IT技術を使い、車内の業務を自動化させる企業が増えています。自動化を導入するメリットがある一方で、業務の内容と自動化が合わないと効率が悪くなってしまうこともあります。
そこで自動化を導入する方法と良い形で自動化を進めるポイントを考えてみましょう。
業務を自動化するには
業務の自動化は、社員の負担やミスを減らせるといったメリットがあります。しかし自動化に不向きな業務を自動化しようとすると、業務の効率が悪くなってしまうかもしれません。
そこで効率の良い形で業務の自動化をするには、どのようなメリットがあるのか知っておくことが必要不可欠です。メリットを活かす形で、業務の自動化を導入できるように考えてみましょう。
リソースの最適化につながる
単純作業は反復的な作業は、人の手でやっていると時間も手間もかかる場合がほとんどです。業務の自動化はリソースの最適化に適していて、単純作業に人手を割く必要がないため、時間や人件費の節約にもつながります。
社員も単純作業に時間が取られることがないため、他の業務に集中しやすいといったメリットがあります。
コストの削減につながる
業務の自動化をするには、どのようなコストの削減につながるのか押さえておきましょう。
自動化したい業務のために人材を確保する必要がないため、採用や研修にかかるコストの節約が可能です。
また外注していた業務を自動化することで、外注コストも削減できます。
ミスが防げる
業務の自動化はAIやロボットが作業を行うため、ヒューマンエラーの防止につながります。そのためミスが起きやすい難しい作業を自動化することで、正確な作業ができる環境を整えられます。
さらに特定の社員だけに依存する属人化を防げるという点も、業務の自動化ならではのメリットです。
業務の自動化が進まない理由とは？
業務の効率化につながる自動化の導入ですが、自動化が進められていない企業も多く存在しています。
では業務の自動化が進まない背景には、どのような理由が存在しているのでしょうか。
何を自動化するのか決めるのが難しい
単純作業や反復作業であれば業務の効率化につながる一方、自動化を導入しても期待していたような効率化の効果が得られない業務内容も多く存在しています。そのため、導入を検討する際に業務の内容を整理して自動化に適した業務を見極める必要があります。
しかし、古いマニュアルを使っているなどの理由から、業務内容が可視化されていないことが原因で、業務内容の全体を把握するのが難しいケースも見られます。
業務の全体が可視化できないと、自動化を進めて効果が出るのか判断しにくいため、自動化を進めること自体を断念してしまう企業も多くなっています。
社内理解を得るのが難しい
自動化を導入することで業務の効率化につながると言われても、社員側はAIやロボットが業務を担うことで、自分たちの仕事が無くなるのではないかと不安になるかもしれません。
また、自動化を進めたいと上司に交渉した場合でも、具体的にどのような効果が出るのか示すのが難しいため、必要性を理解されず上司の許可が下りないことが原因で自動化が進まない可能性もあります。
社内理解を得るためには、現在の社員の働き方がどのように変わるのか、解雇の可能性があるのかといった点をしっかりと説明することが大切です。
また、自動化の効果を理解してもらうために、具体的な数字を用いてどのようなメリットが期待できるか提示しましょう。具体的な数字で導入する効果を説明することは、導入する価値があるか判断するうえでも必要です。
人材の確保が難しい
業務の自動化が進められれば、自動化作業をしていた人材を確保する必要がなくなるため、人件費の節約につながります。
しかし、自動化を進めるためには、自動化ツールに詳しい人材を確保しなければいけません。
今いる社員を教育して育てるという方法もありますが、自動化を進めるのに一定以上の知識を得る社員を育成するためには時間だけではなくお金もかかります。
そのため、自動化を進めたいなら、すでに知識を持っている人材を確保したうえで、社員の教育も同時に進めていくスタイルが適しています。
しかし、自動化ツールの扱いに慣れている人材の確保が難しいため、業務の自動化を進めたくても進められない場合もあります。
自動化が導入しやすい業務
業務の自動化は、データ化されている・ルールが決まっている・単純作業の繰り返しなどの業務が適しています。デジタル化が難しいものや人の判断が必要となる業務は、自動化には不向きなので注意しましょう。
では具体的にどのような業務が自動化に適しているのでしょうか。
- 総務
例えば総務の仕事の場合、定型文を用いる書類作成や業務内容の確認なら自動化を進めやすくなります。 - 経理
経理の仕事なら、経費データの入力や売掛や買掛チェックが自動化を導入することでミスを防ぎながら業務の効率化につながる可能性があります。 - 営業
営業の仕事であっても、見積書の作成や販売状況調査などで自動化を取り入れることが可能です。
ほかにも日報の作成や情報収集、システム登録などの業務が自動化に適しています。
まずは社内の業務内容を整理し、どのような業務が自動化できるか考えてみましょう。
業務を自動化をする主な方法
業務の自動化をする主な方法には、RPA・マクロ・AIの3つがあげられます。
方法ごとに自動化できる範囲や適している業務内容が異なるため、状況に合った方法を選択しましょう。
RPAはパソコン上の単純作業に適している
業務の自動化における方法の1つであるRPAは、人間側が作成したルールに基づいて業務を行うツールで、さまざまなアプリケーションで運用が可能です。
ルール通りに正確な作業を進められるため、人的ミスを減らしたうえで効率よく作業を進められます。
パソコン上で行われる単純作業を自動化するために導入されるケースが多く見られます。例えばデータの集計や手入力、システム間のデータ連携などの業務の自動化に使われています。
マクロはExcelの自動化に使われることが多い
マクロは主にOffice製品に搭載されている自動化ツールで、書類作成やデータチェックなどのExcel内の業務を自動化したい場合に多く導入されています。
手作業で入力していたExcelの業務が自動化できますが、Office製品以外のツールと相互連携できないため注意が必要です。
Office製品であれば、OutlookとExcelの連携によるメール送信、AccessとExcelの連携によるデータベース開発などの形で活用できます。
AIは自己学習機能が強み
AIはほかの自動化の方法とは異なり、自己学習機能を備えています。他の方法は決められたルールに基づいてデータ入力やデータチェックを行いますが、自己学習機能があるAIは、蓄積されたデータを分析して次のアクションをAI自身が判断できます。
データ分析や予測まで自動化できるようになるため、ビジネスにおけるさまざまな場面で活用できる自動化の方法です。利用できる場面が多いものの、開発難易度が高い、必要なデータ量が多いなどのデメリットも存在しています。
業務の自動化まとめ
これまで人の手で行っていた業務を自動化することで、業務の効率化やコストカットによる生産性の向上につながります。しかし、自動化が進まない企業も多いのも事実です。
より良い形で業務の効率化を進めるために、自動化の方法と導入するメリットを押さえながら、どのように導入を進めたらいいのか考えてみましょう。
