近年、IT技術の進化により、ビジネスにおけるクラウドサービスの活用が不可欠になっています。中でも、AWS(Amazon Web Services)は、世界中の企業で利用されている、最も人気のあるクラウドサービスの一つです。
本記事では、AWSの概要、サーバー構築の方法、AWSを使うメリット、そして基本的な機能について解説します。
AWSとは?
AWS(Amazon Web Services)は、アメリカのテクノロジー企業・Amazonが提供するクラウドサービスの名称です。Webサイトやアプリの運営、データの保存・分析、人工知能や機械学習の開発など、実に175種類以上の機能を搭載しています。希望した分だけサービスを使える従量課金制なので、コストを抑えたい企業にも最適です。
サービスの信頼性、スケーラビリティ(拡張性)、セキュリティにおいて業界最高水準を誇るAWSは、スタートアップ企業から大企業、教育機関、公的機関まで、あらゆる組織で利用されています。クラウド初心者から経験者、システム管理者、データサイエンティスト、セキュリティ専門家など、あらゆるスキルレベルの人が利用できるのも魅力です。
AWSは世界中にサポート拠点があり(日本語を含む26言語に対応)、トレーニング教材やコミュニティも豊富に存在します。しかし、AWSを初めて導入する場合は、インフラ構築の基礎知識がないと設定や運用に苦労するケースが多いです。スムーズなAWS導入を実現するためにも、事前に以下の記事でAWSのインフラ構築について学んでおきましょう。
AWSセミナーについて知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
AWSを使うメリット
本項では、AWSを使うメリットについて解説します。
柔軟性とスケーラビリティ
AWSのメリットは、ビジネスの成長や変化に対応できる柔軟性とスケーラビリティ(拡張性)の高さです。AWSは、ビジネスの成長に合わせてリソースを簡単に増減できるように、幅広い種類のコンピューターリソースを提供しています。
新サービスのリリースやキャンペーンの実施などで一時的に負荷が増大した場合にも、必要なリソースを追加すれば対応可能です。ビジネスを成長させ、競争力を高めたい企業にとってメリットが大きいといえるでしょう。
コスト効率
AWSを利用すると、コスト効率が向上することもメリットの一つです。オンプレミスの場合は自社でサーバーを保有・管理するので、サーバーの設備費用がかかります。また、サーバーのスペックをアップさせる際には、交換するための手間も必要です。
しかし、AWSはクラウド上にサーバーを構築するため、コンソール上から簡単にスケールアップできます。必要なリソースを迅速に追加できるため、「無駄なコストを削減したい」という企業に最適です。
セキュリティと信頼性
AWSのメリットは、業界最高レベルの安全性を提供していることです。データセンターからアプリケーションまで、物理的なアクセス制限、データの暗号化、アクセス権限の厳格な管理など、多層的なセキュリティ対策を施しています。
さらに、世界各地にデータセンターを配置することで、高い可用性を実現しました。そのため、ユーザーは安心してビジネスを展開することができます。これらの強固なセキュリティと可用性は、ビジネスの継続性と信頼性を確保するために重要です。
AWSで利用する基本的な機能の紹介
それでは、AWSで利用する基本的な機能について解説していきましょう。
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)
Amazon EC2は、AWSが提供する仮想サーバーサービスです。さまざまなOSの仮想サーバーを数分でスピーディに立ち上げることができます。Webサイトの立ち上げ、アプリケーション開発、データ分析、機械学習など、幅広い用途に必要となるCPU、メモリ、ストレージなどのリソースを自由に選択・設定することも可能です。
Amazon S3(Simple Storage Service)
Amazon S3は、AWSのオンラインストレージサービスで、データ量や転送量に応じて課金される従量制のサービスです。データ耐久性が99.99…%と高く、ストレージリソースを必要に応じてスケーリングできます。さらに、複数のストレージクラスを使うことでコストを削減することも可能です。
Amazon RDS(Relational Database Service)
Amazon RDSは、AWSクラウド上で利用できるリレーショナルデータベース(データを表形式で管理するデータベース)のサービスです。データベースの構築から運用、スケーリングまで簡単に行え、幅広いデータベースエンジン(MySQL、PostgreSQL、MariaDBなど)に対応しています。さらに、バックアップ、フェイルオーバーなどの管理タスクも自動化できます。
Amazon VPC(Virtual Private Cloud)
Amazon VPCは、AWSリソースの起動を可能にする仮想ネットワークサービスです。ユーザーは独自のIPアドレス範囲を選択してサブネットを作成することで、論理的に分離された仮想ネットワークを構築できます。さらに、IPv4とIPv6の両方を使用できるため、安全かつ簡単にリソースやアプリケーションにアクセスできます。
AWS Lambda
AWS Lambdaは、サーバーの管理やプロビジョニングが不要な、イベント駆動型のコンピューティングサービスです。特定のイベントが発生した際に自動でコードを実行し、必要なリソースを自動的にスケーリングします。実際の使用時間のみ課金されるため、コスト効率に優れているのが特徴です。
AWSサーバー構築の基本的なステップ
最後に、AWSサーバー構築の基本的なステップについて解説していきます。
アカウント作成
まずは、AWSアカウント作成をしましょう。手順は以下の通りです。
- 日本語を選択
- Eメールアドレスを入力
- AWSアカウント名を作成⇒入力
- Eメールに送付された確認コードを入力
- ログインする際のパスワードを作成する
これでアカウントが作成できました。
EC2インスタンスの作成
続いて、EC2インスタンスの作成に進みます。まずはインスタンスを起動しましょう(①)
すると、Amazonマシンイメージ(AMI)選択画面が開くので、AMI⇒Ubuntu Server 20.04 を選択します。(②)
次に、t2.micro(③) を選択⇒インスタンスの詳細の設定(④)へ進んでください。t2.microはAmazon EC2インスタンスの一つで、AWS 無料利用枠に含まれてます(月750時間分)。
次のステップ:ストレージの選択(⑤)をクリックしましょう。ストレージの選択では、必要なサイズを指定します(汎用SSDの場合30GBまで無料)。
ストレージの追加では、次のステップ:タグの追加(⑥)をクリックしてください。
続いて(⑦)にNameタグを追加してください。そして、次のステップ:セキュリティグループの設定(⑧)へ進みます。
確認と作成(⑨)をクリックして、次にセキュリティポリシーに従って設定を変更してください。
起動(⑩)をクリックします。
インスタンスへアクセスするためのキーペアを作成します。最後にキーペア名(⑪)を入力⇒キーペアのダウンロード(⑫)をクリックしましょう。ダウンロードが終わったら、インスタンスの作成(⑬)をクリックして完了です。キーペアは後程、SSHの接続時に利用するため、大切に保存しましょう。
引用元:qiita
AWSサーバー構築の方法とは?まとめ
この記事では、AWSサーバー構築のメリット、手順、注意事項などを詳しく解説しました。
AWSサーバー構築は、インフラ構築の経験がないとスムーズに進まないことも多いです。導入に不安がある場合は、AWSの基本的な知識からサーバー構築の実践まで、段階的に学べる「AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー」の活用をおすすめします。