エンジニア派遣とは?エンジニア派遣の特徴や職種メリットやデメリットを解説

エンジニア派遣とは、派遣での働き方のひとつですが、一般的な派遣業とは少し異なります。エンジニア派遣の特徴や職種、エンジニア派遣でのメリットやデメリットを解説していきましょう。

エンジニア派遣とは

エンジニア派遣は派遣会社に派遣社員として登録した後、技術者として派遣先で働く形態です。かつて存在した「特定派遣」に近い契約を結ぶことが多く、無期雇用契約の常用型派遣を行ない派遣先で働くタイプの派遣業です。業種も一般派遣と違い、専門性の高い職種(技術職)につくことがメインになっています。

正社員との違いは

エンジニア派遣も広い目で見れば派遣業態の一種であり、雇用主は派遣先企業ではなくあくまで派遣会社となります。対照的に正社員は労働している職場の会社と直接雇用契約を結びます。そのため給与や福利厚生については派遣先の正社員とは異なるケースが多いでしょう。

SESとの違いは

SES(システムエンジニアリングサービス)は、主にシステム開発での委託契約を行って業務を行ないます。クライアント企業に常駐して実際に労働した業務内容や工数に応じて報酬額が支払われる仕組みで、エンジニア派遣に似ていますが、エンジニア派遣はクライアント先と労働契約を結び、クライアント企業の指揮により労働を行うのに対し、SESは契約を受注したベンダー企業に指揮命令権があるため、ベンダー企業とは無関係でクライアント企業が指揮を執ってSESの技術者に指示を出すと違法行為になります。

エンジニア派遣に多い職種は

エンジニア派遣は、技術的な職種が中心となります。主にコンピューターシステムやIT、Webと言った業務に多い特徴があります。

下記が主な職種の例です。

  • システムエンジニア(SE)
  • データベースエンジニア(DE)
  • ネットワークエンジニア(NE)
  • ITコンサルタント
  • Webデザイナー
  • ヘルプデスク
  • プログラマー(PG)

エンジニア派遣には3種類ある

エンジニア派遣ひとつとっても大きく3種類に分かれています。

  • 常用型
  • 登録型
  • 紹介予定派遣型

以下、ひとつずつ詳しくみていきましょう。

常用型

常用型のエンジニア派遣は、エンジニア派遣では比較的多いタイプです。期間期限を設けずに雇用契約を人材派遣会社と結ぶタイプになります。派遣会社の社員として派遣先の会社で勤務するタイプなので、派遣先の契約が終了しても、引き続き人材派遣会社との雇用契約が残され、別の派遣先の会社を紹介してもらって勤務します。そのため、派遣先の契約が切れても派遣元との雇用契約が残るので、収入への影響が比較的少ないでしょう。

登録型

登録型のエンジニア派遣は、一般的な派遣会社と同じような契約内容です。派遣会社に登録をしたのち、派遣先企業との就業が決まってから、開始日より派遣会社と雇用契約を結ぶ形式です。そのため派遣先企業の契約が終了すれば、派遣会社との雇用契約も終了するため収入への影響が残ります。

紹介予定派遣型

紹介予定派遣型のエンジニア派遣は、将来的に派遣会社との直接雇用契約に切り替える事を前提とした契約形態です。最初は派遣社員として働き、ある一定期間が過ぎると、派遣先企業と労働者の合意を得たのち、直接雇用契約で引き続き同じ業務をする雇用形態です。

エンジニア派遣のメリット

エンジニア派遣にはどのようなメリットがあるのでしょうか。実は、それらには多くのメリットがあります。

大手企業の勤務が可能

大手企業に就職しようとすると、一流の大学に出て入社試験を受けて内定を貰わないと難しいでしょう。しかし、エンジニア派遣の場合は、大手企業が求めている経験やスキルが一致すると、大手企業での勤務が可能です。大手企業にはレベルの高い技術があるため、キャリアアップにつながる可能性も高いでしょう。

未経験で働ける求人が多い

エンジニア派遣は技術がある人向けのように思われますが、意外にも未経験でも働けます。技術系でもあまり経験がなくてもできるようなプロダクトのテストやサーバー監視等の仕事が一定数あるため、これまで異業種で働いていた人がエンジニアを目指す際に、未経験でも業界で働ける可能性があります。

