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AI技術は私たちの生活に大きな変化をもたらすとともに、欠かせない存在として日常に浸透してきました。
話題のChatGPTは、AIの基盤であるプログラミング技術を示す代表例といえるでしょう。
しかし、プログラミングとはそもそも何なのでしょうか?
プログラミングという言葉を耳にする機会は増えてきたものの、その中身を理解している人は意外に少ないかもしれません。
そこでこの記事では、プログラミングの基礎知識を分かりやすく解説します。
プログラミングとは?
プログラミングとは、コンピューターに動作を指示する技術です。
プログラムは、プログラミング言語を使って作成され、各言語には独自の文法があります。
プログラミングでは、文法に従ってコードを正しく記述することが重要で、指示の組み合わせ方や記述ルールによってプログラムの動作が変化します。
プログラミングでは、与えられた問題やデータを解決する手順も考えるため、論理的な思考力や問題解決能力も必要です。
基礎のプログラミング言語と役割
プログラミング言語にさまざまな種類があり、それぞれ得意な分野と特徴があります。
以下は、基礎的なプログラミング言語と活用分野、特徴です。
基礎的な言語の種類 | 活用分野 | 特徴 |
Python | Web開発、機械学習など | シンプルで分かりやすい |
Java | アプリ開発、大規模なシステム開発など | 再利用しやすく、管理が簡単 |
C言語 | システム開発、組み込み開発など | 処理速度が速い |
JavaScript | Webページに動的な機能を追加 | Webブラウザ上で動作 |
Ruby | Web開発、フレームワーク開発など | 読みやすく記述しやすい |
PHP | Webサーバーとの連携 | サーバー上で動作 |
Go | 高速処理が必要なシステム開発 | 並行処理に特化 |
この他にも、Swift、Rust、Kotlinなど多くのプログラミング言語が存在します。
それぞれの言語の特徴や強みを理解し、用途に応じて使い分けることが重要です。
表で紹介したPythonは、シンプルで汎用性の高いプログラミング言語として知られており、初心者向けの特性から、小学生のプログラミング学習にも用いられています。
以下の記事はPythonの特徴を分かりやすくまとめているので、プログラミングの第一ステップとしてぜひご一読ください。
プログラミングの基礎を学ぶ①基本構造
プログラミングの基礎を学ぶためには、まず基本構造を把握することが重要です。
プログラミングは、シンプルなパターンで構成されており、主に順次処理、分岐、反復の3つの要素からなります。
プログラムを効率的に作成するためにも、これらの要素について理解することが重要です。
それでは順を追って解説します。
- 順次処理
- 分岐
- 反復
順次処理
プログラムは、記述された命令を上から順に実行します。
この「上から下へ順に処理が進む」ことを順次処理と呼びます。
分かりやすく身近な例を挙げてみましょう。
料理をする際の流れは、一般的に以下のような手順で進めます。
- 材料を切る
- 鍋に入れる
- 火をつける
- 煮る
- 盛り付ける
プログラムも同様に、決められた順序で処理を実行します。
例えば、「変数a」に「1」を、「変数b」には「2」を代入し、「変数a」と「変数b」を加算処理するプログラムの場合、以下のような順序になります。
- a=1
- b=2
- a+b
この順次処理の概念がプログラミングの基礎となります。
分岐
プログラムには、条件に応じて処理の流れを変えるために「分岐」する機能があります。
分岐処理は、条件式に基づいて行われます。
条件式とは、特定の条件が満たされたかどうかを判断するための式や文です。
例えば、年齢が20歳以上か否かを判断する条件式を用いて、成人料金と子供料金を区分するような「料金計算」処理が該当します。
反復
プログラミングでは、同じ処理を繰り返し実行するために「反復」を使用します。
例えば、ある操作を10回繰り返す場合、多くの手間と時間がかかります。
しかし、ループを使用すれば、特定の条件が満たされるまで処理を繰り返すように指示できます。さらに、反復回数が増えるにつれて、プログラムのパフォーマンスも上がります。
しかし、反復処理を行う際には、必ず反復回数や終了条件を正確に設定しなければいけません。
これらが正しく設定されていないと、プログラムが無限ループに陥る可能性があります。
プログラミングの基礎を学ぶ②基本構文とコード
続いて、プログラミングの基礎である基本構文とコードについて解説します。
基本構文はプログラミング言語によって異なります。
ここでは、最も汎用的で基礎的なPythonの基本構文を紹介しましょう。
- 変数
- 配列
- if文
- 反復
- 関数の定義
変数
変数とは、データを保存する場所で、プログラム内で情報を保持するために使います。
Pythonの基本構文は以下の通りです。
variable_name = value
Pythonで変数に値を代入する場合、以下のようなコードを使います。
(「variable_name」が「dog_name」、「value」が「”ポチ”」に相当)
dog_name = “ポチ”
ball_count = 10
上記では、変数「dog_name」に文字列「”ポチ”」を、変数「ball_count」に数値「10」を代入しています。「dog_name」は犬の名前、「ball_count」はボールの数を表しています。
