データベースやサーバーを運営するクラウドサービスとして、国内でも広く活用されている「AWS」。興味はあるものの、まったく知識がないため始め方がわからず、二の足を踏んでいる方は多いのではないでしょうか。
今回の記事では、その概要やメリット、具体的におすすめのサービス、また研修サービスを選ぶ際のポイントをご紹介します。本記事を読むことでおすすめの研修サービスがわかり、実務で有効活用できるようになるでしょう。
そもそもAWSとは?
AWSとはAmazon Web Services(アマゾン ウェブ サービス)の頭文字をとったもので、アメリカのIT大手企業「Amazon」が運営・提供するクラウドサービスのことです。主なサービス内容はデータベースやサーバー、ストレージといったインフラ関連ですが、AIやIoT、データサイエンスやセキュリティ対策など、全部で約240種類もの多彩なサービスが存在します。
AmazonといえばECサービスがメインの利益というイメージをもつ方も多いですが、じつは営業利益ベースで見ると、AWSの売上がAmazon全体の収益の約63%を占めています。その他、概要を一覧にまとめると、以下のようになります。
運営会社 | アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 |
サーバーの種類 | クラウドサービス型 |
主なサービスの種類 | 【主要なサービス】 ・データベース ・サーバー環境 ・データ保存およびバックアップ ・コンテンツ配信 ・プログラム実行環境および仮想環境 【その他】 ・専用回線接続 ・セキュリティ対策 ・AI活用およびデータ分析 ・ワークフロー管理 ・メール通知 ・開発補助 ほか多数 |
メリット | ・コストが安い ・セキュリティ性能が高い ・拡張性および汎用性が高い ・環境構築不要ですぐ使い始められる |
デメリット | ・サービスの種類が多く、適切な選択が難しい ・従量課金制のため、用途によっては割高となる |
AWSでできること
AWSにはさまざまなサービスがあり、一例ですが以下のようなことができます。
- 仮想サーバーを利用できる
- 管理・運用が容易な大容量データベースを借用できる
- システムおよびアプリの統合開発環境(IDE)を利用できる
- IoT構築に必要なプラットフォームやライブラリが使用できる
- AI開発に必須のレコメンド機能を簡単に実装できる
主に何らかのシステムやアプリの開発のための環境、また膨大なデータを管理・運用するデータベースやストレージを提供しています。
開発を行うための環境、運用に伴って溜まっていくデータを保存する大容量ストレージは、専用ファイルをインストールするなど環境構築が大変です。AWSではこういった環境構築不要で、すぐに開発環境やストレージを借りれることが強みです。
なお、より詳しい概要については以下の動画も参考になります。
AWS研修とは?
AWS研修とは、その名のとおりAWSの知識とスキルを身につけるための研修サービスのことです。世界中のさまざまな企業で広く活用されているクラウドサービスのため、研修サービスの種類も実に豊富なのが現状です。
面倒な環境構築などが不要で手軽にはじめられることがメリットではあるものの、業務への導入には相応のスキルも必要なのも事実。まったく触れたことがない方にとってはハードルが高いため、何らかの研修サービスを活用することが推奨されています。
AWS研修を受けるメリット
AWSの研修サービスを使うことで、次のようなメリットが得られます。
- 汎用性の高いAWSの実践力が身につく
- 経験豊富なプロ講師のサポートで挫折しにくい
- 研修によっては資格取得につながるものもある
それぞれ解説します。
汎用性の高いAWSの実践力が身につく
AWSは国内にとどまらず、世界での大きなシェアを誇るクラウドサービスです。その知識とスキルを身につけるということは、すなわち世界に通用する汎用性の高いスキルを得られるということです。
しっかりと研修を受けて実務での使用経験を積むほど、実践力の高い人材としての価値が上がっていくことがメリットになります。
経験豊富なプロ講師のサポートで挫折しにくい
AWS研修サービスでは、実務での経験が豊富なプロ講師による徹底指導やサポートが受けられるため、挫折しにくいことがメリットといえます。まったく触れたことがない状態から独学で学ぶのは少々ハードルが高く、挫折する可能性が高いためです。
研修によって実務で即戦力になるためのノウハウや、理解に苦しむポイントを熟知していることから、スピーディーで効率のいいインプットを実現できるでしょう。
研修によっては資格取得につながるものもある
AWS研修サービスには、大きく「実践で使える知識を得るためのもの」と「資格取得を目指すもの」があります。AWS資格を目指す研修を経てみごと資格を獲得できれば、より転職活動は容易になり、現場での即戦力となれるでしょう。
なお、AWSの資格には、以下のようなものがあります。
レベル | 資格名称 |
FOUNDATIONAL(基礎) | ・クラウドプラクティショナー |
ASSOCIATE(中級) | ・デベロッパー ・SysOps アドミニストレーター ・ソリューションアーキテクト |
PROFESSIONAL(上級) | ・ソリューションアーキテクト PROFESSIONAL ・DevOps エンジニア |
