現代では、デジタル技術を用いたビジネス変革の手段のひとつである「DX」に取り組む企業が増えています。その一方で「取り組みたいものの、どう始めたらいいかわからない」という企業が多いことも事実です。
そこで役に立つのが、DXコンサルティングの依頼です。今回の記事では、コンサルティングの概要や依頼の際の注意点などを詳しくご紹介します。
本記事を読むことで、DXコンサルの概要、また依頼する際の注意点がわかり、失敗を防ぐことにつながります。ぜひ最後までお読みのうえ、参考にしてください。
そもそもDX（デジタルトランスフォーメーション）とは？
DXとは、一言でいうと「デジタル技術でビジネスを変革させること」をいいます。
具体的には、デジタル技術やデータを用いて、ビジネスモデルや仕組み、サービス内容を根本的に変えることです。これにより、顧客が抱える悩みや不満を解消することを目指しています。
また、よく混同される言葉として「デジタル化」や「業務効率化」があります。これらとの大きな違いは、「ビジネスモデルを根本的に変えるかどうか」といっていいでしょう。
| 目的 | |
| DX | デジタル化でビジネスモデルや組織の変革を図ること |
| デジタル化 業務効率化 | デジタル化で作業時間の短縮を図ること |
作業の一部を効率化するだけでなく、ビジネスモデルや仕組みを根本から変え、顧客に新しい価値を提供するのがDXです。なお、DXの概要をより詳しく知りたい方は、以下の動画も参考になります。
DXコンサルティングの概要
DXコンサルティングとは「DX推進に向け、助言や手助けを行う人や企業」のことを指します。
たとえばDXに取り組みたいと思っても、知識がまったくない方や企業ですと、推進させることは困難でしょう。ここでコンサルティングを依頼することで、効率的な進め方や注意点などを助言してくれるため、安心して推進させることが可能になります。
専門家の手助けにより失敗を避けることができるため、DXに着手する多くの企業がコンサルティングを依頼しています。
DXコンサルティングの主な仕事内容
コンサルティングで行われる仕事内容は、主に以下のとおりです。
- デジタル技術を駆使したビジネスモデルの変革
- マーケティング代行
- データの分析および解析
- 最新技術の動向チェックや市場分析
- 最新技術を用いたシステムの設計や開発
- DX人材の育成
ひとえにDXといっても、企業によって多種多様な方向性や目標があるものです。企業それぞれに合わせたDX推進を提供することが、コンサルティングの本質となります。
DXコンサルティングを依頼するメリット
コンサルティングを依頼することには、次のようなメリットがあります。
- DX推進をよりスピーディーに進められる
- 第三者によるコンサルティングで正確性が向上する
- DXに関する知見を自社全体で深められる
それぞれ順を追って解説します。
DX推進をよりスピーディーに進められる
コンサルティングを依頼することで、推進がスピーディーになるのがメリットです。コンサルティングのプロは、DXを効果的かつ効率的に推進するためのノウハウや理論を熟知しているからです。
具体的にコンサルティング会社は、以下のような点に特化しています。
- デジタル技術やITシステムの知見
- 成果につながる戦略の策定
- 導入のステップフローの最適化
- プロジェクトの効率的な進め方
- 各ステップにおける課題の特定・解決
他にも、各企業の課題や目的に合わせ、柔軟にDXへの取り組みを最適化してくれます。そのためコンサルティング会社に依頼するか否かで、スピード感に雲泥の差が生じるでしょう。
第三者によるコンサルティングでDXの正確性が向上する
正確性が大きく向上することも、コンサルティングをプロに依頼するメリットになります。コンサルティングをプロに依頼するということは、「第三者からのコンサルティングを受けられる」ということだからです。
たとえば、社員の9割が反対しているビジネスモデルでも「今の上層部が立ち上げたものだから」という理由だけで継続している事例もあります。このような企業の私的な事情や、社員による私情にとらわれず、必要なモデルと不必要なモデルを区別できる点はメリットでしょう。
DXに関する知見を社内全体で深められる
社内全体でDXに関する知見を深められることも、コンサルティングを依頼するメリットです。
コンサルティングを依頼することは、「DXを丸投げする」ことではありません。プロのコンサルタントを通じて、社員もDXの知見を学ぶことができます。これにより、社内全体のノウハウ蓄積が期待できるでしょう。
社内全体で知見を深められることは、将来的なビジネス戦略として有効です。
おすすめのDXコンサルティング会社の代表例
近年ではさまざまなコンサルティング会社が存在しますが、中でも代表的な企業を、以下5つに絞ってご紹介します。
- マッキンゼー・アンド・カンパニージャパン
- アクセンチュア株式会社
- ユナイテッド株式会社
- デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
- AI研究所
マッキンゼー・アンド・カンパニージャパン
