データサイエンティストはいままさに需要の高い職業ですが「データサイエンティストになるには何から始めればいいの?」と悩んでいる方も多いでしょう。そのような方に向け、本記事では必須の5ステップを分かりやすく解説します。
データ分析の基本から必要なスキル、学習方法まで、初心者でも着実にスキルアップできる方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてほしいと思います。
データサイエンティストとは?
平たく言うと「たくさんのデータを集めて分析し、そのデータから役立つ情報を見つけ出す仕事」です。統計やプログラミングを使って、企業や組織がより良い意思決定をできるようにサポートすることが目的です。
情報社会の現代においてビッグデータはもはや欠かすことのできない存在です。ゆえにデータサイエンスによってビジネスで起こり得るさまざまな問題を解決できるようになることから、たいへん重要な役割として認知されています。
データサイエンティストの将来性
データサイエンティストの将来性は非常に高いといえます。ビッグデータを活用する企業が増えたことで重要性が増しているため、それに伴ってデータサイエンティストの需要も急増しているためです。
またAI技術の進展に伴って需要がさらに拡大しているため、とくにプラスアルファでAIを扱える人材の需要が高まると予測されています。現代ではまだまだ良質な経験をもつスペシャリストも少ないため、その希少性から獲得競争が激化しているのが現状です。
なお以下の記事でも概要などをくわしく紹介していますので、ぜひご一読ください。
データサイエンティストになるには?初心者向け5ステップ
まったくの初心者からデータサイエンティストになるには、どのような手順を踏めばいいかわからない方も多いでしょう。この章では、以下の5ステップでなる方法を解説します。
- データサイエンスの基礎を学ぶ
- 統計学や分析、プログラミングを習得する
- データ分析と可視化を実践してみる
- 資格取得を目指して勉強する
- データサイエンティストの求人に応募する
ステップ①データサイエンスの基礎を学ぶ
データサイエンティストになるには基本的な概念や理論を理解することから始めます。このフェーズでは、ざっくり「どのようにビジネスや社会に役立っているのか」を知ることから始めると良いでしょう。
冒頭で紹介している動画をはじめ、YouTubeをはじめとする動画コンテンツを活用すれば、無料で十分概要はつかめるはずです。またそれだけでなく、書籍なども用いてデータの種類(構造化データ、非構造化データ)や収集方法、一般的な分析の流れなどが理解できればなおいいでしょう。
ステップ②統計学や分析、プログラミングを習得する
データサイエンティストになるには統計学やデータ分析の知識も必要です。基本的な統計学の概念(平均値、中央値、分散、標準偏差など)を学び、データに潜む傾向やパターンを見つける術を理解します。
次に実際にデータを分析するためプログラミング言語を習得することが必要です。とくにPythonはデータサイエンティストに最も使用される言語で、ライブラリを使うことで、かんたんにデータ処理や可視化ができるようになります。
ただ統計学とプログラミング、どちらも初心者が独学で習得するにはハードルが少々高いことは否めません。データサイエンティストセミナーをはじめとするIT講座や、プログラミングスクールを活用して効率よく学ぶのがおすすめです。
ステップ③データ分析と可視化を実践してみる
基礎的な統計学やプログラミングスキルを学んだら、次は実際のデータを使って分析を行い、その結果を可視化する練習を行います。データの可視化は分析結果の報告といった目的だけではなく、前処理や予測、また分類の確認でも活用されます。
まずは可視化手法を適切に選ぶことが求められ、データの属性や目的に応じた方法を選べるようにならなければなりません。代表的な可視化手法には散布図、ヒストグラム、棒グラフ、折れ線グラフなどがあります。
さらに実務でははMatplotlibやSeabornなどのライブラリを活用し、グラフやチャートを作成して分析結果を視覚的に見やすくまとめることも求められます。
ステップ④資格取得を目指して勉強する
資格は必須ではないのですが、データサイエンティストになる際に非常に大きな効果をもたらしてくれることは間違いありません。「どれだけその分野での知識や技術を持っているか」また「未経験でありながらどのくらい意欲があるか」を客観的に示す指標になるからです。
具体的に必要な資格は以下でまとめていますが、G検定やE資格、統計検定などが代表例として挙げられます。G検定対策講座やE資格対策ディープラーニング短期集中講座をはじめとするIT講座や書籍を活用し、インプットを行っては、実際に過去問題を解くなどアウトプットを繰り返す勉強法が良いでしょう。
ステップ⑤データサイエンティストの求人に応募する
