【2025】AWSでできること10選!主要サービスと組み合わせ事例を解説

AWSは、その多彩なサービスで知られていますが、「具体的にどんなことができるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、AWSでできることを中心に、主要なサービスやその活用方法、複数のサービスを組み合わせた事例をご紹介します

この記事を読むことで、AWSでできることが何かを理解でき、自社でAWSを活用する際のヒントを得られるでしょう。

AWSとは?

AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称を指します。

2006年にサービス提供を開始して以来、世界中で急速に普及し、現在ではクラウド市場のリーダー的存在です。AWSで提供されるサービスは200以上にものぼり、幅広い業種や規模の企業が利用しています

AWSにはさまざまな特徴がありますが、これほどまで注目されるようになった大きな理由は次の3点です。

  1. 需要に応じてリソースを柔軟に増減でき、無駄を抑えた効率的な運用が可能
  2. 世界中のデータセンターで負荷を分散し、サービス停止のリスクを最小限に抑えられる
  3. 初期投資が不要で、使用した分だけ支払う従量課金制を採用

このような特性により、AWSはスタートアップから大企業、さらに政府機関や非営利団体まで、多様なユーザー層に選ばれています。AWSを活用することで、事業の成長を加速させたり、新しいサービスの迅速な立ち上げを実現したりと、さまざまな可能性が広がるでしょう。

AWSでインフラを構築する方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

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AWSでできること10選

AWSでできること10選

AWSは多彩なサービスを提供しており、業種や規模を問わず幅広いニーズに応えています。ここでは、AWSでできることの中から、代表的な機能を厳選してご紹介しましょう。

できることサービス名特徴
データ保存とバックアップAmazon S3耐久性が高く、スケーラブルなオブジェクトストレージ。頻繁・非頻繁アクセスに対応
仮想サーバーの構築と運用Amazon EC2必要に応じたスケールアップが可能。OSや構成を自由にカスタマイズ可能
データベースサービスの提供Amazon RDSMySQLやPostgreSQLなど、複数のDBエンジンに対応したマネージドサービス
アプリケーションの自動実行AWS Lambdaサーバーレス環境でコードを実行。リソース管理不要でコスト効率が高い
Webサイトやアプリの高速配信Amazon CloudFrontCDN機能で、世界中のエッジロケーションから低遅延で配信
機械学習とAIサービスの活用Amazon SageMakerモデルの構築・トレーニング・デプロイを簡単に実行できるプラットフォーム
セキュリティと監視機能AWS CloudTrail / ConfigAWSリソースの操作履歴を追跡し、セキュリティやコンプライアンスを強化
IoTソリューションの構築AWS IoT CoreIoTデバイスの接続・管理・分析をサポートし、大量デバイスの運用を可能に
ゲームサーバーのホスティングAmazon GameLiftマルチプレイヤーゲームのサーバーを簡単にセットアップ・スケーリング
大規模なデータ分析Amazon Redshift 
ペタバイト規模のデータを高速に分析可能なデータウェアハウス

①データ保存とバックアップ

AWSでは、大容量のデータを安全かつ効率的に保存し、必要に応じてバックアップを取ることができます。この機能を提供するのが「Amazon S3」です。

Amazon S3は保存容量に制限がなく、企業の成長やデータ量の増加に柔軟に対応可能。データの冗長性が確保されており、万が一のトラブルでもデータ損失を最小限に抑えられます。また、頻繁にアクセスするデータ向けのストレージクラスから低コストで長期間保存するアーカイブ向けクラスまで、用途に応じた選択ができるのも特徴です。

活用例としては、顧客データのバックアップやWebアプリの画像・動画の保存、分析用のデータレイク(さまざまな形式や規模のデータを一元的に保存・管理し、分析や機械学習に活用できるAWSの仕組み)構築などが挙げられます。

