リストラの危機!AI 導入をすると起こる影響や事例・メリットデメリット

現在、アメリカでは様々な企業でリストラを行っており、24年1月時点の人員削減数は、8万人を超えたと報道されました。景気の先行きが不安になることから、コストを削減する動きやAIを導入したことも理由になっています。

2015年に行ったオックスフォード大学などの調査では、10〜20年後には約半数の仕事がなくなる可能性があると言われていました。今回は、企業にAIを導入すると起こる影響や事例・メリットデメリットをご紹介します。

AI導入によるリストラの影響

近年、AIの技術は日々進歩しており、様々な分野で活用されています。人間が行っていた多くの職種がAIに代替される可能性があり、AI導入によるリストラは大きな課題です。

単純な作業や定型的な作業は自動化しやすいため、製造業や事務・サービス業などの分野では大きな影響が考えられます。以下ではAI導入で自動化しやすい業種と業務内容を解説します。

製造業

製造業では生産工程を自動化することにより、生産性の向上・コスト削減などのメリットをもたらすでしょう。ロボットなどを用いた生産ラインでの作業の自動化やAIの画像認識を用いた製品の検査・AIのデータ分析による製造設備の故障の検知など、作業員や検査員などが行っていた業務をAIに任せることが可能です。

事務

AIは資料や文章作成・翻訳・チャットや音声による顧客対応など、様々な事務作業を自動化できます。また、AI-OCRというデータ入力を自動化する技術では、領収書や請求書などを作成することが可能です。

AI導入により、データ入力担当者やコールセンター・事務員・翻訳者などが行っていた事務作業を行うことができます。

サービス業

サービス業にAIを導入することで、顧客満足度の向上や業務効率化などのメリットをもたらします。AIは顧客データ分析による購買予測・多言語の翻訳・チャットボットを用いた顧客対応や来客対応・画像認識による商品情報を提供することが可能です。

受付や販売員などの業務をAIに任せることができるでしょう。

AIを導入した企業の事例

AIを導入した企業の事例

AI技術は様々な業界で大きな変革をもたらし、企業の生産性や効率性・顧客満足度を大きく左右する重要な要素です。以下では、AI導入によって飛躍的な成果を上げている企業の事例を具体的に解説します。

顧客対応の自動化

楽天市場ではチャットボットが自動対応するよう、各店舗の問い合わせにAIを導入しています。各店舗の負担軽減や顧客対応力の向上につなげており、決済や返品。営業時間の確認などの問い合わせ確認が可能です。

また、楽天保険の総合窓口ではAIによる自動音声対応を2023年から導入しており、24時間365日の問い合わせができます。AI導入には、コールセンタースタッフの英知や経験・200万件以上のデータが用いられているそうです。

AIアシスタントの活用で業務の生産性向上

パナソニックコネクトでは、2023年よりAIアシスタント「Connect AI」を導入しており、社内のインターネット上からアクセスしAIにいつでも質問できる環境を作りました。Connect AIは、ChatGPTをビジネス用途にカスタマイズしており、GPT-3.5及びGPT-4を用いています。

また、パナソニックグループ全体では、Connect AIを基にした「PX-AI」という社内AI足スタントサービスを導入しており、業務の生産性を向上させています。社員の利用実績のデータには、キャリア形成に関する質問や製造業に関するプロンプトが多数確認されたようでした。

利用ケースは質問が最も多く、次いでプログラミングや文書作成・翻訳が活用されているようです。

AIでの外観検査システムで不具合を検出

日立製作所では、製品の製造工程での不具合をAIで検出する外観検査システムを構築しています。AIでの外観検査システムの対象となったのは、制御盤の組み立てに活用する電線の接続端子の圧着作業です。

従来は人間の目視で端子圧着の可否を確認していましたが、検査時間がかかりヒューマンエラーが多いことからAIを導入したようです。制御盤は10年以上使用されるもののため、接触不良などの不具合を確認する必要があります。

