動画作成ソフトを提供するオープンエイトが生成AIを活用し、企業用の動画の作成を効率化するサービスを始めるというニュースが発表されました。現在、様々な生成AIの動画生成ツールがリリースされており、動画生成もより簡単にできるようになりました。
今回は、初心者の方も動画生成が簡単にできる生成AIのおすすめ動画ツールや生成AIを用いた動画の作り方・活用事例や注意点などをご紹介します。
動画生成AIとは？
動画生成AIとは、ユーザーがAIに動画や画像・テキストなどのデータをアップロードし、ツール内のテンプレートやテイストを組み合わせて作成する動画ツールのことです。各ツールにはAIが搭載されているため、誰でも簡単に動画作成することが可能になりました。
作業効率につながるため、ビジネスで多くの動画コンテンツを作成したい方やコストを削減したい方にもお勧めです。
生成AIで動画を制作できるおすすめツール
以下では、初心者の方も動画生成が簡単にできる生成AIのおすすめ動画ツールをご紹介します。スマートフォンアプリはもちろん、Web上で使えるツールもあるため、気になったツールがありましたらぜひ利用してみて下さい。
FlexClip
無料で利用可能な動画生成AIです。日本語対応で使いやすいインターフェースが特徴なため、初心者の方でも簡単に動画作成ができます。
FlexClipを使った動画作成の方法も後述していますが、操作性が簡単でテンプレートや各素材・エフェクトも豊富なため、クオリティの高い動画が簡単に作成可能です。直感的に操作できる上、テーマを絞った各素材の検索も可能なので統一感のある動画も作れます。
最大1分までの動画制作が可能な無料プランと30GBのベーシックプラン(月額19.99ドル)・100GBまでのビジネスプラン(月額29.99ドル)があります。
KaiBar
モバイルアプリとWeb上で利用できるアニメーション動画の生成AIツールです。プロのクリエイターがプロモーションビデオやミュージックビデオを作成する際にも利用されています。
AIの音声解析機能を用いて映像に合う音声トラックを作成することもできます。テキストや画像・映像からアニメーションが作成でき、クリック操作でアニメのテイストの変更も可能です。
最大1分の動画作成が可能な冒険者プラン(月額5ドル)と4K対応で最大8分の動画作成が可能なプロプラン(月額10ドル)とビジネスプラン(月額25ドル)があります。アニメーションのミュージックビデオを作成したい方や画像などからCGを生成したい方にお勧めです。
7日間の無料トライアルがあるため、実際に試してから利用を検討することができます。
synthesia
用意されている140種類以上のAIアバターを用いて、動画作成ができるサービスです。性別や年齢・服装などから検索でき、120種類以上の言語やアクセントが存在します。
ユーザーがテキストを入力するだけでAIアバターがテキストを読み上げます。研修やトレーニングなどの動画を作成したい方や多言語に対応した動画を作成したい方にお勧めです。
200文字までの無料プランと最大10分までの個人向けプラン(月額30ドル)・時間無制限の企業向けプラン(要問い合わせ)があります。有料プランでは自身の顔や声を活用したアバターを作成することもできます。
生成AIで動画を制作する方法
以下では、FlexClipを活用して動画を制作する方法をご紹介します。無料プランの場合は動画内にロゴの透かしが入りますが、無料で動画のダウンロードが可能です。
1.FlexClipにログインする
GoogleやFacebookのアカウントをお持ちの方は、ログインしてすぐ使えます。
2.テンプレートを選ぶ
左上のビデオの作成をクリックし、サイズ(16:9/9:16/1:1の比率)の選択が可能です。今回はあらかじめ設定されているテンプレートを活用し、動画を作成しました。
テンプレートを選択し、再生ボタンをクリックするとテンプレートの動画が再生されます。テンプレート動画には音楽や動画・画像・文字などが組み込まれており、自由に変更して動画を編集できます。
動画は上記のように複数のコマになっており、コマを指定し右クリックでシーンの削除・追加・コピー等の編集が可能です。コマとコマの間のマークをクリックすると視覚的な効果(トランジション)の変更ができ、さらにクオリティの高い演出ができます。
3.テキストを挿入する
左列のテキストからテキストの挿入ができます。今回は最初からアニメーションのついたロゴオーバーレイを挿入し、ロゴや文字を変更しました。
編集する際は対象のシーンで停止し、テキスト欄をクリックすると直接編集が可能です。文字の大きさや太さ・字体・色なども自由に変更できます。
さらに右上のアニメーションを選択することで、文字に動きをつけることができ、マウスオンでタイプライターやバランス等、動きのプレビューができます。
4.ロゴを挿入する