十分な基礎知識と実践的なスキルが身につき、資格や成果物など何らかの「実績」ができたら、データサイエンティストの求人にひたすら応募しましょう。求人サイトや企業の採用ページ、もしくは転職エージェントを活用し、数を打つことが重要です。
良質な学習を積んでいても、経験がなくて弾かれるケースは少なくありません。そこで武器になるのが、資格やポートフォリオといった「手元に残る実績」になります。
それを用意したうえで企業が求めるスキルをしっかり把握しつつ、それに見合った自分の強みを考えて積極的に応募を繰り返しましょう。
データサイエンティストになるには3つのスキルが必須
データサイエンティストになるには以下の3つのスキルが必要になります。
- 統計学や分析スキル
- Pythonなどのプログラミングスキル
- データベース操作スキル
それぞれ見ていきましょう。
必須スキル①統計学や分析スキル
データサイエンティストになるには統計学や分析のスキルが必要です。手軽にこのスキルを身につける実践方法としては、Google AnalyticsやSearch Consoleを用いて、自身のブログなどのコンテンツを分析するのがおすすめです。
AnalyticsはGoogleが提供するデータ解析ツールで、アクセス情報のみならずユーザーの情報を知ることができます。
このようにグラフで一覧表示してくれたり、またアクセスしたユーザーの地域、使っているデバイスまで把握することが可能となります。
そしてSearch Consoleはサイトの管理を行えるツールで、ユーザーが打った検索キーワードやページ内エラーの発見で役立つものとなります。
もし自分のサイトやブログをもっておらず、Google Analyticsが試せないという方は、InstagramやX(旧Twitter)が提供するアクセス解析ツールを用いて
- 自身のアカウントのアクセス数
- どの場所に住むどんな人が主に閲覧しているか
- どんなアカウントからどんなアクションをされるか
といったデータを分析するのもひとつの手段です。実際に自分でやっている何らかのアカウントを分析してみることは、非常に有意義な勉強となります。
必須スキル②Pythonなどのプログラミングスキル
Pythonはデータ分析や機械学習で広く使用されており、データサイエンティストになるには重要なスキルです。Pythonはデータの前処理、分析、可視化、機械学習などを効率的に行うための豊富なライブラリが揃っているからです。
Pythonでデータ解析ライブラリ「Pandas」を使用してデータを読み込むコードの例は以下のようになります。
import pandas as pd
df = pd.read_csv(‘ファイル名.csv’)# データの先頭5行を表示
print(df.head())# 列ごとの統計量を表示
print(df.describe())# 特定の列を選択
df_filtered = df[[‘Column1’, ‘Column2’]]# 特定の行を選択
row_1 = df.iloc[1]
print(row_1)
必須スキル③データベース操作スキル
データサイエンティストは大量のデータにアクセスして抽出や操作を行うため、なるにはデータベース操作スキル(SQL)が必要となります。多くの企業の実務で必要となるので、覚えておくに越したことはありません。
たとえば以下はSQLを使って、特定の条件でデータを抽出するコード例です。
SELECT column1, column2
FROM dataset
WHERE column1 > 50
これらは基本中の基本の一部であり、SSQLを覚えることでじつにさまざまなデータ操作が可能になります。
なお、これらのスキルを無料でひとまず学びたいなら、以下の記事が参考になります。無料のセミナーも紹介していますので、ぜひ併せてお読みください。
データサイエンティストになるうえで有利になる資格
未経験からデータサイエンティストになるには、意欲や実力の証明のために資格の取得に励むのも効果的です。この章では、そのうえで有利になる資格として以下の5つを紹介します。
- DS検定
- E資格
- G検定
- Python3 エンジニア認定データ分析試験
- 統計検定
資格①DS検定
「DS検定」は名称のとおりデータサイエンスの知識やスキルを認定する試験です。ビジネス課題を解決するためのデータ活用能力を問われるのが特徴です。
試験は選択式で、全国の試験会場で実施されます。2024年6月からは生成AIスキルに対応した問題が追加されており、合格者にはオープンバッジや合格証明書が発行されます。
受験料は一般10,000円、学生5,000円です。
資格②E資格
E資格はディープラーニングの理論理解と実践的な実装能力を証明する資格です。JDLA認定プログラムの修了が受験条件として設けられているのが特徴です。
試験は多肢選択式で数学、深層学習の基礎・応用、機械学習、開発環境に関する幅広い範囲を対象とします。エンジニア向けの内容なので、専門知識が多く求められる傾向にあります。
