対話型のAIが浸透するなかで、どのような方法で対話型AIを取り入れればよいかが分からずに困っているという人もいることでしょう。ここでは、Microsoft社が提供するBing ChatGPTとはどのような機能を持つAIであるかについて、分かりやすくお伝えします。
Bing ChatGPTとは?
Bing ChatGPTについての基本的な理解をしよう
Bing ChatGPTとは、対話を通して情報収集ができる対話型のAIの一種です。Microsoft社の検索サイトであるBingで利用できるAIチャットのサービスとして、提供されています。質問文を入力すると、人間が答えているかのように、自然な文章で回答をしてくれるのが特徴です。Bing ChatGPTでは、Bingでの検索結果を根拠にした高いリアルタイム性を持つ情報を得ることができ、Bingを活用してさらに快適に情報収集が可能です。
普通のChatGPTとの違い
ここではBingのChatGPTが普通のChatGPTとどう違うのか解説していきます。
サービスを提供している会社の違い
対話型AIとして有名なChatGPTとBing ChatGPTには、どのような違いがあるのでしょうか。まず、両者はサービスを提供している会社が異なるという点が、違いとして挙げられます。普通のChatGPTは、「Open AI」というアメリカのAI開発のための研究開発機関が提供しているサービスです。一方、Bing ChatGPTは、OSのWindowsをはじめとするソフトウェア開発で知られるMicrosoft社が手掛けるサービスです。
利用料金の違い
ChatGPTとBing ChatGPTの違いとしては、利用料金の違いが挙げられます。ChatGPTには、無料版と有料版があり、Web上の最新情報をもとにした回答を求める場合、有料版を利用する必要があります。Bing ChatGPTで提供されているのは無料版のみで、有料版の提供はありません。Bing ChatGPTの場合、無料でWeb上の最新情報をベースにした回答を得ることができます。
公開された時期の違い
公開された時期としては、ChatGPTの方が早く、2022年11月にリリースされました。一方、Bing ChatGPTは、2023年2月7日に試験運用というかたちで一部のユーザーのみに公開され、2023年5月以降は全てのユーザーが無料で利用できるようになりました。
対応できる言語の数の違い
ChatGPTとBing ChatGPTは、いずれも自然言語処理モデルのGPT-4(ジーピーティーフォー)をベースに開発されている対話型AIであり、基本的な機能には類似性が認められます。機能面での違いとしては、Bing ChatGPTは14という限られた言語にしか対応できないのに対して、Bing ChatGPTの場合100以上の言語に対応できるという点が挙げられます。ChatGPTもBing ChatGPTも日本語には対応していますが、様々な言語での多彩なシーンに柔軟に対応できるというのは、Bing ChatGPTを選ぶメリットとなります。
画像表示ができるか否かの違い
Bing ChatGPTでは、質問文に対する回答として、テキストだけでなく、画像や動画を含めて回答を提示してくれます。ChatGPTは、基本的には画像の表示に対応していません。画像や動画による回答を求める場合や、画像生成を希望する場合、Bing ChatGPTを選ぶ方がよいでしょう。
商用利用ができるか否かの違い
ChatGPTとBing ChatGPTの大きな相違点として挙げられるのが、商用利用ができるか否かという点です。ChatGPTは商用利用ができますが、Bing ChatGPTは、商用利用ができません。対話型AIをビジネスで活用する場合は、ChatGPTが適しています。
Bing ChatGPTの機能
Bing ChatGPTの主な機能は下記があります。
GPT-4をベースにした高精度な対話型AI機能
GPT-4と呼ばれる自然言語処理モデルをもとに開発されたBing ChatGPTの基本的な機能としては、人間と話をしているかのような自然な対話を通して、質問に対する回答を得られるという点が挙げられます。一般的なインターネット検索では、検索キーワードを考えて検索を行い、検索結果をひとつずつ精査して情報をまとめる作業が必要です。Bing ChatGPTでは、頭に浮かんだ疑問をAIチャットに質問すれば、適した回答が提示されるため、情報収集に掛かる時間を大幅に削減し、効率よく作業を行えます。