マッキンゼー・アンド・カンパニージャパンは、グローバルコンサルティング企業のひとつで、東京オフィスを港区に構えています。上場企業、非公開企業、さらには政府機関などのコンサルティングなど、大手コンサルティングサービスにおいて数多くの実績があります。
将来性の高い自動車や医療、金融など幅広い業界に対応。グローバル企業ならではの体制を活かしたプロジェクトチームを設け、効果的な戦略を提供しています。
アクセンチュア株式会社
アクセンチュア株式会社は、東京都港区にオフィスを構える外資系コンサルティング企業です。外資系ならではの効果的なソリューションと多彩なノウハウを活かし、各企業の課題や悩みを効果的に解決につなげます。
120カ国を超えるグローバルな実績で多種多様なユーザーニーズに対応している、コンサルティング会社の中でも代表的な存在として挙げられます。
ユナイテッド株式会社
ユナイテッド株式会社は、東京都渋谷区に拠点を構えるコンサルティング会社です。ソリューションの提供をはじめ、独自のオウンドメディアの提供、自社サービス開発など、多彩なサービスを展開しています。
ユナイテッド株式会社は具体的に、コンサル事業を通じたプログラミングスクールやアプリ開発、人材マッチングの会社なども運営。こういった背景から、あらゆる企業のDXにおける幅広いニーズをカバーしています。
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社は、総合ビジネス系の大手「デロイト トーマツ グループ」によるコンサルティング会社です。企業それぞれの目的や課題に合わせたコンサルティングサービスはもちろん、新たなビジネス創出における全面的な支援も行っています。
提言から戦略立案、さらには実行フェーズまでを一貫して支援してくれるうえ、世界シェアの高い大手企業ならではの安心感も強みです。ゼロからDXに取り組みたい企業におすすめです。
AI研究所
AI開発サポート企業「AI研究所」が運営する「企業向けDX・AI人材育成研修サービス」も、はじめてコンサルティングを依頼する方におすすめです。短期的～中長期的なプロジェクトまで、企業のニーズに沿ったDX・AIの人材育成の研修プランを提供しています。
「企業向けDX・AI人材育成研修サービス」では、より効率的なDX実現のために、
- 「ビジネスを創出する力」
- 「活用のための幅広い汎用的な技術力」
- 「デジタルの専門的な技術力」
の3要素を分析のうえ、最適なプラン内容を組んで提供しているのが特徴です。
また現在、DX・AI人材育成研修の無料相談を受付中です。数々のAI・人材育成現場をこなすプロのコンサルタントが、他社事例や御社の状況をもとにした無料アドバイスにも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
また、ここまで紹介したようなコンサルティング会社の活用でDXを成功させている企業は、以下の記事でも詳しく紹介しています。
DXコンサルティングを依頼する際の注意点
コンサルティングを依頼する際は、以下のような点に注意が必要です。
- DXで実現したい未来像を明確にしておく
- 各DXコンサルティング会社の得意分野を把握しておく
- コンサルタントにすべて丸投げはしない
それぞれご紹介します。
DXで実現したい未来像を明確にしておく
まずは、実現したい未来像を明確にしておく必要があります。
どういった目的やゴールのもとで取り組むのかがはっきり定まっていないと、進めていくうちに方向性を見失ってしまう可能性があるため、注意が必要です。
はっきりとした目的や未来像がイメージできない方は、実際に取り組み、成功した企業を参考にしてみるのもひとつです。以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご一読ください。
各DXコンサルティング会社の得意分野を把握しておく
コンサルティングを依頼する際は、各コンサルティング会社の得意分野を把握しておくことも重要になります。「コンサルティング会社」といっても、プロダクト開発やビジネスモデル変革、基盤システム開発など会社によって得意分野はさまざまだからです。
依頼の前にホームページや過去の実績などを確認し、自社で達成したい目的にマッチしているか必ず確認することが大切です。
コンサルタントにすべて丸投げはしない
「コンサルタントにすべて丸投げ」の姿勢では、DX成功は遠のいてしまうので、注意が必要です。成功には、社員一丸で「成功させよう」という思いのもとで取り組む姿勢が不可欠だからです。
またコンサルタントへの依頼は、第三者からの支援ということもあり、企業理念や風土にそぐわない施策を施される可能性もゼロではありません。お金を払って依頼しているとはいえ、丸投げせずにコンサルタントと協力し合う姿勢をもつことが大切です。
まとめ
デジタル技術の発展、IT化の促進がどんどん進んでいる背景から、今後もDXに取り組む企業はより増えていくでしょう。
ただDXに着手する際は、周囲の理解や環境の構築、計画立案など、考えることがたくさんあります。そのためゼロからの着手には、コンサルティングを依頼するのがもっとも手っ取り早く、かつ確実性が高いといえます。
コンサルタントの力を借りながら、達成したいゴールや目的をはっきりさせ、企業一丸で信念をもって取り組むことが重要です。