人間の目視による検査は社内資格を持った作業員のみしか対応できなかったため、人材確保や世代交代を考慮した結果、AIを活用した検査システムを導入しました。

AIが配達ルートを自動で生成

日本郵便は、全国200箇所の郵便局でAIによる配達業務支援システムを導入しており、AIを活用し、配達ルートを自動で生成しています。配達業務支援システムは、CBcloud社の「SmaRyu Post」とオプティマインド社のAIを活用した配達ルート自動生成システム「Loogia」を連携させています。

SmaRyu Postは以下のようなことが可能です。

  • 配達
  • 車両への荷物詰め込み
  • ナビゲーション
  • ルートの自動生成
  • 配送管理
  • 配達状況の撮影
  • 電子サイン

一方、Loogiaは独自のアルゴリズムを用いて配達順路やルートをAIで自動生成し、配達経験がない人でもスムーズな配達ができるよう支援しています。従来までは配達員が各自でルートを決めていたため、経験によって配達にかかる時間に差が出ていたようです。

AIによる配達ルートの最適化で、新人でも効率的な配達ルート作成と配達ができるようになりました。

ATM運用を高度化

セブン銀行では、AIの技術を搭載したことによりATM運用を高度化しています。2023年9月より運用が開始された新型ATM「+Connect」では、AIの音声認識技術を活用した画面操作・顔認証による本人確認・チャットボットでの問い合わせ対応・不正取引の検知などが可能です。

AIの活用で、より簡単かつ安全にサービスが利用できるようになり、利便性や安全性の向上が図ることができました。また、24時間365日チャットボットによる顧客対応では、顧客のニーズに対応することができるため、顧客満足の向上につながります。

AIを導入することでもたらすメリット

AIを導入した企業の事例

AIを導入した企業が様々な効率化を図っているように企業におけるAI導入は、様々なメリットをもたらします。以下で、代表的なメリットをご紹介します。

​​業務効率化

企業にAIを導入することは、企業にとって大きなメリットをもたらします。中でも、業務効率化は、AI導入の最も期待される効果の1つでしょう。

AIは、人間よりも正確かつ高速に作業をこなすことが可能です。そのため、決まった業務や単純作業をAIに任せることで、従業員の負担を軽減しつつ業務効率化を実現できます。

具体的には、データ入力や資料作成・顧客対応・翻訳などが挙げられます。業務効率化によって、従業員はより付加価値の高い仕事に集中できるようになるでしょう。

生産性の向上

AI導入による生産性の向上は、多くの企業で期待されています。例えば、単純作業の自動化やデータ分析による業務改善など様々な業務での生産性が向上するでしょう。

データ入力や資料作成などの作業は多くの時間や労力がかかるため、AIを導入することで作業時間を削減できます。また、AIは膨大なデータを分析し、売れ筋商品の予測や顧客の購買傾向を把握することも可能なため、企業全体の生産性を向上させることができるでしょう。

コスト削減

AI導入は、企業にとって様々なメリットをもたらします。その中でも、特に注目されているのがコスト削減効果です。

AIの導入による大幅な人件費削減の他、事務処理コスト・在庫管理コスト・設備投資コストなど、様々なコストを削減する可能性を秘めています。また、AIは人間のミスを減らすこともできるため、書類の訂正などのコストも削減やデータ分析での過剰在庫や欠品を確認でき、在庫管理のコストも削減可能です。

AI導によるコスト削減効果は、業種や企業規模によって異なります。しかし、多くの企業にとって、AIの導入はコスト削減を実現するための重要な手段と言えるでしょう。

顧客満足度の向上

AIの導入は、顧客満足度向上に大きく貢献できるでしょう。例えば、データ分析を用いた顧客ニーズの把握や購入履歴に基づきパーソナライズされた顧客への提供、迅速な顧客対応など様々なメリットがあります。

また、顧客からの問い合わせにチャットボットを導入することで、24時間365日の受付が可能になります。顧客のニーズをより的確に把握し、迅速に対応することで顧客満足度を向上させることが可能です。

新たなビジネスチャンスの創出

A​​Iは膨大な顧客データを分析することで、従来のアンケートなどでは把握できなかった顧客の潜在的なニーズや嗜好を明らかにすることができます。また、人間の想像力では思いつかなかったようなアイデアを生み出すことも可能です。

