【2025】初心者のためのAWS導入ガイド!準備と手順、よくあるお悩みと解決策まで解説

需要が高まるクラウドサービスの中でも、AWS(Amazon Web Services)は世界シェアNo.1を誇り、多くの企業や個人に利用されています。

一方で、「AWSを導入したいけれど、何から始めればいいのかわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、そんな初心者のために、AWS導入の基本を分かりやすく解説します。この記事を読むことで、準備段階で必要なことや具体的な導入手順が分かり、AWS導入に必要な基礎知識が身に付くでしょう。

AWSとは

AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。クラウドコンピューティングとは、インターネットを通じてサーバーやストレージなどのコンピュータリソースを利用する仕組みを指します。

自社でサーバーを購入・管理する必要がなく、必要な分だけリソースを使用できるため、コストを抑えながら柔軟に運用できるのが強みです。

AWSは200以上のサービスを展開しており、業種や規模を問わずさまざまな用途に活用できます。またリソースを自由に増減できるため、需要の変動に対応しやすく、例えば繁忙期にサーバーの性能を強化し、閑散期には縮小するといった運用も可能です。

さらに多層的なセキュリティ対策を備えており、厳格なコンプライアンス要件を満たしていることも、世界中から指示を集める理由と言えるでしょう。

AWSの基礎について理解を深めたいなら、AWS資格を取得するのがおすすめ。詳しくはこちらの記事で紹介しているので、併せて参考にしてください。

【2025】AWSの資格には何があるの?資格の種類や取得メリットなどを詳しく解説

AWS導入のメリット・デメリット

AWS導入のメリット・デメリット

AWSを導入することで、個人や企業は多くの利点を享受できますが、同時に注意すべき点も存在します。ここでは、AWSの導入におけるメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

メリット

AWSを導入すると、コスト削減や柔軟なシステム構築など、さまざまなメリットを得られます。特に初心者にとっては、初期投資を抑えつつ、必要なときにすぐに使える仕組みが魅力的です。

代表的なメリットを以下に挙げてみましょう。

  • 必要な分だけ支払う「従量課金制」のため初期費用が不要
  • 必要に応じてリソースを増減できる
  • 業種やプロジェクトの特性に応じてさまざまなサービスを利用できる
  • 世界中のデータセンターによってグローバル対応が容易
  • 多層的なセキュリティ対策ができる
  • 迅速な環境構築やサービス提供が可能

このようにAWSを導入することで、システム運用の効率化や事業スピードの向上が期待できます。さまざまなメリットを活かし、最適なAWS環境を導入してみましょう。

デメリット

AWSには多くのメリットがありますが、一方で注意すべきデメリットもいくつか存在します。

代表的なデメリットを以下に挙げてみましょう。

  • 必要な分だけ支払う「従量課金制」のため運用コストが予測しにくい
  • リソースやサービス構成が複雑なため学習コストがかかる
  • AWS以外のクラウドサービスに切り替えることが難しくなる
  • 責任分担モデルに基づき利用者側でもセキュリティ対策を行う必要がある
  • プランによってトラブル対応の対応速度やサポート内容が異なる
  • サービス構成が複雑

このようなデメリットを理解し、事前に対策を講じることで、AWSをより効果的に活用できます。AWS導入の際は、十分な計画を立てることが重要です。

AWS導入に必要な準備

AWS導入に必要な準備

AWSを導入する際には、効果的に運用するための事前準備が欠かせません。ここでは、導入にあたって考慮すべき具体的なポイントについて説明します。

目的と要件を明確にする

AWSを導入する際には、利用する目的と要件を明確にすることが重要です。

何を達成したいのか、解決したい課題は何かを具体的にすることで、最適なサービス選定や計画的な導入が可能になります。具体的には、運用コストの削減やシステムの柔軟性向上、セキュリティの強化といった目標が挙げられます。

目標が決定したら、システム性能やストレージ容量、セキュリティ要件といった具体的な要件を整理したうえで、予算内で運用可能かどうかを検討しましょう。

このプロセスを省略してしまうと、導入後にサービスが目的に合わない、コストが予想以上にかかるといった問題が発生する可能性があります。導入の第一歩として、目的と要件を具体的かつ詳細に設定することが大切です。

