「AIやディープラーニングの知見をより深めたい」「資格を取得してAI関連の企業に転職したい」と考える方には、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が運営する、「G検定」という資格がおすすめです。とはいえ、G検定について詳しくない方も多いでしょう。
今回の記事を読むことで、G検定の概要や良質な参考書、学習方法がわかるため合格の一助となります。ぜひご一読いただき、参考にしてください。
G検定の概要
G検定とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が運営する民間資格のことです。資格名にある「G」とは、「ジェネラリスト」のことを指しています。
なお、一般社団法人日本ディープラーニング協会が定義するジェネラリストとは、以下のとおりです。
ディープラーニングの基礎知識を有している人材
適切な活用方針を決定し、事業活用する能力や知識を有している人材
引用:一般社団法人日本ディープラーニング協会
その他、G検定の概要を一覧にまとめると、以下のようになります。
G検定の目的・ゴール |
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正式名称 | G検定 |
運営 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会 |
日程 | 1月/3月/5月/7月/9月/11月(年6回) |
受験資格 | 受験資格なし(どなたでも受験可能) |
費用(税込) |
(両者とも、2年以内の再試験の場合は半額) |
会場 | 自宅(オンライン受験) |
試験時間 | 120分 |
出題内容 | 【技術分野】
【法律・倫理分野】
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G検定の合格率は?
G検定の合格率は、約70%となっています。
過去の受験者数と合格者数を一覧にまとめたものが以下になります。
開催回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2024(6回目) | 6,850人 | 5,027人 | 73.39% |
2024(5回目) | 4,917人 | 3,689人 | 75.03% |
2024(4回目) | 4,140人 | 3,080人 | 74.40% |
2024(3回目) | 3,044人 | 2,236人 | 73.46% |
2024(2回目) | 5,527人 | 3,760人 | 68.03% |
2024(1回目) | 3,291人 | 2,398人 | 72.87% |
2023(5回目) | 5,330人 | 3,662人 | 68.71% |
2023(4回目) | 3,309人 | 2,390人 | 72.23% |
2023(3回目) | 4,518人 | 3,106人 | 68.75% |
2023(2回目) | 3,052人 | 2,075人 | 67.99% |
2023(1回目) | 7,150人 | 4,705人 | 65.80% |
2022(3回目) | 7,502人 | 4,964人 | 66.17% |
2022(2回目) | 6,398人 | 3,917人 | 61.22% |
2022(1回目) | 6,760人 | 4,198人 | 62.10% |
2021(3回目) | 7,399人 | 4,762人 | 64.45% |
2021(2回目) | 7,450人 | 3,866人 | 61.50% |
2021(1回目) | 6,062人 | 3,866人 | 63.77% |
2020(3回目) | 7,250人 | 4,318人 | 59.56% |
2020(2回目) | 12,552人 | 8,656人 | 68.96% |
2020(1回目) | 6,298人 | 4,198人 | 66.66% |
2019(3回目) | 6,580人 | 4,652人 | 70.74% |
2019(2回目) | 5,143人 | 3,672人 | 71.40% |
2019(1回目) | 3,436人 | 2,500人 | 72.76% |
2018(2回目) | 2,680人 | 1,740人 | 64.93% |
2018(1回目) | 1,988人 | 1,136人 | 57.14% |
2017 | 1,448人 | 823人 | 56.84% |
いずれも受験者数に対し、半数以上の方が合格していることがわかります。
G検定とE資格の違い
G検定と同じく、一般社団法人日本ディープラーニング協会が運営するAI資格に「E資格」というものがあります。
大きく異なるのは難易度で、E資格はG検定よりもスペシャリスト向けといっていいでしょう。
具体的な違いをまとめると、以下のようになります。
G検定 | E資格 | |
運営会社 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会 |
合格率 | 70%前後 | 65%前後 |
受験資格 | なし | JDLA認定プログラム講座を修了している方 |
試験時間 | 120分 | 120分 |
問題数 | 220問 | 100問前後 |
向いている人 |
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両者を比較すると、「受験資格の有無」と「出題数」に違いがあります。
G検定は誰でも無条件で受験できますが、E資格は「JDLA認定プログラム講座」を修了した方でない限り受験できません。
またG検定の問題数は120分で220問ですが、一方のE資格は同じ120分で100問前後です。
E資格のほうが、より回答時間を要する思考問題が出題される傾向となっています。
E資格の認定プログラム講座の詳細は以下をご覧ください。
G検定を取得するメリット
G検定を取得することには、以下のようなメリットがあります。
- ディープラーニングを深く理解できる
- スキルアップや転職で重宝する
- 一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)コミュニティで情報交換ができる
それぞれご紹介します。
ディープラーニングを深く理解できる
ディープラーニングに対する深い理解を得られることが、G検定のメリットになるでしょう。
G検定で出題されるディープラーニングの範囲は多岐にわたるため、多くの知見と十分な理解が求められるからです。これから新しくディープラーニングを学ぶ方はもちろん、さらに知見を深めたい方にもおすすめです。
