AIによるイラスト生成は最近非常に注目されており、既に広告等でも使用されています。
SNSでもリアルなイラストの人物を起用した広告を頻繁に見かけるようになりました。
今回は、AIイラストの基本的な仕組みやおすすめツールを活用したAIイラストのやり方をご紹介します。AIイラストを作成する際の著作権や注意点も解説しますので、参考にしていただければ幸いです。
AIイラストとは?
AIイラストとは、人工知能(AI)が持つ画像生成技術を用いて作成したイラストの事です。
人間が「このようなイラストを作成して欲しい」とコンピュータに指示を出すと、自動的にイラストを作成します。
AIイラストの技術を利用する事で、イラストを作成する知識やスキルが無くても簡単に高品質なイラスト生成が可能になります。
AIイラストの仕組み
AIイラストは具体的にどのような仕組みで作成されるのでしょうか?
AIは、インターネット上の膨大なイラストや漫画、写真、絵画等の画像を大量にインプットし、学習しています。
ユーザーは、イラストの内容のイメージを文字で伝えたり、元にしたい画像を読み込ませる事で、AIが学習に基づき画像生成を行う仕組みです。AIは、ユーザーから受けた指示を自らの学習データで解析し、ユーザーの指示内容の特徴を掴み、イラストを生成しているのです。
例えば、多くの「猫」の画像イメージを学習しているAIに「白い猫」と具体的な指示を出す事でその特徴に合ったイラストを出力する事が可能です。
Stable Diffusion(ステーブル・ディフューション)
ほとんどの画像生成AIがStable Diffusionの技術を元にして作成されています。
Stable Diffusionは、オープンソースが最初から公開されているため、Stable Diffusionを元にしたアプリ等のサービスが作成され、AIイラストの知名度を上げるきっかけになりました。
人物より風景画やアート作品が比較的得意なAIツールです。
AIイラストのおすすめツールを活用したイラスト作成のやり方
AIイラストが作成可能なツールは多数存在します。
AIイラスト生成におすすめのツールと各ツールを活用したイラスト画像生成のやり方をご紹介します。
今回は、画像生成の質が分かりやすいように「美しい白い猫」とテキストを統一して画像生成を行いました。
AIイラストツール1.Stable Diffusion Online
Stable Diffusion Online(ステーブル・ディフューション・オンライン)は、前述したAIイラストを世間に広めるきっかけになったAIツール。完全無料で画像生成AIを使用可能です。
生成回数の制限もなく手軽に画像生成が可能です。
- テキスト(プロンプト)を入力し、プルダウンよりスタイルを選択
スタイルとは画像の風合いのこと。
多数のスタイルが存在し、スタイルを変更するだけで異なるテイストの画像生成が可能です。 - Genetateボタンをクリックし、画像生成を行う
AIイラストツール2.Bing Image Creator
Bing Image Creator(ピング・イメージクリエーター)は、Microsoft社の画像生成AIツール。
このツールは、ChatGPTをリリースしたOpenAI社の「DALL・E3モデル」を採用しており、Bing AIに付随されたサービスでもあります。
Microsoftのアカウントをお持ちでしたら、ログインですぐ画像生成でき、Stable Diffusion同様基本的に無料で使用可能です。テキスト(プロンプト)入力欄の横に「ブースト」というクレジット消費がありますが、生成回数の制限ではなく、生成スピードを早めるためのクレジットになります。
ブーストを完全に消費すると画像生成スピードが多少落ちますが、ブーストは定期的に補充されるため、毎日大量の画像生成を行わない限り問題なく使用できるでしょう。
Bing Image Creatorを活用したAIイラストのやり方は以下になります。
- テキスト入力欄に作成して欲しいイメージ内容を文字で指示
- 作成ボタンをクリック
(ブーストは画像生成1回につき1クレジット消費されます。)
自動でプロンプト入力
生成ボタン横の「お任せで探す」をクリックすると、AIが自動でテキスト(プロンプト)を入力します。この際のプロンプトは英語ですが、画像生成のテキスト入力をする際に、どのような画像生成を行うかテキスト入力の仕方に迷ったらぜひ活用して下さい。
実際に「お任せで探す」を使用してみましたが、商品デザインの参考にも活用できそうなアルファベットのデザインが出力されました。
なお「お任せで探す」ボタンをクリックする度に生成内容のテキスト内容は変更される仕組みです。
「作成」ボタンをクリックする事で「ブースト」は初めて消費されますので、ご自分の好みのテキストイメージが表示されるまで、「お任せで探す」ボタンは何度クリックしても構いません。
