【2024】DX企業とは?選定条件や最新のDX銘柄・DX注目企業一覧

DXとはデジタルトランスフォーメーションの略称であり、デジタル技術を活用したビジネスモデル等の抜本的な変革や、新たな成長・競争力につなげる取り組みを指します。
では、実際のDXに対する取り組みや成功事例にはどのようなものがあるのでしょうか?

今回は、「DX銘柄2023」「DX注目企業2023」の概要や実際の企業の取り組みについて紹介していきます。
企業のDXに興味のある方や、これからDXの推進を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

まず「DX企業」とは?

まず「DX企業」とは?

DX企業とは、単なる優れた情報システムの導入やデータの活用を行うだけではなく、DX推進を通じてビジネスモデルや経営の変革に挑戦する企業を指します。
経済産業省では、東京証券取引所と情報処理推進機構と共同で

  • DX銘柄2023
  • DX注目企業2023

を選定し公表しています。
参照元:「DX銘柄2023」「DX注目企業2023」「DXプラチナ企業2023-2025」を選定しました!(経済産業省)

DX企業と名乗る場合は、アナログ的な業務やフローを全てデジタル化しておく必要があります。
そもそもDX化とは何をしたらいいの?と思った方はこちらの記事も参考にしてください。

【2023】DX化とは?事例や類似語との違いを解説

DX銘柄2023とは

DX銘柄2023とは、東京証券取引所に上場する企業のうち、DX推進の取り組みが優れている企業を業種区分ごとに選定したものです。
優れたDX推進の取り組みとは、企業価値の向上に繋がるデジタル活用の仕組みの構築や、実績が表れていることを指します。
DX銘柄2023に選定された企業は、単なる優れた情報システムの導入やデータの活用に留まりません。
DXの推進により、ビジネスモデルや経営の変革に挑戦し続けている企業です。
2023年は30社が選定されており、その中でも特に優れた取り組みを行った企業を「DXグランプリ2023」として選定しています。

DX注目企業2023とは

DX注目企業2023とは、DX銘柄2023に選定されていない企業のうち、DX推進を通じて企業価値の貢献につながる取り組みを実施している企業を選定しています。
2023年は、15社が選定されています。

DXグランプリ2023・DX銘柄2023・DX注目企業2023

DXグランプリ2022・DX銘柄2022・DX注目企業2022

ここでは、DXグランプリ2023・DX銘柄2023・DX注目企業2023に選定された実際のDX企業を引用しています。
どんな企業がランクインしているのか確認してみましょう。

DXグランプリ2023に選ばれたDX企業

DX銘柄2023に選定された企業のうち、DXグランプリ2023に選定された企業は下表のとおりです。

企業名業種証券コード
株式会社トプコン精密機器7732
日本郵船株式会社海運業9101

DX銘柄2023に選ばれたDX企業

DX銘柄2023に選定された企業は、下表のとおりです。

企業名業種証券コード
株式会社大林組建設業1802
清水建設株式会社建設業1803
味の素株式会社食料品2802
旭化成株式会社化学3407
第一三共株式会社医薬品4568
株式会社ブリヂストンゴム製品5108
AGC株式会社ガラス・土石製品5201
株式会社LIXIL金属製品5938
ダイキン工業株式会社機械6367
株式会社IHI機械7013
株式会社日立製作所電気機器6501
凸版印刷株式会社その他製品7911
大日本印刷株式会社その他製品7912
ヤマトホールディングス株式会社陸運業9064
日本航空株式会社空運業9201
ソフトバンク株式会社情報・通信業9434
双日株式会社卸売業2768
三井物産株式会社卸売業8031
アスクル株式会社小売業2678
株式会社丸井グループ小売業8252
株式会社りそなホールディングス銀行業8308
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ銀行業8354
東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社証券、商品先物取引業8616
MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社保険業8725
東京海上ホールディングス株式会社保険業8766
株式会社クレディセゾンその他金融業8253
東京センチュリー株式会社その他金融業8439
東急不動産ホールディングス株式会社不動産業3289
プロパティエージェント株式会社不動産業3464
H.U.グループホールディングス株式会社サービス業4544

