こんにちは、AI研究所の三谷です。
今回は、ディープラーニングを行なうためのフレームワークとして世界的に使用している人が多いGoogle社のTensorFlowについて紹介します。
この記事ではTensorFlowとは何か、TensorFlowでできることなどを解説していきます。
TensorFlowとは?
引用元:https://www.tensorflow.org/overview?hl=ja
TensorFlowとは、Google社が開発しているディープラーニング向けのフレームワークです。
ニューラルネットワークを使用した学習を行うための機能がオープンソースで提供されています。
対応言語は、
- C言語
- C++
- Python
- Java
- Go
と幅広く、Pythonは2023年8月時点で3.6〜3.11のバージョンで利用できます。
深層学習のプラットフォームではトップクラスで人気があり、Keras、PyTorchと並んでTensorflowがあります。
その中でも、最もシェアがあるフレームワークと言われており、世界中の人からの情報が集まるコミュニティも非常に大きなものになっています。
よく比較されるKeras、PyTorchの3つのフレームワークの中で最もドキュメントが多く、トレーニングのサポートも充実しています。
それだけでなく、Tensorflowは多くのスケーラブルなプロダクトやデプロイのオプションも提供しています。
さらに、モデルの抽象度も色々あるので、非常に便利になっています。
さらに、TensorflowはWindowsやMacOS、Androidなど多くのプラットフォームで利用できるため、幅広く適用されています。
Tensorflowは、様々なタスクにデータのフローを流しこみ、プログラムを作成するためのフレームワークです。
そのため、Tensorflowにはニューラルネットワークなどの機械学習のアプリケーションに適用できる多くのシンボリックな数学ライブラリが用意されています。
分散処理に優れているTensorFlowは、Chainerよりも高速に動作するとされ、GPUによる演算もサポートしています。
Tensorboardという学習可視化ソフトを組み合わせることで視覚的にもわかりやすく機械学習プロジェクトを進めることができます。
TensorFlowのスペック
TensorFlowの主なスペックは下記になります。
メーカー | Google Brain |
---|---|
価格 | オープンソース(無料) |
対応OS | Linux、macOS、Windows、Android、iOS |
対応プログラミング言語 | Python、C、Java、Go |
やはり無料というところが大きいですね!
TensorFlowはとても便利ですが、誰でも無料で利用できるツールになっています。
TensorFlowでできる学習や活用事例
それでは、TensorFlowでできる学習をまとめてご紹介します。
こちらにはディープラーニングを始めとする機械学習でできることも含まれています。
- TensorBoard
- 画像認識
- 音声認識
①TensorBoard
TensorFlowを使用する際には、プログラムの内容を理解したり、デバッグしたり、どのようなディープニューラルネットワークの構造にしたか、そして学習がうまくいっているのかいないのか、といったことを正確にすばやく確認する必要があります。
これらを簡便にするために、TnsorFlowにはTensorBoardと呼ばれる視覚化のためのツールが含まれています。
TensorBoardを使用すると、TensorFlowグラフを視覚化したり、画像などの追加データを表示することができます。
②画像認識
画像認識は、AI(人工知能)や機械学習、ディープラーニングの分野で最も注目を集めています。
上記画像では形や色から車を認識するようにAIをプログラムしていますね。
TensorFlowを使ってディープラーニングができるため、画像認識ができる独自のAIを作ることができます。
また、複雑な断層運動学的解析と構造応力テンソル反転用のプログラムwin-Tensorプログラムも公開されています。
③音声認識
ディープラーニングは、音声の認識にも適していることがわかってきました。
TensorFlowを使ってディープラーニングをすることで、画像認識と同じような仕組みで音声を認識できるAIを作ることができます。
声の質や高低などで一人一人の声を区別できるようになります。
ただ、こういった複雑で大規模なプログラムを組むとPCの負担は膨大になります。
そこでTensorflowを実装したときは、処理deviceの切り替えをしてGPUとCPUを切り替えましょう。
データの生成、スライスはCPUでその後はGPUを使うなどの使い方もあります。
TensorFlowのインストール方法
TensorFlowを使った環境を構築するには、以下の作業が必要です。
TensorFlowを使うためには、開発環境を構築し適切な設定をした上でインストールする必要があります。
- Anaconda(Python)のインストール
- TensorFlowのインストール
- Jupyter Notebookのインストール
Pythonは、AIや機械学習の分野で一般的に使われているプログラミング言語です。
TensorFlowプログラミング言語だけでも開発は可能ですが、それを簡単で便利な環境で実行するのが統合開発環境です。
統合開発環境にはいくつか種類があります。
今回ご紹介するTensorFlowは、単独でのインストールが複雑なため、Anacondaを使用します。
Anacondaは、Python本体と、Pythonでよく利用されるライブラリをセットにしたPythonディストリビューションとなっています。
Pythonの環境などを管理することができるため、Anacondaをインストール後にTensorFlowを使える環境構築を行っていきます
「pip install tf」など誤った入力を行うと正しくインストールできないので、要注意です。
TensorFlowは現在tensorflow2.10がリリースされています。
また、Nvidia製のGPUを使いUbuntuでwhltensorflowを構築したソース(tensorflow_gpu-1.15.0 manylinux wheel on PyPi is invalid)がgithub上で公開されていましたので紹介しておきます。
また、amd社製のGPUを使う場合は、ROCmというプラットフォームとUbuntuを使うのが一般的なようです。
こちらのyoutube動画でtensorflowチュートリアルを紹介してくれています。
興味のある方はどうぞ。
TensorFlowの使い方
ここではTensorFlowの基本的な使い方を詳しく解説していきます。
TensorFlowで実際にディープラーニングをする方法に関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
記事内で紹介していますが、PythonやTensorFlowをまだインストールできていないよ…という方は是非こちらを使ってみてください!
PythonやTensorflow、その他諸々のセットアップ環境を、わずか1分で仮想環境としてGoogleが用意してくれるツールです。
https://colab.research.google.com/github/AIkenkyujo/blog/blob/master/Tensorflow_deeplearning.ipynb
上のリンクで開いたデータは、Googleのアカウントでログインすることで使えます。
記事を読みながら、コードセル右の再生ボタン(セルを実行)を押しながら実行してみてください。(一番はじめだけメッセージが出ますが、「このまま実行」「はい」で進めてください。)
TensorFlowの学習におすすめな本
TensorFlowをもっと詳しく学ぶ方法として、本を読むこともおすすめです。
ただTensorFlowを学びたくてもどの本を読んだらいいの?と言う方に、おすすめのTensorFlow本をご紹介します。
PythonとKerasによるディープラーニング
バックエンドにTensorFlowを使用して、Kerasでの実装をしているため、誰でもとっつきやすい内容になっています。
ディープラーニングについて分かりやすい内容になっているので、ディープラーニングの知識があまりない初心者の方はこちらがおすすめです。
TensorFlowではじめるDeepLearning実装入門
TensorFlowではじめるDeepLearning実装入門はTensorFlowでディープラーニングをやってみたい初心者の方に向いている書籍です。
実装をやってみたいけど、初心者向けでわかりやすい書籍を探している方はこちらが良いでしょう。
TensorFlowについてまとめ
今回、TensorFlowについて詳しく解説しましたが、いかがだったでしょうか。
TensorFlowを使えば、難解なテンソル分解(cp分解)もプログラムを計算してくれます。
TensorFlowやKerasは特に英語での情報は非常に多いため、多少の英語が理解できるとスムーズに使い始めることができるかもしれません。
世界シェアが多いのは比例して情報も多いので、是非TensorFlowを使ってみてください!