左列のメディアから画像のアップロードを行うことができます。テンプレート内の画像を好みの画像に置き換えることができるため、オリジナル動画が簡単に作成できます。
5.動画を挿入する
FlexClipには動画の素材も存在し、左列のビデオからテーマに合わせた動画が検索できます。FlexClipは日本語に対応していますが、検索時などは日本語を認識しないことがあるため、英語で検索すると良いでしょう。
テンプレートの動画も編集することができ、部分的に活用することもできます。動画部分を編集した動画に置き換えました。
6.動画が完成
左のメニューの音声でBGMの変更を行ったり、エフェクトやAIによる字幕をつけることも可能なため、無料プランでも十分なオリジナルの動画を作成することができます。直感的な操作で動画を作成できるため、初心者の方でも簡単に動画作成ができるでしょう。
今回はテンプレートを編集して動画作成をしましたが、お手持ちの画像や動画などの素材をアップロードして完全オリジナルの動画を作成することもできます。ぜひ、活用してみて下さい。
生成AIで制作した動画の活用事例
生成AIを用いて動画制作するとどのような場面で活用できるのでしょうか。以下では生成AIで制作した動画の活用事例をご紹介します。
マーケティング
企業の製品やサービスなどの情報がターゲットの目に効果的に触れるような動画コンテンツを作成する際に用いられます。動画の情報量は、写真とテキストの組み合わせのコンテンツと比較すると5000倍の差があると言われています。
視覚情報を重視する人の性質を活かして動画のコンテンツを使い、効率的なマーケティングに活かした仕組みが多く導入されているのです。生成AIを用いることで制作コストを抑えながら付加価値の高い動画を作成できます。
ダイジェスト動画
AIの音響解析機能を活用すると、スポーツシーンにおける観客の歓声などを自動抽出できます。そのため、最も盛り上がるクライマックスシーンのダイジェスト動画を作成することも可能です。
スポーツのクライマックスシーンのみの動画コンテンツを作成することで番組制作の効率化も図れます。
学習支援ツール
教育現場での学習支援ツールとして生成AIが作成した動画が活用されている例です。プログラミング教材などに活用されており、タイピングミスなどの判断にAIの動画技術が導入されています。
小学生でも分かるような手の動きの紹介など工夫がされており、AIが不得意の判断を瞬時に行った上で指導につなげています。
生成AIで動画を制作する際の注意点
近年、様々な場面で生成AIが制作した動画が活用されていますが、一方で注意点もあります。以下では生成AIで動画を制作する際の注意点をご紹介します。
生成AIを用いて動画を制作する際の参考にして下さい。
情報の真偽を見極めることができない
生成AIは学習が得意なため、大量のテキストや画像のデータを自ら学習することができます。学習したデータを分析し、ユーザーからの指示に従ってデータを出力しています。
しかし、学習した情報の真偽を見極めることはできません。そのため、生成AIが出力した動画と実際の動画の判別がつかず、誤った情報が拡散される恐れがあります。
著作権の侵害に触れる恐れがある
生成AIが出力した映像などが既存のコンテンツである場合も考えられます。そのような場合は、著作権の侵害に触れる恐れもあるため注意が必要です。
生成AIの学習に用いられているデータには、著作権が含まれるものも存在します。そのため、出力したデータにも反映されてしまい、著作権の侵害に触れる恐れがあるのです。
生成AIが出力したデータは必ず人間が確認し、リスクの削減やガイドラインの作成を行う必要があるでしょう。
プライバシーや人権に触れる恐れがある
生成AIにより作成された動画が論理的な問題を引き起こすことが懸念されています。特に、生成AIを用いて人物の顔や声を合成する場合は、プライバシーや人権の侵害に触れる恐れがあるでしょう。
また、差別や偏見を助長することにもつながる可能性もあります。生成AIが自動出力する動画コンテンツが社会や個人に影響を及ぼす恐れもあるため、監視と適切なガイドラインの設定が重要です。
動画生成AIで作業効率化を図ろう！
今回は、初心者の方も動画生成が簡単にできる生成AIのおすすめ動画ツールや生成AIを用いた動画の作り方・活用事例や注意点などをご紹介しました。現在は様々な動画生成AIツールがリリースされており、初心者でも簡単に動画作成が可能です。
今回ご紹介した以外にも無料ツールやお試し期間が設けられているツールが多数ありますので、実際に試しながらご自身に合う動画生成ツールを見極めて下さい。動画生成AIツールを用いての動画生成は注意点もありますが、事前に把握しておき気をつけることでリスク回避できるでしょう。
ご自身に合う動画生成AIツールを活用して、ぜひ作業効率化につなげて下さい。