②仮想サーバーの構築と運用

AWSでは、物理的なサーバーを用意することなく、仮想サーバーを簡単に構築・運用できます。この役割を担うのが「Amazon EC2」です。

必要なときに必要なだけサーバーを起動できるという柔軟な特徴を持っており、用途や規模に応じてリソースを自由に選択できるため、コストを抑えながら効率的に運用できます。サーバーのスケールアップやダウンが容易で、突然のアクセス増加にも迅速に対応可能です。

活用シーンとしては、Webアプリケーションやゲームのホスティング、データ処理のバックエンドシステムの構築などに利用されています。

③データベースサービスの提供

AWSでは、データベースの構築や運用を簡単に行うことができ、効率的なデータ管理が可能です。この機能を提供するサービスが「Amazon RDS」です。

Amazon RDSは、リレーショナルデータベースをクラウド環境で利用できるマネージドサービスです。MySQLやPostgreSQL、Oracleなど、複数のデータベースエンジンをサポートしており、用途に応じて選択できます。バックアップやスケーリング、障害復旧が自動化されているため、管理負担を大幅に軽減できるのもメリットです。

ECサイトの顧客情報管理や企業内データの集約、アプリケーションのバックエンドシステムなど、幅広い用途で利用されています。

④アプリケーションの自動実行

AWSでは、アプリケーションをサーバーレスで実行し、自動化することができます。この機能を提供するのが「AWS Lambda」です。

AWS Lambdaは、サーバーの設定や管理を必要とせず、コードを自動で実行できます。イベントトリガーに基づいてコードが自動的に実行されるため、リソースの無駄がなく、効率的な運用が可能。使用した分だけ課金される仕組みで、コスト面でも優れています。

例えば、ユーザーがファイルをアップロードした際に自動で画像を加工する機能や、Webアプリケーションでデータの処理を実行する仕組みを簡単に構築できます。他にも、バックエンドシステムでのタスクのスケジューリングや、リアルタイムデータ処理の場面でも活用されています。

⑤Webサイトやアプリの高速配信

AWSでは、Webサイトやアプリケーションのコンテンツを高速で配信する仕組みを提供しています。この役割を果たすのが「Amazon CloudFront」です。

Amazon CloudFrontは、グローバルに分散したエッジロケーションを利用し、コンテンツをユーザーに迅速かつ効率的に届けるコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)を提供します。ユーザーの所在地に応じた最適なサーバーからデータを配信し、遅延や読み込み時間を大幅に短縮できるのがメリットです。

主な活用例としては、大規模なWebサイトの画像や動画の配信、ストリーミングサービスのサポート、ソフトウェアアップデートファイルの配信などがあります。

⑥機械学習とAIサービスの活用

AWSでは、機械学習やAIを簡単に活用できます。この分野で中心となるサービスが「Amazon SageMaker」です。

機械学習モデルの構築、トレーニング、デプロイをサポートしてくれるので、データサイエンティストや開発者は、専門的なスキルがなくても機械学習モデルを迅速に作成できます。トレーニングや推論を大規模にスケールアップできる点も魅力です。

Amazon SageMakerは、商品の需要予測、顧客データ分析、異常検知やパーソナライズ推薦など、さまざまなビジネス用途で活用されています。AWSの他のAIサービス(Amazon RekognitionやAmazon Polly)と組み合わせることで、画像認識や音声合成を含むさらに高度なAI機能も実現できます。

AWSの機械学習サービスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

【2025】AWSの機械学習サービス一覧!メリットや活用のポイントもご紹介

⑦セキュリティと監視機能

AWSでは、クラウド環境のセキュリティを強化し、システムを監視するための機能が充実しています。その中心的なサービスとなるのが、「AWS CloudTrail」と「AWS Config」です。

AWS CloudTrailは、AWSアカウント内での操作履歴を記録するサービスです。リソースへのアクセスや変更がすべて記録されるため、セキュリティの向上だけでなく、コンプライアンス対応にも役立ちます。一方、AWS Configはリソースの構成変更を追跡し、設定が規定のルールを満たしているかを監視します。

