人口知能の性能を向上させるために、さまざまな技術が開発されています。
機械学習をさせるために必要となるアノテーションという技術も開発されていて、幅広い目的で使用されています。
ここでは、画像へ行うアノテーションの概要や実行するための方法について、詳しく紹介します。
画像へのアノテーションとは
画像へのアノテーションとは、画像にタグやメタデータなどを添付して注釈をつけることです。
画像にアノテーションをすることにより、その画像がどのような内容であるかコンピューターが理解できるようになります。
画像にアノテーションをする技術が多く使用されているのは、人口知能の機械学習です。
AIが学習をするためにアノテーションが必要になるのは、人工知能が教師あり学習という方法などを使用して、与えられたデータを処理しているからです。
教師あり学習とは、正しいデータに基づいてコンピューターが与えられた情報を処理する方法です。
正解である学習データと同じものであるとコンピューターが判断すると、正しい方法で処理をおこない、正解のデータとは違うものであると判断すると正しい処理をおこないません。
画像の処理をおこなう時にも教師あり学習はおこなわれていて、画像の持っている特徴をコンピューターが分析して、正しい学習データと同じものであるかどうかを判断しています。
この教師あり学習で使用される正確の学習データを作るために使用されているのがアノテーションです。
与えられた画像データをコンピューターが分析して、色や形状に関するさまざまな情報をタグとして付加します。
これらのタグを使用することで、コンピューターはさまざまな画像を細かく分類できるようになります。
コンピューターが精度の高い教師ある学習ができるようにするためには大量の教師データが必要になり、そのために使用されているのがアノテーションの技術です。
画像をアノテーションすることにより、多くの画像を機械学習のために使用できるデータに変えることができます。
アノテーションについてもっと詳しく知りたい人は下記記事を参考にしてください。
画像にアノテーションをする方法
所有する画像にアノテーションをして機械学習のために利用したい場合には、アノテーションのやり方や手順を一通り知っておいた方が良いでしょう。
ここではまず初めに、自分でアノテーションをする際の手順について紹介します。
1.画像に写っている物体を検出する
画像を自分でアノテーションをする時にまず用意しなければいけないのは、大量の画像データです。
教師データが多いほど機械学習がしやすくなるので、できるだけ多くの画像データを準備しておいた方が最適です。
自分でアノテーションをする時には手順に従って作業をおこなった方が、効率的に画像を処理できます。
一番初めにする必要があるのは、物体を検出する作業です。
物体の検出とは、画像の中に写っているものを見つけて、それらの物体が何であるかをタグを使用して記録することです。
例えば、画像の中に人間と犬が一緒に写っている場合、人間や犬が写っていることをコンピューターが理解できるタグをつけます。
2.画像内の特定の領域を抽出する
画像のアノテーションをおこなうために次にしなければいけない作業は、画像の中に含まれている特定の領域を抽出していく作業です。
この作業をおこなう時に重要となるのは、抽出した特定の領域の中にどのような画像が含まれているかを、タグを使用して記録していくことです。
例えば使用する画像データの右側に犬が写っている場合、右側の領域が犬であることをタグを使ってデータに記録します。
画像内に複数のものが一緒に写っている場合には、それぞれの領域にどのようなものが写っているかを、分類しながらタグをつけていきます。
3.画像を分類する
画像のアノテーションをする時に最後にしなければいけないことは、画像を分類する作業です。
どのような種類の画像であるかを正確に分類しておくことで、コンピューターが教師あり学習をおこなう時に利用しやすくなります。
特に大量のデータを使用してコンピューターが処理をする場合には、画像の分類は処理速度を向上させるために重要なポイントです。
画像を分類する時には、その画像の中に写っている物体の特徴などを細かくデータとして記録する必要があります。
例えばTシャツが写っている画像ならば、Tシャツの画像であるという情報だけでなく、そのTシャツがどのような色をしているのかという情報も、タグとして記録しておくことが必要です。
その他に、Tシャツの模様などもタグとして記録することができ、画像に写っている物体をより細かく分析することにより、コンピューターが機械学習のために利用しやすくなります。
アノテーションの作業が大変だなと思ったら無理せず会社に外注するのも良いでしょう。
ツールを使用して画像にアノテーションをする方法
画像データはツールを使用してアノテーションすることもできます。
ツールを使用してアノテーションすることのメリットは、自分でアノテーションをするよりも、手間をかけずに作業ができることです。
ツールを使用すれば、大量の画像も短時間で処理できます。
アノテーションをするために必要となる画像内のセグメンテーションができるツールもあり、画像に含まれている輪郭線を分析して、それぞれの物体ごとに領域を抽出できます。
画像に含まれている特徴のある部分に、情報を記録できるツールもあります。画像を分析するためには特徴のある場所に注目するのが効率的な方法であるため、こうしたツールが使用されています。
画像内の特徴のある部分を座標として記録することで、コンピューターが画像の内容を分析する時に利用できます。座標情報を画像データにつけることにより、画像の中に写っている人間や動物の体型なども、簡単に推測できます。
人間や動物がどのような姿勢をとっているのかも、座標情報を分析することにより推定できる情報です。
画像内の特定の部分を四角形で囲むことにより、画像のアノテーションができるツールもあります。
こうしたツールを使用する場合には、画像に写っている物体や特徴のある部分を、まず四角形で取り囲みます。
次に、それぞれの四角形の中に写っているものを、タグを使用して分類していきます。
画像のアノテーションを外注する方法
画像へのアノテーションは時間や手間がかかり、大規模に行おうとするとかなり人件費やリソースを割かなければなりません。
そんな時、アノテーションを外注すると結果コストパフォーマンスよくアノテーションを完了できるケースがあります。
もし画像へのアノテーションを行うのに外注を考えている方は一度相談するのもいいかもしれません。
画像にアノテーションをする際の注意点
画像にアノテーションをする時には、注意をしなければいけないこともあります。
画像を教師データにするために重要なことは、画像が正常なデータであるかどうかを、しっかりと確認してから使用することです。
正常な状態でない画像データを使用してアノテーションをおこなうと、教師データを正しく作成できないこともあるので、機械学習も正確にできなくなります。
このようなミスを避けるためには、あらかじめ不要なデータは全て削除しておく必要があります。
収集した画像データの中に破損しているデータが混じっている場合もあるので、使用する前に見つけ出して取り除いておけば、安全にアノテーションの作業ができます。
画像のアノテーションを成功させよう
画像のアノテーションは、人工知能の機械学習に欠かせない技術として使用されています。
画像をアノテーションすることにより、その画像の中に写っているのがどのような物体であるのかを、コンピューターが簡単に分類できるようになります。
教師あり学習をする場合には、アノテーションでタグづけされた画像データが多くあるほど、正確な画像分析がしやすくなります。