コストを試算する

AWSは「従量課金制」を採用しており、使った分だけ料金が発生する仕組みです。使用方法やリソース管理が適切でないと、予算を大幅に超えるリスクがあります。

そのため、AWSを導入する前には必ず、利用するサービスやリソース量を想定し、総費用を試算しておきましょう

AWSの公式ツール「AWS Pricing Calculator」を利用すれば、必要なCPUやメモリ、ストレージ容量、データ転送量などを入力するだけで、サービスごとの見積もりを簡単に作成できます。また、長期間利用するリソースには「リザーブドインスタンス」を検討することで、通常より大幅にコストを削減することが可能です。

リソースを確認する

AWSを導入する際には、必要なリソースを事前に確認しておくことも重要です。

ここでいうリソースとは、インフラだけでなく、人的リソースや運用スキルも含まれます。AWSのサービスは多岐にわたるため、それぞれのサービスを適切に利用するには、基本的なクラウド知識やスキルを持った人材が求められます。

リソースの確認は、導入後の運用体制も含めて検討する必要があります。例えばセキュリティ管理やコストのモニタリングを行う担当者がいるか、トラブル時に迅速に対応できる体制が整っているかを確認しましょう。

人材の不足や育成が課題となる場合は、基礎から学べるセミナーを利用するのがおすすめ。「AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー」は、たった2日でAWSの基本的な使い方や運用方法を体系的に学べる講座です。AWSの効率的な導入と運用を目指すなら、ぜひ受講をご検討ください!

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セキュリティポリシーを策定する

AWSは強力なセキュリティ機能を提供していますが、利用者側の適切な設定や運用がなければ、思わぬセキュリティリスクにさらされる可能性があります。そのため、AWSを導入する前に必ずセキュリティポリシーを策定し、リスクを最小限に抑える対策を考えることが重要です。

基本的なセキュリティ対策としては、AWSのIAM(Identity and Access Management)を活用しましょう。ユーザーごとに必要最小限の権限を付与することで、不正アクセスを防止できます。またデータの暗号化も必須です。AWSが提供する暗号化機能を利用して、データの安全性を確保しましょう。

このような設定を運用チームと共有し、ポリシーを定期的に見直すことが、安心してAWSを活用するための基盤となります。

AWS導入の手順

AWS導入の手順

AWSをスムーズに導入するためには、手順を計画的に、着実に進めることが重要です。ここでは、基本的な導入プロセスを順を追って見ていきましょう。

  1. AWSアカウントの作成
  2. IAMユーザーと権限設定
  3. ネットワーク設定
  4. サービス選定と試用
  5. デプロイと本格運用

手順①AWSアカウントの作成

AWS導入の始めとして、AWSアカウントを作成しましょう

まずAWS公式サイトにアクセスし、サインアップページでメールアドレス、パスワード、AWSアカウント名などの基本情報を入力します。アカウント名は後から変更可能ですが、分かりやすいものを設定すると便利です。

次に、クレジットカードなどの支払い情報を登録しましょう。この時点では料金は発生しません。AWSには無料利用枠が用意されており、EC2やS3などの主要なサービスを一定の範囲内で試験的に利用できます。

セキュリティ対策として、2段階認証(MFA)の設定も検討しましょう。不正アクセスのリスクを大幅に減らすことができるので、安心してAWSのサービスを利用できます。

手順②IAMユーザーと権限設定

AWSアカウントを作成した直後は、ルートユーザー(アカウント作成時に設定した管理者権限のアカウント)が利用可能ですが、ルートユーザーの使用は最低限に抑えたほうが安全です。そこで、ルートユーザーとは別に、通常業務で利用するIAMユーザーを作成しましょう。

IAMユーザーの作成は、IAMコンソールにアクセスすることで実行できます。ユーザーごとに個別のログイン情報を発行することで、責任範囲を明確化できるのがメリットです。