その後、以下のように「print」関数を使い実行してください。
# 変数の宣言と値の代入
dog_name = “ポチ”
ball_count = 10# 変数を使ってメッセージを表示
print(“犬の名前は ” + dog_name + ” です。”)
print(“ボールの数は ” + str(ball_count) + ” です。”)
すると以下のように表示されます。
犬の名前は ポチ です。
ボールの数は 10 です。
ちなみに、Pythonでは、単一の変数には一つの値しか入れられませんが、以下のようにリストやタプルを使うことで、複数の値を一つの変数にまとめて格納することも可能です。
ball_counts = [10, 20, 30] # リストに複数の数値を格納
ball_counts = (10, 20, 30) # タプルに複数の数値を格納
配列
配列は、複数の値をまとめて扱うためのデータ構造です。
配列の基本構文は以下の通りです。
array_name = [element1, element2, element3, …]
下記コードでは、「numbers」という名前の配列を定義し、その中に整数値を格納しています。
それぞれの要素には、インデックスを使用してアクセスしています。
例えば、「numbers[0]」は配列の1番目、「numbers[1]」は2番目の要素にアクセスします。
# 配列の宣言と要素の指定
numbers = [10, 20, 30, 40, 50]# 配列の要素にアクセスして出力
print(“1番目の要素:”, numbers[0]) # 1番目の要素: 10
print(“2番目の要素:”, numbers[1]) # 2番目の要素: 20
print(“3番目の要素:”, numbers[2]) # 3番目の要素: 30
Pythonの配列は0から始まるので注意しておきましょう。
if文
if文は、条件に応じてプログラムの動作を変えるための構文です。
if文は、まず条件を評価し、条件が真(True)であればifブロック内で処理します。
そして、条件が偽(False)であればelseブロック内の処理が実行されます。
Pythonでのif文の構文は以下の通りです。
処理 # 条件がTrueの場合
else:
処理 # 条件がFalseの場合
以下に具体例を挙げましょう。
- 「x = 10」で変数「x」に数値「10」を代入
- 「if x > 5:」で「x」が「5」より大きいか否かを判断
- 条件「x > 5」が真(True)のとき、次の行の「print(“xは5より大きいです”)」が実行
- 条件が偽(False)である場合「else:」に続く「print(“xは5以下です”)」が実行
# 変数の宣言と値の代入
x = 10# if文による条件分岐
if x > 5:
print(“xは5より大きいです”)
else:
print(“xは5以下です”)
変数「x」の設定は「10」であるため、実行結果は以下のように表示されます。
xは5より大きいです
反復
反復は、同じ処理を繰り返し実行するための構文です。
反復の基本構文は、以下の通りです。
処理
Pythonでの反復は以下のように書きます。
for i in range(10):
処理
上記のコードでは、forループを使って0から9までの数字を順に扱います。
「range(10)」は0から9までの数字を順番に生成する機能を持っており、その生成された数字を変数「i」に代入しながら、指定した処理を繰り返し実行します。
つまり、forループが10回繰り返され、各回で「i」には0から9までの数字が順番に代入され、その都度指定された処理が行われるという仕組みです。
具体的には、最初のイテレーション(反復処理)では「i」に「0」が代入され、次に「1→2→3…」と順に処理が進んでいきます。
関数の定義
基礎的なプログラミングの構文には関数の定義もあります。
以下は一般的な関数の構文です。
関数が何も返さない場合は「return」を省略できます。
処理
return 戻り値
関数を定義したら、それをプログラムの適切な箇所で呼び出すことが可能です。
ただし、関数を呼び出すには、関数名に引数を渡さなければいけません。
「引数を渡す」とは、関数を呼び出す際にその関数に必要なデータを提供することです。
# 関数の定義
def greet(name):
print(“こんにちは、” + name + “さん!”)# 関数の呼び出し
greet(“太郎”)
上記のコードは、「greet(“太郎”)」の「”太郎”」が引数で、「greet」に引き渡されて処理します。
次に、「greet」関数を「”太郎”」の引数を渡して呼び出して挨拶のメッセージを出力します。
実行結果は以下の通りです。
こんにちは、太郎さん!
関数を定義しておくと、同じ処理を繰り返し実行する際に便利です。
これらの構文を適切に組み合わせることで、さまざまなプログラムを作成できます。
プログラミングの学習では、上記のような基礎構文から理解を深めていくことが大切です。
プログラミングの基礎を理解するためには、プログラミングゲームもおすすめです。
以下の記事は、無料で遊べるプログラミングゲームを紹介しています。
楽しみながら基礎のプログラミングを学びたい方はぜひ参考にしてください。
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