このような機能は、アクセスログの分析、不正な操作の検知、リソース構成の自動修復などに活用されています。

⑧IoTソリューションの構築

AWSでは、IoT(モノのインターネット)デバイスを簡単に接続し、管理・分析できる環境も提供しています。この機能を担うのが「AWS IoT Core」です。

AWS IoT Coreは、数百万台のIoTデバイスを同時に接続し、リアルタイムでデータを送受信できます。センサーやデバイスから収集されたデータをクラウドに送信し、他のAWSサービスと連携させて分析や処理を行うことが可能です。

この機能は、例えばスマートホームデバイスの制御や、工場での生産設備の稼働状況監視、物流分野でのトラッキングシステムなど、多岐にわたる用途で活用されています。

⑨ゲームサーバーのホスティング

AWSでは、オンラインゲームのためのスケーラブルで高性能なゲームサーバーも簡単にホスティングできます。この役割を果たすのが「Amazon GameLift」です。

Amazon GameLiftは、マルチプレイヤーゲームのサーバーを迅速にセットアップし、自動スケーリングによってプレイヤーの増減に柔軟に対応します。これにより、サーバー不足による遅延や過剰なリソース利用を最小限に抑えることが可能です。また、DDoS攻撃から保護するセキュリティ対策も備わっています。

活用シーンは、例えばリアルタイムでプレイヤー同士が対戦するアクションゲーム、複数人で協力プレイを楽しむオンラインRPGなどが挙げられます。

⑩大規模なデータ分析

AWSでは、膨大なデータを効率的かつ迅速に分析するためのツールを提供しています。その中でも「Amazon Redshift」は、大規模なデータウェアハウスを実現する主要なサービスです。

Amazon Redshiftは、ペタバイト規模のデータを対象とした高速なクエリ処理が特徴で、大量のデータから有益な洞察を短時間で得ることができます。SQLに対応しているため、データアナリストやエンジニアが直感的に操作可能なのもメリット。AWSの他のサービス(Amazon S3やAWS Glue)と連携することで、データの収集、統合、分析もスムーズに行えます。

活用例としては、顧客行動の分析によるマーケティング施策の最適化や売上データを基にした需要予測、製品の稼働状況の監視などがあります。

AWSサービスの組み合わせで広がる可能性

AWSサービスの組み合わせで広がる可能性

AWSは個々のサービスが強力な機能を提供していますが、複数のサービスを連携させることで、より効率的で柔軟性の高いシステムやソリューションを構築できる点が大きな魅力です。

例えばデータをAmazon S3に保存し、Amazon Redshiftで分析することで、大規模なデータから貴重なインサイトを引き出すことが可能です。また、AWS IoT Coreでデバイスから収集したデータをAmazon SageMakerに送信し、機械学習モデルを用いた予測や異常検知を実現する、といった使い方もあります。

AWSサービスの組み合わせ例を次の表にまとめました。AWSサービスを利用する際の参考としてご活用ください。

サービスの組み合わせ例できること
Amazon S3 × Amazon Redshiftデータを保存し、大規模データを高速に分析。マーケティング分析や需要予測に活用
AWS IoT Core × Amazon SageMakerデバイスから収集したデータを活用し、機械学習モデルで異常検知や未来予測を実現
Amazon CloudFront × AWS LambdaWebコンテンツの高速配信に加え、動的なリクエスト処理を低コストで実現
Amazon RDS × AWS Glueデータベースの情報を統合し、簡単にデータを整備して他の分析ツールに連携可能
Amazon EC2 × Amazon SageMaker仮想サーバーで実行環境を構築し、大規模な機械学習モデルをトレーニング可能
AWS CloudTrail × AWS Configリソース操作履歴を監視し、不正操作の検出やセキュリティコンプライアンスを強化
Amazon GameLift × Amazon CloudWatchゲームサーバーの稼働状況をリアルタイムで監視し、パフォーマンスの最適化を実現
Amazon S3 × AWS Lambda新しいデータがアップロードされたときに自動で処理を実行し、画像変換や通知システムを構築

