【2023年最新】DX企業とは?選定条件や最新のDX銘柄・DX注目企業一覧

DXとはデジタルトランスフォーメーションの略称であり、デジタル技術を活用したビジネスモデル等の抜本的な変革や、新たな成長・競争力につなげる取り組みを指します。
では、実際のDXに対する取り組みや成功事例にはどのようなものがあるのでしょうか?

今回は、「DX銘柄2022」「DX注目企業2022」の概要や実際の企業の取り組みについて紹介していきます。
企業のDXに興味のある方や、これからDXの推進を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

まず「DX企業」とは?

まず「DX企業」とは?

DX企業とは、単なる優れた情報システムの導入やデータの活用を行うだけではなく、DX推進を通じてビジネスモデルや経営の変革に挑戦する企業を指します。
経済産業省では、東京証券取引所と情報処理推進機構と共同で

  • DX銘柄2022
  • DX注目企業2022

を選定し公表しています。
参照元:「DX銘柄2022」「DX注目企業2022」を選定しました!(経済産業省)

DX企業と名乗る場合は、アナログ的な業務やフローを全てデジタル化しておく必要があります。
そもそもDX化とは何をしたらいいの?と思った方はこちらの記事も参考にしてください。

【2023】DX化とは?デジタル化・IT化との違いと企業の事例をわかりやすく解説

DX銘柄2022とは

DX銘柄2022とは、東京証券取引所に上場する企業のうち、DX推進の取り組みが優れている企業を業種区分ごとに選定したものです。
優れたDX推進の取り組みとは、企業価値の向上に繋がるデジタル活用の仕組みの構築や、実績が表れていることを指します。
DX銘柄2022に選定された企業は、単なる優れた情報システムの導入やデータの活用に留まりません。
DXの推進により、ビジネスモデルや経営の変革に挑戦し続けている企業です。
2022年は33社が選定されており、その中でも特に優れた取り組みを行った企業を「DXグランプリ2022」として選定しています。

DX注目企業2022とは

DX注目企業2022とは、DX銘柄2022に選定されていない企業のうち、DX推進を通じて企業価値の貢献につながる取り組みを実施している企業を選定しています。
2022年は、15社が選定されています。

DXグランプリ2022・DX銘柄2022・DX注目企業2022

DXグランプリ2022・DX銘柄2022・DX注目企業2022

ここでは、DXグランプリ2022・DX銘柄2022・DX注目企業2022に選定された実際のDX企業を引用しています。
どんな企業がランクインしているのか確認してみましょう。

DXグランプリ2022に選ばれたDX企業

DX銘柄2022に選定された企業のうち、DXグランプリ2022に選定された企業は下表のとおりです。

企業名業種証券コード
中外製薬株式会社医薬品4519
日本瓦斯株式会社小売業8174

DX銘柄2022に選ばれたDX企業

DX銘柄2022に選定された企業は、下表のとおりです。

企業名業種証券コード
清水建設株式会社建設業1803
サントリー食品インターナショナル株式会社食料品2587
味の素株式会社食料品2802
旭化成株式会社化学3407
富士フイルムホールディングス株式会社化学4901
ENEOSホールディングス株式会社石油・石炭製品5020
株式会社ブリヂストンゴム製品5108
AGC株式会社ガラス・土石製品5201
株式会社LIXIL金属製品5938
株式会社小松製作所機械6301
株式会社IHI機械7013
株式会社日立製作所電気機器6501
株式会社リコー電気機器7752
株式会社トプコン精密機器7732
凸版印刷株式会社その他製品7911
株式会社アシックスその他製品7936
株式会社日立物流陸運業9086
SGホールディングス株式会社陸運業9143
株式会社商船三井海運業9104
ANAホールディングス株式会社空運業9202
KDDI株式会社情報・通信業9433
ソフトバンク株式会社情報・通信業9434
トラスコ中山株式会社卸売業9830
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ銀行業8354
東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社証券、商品先物取引業8616
SBIインシュアランスグループ株式会社保険業7326
東京海上ホールディングス株式会社保険業8766
東京センチュリー株式会社その他金融業8439
株式会社GA technologies不動産業3491
三井不動産株式会社不動産業8801
応用地質株式会社サービス業9755