続いて、IAMポリシーを活用して、作成したユーザーに適切な権限を割り当てましょう。

AWSでは「最小権限の原則」が推奨されており、例えば管理者にはフルアクセス権限を付与し、開発者には開発関連のサービスのみにアクセス可能なポリシーを設定するなど、利用目的に応じて細かく制御できます。この制御を利用して、各ユーザーには必要最小限の操作だけを許可するよう設定を行うことが大切です。

手順③ネットワーク設定

続いて、AWSマネジメントコンソールから、IPアドレス範囲やサブネットを指定してVPCを作成しましょう

VPCとはVirtual Private Cloud(仮想プライベートクラウド)の略で、AWS上に作成できる独自の仮想ネットワーク環境です。ユーザーはVPC内でサーバーやデータベースなどのリソースを安全に配置し、ネットワーク設定をカスタマイズできます。これにより、インターネットや他のネットワークとの接続を制御しつつ、セキュリティを強化した環境を構築できるのです。

またAWSのセキュリティグループを設定することで、ネットワークセキュリティを柔軟かつ簡単に管理できるようになります。

セキュリティグループとはAWSの仮想ファイアウォールのことで、各リソースへのトラフィックを制御するための設定です。インバウンド(受信)およびアウトバウンド(送信)の通信ルールを定義し、特定のIPアドレスやポート番号からのアクセスを許可または拒否できます。

さらに、外部インターネットにアクセスする必要がある場合は、VPCにインターネットゲートウェイをアタッチしましょう。これにより、インターネット経由でのデータ送受信が可能になります。

手順④サービス選定と試用

AWSは幅広いサービスを提供しており、計算処理やデータ保存、データベース運用など、多様なニーズに対応できます。しかし、これだけ多くの選択肢があると、どのサービスを導入すべきか迷うこともあるでしょう。

このため、目的に応じて適切なサービスを選定し、無料利用枠を活用して試用することが大切です。

AWSの代表的なサービスとその用途を以下の表にまとめました。この表を参考に、ニーズに合ったサービスを検討してみましょう。

サービス名主な用途適用シーンの例
Amazon EC2仮想サーバーの提供Webアプリケーションのホスティング
Amazon S3オブジェクトストレージデータバックアップ、ログ保存
Amazon RDSリレーショナルデータベース管理データベースを使ったWebアプリの構築
AWS Lambdaサーバーレスアプリケーションイベント駆動型の小規模なタスク処理
Amazon CloudFrontコンテンツ配信ネットワーク(CDN)グローバル配信でのWebサイト高速化
Amazon VPC仮想プライベートネットワークセキュアなネットワーク環境の構築
Amazon DynamoDBNoSQLデータベース高速なデータ処理が必要なモバイルアプリ
AWS CloudWatchモニタリングとログ管理システムの状態監視、異常検出

手順⑤デプロイと本格運用

AWS導入の最終ステップとして、選定したサービスを実際の環境でデプロイ(展開)し、本格的な運用を開始しましょう。事前に試用した結果をもとに設定を最適化し、安定したシステムを構築することが求められます。

大切なのは、小規模な環境でテスト運用を行い、サービスの動作やパフォーマンスを確認することです。予期しない問題を発見することもあるので、本番環境に移行する前に不安要素をすべて解消しておきましょう。

本番環境へのデプロイには、CloudFormationやElastic Beanstalkなどの自動化ツールを活用するのがおすすめです。このようなツールを活用することで、手動作業によるミスを減らし、一貫性のあるリソース展開を実現できます

AWSでサーバー構築する方法については、こちらの記事で詳しく書かれています。興味のある方は、併せて参考にしてください。

【2025】AWSサーバー構築の方法とは?メリットや手順をわかりやすく徹底解説

AWS導入時のよくある悩みとその解決策

AWS導入時のよくあるお悩みとその解決策

AWSを導入する際には、多くの企業が類似の課題に直面します。そこでここでは、よくあるお悩みを取り上げ、それぞれに対する解決策を分かりやすく解説していきましょう。

悩み①予想以上にコストがかかる

AWSの「従量課金制」は柔軟で便利な仕組みですが、適切に管理しないと予算を超えてコストが膨らむことがあります。リソースの使いすぎや不要なサービスの利用を放置すると、思いがけない高額請求につながる可能性があるため、利用する際には注意が必要です。