このようにAWSのサービスを組み合わせることで、単独利用では実現が難しい高度なソリューションを構築し、ビジネスの成長や課題解決に役立てることができます。

AWS複数サービスの組み合わせ事例

AWS複数サービスの組み合わせ事例

AWSのサービスは単体でも非常に便利ですが、複数のサービスを組み合わせることで、さらに高度で効率的なソリューションを実現できます。ここでは、実際にAWSのサービスを組み合わせて活用している事例を詳しく見ていきましょう。

NTT東日本

NTT東日本の提供する『コワークストレージ』は、セキュアな環境でユーザーが簡単にファイル共有やバックアップを行えるクラウドストレージサービスです。テレワークの拡大に伴い、オンプレミスのNASやファイルサーバーと同等の環境をクラウド上で実現したいというニーズに応えています。

実際に組み合わせたAWSサービスは、以下のようになっています。

  • Amazon S3
  • AWS Lambda
  • Amazon CloudWatch(AWSリソースの監視とログ管理、リアルタイム監視を行えるサービス)
  • Amazon Aurora(MySQLおよびPostgreSQLと互換性のあるクラウド向けリレーショナルデータベース)
  • Amazon API Gateway(APIの作成・公開・保守などを行えるフルマネージド型サービス)
  • AWS Direct Connect(専用ネットワーク接続で安定した通信を確保するサービス)
  • Amazon QuickSight(データの可視化・分析を支援するサービス)

このように多くのサービスを複合的に利用することで、NTT東日本は短期間で高品質なクラウドストレージサービスを提供しています。
参考:AWS導入事例(NTT東日本)|AWS

第一生命保険株式会社

第一生命保険株式会社は、分散していたAWS環境を統合し、運用効率の向上とセキュリティ強化を実現。業界標準であるFISC(金融情報システムセンター)のガイドラインに準拠した基盤を構築し、ビジネスニーズに迅速に対応できるセキュアなクラウド環境を整備しました。

組み合わせたAWSサービスは、以下のようになっています。

  • AWS Control Tower(マルチアカウント環境の設定・管理を自動化するサービス)
  • AWS Security Hub(統合されたセキュリティ管理を実現できるサービス)
  • Amazon Kendra(AIを活用した検索サービス)

これらのサービスの組み合わせにより、第一生命は安全かつ効率的なクラウド環境を構築し、運用の最適化と社員の業務効率向上を実現しています。
参考:AWS導入事例(第一生命保険株式会社)|AWS

ヤマハ発動機株式会社

ヤマハ発動機株式会社は、グローバルに事業を展開する中で、ITインフラのオープン化とクラウド移行を積極的に推進してきました。デスクトップ環境の近代化と業務効率の向上を目指し、クラウドベースの仮想デスクトップサービスであるAmazon WorkSpacesを導入。これにより、従来のオンプレミス環境から脱却し、柔軟でスケーラブルなデスクトップ環境を実現しています

組み合わせたAWSサービスは次になります。

  • Amazon EC2
  • Amazon WorkSpaces(クラウド上での仮想デスクトップ環境を提供するサービス)

このように2つのサービスを組み合わせることで、ヤマハ発動機は迅速な導入と低コスト、高いパフォーマンスと安定性を実現し、情報システム部門の負担軽減にも寄与しています。
参考:AWS導入事例(ヤマハ発動機株式会社)|AWS

AWSを活用して実現できることを広げよう

AWSは、その多彩なサービスにより、企業の規模や業種を問わず幅広いニーズに応えるクラウドプラットフォームです。単体のサービスで実現できることはもちろん、複数のサービスを組み合わせることで、さらに高度で柔軟なソリューションを構築できます

この記事を参考にAWSの活用をさらに広げることで、自社のIT基盤の強化や新たなビジネス機会の創出が期待できるでしょう。

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