DX注目企業2023に選ばれたDX企業

DX注目企業2023に選定された企業は、下表のとおりです。

企業名業種証券コード
アサヒグループホールディングス株式会社食料品2502
株式会社ワコールホールディングス繊維製品3591
株式会社資生堂科学4911
ユニ・チャーム株式会社科学8113
塩野義製薬株式会社医薬品4507
日本碍子株式会社ガラス・土石製品5333
JFEホールディングス株式会社鉄鋼5411
三菱マテリアル株式会社非鉄金属5711
三菱重工業株式会社機械7011
オムロン株式会社電気機器6645
川崎重工株式会社輸送用機器7012
株式会社アシックスその他製品7936
東京瓦斯株式会社電気・ガス業9531
ANAホールディングス株式会社空運業9202
三菱倉庫株式会社倉庫・運輸関連業9301
株式会社セブン&アイ・ホールディングス小売業3382
株式会社大和証券グループ本社証券、商品先物取引8601
プレミアグループ株式会社その他金融業7199
三菱地所株式会社サービス業8802

DX銘柄2023で選定されるポイント

ここでは、DX銘柄2023の選定プロセスについて解説していきます。
選定に際しては、前段階で「デジタルトランスフォーメーション調査2023」を行い、一次評価および二次評価を経て行われています。

「デジタルトランスフォーメーション調査2023」の実施

「デジタルトランスフォーメーション調査2023」では、東京証券取引所に上場する企業約3,800社を対象に調査を実施しています。調査に対する回答を得られた企業448社のうち、経済産業省が定める「DX認定」を取得している企業を選定対象としています。

一次評価「選択式項目」および財務指標によるスコアリング

一次評価では、アンケート調査の「選択式項目」および直近3年間のROE平均値に基づき、スコアリングを実施します。
スコアリングが一定基準以上の企業を、候補企業として選定しています。

なお、スコアリング基準については、別途DX銘柄評価委員会にて定めています。

 一次評価のポイント

ここでは、一次評価のポイントについて紹介していきます。
一次評価では、

  • 経営ビジョン・ビジネスモデル
  • 戦略
  • 戦略実現のための組織・制度等
  • 戦略実現のためのデジタル技術の活用・情報システム
  • 成果と重要な成果指標の共有
  • ガバナンス

に対して評価を行っています。

二次評価及び最終選考

二次評価では、一次評価で選定された候補企業について、アンケート調査の「記述回答(企業価値貢献、DX実現能力)について、DX銘柄評価委員が評価を実施します。
この結果を基にして、DX銘柄評価委員会による最終審査を実施し、業種ごとに優れた企業を「DX銘柄2023」として選定しています。

また、「DX銘柄2023」に選定されていない企業の中から、特に企業価値貢献部分において、注目されるべき取り組みを実施している企業について、「DX注目企業2023」として選定しています。
さらに、「DX銘柄2023」に選定された企業の中から、「業種の枠を超えてデジタル時代を先導する企業」を「DXグランプリ2023」として選定しています。

二次評価のポイント

続いては、二次評価のポイントについて紹介していきます。
二次評価では、

  • 企業価値貢献
  • DX実現能力

をポイントにして評価を行っています。

DX企業の一覧はある?

DXに取り組んでいる企業の一覧を出すことは難しいですが、社名に「DX」が入っている会社の一覧に関しては法人検索サイトの「Graffer」で確認することが可能です。
下記では一部のDX企業を引用しています。

会社名所在地
イシノマキDX合同会社宮城県
コミットメント・DX株式会社東京都
シン不動産DX株式会社東京都
ジャパンDX株式会社神奈川県
セントケアDX株式会社東京都

それぞれどのようなDX化をしているのか、1つ1つ確認してみるのも良いでしょう。

実際のDX企業が行った施策

ここでは実際にランクインしたDX企業が具体的にどんなことを行なっていたのか、施策を調査してみました。

株式会社トプコンが行った施策

ここでは、DXグランプリ2023に選定された、中外製薬株式会社の取り組みについて紹介していきます。

尖ったDXソリューションで「医・食・住」の課題を解決

トプコンの強み:

  1. ハードウェアとソリューションビジネスの両輪で事業を成長させている。
  2. 光学とセンシングのコア技術に加え、画像処理、機械学習、自動化、遠隔監視などの応用技術を融合。
  3. 「医・食・住」の領域で多様なDXソリューションを提供している。

 