SPECIALTY(専門家) | ・アドバンストネットワーキング ・データアナリティクス ・データベース ・機械学習 ・セキュリティ ・SAP on AWS |
初心者におすすめのAWS研修サービス5選
AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー|AI研究所
AI研究所が運営するこちらのセミナーは、2日間で効率よくAWS構築のプロレベルに達するための研修サービスです。完全未経験向けの優しいカリキュラムにより受講者は1万人を突破、満足度は98.5%以上を誇ります。
研修の形式は会場受講とライブウェビナーから選択でき、金額はいずれも33,000円。他社と比較しても圧倒的なコストパフォーマンスが魅力です。
未経験の状態から「現場で即戦力になれる人材」を目指す方であれば、受講して損のない内容の研修サービスとなっています
AWS:ゼロから実践するAmazon Web Services。手を動かしながらインフラの基礎を習得|Udemy
引用:Udemy
オンライン学習プラットフォーム大手「Udemy」が運営する、AWS研修サービスです。基本的にハンズオン形式の研修で、実際に触って学べることから、良質なアウトプットが可能となっています。
AWSを用いたネットワークやサーバーを自力で構築する力が身につくほか、AWSの各種重要サービスの機能や設計ノウハウも身につきます。
AWS研修/トレーニング|NECマネジメントパートナー株式会社
国内大手電機メーカー「NEC」も、AWS研修サービスを運営しています。AWSからの認定を受けたプロ講師による徹底的な指導力が最大の特徴です。
また設計・開発・運用それぞれ中~上級コースまで用意されていたりと、コースのラインナップも豊富です。柔軟なスケジュールに対応した研修形式のため初心者でも始めやすく、総受講者数15,000人以上を誇ります。
AWS研修|株式会社アシスト
引用:株式会社アシスト
東京のソフトウェア会社「アシスト」も、AWS初心者に向けた研修サービスを展開しています。現場での経験を積んだ講師からの徹底指導、「何度も質問し放題」などの充実したサポート体制から、年間実績は491名、受講者満足度が96.4%(2024年2月現在)と非常に高い水準を誇ります。
AWS公式テキストによるアウトプット中心のハンズオン研修サービスとなっているので、効率よく学ぶことが可能です。
AWS研修|インターネットアカデミー
引用:インターネットアカデミー
こちらは国内初のWebスクール「インターネットアカデミー」が提供する、AWS研修サービスです。現場でよく使われている環境や技術から学べるため、実践力を鍛えられる点が特徴となっています。
基礎や使い方はもちろん、ベンダーマネジメント向けのカスタムなども学べることから「社員のためのAWS研修」としてNTTやSHARP、KDDIなどあらゆる大手企業から選ばれています。
これらの他にも「機械学習専門でAWSを学びたい」という方は、以下の記事も参考になりますので、ぜひご一読ください。
AWSサービスを選ぶときにチェックすべきポイント
AWS研修サービスを選ぶ際は、以下のポイントをチェックしておくのがいいでしょう。
- 現状の自身のレベルや目的に合った内容か
- 受講後のサポート体制が充実しているか
- 研修や講師の実績が公開されているか
それぞれご紹介します。
現状の自身のレベルや目的に合った内容か
ひとことでAWS研修サービスといっても、目的やコンセプトはさまざまです。
たとえば「初心者から自力でサーバー構築ができるようになる」といった内容のものから「現場での即戦力を目指す」「AWS資格の取得を目指す」など、種類も難易度もそれぞれ異なります。
そのため、まずは自分自身が「AWSを習得して何をしたいか、どうなりたいのか」を明確にすることが大切です。
受講後のサポート体制が充実しているか
受講中だけでなく「受講後のサポート体制」が充実しているかどうかも、AWS研修サービス選びにおいて重要なポイントになります。たとえ研修を経て転職したり資格を取得できても、その後ほぼ必ず不明点や悩みなどの壁に当たるからです。
そこで受講後「一定期間、講師に質問し放題」だったり「カリキュラムを自由に見返せる」などのサポートがあれば心強いでしょう。
研修や講師の実績が公開されているか
「研修や講師についての実績が公式サイトなどでわかりやすく公開されているかどうか」も、見るべきポイントです。具体的には、以下のようなものです。
- どのくらいの人が利用しているか
- 利用者満足度はどのくらいか
- 講師はどんな実績、肩書をもつ人なのか
必ずしも上記すべて公開されていれば良質とは限りませんが、やはり傾向として、利用者数と実績が豊富であるほどサービス内容が優れている可能性は高いです。研修サービスを選ぶ際は、ひとつの参考にすべきといえます。
まとめ
AWS研修サービスを活用することで、AWSのサービスの内容、ビジネスで有効活用するために必要なノウハウ、また実践的な技術系操作などを網羅的に学べます。研修サービスを選ぶときは、自身のレベル感と目的を定めたうえで、講師の質やサポート内容を吟味しながら選ぶことが大切です。
AWSはビジネス成功および生産性向上に欠かせないツールとして、国内外を問わず絶大なシェアを誇ります。確かな成果を得るためにも、研修を通じてAWSをしっかり学び、上手に正しく活用することがカギとなります。