解決策①「AWS Cost Explorer」を活用し、コストをモニタリングする

解決策としては、AWSの公式ツール「AWS Cost Explorer」を活用し、利用状況を定期的にモニタリングしましょう。どのサービスがどの程度コストを消費しているかを視覚的に確認できます。予算を超えそうな場合に備え、アラートを送信する「予算機能」を設定することも有効です。

また、利用頻度の少ないリソースや使い終わったリソースを削除する習慣をつけることも重要です。長期間利用するリソースについては、通常よりも安価な「リザーブドインスタンス」や「スポットインスタンス」の利用も検討しましょう。

悩み②セキュリティリスクが心配

AWSは高度なセキュリティ機能を提供していますが、利用者が適切に設定しないと、データ漏えいや不正アクセスのリスクが高まります。初心者にはセキュリティの設定が複雑に感じられることも多いですが、基本的な対策を講じることで、リスクを大幅に軽減できるでしょう。

解決策②「AWSのIAM」や2段階認証を活用し、セキュリティを強化する

対策としては、AWSのIAMを活用し、ユーザーごとに必要最小限の権限を設定しましょう。ルートユーザーの使用を避け、IAMユーザーを利用することが推奨されます。

また、2段階認証(MFA)を有効にすることで、アカウントのセキュリティをさらに強化できます。

さらにセキュリティ強化をしたいなら、AWSの監視ツールであるCloudTrailを利用して、すべての操作をログとして記録しましょう。不正な操作や異常な活動があった場合に迅速に対応できるようになります。

悩み③運用や管理が負担

AWSを導入すると、クラウド環境の運用や管理が必要になりますが、初心者や少人数のチームでは負担に感じることもあるでしょう。このような負担を軽減するために、便利な機能の活用やトレーニングを通じて業務の効率化を図ることが大切です。

解決策③AWSマネージドサービスの活用やトレーニングで運用スキルを高める

クラウド環境の運用や管理の負担を軽減するために、AWSの便利なマネージドサービスを活用して効率化をはかりましょう

例えば、「Amazon RDS」はデータベースのバックアップや更新作業を自動化し、運用負荷を大幅に軽減できます。また、「AWS Auto Scaling」を利用することで、リソースの増減を自動化し、負荷に応じた柔軟な運用が可能になります。

運用スキルを高めたいのであれば、トレーニングプログラムやセミナーへの参加も検討しましょう。効率的に知識を習得することで、日々の負担を軽減し、業務を効率化できます。

AWSの講座やセミナーについては、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

【2025】初心者がAWS セミナーで学べることとは?メリットやおすすめの講座も紹介

お悩み④サービスが複雑で理解しにくい

AWSは非常に多くのサービスを提供しており、どのサービスを選べばよいのか、どのように組み合わせれば最適な運用ができるのかを判断するのは困難です。この課題を解決するために、AWS導入に関する基本的な理解を深め、適切なサポートを活用しましょう。

解決策④公式ドキュメントやチュートリアルで学習する

AWSの公式ドキュメントやチュートリアルを活用すれば、サービスの使い方や基本的な設定方法を学ぶことができます。特に初心者向けのガイドや動画チュートリアルは、具体的な操作手順を分かりやすく説明してくれるため役立ちます。

また、必要に応じてAWSパートナー企業の支援を活用するのも一つの方法です。AWSパートナー企業は専門的な知識と経験を持ち、導入から運用までの全プロセスをサポートしてくれるため、AWSの複雑さを理解しやすくなり、安心して利用を始められるでしょう。

メリット・デメリットや手順を理解してAWSを導入しよう

AWSはスケーラブルで多機能なクラウドサービスですが、導入には計画的な準備と運用体制が必要です。メリット・デメリットや導入の手順、運用方法を理解し、適切なセキュリティ対策を取ることで、AWSを効果的に活用できます。

AWS導入を通じてビジネスの成長や効率化を目指し、次のステップに進みましょう。AWS導入の基礎知識を学びたいという方は、「AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー」で実践的なトレーニングを受けるのがおすすめです。

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