DX注目企業2022に選ばれたDX企業

DX注目企業2022に選定された企業は、下表のとおりです。

企業名業種証券コード
株式会社ミライト・ホールディングス建設業1417
キリンホールディングス株式会社食料品2503
株式会社ワコールホールディングス繊維製品3591
日立建機株式会社機械6305
株式会社荏原製作所機械6361
日本電気株式会社電気機器6701
横河電機株式会社電気機器6841
大日本印刷株式会社その他製品7912
日本郵船株式会社海運業9101
アジア航測株式会社空運業9233
BIPROGY株式会社情報・通信業8056
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ情報・通信業9613
アスクル株式会社小売業2678
プレミアグループ株式会社その他金融業7199
トランス・コスモス株式会社サービス業9715

DX銘柄2022で選定されるポイント

ここでは、DX銘柄2022の選定プロセスについて解説していきます。
選定に際しては、前段階で「デジタルトランスフォーメーション調査2022」を行い、一次評価および二次評価を経て行われています。

「デジタルトランスフォーメーション調査2022」の実施

「デジタルトランスフォーメーション調査2022」では、東京証券取引所に上場する企業約3,800社を対象に調査を実施しています。調査に対する回答を得られた企業401社のうち、経済産業省が定める「DX認定」を取得している企業を選定対象としています。

一次評価「選択式項目」および財務指標によるスコアリング

一次評価では、アンケート調査の「選択式項目」および直近3年間のROE平均値に基づき、スコアリングを実施します。
スコアリングが一定基準以上の企業を、候補企業として選定しています。

なお、スコアリング基準については、別途DX銘柄評価委員会にて定めています。

 一次評価のポイント

ここでは、一次評価のポイントについて紹介していきます。
一次評価では、

  • 経営ビジョン・ビジネスモデル
  • 戦略
  • 戦略実現のための組織・制度等
  • 戦略実現のためのデジタル技術の活用・情報システム
  • 成果と重要な成果指標の共有
  • ガバナンス

に対して評価を行っています。

二次評価及び最終選考

二次評価では、一次評価で選定された候補企業について、アンケート調査の「記述回答(企業価値貢献、DX実現能力)について、DX銘柄評価委員が評価を実施します。
この結果を基にして、DX銘柄評価委員会による最終審査を実施し、業種ごとに優れた企業を「DX銘柄2022」として選定しています。

また、「DX銘柄2022」に選定されていない企業の中から、特に企業価値貢献部分において、注目されるべき取り組みを実施している企業について、「DX注目企業2022」として選定しています。
さらに、「DX銘柄2022」に選定された企業の中から、「業種の枠を超えてデジタル時代を先導する企業」を「DXグランプリ2022」として選定しています。

二次評価のポイント

続いては、二次評価のポイントについて紹介していきます。
二次評価では、

  • 企業価値貢献
  • DX実現能力

をポイントにして評価を行っています。

DX企業の一覧はある?

DXに取り組んでいる企業の一覧を出すことは難しいですが、社名に「DX」が入っている会社の一覧に関しては法人検索サイトの「Graffer」で確認することが可能です。
下記では一部のDX企業を引用しています。

会社名所在地
イシノマキDX合同会社宮城県
コミットメント・DX株式会社東京都
シン不動産DX株式会社東京都
ジャパンDX株式会社神奈川県
セントケアDX株式会社東京都

それぞれどのようなDX化をしているのか、1つ1つ確認してみるのも良いでしょう。

実際のDX企業が行った施策

ここでは実際にランクインしたDX企業が具体的にどんなことを行なっていたのか、施策を調査してみました。

中外製薬株式会社が行った施策

ここでは、DXグランプリ2022に選定された、中外製薬株式会社の取り組みについて紹介していきます。

AIを活用した革新的創薬の実現

同社では、AIやロボティクス等を活用し、

  1. 創薬プロセスの革新
  2. 創薬の成功確率向上
  3. プロセス全体の効率化

を目指しています。
抗体創薬プロセスに機械学習を用いることで最適な分子配列を得るAI創薬支援技術「MALEXA®」の自社開発・活用に加え、Digital Pathology技術として画像解析技術を用いた細胞判定や、薬理試験後の臓器選別や計測・判定での深層学習アルゴリズムの開発、Text mining AI技術を用いた論文のクラスタリング・ネットワーク解析等、各種デジタル技術の開発・導入にも取り組んでいます。