なお、ディープラーニングについて詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になります。
スキルアップや転職で重宝する
G検定は、スキルアップや転職の用途で重宝する点が、大きなメリットといえます。
将来性および需要の高いAI分野において「高度なスキルと知識を備えている人材」として、権威性をアピールできるようになるからです。
とくに現代の日本ではIT人材の不足が深刻であり、この傾向は今後もさらに進むことが懸念されています。こういった背景から、資格保持者のような専門的なIT人材の価値は、これからもますます上がっていくでしょう。
一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)コミュニティで情報交換ができる
G検定に合格すると、一般社団法人日本ディープラーニング協会が運営するコミュニティへの参加権が得られます。
このコミュニティでは、過去のG検定合格者も多数参加しています。
同じ経験を積んだ者どうしの交流、開発イベントなどを通じた情報交換を行うなど、人脈を広げられるメリットがあります。
G検定の主な学習方法
G検定対策としての学習には、以下のような方法があります。
- 参考書を用いて独学する
- インターネットや学習サイトを使う
- AI関連サービスやコンサルを活用する
それぞれご紹介します。
①参考書を用いて独学する
市販の参考書や問題集を購入し、独学する方法になります。
体系的に自分のペースで学習できるため、ゼロからAIやディープラーニングについて学んでいきたい方におすすめです。
ただ、書籍や参考書を通じても理解できない点があった際、自力で解決しなければならない点はネックとなります。おすすめのG検定対策の参考書については、次章で詳しくご紹介します。
②インターネットや学習サイトを使う
書籍と同じく独学ではありますが、インターネットや学習サイトを用いる方法になります。
インターネット上には、AIやディープラーニングに関する情報が星の数ほどあるため、活用しない手はありません。
ただインターネットは、どちらかというと「なかなか理解できない不明点をピンポイントで調べる」という用途に適しています。ゼロから始める方は、参考書と併用することで高い学習効果を発揮できるでしょう。
AI関連サービスやコンサルを活用する
AI関連サービス、またはコンサルティングサービスなどを活用する方法になります。
学習効果の高さと効率といった点では、もっともおすすめしたい方法です。
各種サービスによって内容は多少異なりますが、例えばAI研究所が運営する「JDLA認定 G検定対策講座」では、AI分野に精通した熟練の講師からの指導を受けられ、さらに不明点をすぐに質問できる環境が整っています。
独学に比べるとお金はかかりますが、そのぶん早い段階で「稼いで受講料を回収するフェーズ」に入れるので、投資価値は高いでしょう。
G検定のおすすめ参考書
この章では、G検定対策として有効な参考書を3冊ご紹介します。
ディープラーニング G検定公式テキスト
引用:Amazon
こちらはG検定運営団体「一般社団法人日本ディープラーニング協会」による公式テキストです。公式テキストだけあって、試験を知り尽くした著者陣が、AIやディープラーニングを基本から解説しています。
参考書としてだけでなく、例年の出題傾向に基づいた練習問題がついていることから、G検定対策として必ず手に取っておきたい1冊となります。
ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格テキスト
引用:Amazon
生成AIやディープラーニングをはじめとする、細心シラバスに完全対応している、G検定対策テキストのひとつです。解説で480ページ、問題集を含めて全部で727ページと圧巻のボリュームとなっており、一冊でG検定の範囲をしっかりカバーしています。
暗記に使える赤シート、さらに本番さながらの練習ができるPDF模試がついていたりと、タイトルどおり「最強の合格テキスト」として人気を博している1冊です。
この1冊で合格! ディープラーニングG検定集中テキスト&問題集
引用:Amazon
G検定の中でも、特に重要な箇所をコンパクトに収めたテキストです。
理解必須の内容を図解などを用いてコンパクトに解説しています。
節ごとにマルバツチェックを設けたり、章末に一問一答形式の確認問題を設けるなど、自分のレベルをチェックしつつ進められます。より実践に近い形式で、アウトプット中心に学習していきたい方におすすめです。
G検定開催日程【2025年】
2025年のG検定の試験日程は、以下のとおりです。
試験開催日 | 申込期間 | |
G2025#1 | 2025年1月11日(土)13:00〜 | 2024年11月15日(金)〜2024年12月27日(金) |
G2025#2 | 2025年3月7日(金)16:00〜 2025年3月8日(土)13:00〜 | 2025年1月17日(金)〜2025年2月27日(木) |
G2025#3 | 2025年5月10日(土)13:00〜 | 2025年3月14日(金)〜2025年5月2日(金) |
G2025#4 | 2025年7月4日(金)16:00〜 2025年7月5日(土)13:00〜 | 2025年5月16日(金)〜2025年6月26日(木) |
G2025#5 | 2025年9月6日(土)13:00〜 | 2025年7月11日(金)〜2025年8月29日(金) |
G2025#6 | 2025年11月7日(金)16:00〜 2025年11月8日(土)13:00〜 | 2025年9月12日(金)〜2025年10月30日(木) |
ディープラーニング協会運営のG検定とは?まとめ
G検定は「ディープラーニングの高度な知識のもと、適切な活用方針の決定や事業活用ができる人材」を証明できるAI資格です。
取得することでAI分野に精通していることが証明できるので、人材不足が懸念されるIT業界において、貴重な人材として一目置かれることは間違いありません。
合格者数のわりに難易度はすこし高いものの、正しく学習を行うことで、初心者でも十分に合格は狙えます。参考書や学習サービスを活用し、将来性のあるG検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
AI研究所が運営する「JDLA認定 G検定対策講座」では、AI分野に精通した熟練の講師からの指導を受けられ、さらに不明点をすぐに質問できる環境が整っていますので、ぜひご検討ください。