眼健診(スクリーニング)の仕組みづくり

〇課題:
高齢化に伴う眼疾患の増加、眼科医の不足、医療費の高騰。

〇取り組み:
・眼鏡店やドラッグストア、かかりつけ医で眼の健康診断を行える眼健診(スクリーニング)の仕組みを創出。
・フルオート3次元眼底像撮影装置などの機器と、米国のソフトウエア子会社で開発したシステムを活用。
・AI(人工知能)自動診断を手がける外部ベンチャーなどと連携。
・眼疾患の早期発見と医療効率の向上に貢献。

農業の工場化

〇課題:
気候変動による農作物被害と将来の食糧不足。

〇取り組み:
・営農サイクルのクラウドデータ管理と精密GNSSを活用して「農業の工場化」を進める。
・ハンドル操作不要の農機の自動操舵システムやレーザー式生育センサーなどの独自技術を提供。

建設工事の工場化

〇課題:
・高まるインフラ需要に対応する技能者不足。
・自然災害の頻発化・被害の甚大化が社会的課題。

〇取り組み:
・1990年代後半に測量と油圧制御技術の融合によるICT施工による建機の3次元自動化システムを完成。
・3次元計測技術とネットワーク技術を組み合わせ、「建設工事の工場化」を実現。建設現場の情報をリアルタイムでネットワークでつなぎ、現場管理を効率化。

日本郵船株式会社が行った施策

続いては、DXグランプリ2023に選定された、日本瓦斯株式会社の取り組みについて紹介していきます。

経営戦略

  1. 機会とリスクを考慮した事業戦略の方向性(AX、BX)を各事業に定める。
  2. 人的資本の充実、グループ経営の変革、ガバナンスの強化(CX)。
  3. デジタル基盤の整備推進(DX)などのコーポレート基盤の強化。
  4. 脱炭素に向けた取組みの加速(EX)を推進。
  5. 2026年度までに1.2兆円規模の事業投資を実施。
  6. 資本効率向上を意識した株主還元を実施。

 

船舶パフォーマンスマネジメントシステム「SIMS」

「SIMS(Ship Information Management System)の導入による効果」:

・2008年から運用を開始し、船陸間で詳細な運航状態や燃費に関するデータを毎時タイムリーに共有可能となった。
・情報の見える化により、本船乗組員と船主、運航担当者、船舶管理会社間の密な情報共有が実現。
・最適経済運航・省エネ運航を促進し、当社グループが運航する199隻(2021年12月末時点)にSIMSを搭載しています。

船陸間の船舶管理業務の共通プラットフォーム「NiBiKi」

〇課題:

・船舶管理業務における煩雑な業務フロー:報告書や申請書の作成、承認依頼、書類保管などが手間と時間を要していた。
・情報の非効率な管理:報告内容の分析や活用が不十分であり、情報共有が十分に行われていなかった。

〇取り組み:

・NiBiKi(ニビキ)システムの開発:船員の安全管理マニュアルに基づいた報告や承認依頼を電子システム化し、業務負荷を軽減。
・ガイドに従ったフォーム入力:船員はシステム内の所定フォームに短時間で正確な報告・承認依頼を行えるようになった。
・情報共有とビッグデータ解析:NiBiKiシステムに蓄積された情報を運航会社・船舶管理会社間で共有し、ビッグデータ解析により有用な情報を得ることが可能になった。
今後の計画:船員の教育や訓練をシステムに組み込み、より包括的なシステム構築とデータの活用を進める予定。

DX企業についてのよくある質問

ここではDX企業についてよくある質問に回答してみました。

DX注目企業に選ばれたいのですがどうしたらいい?
まずはどんなアナログ施策をデジタル化するのかを考え、インパクトのある大きな施策にしてみましょう。
そして「大きな施策をDX化した」と広告やSNS・テレビ等のメディアで大きくPRすることも大切です。
DX企業になるために何をしたらいい?
簡単な施策はペーパーレス化からですが、最新のDXサービスを利用するのも良いでしょう。
簡単にすぐDX化をすることができます。

DX企業についてまとめ

今回はDX企業の定義や「DX銘柄2023」「DX注目企業2023」の概要と企業が行なっている施策について紹介しました。
急速なデジタル技術の発達に伴い、企業のDXは中長期的な企業価値向上において必要不可欠となっています。
真の意味でのDXは、単なる優れた情報システムの導入やデータの活用を行うだけではなく、ビジネスモデルや経営の変革に対する挑戦が必要です。
今回お伝えした内容を参考に、ぜひDX企業になるための取り組みを検討してみてください。

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