職を目指すのかを明確にしましょう。先に述べた通りITエンジニアと言っても専門分野が異なるため、具体的な仕事内容や求められるスキルを絞り込む必要があるのです。

職種を決めたら、次に「ポートフォリオ」を作成します。ポートフォリオは簡単に言えば個人の製作実績や作品集であり、自分が現時点でどれくらいのスキルを保有しているのか分かりやすくアピールするためのものです。エンジニア業界は基本的に実力勝負とされているため、ポートフォリオのクオリティが高ければ採用担当者からの注目を集めることができるでしょう。副業として製作した成果物や著作物を含む作品はポートフォリオとして使用できないケースもあるので、不安な場合は権利者に連絡して確認を取るのが無難です。

転職活動の武器となるポートフォリオがまとまったら応募する求人を選定します。おすすめな求人の探し方は「転職サイト」と「転職エージェント」の2パターンです。転職サイトは業界特化型のサービスも多いため、IT分野やエンジニア職限定の転職サイトを活用すれば効率的に求人情報をチェックできます。転職エージェントは予め希望条件や保有スキルを伝えておくと、エージェント側でおすすめの求人を紹介してくれるサービスです。仕事をしながらでも最低限の労力で仕事探しが可能なうえ、サービスによっては面接対策や履歴書添削といったサポートも行っています。

未経験の場合

未経験の場合は、上記のプロセスに加えて、ITやプログラミングのスキルを身に付ける工程が必要になります。プログラミングスキルの習得には「独学」「スクール」「通信講座」の3パターンが挙げられるでしょう。

独学は自分のペースで学習できる・コストが安いといったメリットがありますが、疑問点の解決やモチベーション維持には工夫が必要です。スクールや通信講座は体系的な知識を身に付けられる点が魅力ですが、入会する前には実績や費用対効果を見極めるようにしましょう。また、スキルのミスマッチを防ぐために、求人を選ぶ場合も基本的には「未経験者歓迎」のものから優先的にチェックするのがベターです。

ITエンジニアになった後のキャリアパス

この章では、ITエンジニアからの有力なキャリアパスについて紹介します。

フロントエンドエンジニア

ITエンジニアとしての専門性を活かして、特定分野のスペシャリストになるキャリアパスを選ぶ人は少なくありません。おすすめは、他のエンジニア職で経験を積んでからフロントエンドエンジニアを目指すコースです。大手賃金統計サービスの「求人ボックス」によれば、平均年収は約550万円となっています。Webサイトの重要性はビジネスシーンで右肩上がりに高まっているため、仕事の将来性も抜群でしょう。

プロジェクトマネージャー

ITエンジニアとして十分な技術・知識を身に付けたら、社内のシステムやサービスの開発を取りまとめるプロジェクトマネージャーを目指すのも良いでしょう。求人ボックスによると、平均年収は約630万円と高い水準です。社内統制のために重要なポジションですがマネジメントスキルとITスキルを兼ね備えた人材は貴重であり、転職市場においても高く評価されています。

ITコンサルタント

将来的にフリーランスとしての独立を検討している場合は、ITコンサルタントがおすすめです。ITコンサルタントはクライアントが抱える課題をITの観点から分析・解決します。ITスキルに加えて経営者視点での思考力が求められるでしょう。求人ボックスでの平均年収を確認してみると、約647万円となっています。IT化の波は各業界に押し寄せているため、ITコンサルタントの力が求められる場面は多いでしょう。