Bing AIのチャット上でも使える
Bing AI上でもBing Image Creatorを起動できます。Bing AIはChatGPTのようなAIチャットサービスです。
Bing AI上でBing Image Creatorを活用したAIイラストのやり方は以下になります。
- Bing AIにMicrosoftアカウントでログイン
- 会話のスタイルを選択し、画像イメージのテキストを入力
会話のスタイルを創造的に設定しました。
スタイルを変更する度、画像スタイルも変更されるため、色々試してみると良いでしょう。 - テキスト入力を行い決定ボタンをクリックすると、画像が生成される
なお、BIng AIはアプリもリリースされており、スマートフォンでもBing Image Creatorが使用可能です。
AIイラストツール3.Adobe Firefly
Adobe Firefly(アドビ・ファイヤフライ)は、Photoshop等のサービスを提供しているAdobe社が提供する画像生成AIツール。Google、Facebook、Appleのアカウントをお持ちであればログインして使用可能です。
Adobe社独自の画像生成モデルを使用しており、Adobe Stock内の画像と著作権の切れた作品等を用いて学習されているのが特徴。そのため、学習内容に著作権が含まれる画像も学習に使用している他の画像生成AIと比較すると安心感があります。
Adobe Fireflyを活用したAIイラストのやり方は以下になります。
- プロンプト入力欄に画像イメージのプロンプトを入力
- 右側のメニューでスタイルや縦横比、色のトーン、明度等の詳細が調整できるので、必要に応じて設定
- 「更新」ボタンをクリックして画像生成する
Adobe Fireflyは、高品質な画像が簡単に作成できるため、使いこなす事で実用的なデザインができます。
AIイラストの著作権は?
基本的にAIで作成したイラストは、生成した個人が自由に使えます。
AIイラストが利用可能な範囲は、各サービスにより多少異なるため、利用規約を確認して下さい。
一方で、著作権やプライバシー等の規制は曖昧なのが現状です。
先述したように、AIはインターネット上の様々な画像を大量にインプットし、イラスト生成に反映しています。
そのため、出力時にこちらが意図しないイラストが生成される事も稀にあり、著作権やプライバシーの侵害に触れるイラストが生成される恐れもあります。
尚、イラストを元に画像生成する際もこのような問題に触れる可能性もあるでしょう。
商用利用としてAIイラストの有料販売等をお考えの方は特に注意が必要です。
AIイラスト作成における注意点
AIによるイラスト作成は、大変便利な技術ですが、一方で様々な注意点が存在します。
AIイラストにおける注意点をご紹介します。
AIイラスト作成の注意点1.画像生成イメージの明確化
AIを用いたイラスト生成の際は、どのようなイラストを作成したいのか明確なイメージを想定しておく必要があります。AIは、膨大な画像データに基づき学習しているため、ユーザーの指示が曖昧だとAIが解析等を十分に行えません。
そのため、質の低い画像や不明瞭な画像が出力される等、ユーザーが意図しない画像が生成される可能性があるのです。例えば「猫」の画像を出力する時も「美しい、白い」等の特徴を捉えた具体的なキーワードを記述する事で、ユーザーの理想に近い画像が生成されるでしょう。
テキスト入力する際はこのような点に注意し、簡潔で具体的なイメージをAIに伝えて下さい。
AIイラスト作成の注意点2.画像の仕上がりが不安定
AIによるイラスト生成は、今なお発展途上の技術です。
先述したようにイメージを明確化し、テキスト入力のスキルを向上させる事で、多少画像の仕上がりを改善させる事も可能ですが、今の技術では不十分な場合もあります。
AIによるイラストを活用する企業が増えてきたとはいえ、画像生成スピードにも時間を要したり画像の仕上がりが安定しない等の課題があり、ビジネス等での活用を拡げるには更なるAI技術の進歩が必要不可欠になります。
AIイラストはツールを使用すれば誰でも簡単に作れる!
今回は、AIイラストの基本的な仕組みやおすすめツールを活用したAIイラストのやり方、AIイラストを作成する際の注意点をご紹介しました。
今回ご紹介したAIイラストツールは、全て無料で使用可能ですので、ぜひご自分の使用しやすいツールを見つけてAIイラストを実際に生成してみてください。
AIによる画像生成は著作権やプライバシー等の課題や、品質が不安定になる問題もありますが、AIの技術は凄まじく日々進化しています。
AIイラストの仕上がりも向上しているため、ビジネスで活用する企業が拡大するでしょう。
AIの技術に乗り遅れないためにも今回ご紹介したAIイラストツール等に触れて、AIの技術を実務で活かせるようにしておくと便利です。