リアルワールドデータ(RWD)の活用

同社では、「高品質なRWDを利活用できる環境を共創し一人ひとりの患者さんと疾患の深い理解を通じ個別化医療を実現する」というビジョンを掲げ、RWDの解析によって医薬品の承認申請に寄与し得るエビデンスの創出や、社内意思決定における根拠情報として活用しています。

将来的には、さまざまな企業・行政・医療機関等と連携を進め、RWDのさらなる活用に向けた環境の整備を行い、承認申請の効率化による革新的な医薬品の上市までの期間短縮、治療効果・QOLの向上を進め、利用者ごとに最適化された高度な個別化医療の実現を目指していくとしています。

デジタルバイオマーカーの開発によるアウトカム可視化

同社では、デジタルバイオマーカーの開発により、疾患の有無やその状態を客観的に評価する取り組みを推進しています。
主に製品価値の証明、疾患理解の深化等の観点から、痛みの可視化や、運動と出血の関連性評価等をするウェアラブルデバイスやアルゴリズムの開発、電子的な患者情報アウトカムの活用に取り組むとしています。

日本瓦斯株式会社が行った施策

続いては、DXグランプリ2022に選定された、日本瓦斯株式会社の取り組みについて紹介していきます。

プラットフォーム事業の拡大

同社では、他社との差別化の源泉であった独自の高効率な仕組みをプラットフォームとして他社と共同で利用する取り組みを行っています。

遠隔自動検針などを可能にするガスメーター「スペース蛍」では、当社既存ガス顧客100万件以上に導入している他、 2021年からは他社への提供を開始し、 2022年3月末時点で全国15社・7万台超を設置しています。

2021年3月に稼働したLPガスハブ充填基地「夢の絆・川崎」を起点とするLPガスオペレーションでは、DXを活用し、スペース蛍から収集したガス使用量の他、ガスボンベやボンベ配送車両の位置情報など、あらゆるデータを繋げた独自の高効率な仕組みを実現しており、当社はこの高効率な仕組み(充填・配送・保安・検針・システムなど)を他社に提供する、「LPG託送」に挑戦しています。

エネルギーソリューションへの挑戦

同社では、「エネルギー事業」という既存の概念からエネルギーソリューションへとビジネスモデルを進化させる挑戦をしています。

デジタルを軸に、規制に依存しない分散型エネルギーの事業モデルを構築し、ガスや電気といった垣根を超えた従来のインフラや規制に代わるデータの一元管理、オープンな共創連携基盤の構築を進め、広くコミュニティ全体に効率的にエネルギーを提供していくことを目指しています。

DX企業についてのよくある質問

ここではDX企業についてよくある質問に回答してみました。

DX注目企業に選ばれたいのですがどうしたらいい?
まずはどんなアナログ施策をデジタル化するのかを考え、インパクトのある大きな施策にしてみましょう。
そして「大きな施策をDX化した」と広告やSNS・テレビ等のメディアで大きくPRすることも大切です。
DX企業になるために何をしたらいい?
簡単な施策はペーパーレス化からですが、最新のDXサービスを利用するのも良いでしょう。
簡単にすぐDX化をすることができます。

DX企業についてまとめ

今回はDX企業の定義や「DX銘柄2022」「DX注目企業2022」の概要と企業が行なっている施策について紹介しました。
急速なデジタル技術の発達に伴い、企業のDXは中長期的な企業価値向上において必要不可欠となっています。
真の意味でのDXは、単なる優れた情報システムの導入やデータの活用を行うだけではなく、ビジネスモデルや経営の変革に対する挑戦が必要です。
今回お伝えした内容を参考に、ぜひDX企業になるための取り組みを検討してみてください。

【2023年最新】DX企業とは?選定条件や最新のDX銘柄・DX注目企業一覧
最新情報をチェックしよう!