なおProSkilllが運営する「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」では、4日間という短期集中で実務に必須の部分を効率よく学ぶことができるのでおすすめです。
E資格対策ディープラーニング短期集中講座 の詳細はこちらから
資格③G検定
G検定はJDLAが実施する試験で、AIやディープラーニングの基本的な活用知識が問われます。内容は多肢選択式の問題(約160問)で、AIの基礎技術、応用、社会実装、法・倫理など幅広い分野が対象となります。
受験資格はなく誰でも受験でき、費用は一般13,200円、学生5,500円です。なお「JDLA認定 G検定対策講座」では、実践に基づいた1日の短期集中講座で、リーズナブルにG検定合格を狙うことが可能になるので、ぜひ以下から詳細をご確認ください。
資格④Python3 エンジニア認定データ分析試験
Pythonの基本的な文法やスキルを測るための試験です。主な目的はPythonの利便性を理解し、正しく活用するための知識習得を確認することです。
試験は全国のCBTセンターで通年受験可能で、受験料は一般11,000円(税込)、学生5,500円(税込)です。出題内容は主に公式テキスト「Pythonチュートリアル」に基づいており、合格率は75~80%と高めです。
こちらの資格に合格したいなら、2日間で即戦力となれるPythonスキルが手に入る「Python基礎セミナー講習」の受講がおすすめです。
資格⑤統計検定
データ分析における基礎的かつ重要なスキルを証明する資格です。試験は1級から4級まであり、2級以上は統計学の実践力が問われます。
統計的なデータ処理や分析はデータサイエンティストの業務の中核となるため、この資格を取得することでデータ活用力を証明できます。大学での研究職や企業内の分析職での活躍を目指す人にも向いた資格で、合格によって幅広いキャリア展開が期待できます。
データサイエンティストになるには向き不向きは重要?
データサイエンティストになるには向き不向きは重要ではあるものの、必須ではありません。たしかに膨大なデータを扱うため論理的思考や分析力が求められたり、問題解決能力、プログラミングスキル、そして新しい知識を吸収する柔軟性が必要ではあります。
ただ学習次第で後天的に身につけられるスキルであることも事実なので、やる気と継続的な努力が成功のカギとなります。この章では、向いている人とそうでない人の共通点をそれぞれ紹介します。
データサイエンティスト向きの人の共通点
向いている人は、以下のような共通点があります。
- 論理的かつ体系的に物事を考えられる
- 好奇心が強く、新しい技術やトレンドに積極的に挑戦する
- コツコツ努力を続けられる忍耐強さがある
論理的に考えて複雑なデータからパターンを見つけ出し、解決策を導き出す能力は重要になります。
また好奇心が強く、新しい技術やトレンドに積極的に挑戦するのが好きだったり、地道な作業をコツコツ続けられる忍耐強さをもっているのも共通点です。
データサイエンティストに不向きの人の共通点
逆に不向きな人は、以下のような共通点があります。
- 細かいデータに興味を持てない
- 何事も飽きやすい
- 学習に対して消極的
- 新しいことに挑戦するのを億劫と感じる
細かな分析作業が多いため集中力が続かない人や、予測や仮説を立てるのが苦手な人には難しいかもしれません。
また技術的な問題に対して消極的で、挑戦する気持ちが乏しい場合も不向きと言えるでしょう。
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1日でも早くデータサイエンティストになるには、データサイエンティストセミナーがおすすめです。こちらは2日間の集中講座でデータ分析の基礎から応用まで学べるプログラムとなっており、まったくの未経験からでも実務に役立つスキルを習得できます。
受講形式は会場、ライブウェビナー、eラーニングから選べ、料金はeラーニングの場合41,800円~(税込)です。講座内容は統計学やPythonプログラミング、データ前処理、機械学習を利用した予測モデル作成、ビッグデータ解析、プロジェクトマネジメントなど、実務に必須の内容が豊富に含まれています。
長期的な学習の継続が苦手な方、必要な部分だけを手っ取り早く学びたい方はぜひご検討ください。
データサイエンティストになるには?まとめ
データサイエンティストになるには、まず基礎知識を身につけることから始まります。概要のあとにプログラミングや数学の基礎、データ分析の方法を理解することで、専門的な知識を深める土台ができます。
ひととおり学習が終わったら、あとは資格や成果物で「成果として残る実績」を作ることで、より実現の可能性は上がることは間違いありません。アウトプットを通じて実践スキルを養い、必要なツールを使いこなせるようにしておきましょう。
焦らず地道な学習をコツコツ重ね、理想のキャリアチェンジを掴み取ってほしいと思います。