いろいろなプロジェクトに携わることができる

エンジニア派遣は、システムを構築するプロジェクトの時など人員が必要な時に依頼することが多いでしょう。そのためプロジェクトが終わればそこで契約が終了しますが、次のプロジェクトに派遣されることになります。正社員の場合はひとつのプロジェクトに携わるだけのことが多いのに対して、いろいろなプロジェクトに関われる分、スキルアップにつながるでしょう。

人脈が広げやすい

エンジニア派遣は、ひとつのプロジェクトで構築できた人脈を維持したまま別のプロジェクトで新たな人脈を広げやすいでしょう。様々な人脈を通じて技術や知識が得られ、常に新しい情報を得なければならないエンジニアにとっては財産と言えます。

正社員より給与が高くなる可能性がある

一般的な派遣の場合は、正社員よりも派遣社員のほうが給与が安いことが多いのですが、エンジニア派遣の場合は、エンジニアとしてのスキルや経験が高ければ、同じプロジェクトを行う正社員より給与が高くなる可能性もあります

知識と経験を得られる

様々な起業のプロジェクトに携わり、いろんな人脈が構築できるエンジニア派遣を続けていると、自然と経験や知識が得られます。同じ業務を続ける正社員より技術的なスキルも上がりやすいので、給与アップにもつながるでしょう。

自由な働き方ができる

エンジニア派遣であれば派遣先の職種や勤務条件をあらかじめ自分で選べます。また勤務先や勤務時間なども好きな条件のものが選べるので、ライフスタイルやプライベートを大切にしたい人は正社員よりもエンジニア派遣のほうが向いています。

自分で好きな仕事が選べる

働き方と同様に仕事においても自分で好きな職種が選べます。もちろんスキルや経験によって条件が限られる場合もありますが、それでも正社員のようにほぼ決められた仕事を行うのに対して、自由度が高く、今後自分が専門性を高められそうな仕事を選べるでしょう。

正社員登用の可能性がある

エンジニア派遣は、一般派遣よりも正社員登用の可能性が高いです。専門的なスキルや経験が高い場、派遣先企業としても常時雇用したい相手だと判断すれば、直接雇用や正社員雇用の話が来る場合もあります。また紹介予定派遣のように、直接雇用が前提の契約もあるので、将来正社員を目指している場合は活用できるでしょう。

エンジニア派遣のデメリット

メリットが多いエンジニア派遣ですが、当然デメリットがいくつかあります。詳しくみていきましょう。

契約・雇用期間の制限

エンジニア派遣の場合は、契約や雇用期間の制限があります。これは同一企業の同一組織で派遣社員として働けるのは3年までと決められているため、3年を過ぎてしまうと新たな派遣先を探さなければなりません。システムの運用や監視などのように長期間働ける環境でもいったん契約が満了します。

業務内容が契約により限定的になる

エンジニア派遣は、業務内容が限定的になる場合があります。どうしても正社員が全体的なプロジェクトを把握する場合が多いため、プロジェクトのごく一部だけを担当する場合のあるエンジニア派遣の場合は、プロジェクトの把握に時間がかかるデメリットがあります。

非正規雇用のため不安定

エンジニア派遣は非正規雇用のため正社員と比べると不安定です。経験やスキルがあれば、すぐに新しい派遣先が決まりますが、その段階ではない場合、次の派遣先が決まるまで時間がかかることがあるため、どうしても不安定になります。

責任のある業務は任されにくい

エンジニア派遣は、人手が欲しい場合に依頼を受ける期間限定のため、管理者やプロジェクトリーダーのような責任ある業務は基本的に任されにくいです。もちろんスキルや経験がとても高い場合はその限りではなく、リーダーを任されることもありますが、その段階に至るまでの技術を磨く必要があるでしょう。

派遣会社に対する帰属意識が低くなる

エンジニア派遣は、派遣会社と期間期限を設けずに契約を結ぶ常用型が多いですが、普段は派遣先での勤務のため派遣会社に対する帰属意識はどうしても低くなりがちでしょう。

エンジニア派遣のまとめ

エンジニア派遣は、専門性の高い技術者の派遣業務のため一般的な派遣と違い、経験やスキルを身に着けやすい働き方です。条件が合えば様々なプロジェクトや大手企業で働くこともできるため、正社員以上のスキルや経験が見につき、正社員以上よりも給与が高かったり、正社員に登用される可能性が高いでしょう。その一方で、派遣社員であるために不安定だったり、仕事が限定的だったりするデメリットもあります。

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