Web上の最新情報をベースにした回答を提示する機能
Bing ChatGPTの回答は、AIがWeb上で検索した最新情報をもとにして作成されます。最新情報を網羅した回答を的確に知ることができるため、現在のトレンドや動向を把握したいというニーズに十分に応えてくれるのが特徴です。今日のホットトピックス、今週話題のニュースといった質問を投げかければ、注目のトピックスが回答として提示されます。
参照元のソースがリンク表示される機能
Bing ChatGPTには、回答の根拠となったソースがリンク表示される機能があり、参照元を素早くチェックして、情報の精度を自身で確かめることが可能です。リンクをクリックすれば、気になる情報をさらに掘り下げて知ることができます。出典元を明確にできるため、回答を資料としてまとめる際にも、精確性の高い資料に仕上げやすくなります。
画像や動画の表示機能
2023年に公開されたBing ChatGPTには、リリース後にも利便性の高い機能を追加・修正しています。Bing ChatGPTならではの優れた機能として挙げられるのが、2023年5月に追加された回答を画像や動画で表示する機能です。「画家○○の絵を見せてほしい」という質問文を投げかけた場合、画家○○のプロフィールや代表的な作品に関する情報をテキストで表示するのみならず、実際に作品を画像で提示してくれます。ドラマや映画、アニメといった動画に関する情報をBing ChatGPTで調べれば、回答に合う動画が表示されます。
ビジュアルサーチ機能
Bing ChatGPTは、テキストの質問に対して、画像で回答を提示してくれるだけでなく、画像を添付して質問ができるビジュアルサーチ機能を搭載しています。画像をテキストに置き換えることなく、そのまま添付してAIチャットに質問ができるため、質問文作成に掛かる時間を削減して、効率よく質問ができるのが魅力です。
Bing ChatGPTの使い方
次に基本的なBing ChatGPTの使い方について詳しく解説していきます。
Microsoftアカウントを作成する
Bing ChatGPTを利用するにあたっては、サービスを提供しているMicrosoftのアカウントを作成し、ログインして利用することが必要です。新規でMicrosoftアカウントを作成したい場合、account.microsoft.comにアクセスして、「サインイン」→「作成」を選択してアカウントの作成してください。
パソコンでの使い方、スマホでの使い方
パソコンでBing ChatGPTを使う場合、MicrosoftのEdgeのブラウザ、またはGoogleのChromeブラウザのいずれかを利用してください。スマホでBing ChatGPTを利用する場合、Bingのアプリをダウンロードしましょう。アプリ版に関しても、回答の情報ソースの参照元を表示するというBing ChatGPTならではの優れた機能を備えていて、回答のもとになった情報にアクセスし、情報を掘り下げて調べることが可能です。検索窓に質問文を入力して、回答を得るという簡単な手順で情報収集ができますので、初めてでもスムーズに使い方がマスターできるはずです。
会話のスタイルを選択する
Bing ChatGPTでは、「独創性」、「バランス」、「厳密」という3つのスタイルから、自身のニーズに合った会話のスタイルを選択して回答を得ることができます。質問に対してどのような回答を望んでいるかによって、異なるスタイルを選択できて、大変便利です。「厳密」は質問に対する端的な答えを知りたい場合、「独創性」は質問に対する幅広い情報を含めた回答を求める場合に適しています。
Bing ChatGPTについてまとめ
Bing ChatGPTとは、Microsoft社が提供する対話型AIチャットで、無料で利用できるサービスです。Bing ChatGPTと普通のChatGPTの違いとしては、ChatGPTは商用利用ができるものの、Bing ChatGPTは商用利用ができない点が挙げられます。Bing ChatGPTには、回答がテキストだけでなく、画像や動画で表示されるという機能や、全ての機能を無料で使えるという、ChatGPTにはないメリットもあります。情報ソースがリンクとして表示される機能も備えていて、情報収集を効率よく行いたい時に便利です。