アノテーションを自動化するには?自動化方法や外注についても解説

AI開発を進めるうえで、アノテーションは重要なプロセスです。アノテーションは自動化できる一方、作業には膨大な労力を要するため、外注に代行を依頼する方法もあります。この記事では、アノテーションとはどのような工程で、どうすれば自動化できるのか、また外注に作業を依頼するメリットは何かといった点について解説します。

アノテーションは自動化できるのか

アノテーションとは

アノテーションとは、画像や音声、テキストといった各種のデータに対して、その一つひとつに必要な情報をタグ付けしていく、そのプロセスをいいます。「注釈」「注解」といった意味の英語で、AI開発には欠かせない工程の一つです。AI開発は一般的に「データ収集」「アノテーション」「学習」「評価」「運用」といった流れを踏みますが、アノテーションは人工知能が機械学習を行ううえでの教材となる、いわば「学習テキスト」を作成する作業をさすもので、教師データといわれるこの学習テキストをもとに人工知能は学習を反復し、判断能力や処理スピードを上げていくのです。

アノテーションは、AIに何をさせたいのかによって種類が分かれます。画像であれば、物体に固有名詞を付けたり、領域に意味づけを行ったり、対象の属性に情報を付加したりします。音声の場合は、音そのものの種類や音量、発せられた音の意味に情報を与え、テキストには特定の文言にタグを付けて膨大な文章の中から識別が可能な状態とする方法などがあります。たとえば、画像認識のために、写っている物体にカテゴリ別のタグをつける、チャットボットを構築するために、特定の単語にタグを付けて分類する、自動運転システム開発のために道路標識の画像にそれが示す意味づけのタグを付加する、といった具体例を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。

アノテーションとは、このようにAIが機械学習を行うための教師データを作成していく作業なので、何を学習させたいのかが明確に決まっていれば、一つひとつ教師データを付加していくことで完了します。しかし、精度の高い学習を行うためには、膨大なデータ量が必要になります。先ほどの道路標識でいえば、「一時停止」の標識一つにしても、上下左右、遠景近景、晴天時や雨天時、昼間と夜間など、それぞれの状態に応じてタグを付加し、AIに学習させて初めて精度の高い認識・判別を行うことが可能です。この作業がすべての道路標識に必要となり、自動運転システムを作るのであれば、信号や案内標識などさらに多くの指標物について一つひとつ対応していくことが必要です。手作業ではとうてい追いつけるものではありません。

そこでアノテーションの自動化という考え方が生まれます。実際、アノテーションはある程度自動化することができます。方法としては、アクティブラーニングやアノテーションツールを導入して行うというものです。しかしアクティブラーニングにも人の手が必要な部分があり、またアノテーションツールでも完全なカスタマイズを行うことは不可能なので、いずれもある程度の業務効率化をはかることができるものの、すべてを自動化するまでには至っていません。

アノテーションをなるべく自動化する方法

アノテーションをなるべく自動化する一つの方法に、アクティブラーニングの導入があります。アクティブラーニングとは、AI自身に学習の弱点を見つけさせ、その弱点を人の手で補って強化するという方法です。具体的には、複数あるデータの中から教師データによって正解が与えられたパターンを一つのモデルとして構築し、AIがこのモデルに沿って抽出したデータのうち、判断に迷ったり、識別が不能なものなどについて、手動で正解のタグ付けを行っていくというものです。この作業を行うことでAIは学習を深め、判断能力を高めることができます。このように、何度も反復する工程を自動化し、AIが判断できない部分にだけ人の手を加えることで、作業の効率化が高められるようになります。

また、アノテーションツールを導入して行うという方法もあります。アノテーションツールとは、AIに学習させたい各種の項目について、ある程度の自動化を実現したソフトで、無償で公開されているものと有償で提供されているものがあります。無償タイプのものでは、アノテーション業務の自動化を完了させているものもあり、カテゴリが自社の取り組みと一致すればそのまま応用することも可能です。有償タイプについては種類が様々で、対象の抽出とラベル付け機能を持つものや画像の対象物を自動で検出できるもの、特定の処理を加えることで教師データを複数増やせるデータ拡張機能を持ったもの、タグ付けしたデータに書き込み可能でフィードバックが簡単にできるレビュー機能を持ったもの、さらにはアノテーション作業そのものの進捗管理を容易にし、作業の効率化をアップさせる機能を持ったものなど、複数の機能から自社のAI開発に適した製品を選択することが可能です。ただしこれらのツールはあくまでもプラットフォームであり、機能的に重複しているケースがあります。また選択を誤るとコストがかかりすぎてしまう恐れもあるので、自社のプロジェクトにふさわしいものかどうかを慎重に見極める必要がありるのです。

アノテーションを代行サービスに依頼する流れ

アノテーションを行ううえでの問題点の一つは、高精度のAIを開発しようとすれば、大量のデータが必要になってしまうということです。データを少なくすれば作業にかかる手間を割くことができ、効率化にはメリットをもたらすでしょう。しかしデータ量が少なければ学習量の不足から精度が劣るという結果を招き、プロジェクト自体意味のないものになってしまいます。仮に十分なデータが揃えられたとしても、アノテーションに割く人材の確保や作業時間の確保は新たな壁となり、コア業務に支障が生じる恐れがあるというのもまた問題の一つです。

アノテーションの自動化に向けては各種のツールが有効であることは間違いありません。とはいえ、ツールを完全にカスタマイズすることには限界があります。たとえば画像処理に関してアノテーション自動化が完了しているものを利用することはできますが、自社製品を対象にするのであれば最終的には自社のデータに置き換える必要があり、そこにはまた人材の再配置といった問題も生まれてきます。

こういったデメリットを払しょくするには、アノテーションを外注して作業自体すべて代行させるという方法も有効な選択肢となります。外注はプロジェクトの立上げから関わり、どのように事業を進めれば最も効果的かについて提言を行います。データの取り扱いにも専門的な知見を発揮し、複雑なデータ要件にも判断基準がぶれることなく高品質なアノテーションを実現することが可能です。

アノテーションを代行サービスに依頼する流れは次のようなものです。まず代行サービス会社に連絡して計画のイメージを伝えると専門の技術スタッフが回答します。そのうえでどのようなデータを作成したいのか、具体的な要望についてヒアリングする機会が設定されます。その後、ヒアリング内容に基づいてニーズに沿ったアノテーションの具体案と作業にかかる見積もりが提案されます。この具体案を基に打ち合わせを重ね、納得できるまで内容を練り直したうえで、合意に至ればいよいよ事業のスタートとなります。外注であれば自社の希望を伝えるだけで手間がかからず、打ち合わせを重ねるうちに新たなアイデアが生まれるといった好循環に結びつくケースも期待できるでしょう。

アノテーションの完全自動化は難易度が高い!

情報にタグ付けを行うアノテーションは、AI開発を進めるうえで重要なプロセスです。アノテーションはツールなどを用いて自動化することが可能ですが、全ての工程を自動化することはできません。その際は業務の効率化に役立つだけでなく高品質なデータの完成が期待できる代行サービスに作業を外注する方法がベストです。

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