そのため、顧客1人1人に合わせた最適な商品やサービスの提供や革新的な商品やサービスの開発のチャンスを掴むこともできるでしょう。

AIを導入することでもたらすデメリット

Aを導入する際はメリットがある一方で、デメリットや課題も様々あります。以下では代表的なものをご紹介します。

従業員の不安

今回のニュースにもあったように、AIが人間の仕事を奪いリストラ率が上昇する不安は、最も根深いものです。実際、単純作業や業務はAIが人間の替わりに行う可能性が高く、一部の職種は消滅する可能性も考えられます。

また、AIの導入にあたり、AIを使いこなせるスキルや知識も必要になります。AIを使いこなせる人材とそうでない人材の間に格差が生じ、スキル不足によるキャリアパスが閉ざされるのではないかという不安も存在するでしょう。

​​導入コストがかかる

AIは企業にとって大きなメリットをもたらす可能性がある一方で、同時に考慮すべきデメリットの1つが、導入コストの高さでしょう。​​AIシステムは企業のニーズに合わせて設計・開発する必要があり、状況や規模によっては高性能なハードウェア・ソフトウェアが必要となります。

また、AIシステムの導入作業・既存システムとの連携作業やデータ移行作業などの費用もかかるでしょう。運用させるためのサーバーなどの費用も考慮する必要があります。

さらに、AIを学習させるための大量のデータ収集・管理費用やAIシステムを運用するためにAIに関する専門知識を持つ人材の確保も必要になるでしょう。

このようなコスト以外にも、コンサルティング費用やセキュリティ対策費用など、AI導入には様々な費用が発生します。

セキュリティ対策

AIは大量のデータを学習して分析を行うため、データの安全性確保はAI導入における最重要課題の1つになります。また、AIシステム自体に脆弱性がある場合は、不正アクセスやデータの改ざん、システム停止などの被害が発生する可能性も考えられます。

データの暗号化やバックアップ・漏洩対策・侵入検知システムの導入・脆弱性診断・セキュリティテストの実施などのセキュリティ対策を行うことが大切です。セキュリティ対策は、企業全体で取り組むべき課題です。

適切なセキュリティ対策を行い、AIを安全に活用することが重要になります。

企業向けDX・AI人材育成研修サービスでAI時代に対応!

AIは今後も進化し続け、ますます多くの職種がAIに代替される可能性もあります。企業はAI時代に対応するため、従業員のスキルアップ支援など様々な対策を講じる必要があるでしょう。
CROSS TECHでは企業向けのDX・AI人材育成研修サービスを行っています。DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略称のことです。
DXはデジタル技術を活用して、企業のビジネスモデルや業務プロセス、組織、企業文化を変革し、新たな価値を創造することです。DX人材を育成することは、企業の競争力を高めるために不可欠になります。
DX・AI人材育成研修サービスでは、ビジネスを創出する力とDXを活用するための幅広い汎用的な技術力・デジタルの専門的な技術力をそれぞれのレベルやステージ・部署に合わせて最適なプランをご提案します。短期的なカリキュラム〜中期的な育成プランがあり、企業の業務に合わせてカリキュラムを構築することが可能です。
そのため、日常業務と並行してAIの人材育成が実施できるようになるのが特徴です。

AI時代に対応するために様々な対策を行いましょう

今回は、企業にAIを導入すると起こる影響や事例・メリットデメリットをご紹介しました。企業でのAI導入は、業務効率化や生産性の向上・コスト削減など大きな可能性を秘めた技術です。

しかし、同時に多くの職種がAIに代替される可能性もあり、従業員の雇用に大きな影響を与えることもあります。企業にAI導入を行う際はメリットだけでなく、デメリットも理解した上で、慎重に判断する必要があるのです。

AIは今後も進化し続け、ますます多くの職種がAIに代替される可能性もあります。企業向けのDX・AI人材育成研修サービスでは、AI時代に対応した人材育成が可能です。

ぜひ、ご検討ください。

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