任天堂をはじめとする多くの企業に採用され、クラウド市場で圧倒的シェアを誇るAWS。
AWSには、データベースやセキュリティなど、効果的に使いこなすための専門資格がいくつもあり、これらに対応する学習サービスも数多く提供されています。
中でも人気を集めているのが、充実したコンテンツを学べるAWS公式eラーニングです。この記事では、AWS公式eラーニングの種類や利用手順など幅広く解説します。
AWSとは
AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供する世界有数のクラウドサービスです。
Amazonといえばネットショップのイメージが強いですが、実はAWSも非常に大きな事業の一つ。インターネットを通じて、サーバーやストレージ、データベースなど、多くの企業にITインフラを提供しています。
クラウドとオンプレミスの違い
クラウドとは、インターネットを通じてデータを保存・処理するサービスのことです。一方、オンプレミスは、企業が自社でサーバーを購入し、設置・運用・メンテナンスを行うシステムを指します。
オンプレミスは従来型のITインフラですが、初期費用が高く、サーバーの運用には専門のスタッフも必要です。さらに、利用者が増えればサーバーを追加しなければならず、拡張の手間やコストがかかるというデメリットがあります。
しかし、AWSのようなクラウドサービスを使えば、サーバーを物理的に所有する必要がなくなり、さらに必要な分だけ利用することも可能です。導入コストが抑えられるだけでなく、システムの規模を自由に調整できるのがクラウドの大きなメリットといえるでしょう。
AWSはなぜ生まれたのか?
もともとAWSは、Amazon自身がネットショップを運営するために構築したITインフラでした。Amazon.comは、長年にわたり大規模なWebサイトを運営してきたため、非常に高度なITインフラを構築・運用するノウハウを蓄積していたのです。
そこで、オンプレミスの課題に着目したAmazonは、課題解決の手段として自社ITインフラを外部にも提供しました。つまり、AmazonのITインフラを支えていた技術が、今ではセブン&アイ・ホールディングス、ドコモ、ヤマハなど、名だたる企業の成長を支える存在になっているのです。
AWSについては以下の記事でも詳しく解説しています。
ぜひ合わせて読んで、AWSの理解を深めてください。
AWS公式eラーニングとは

AWS公式のeラーニングとは、インターネット上で公開しているデジタルトレーニング「AWS Skill Builder」のことです。
AWSを導入する企業が拡大するに伴い、その重要性も高まり、同時にAWS認定資格取得を目標に学習を進める方も増えてきました。このようなニーズを背景に、AWSはAWS公式のeラーニング「AWS Skill Builder」を提供したのです。
AWS認定資格の種類
AWS認定資格は4つのカテゴリ、12種類あります(2025年2月3日現在)。
以下では、AWS認定資格を一覧表にまとめてみました。
カテゴリ | レベル | 資格名 | 概要 |
---|---|---|---|
Foundation | 基礎 | AWS Certified Cloud Practitioner | IT基礎 |
基礎 | AWS Certified AI Practitioner | AI基礎 | |
Associate | 中級 | AWS Certified Solutions Architect | アーキテクト |
中級 | AWS Certified Developer | デベロッパー | |
中級 | AWS Certified SysOps Administrator | システムオペレーション | |
中級 | AWS Certified Data Engineer | データエンジニア | |
中級 | AWS Certified Machine Learning Engineer | AIエンジニア | |
Professional | 上級 | AWS Certified Solutions Architect | アーキテクト |
上級 | AWS Certified DevOps Engineer | 運用・管理 | |
Specialty | 専門 | AWS Certified Security | セキュリティ |
専門 | AWS Certified Machine Learning | 機械学習 | |
専門 | AWS Certified Advanced Networking | ネットワーク |
AWS公式eラーニングは無料?
AWS公式eラーニング「AWS Skill Builder」は無料で利用可能です。
AWS公式eラーニング「AWS Skill Builder」には、600以上の無料学習コンテンツがあり、誰でもアカウントを作成すればすぐに学習を開始できます。また、学習内容を強化したい方に向け、ニーズに合わせて選べる3つの有料プランも提供しています。
有料プランの詳細は以下の通りです。
プラン名 | 料金(1ドル155円換算) | 概要 |
個人向け月間サブスクリプション | 4,495円/月 | ハンズオンラボ、検証課題など |
個人向け年間サブスクリプション | 69,645円/年 | 月間プラン+専門家の指導 |
チームサブスクリプション | 要相談 | 5人以上で利用可 |
AWS公式eラーニングおすすめ10選
AWS公式のeラーニング「AWS Skill Builder」では数多くの学習コースが提供されています。ここでは、その中でもおすすめのeラーニングを10選、3つのカテゴリに分けて解説します。
無料で学べるコンテンツも多数紹介しているので、ぜひ目的に合わせて選んでください。
- 生成AIトレーニング
- 初心者向けトレーニング
- 実践シミュレーション
①生成AIトレーニング
まずは、AWS公式のeラーニングで注目の生成AIトレーニングからお伝えします。
生成AIトレーニングで注目のeラーニングは以下の5つです。
eラーニング名 | コース | 料金形態 | 学習時間 |
ジェネレーティブAIの紹介:可能性の芸術 | デジタルコース | 無料 | 1時間 |
エグゼクティブのためのジェネレーティブAI | デジタルコース | 無料 | 45分 |
ジェネレーティブAIプロジェクトの計画 | デジタルコース | 無料 | 1時間 |
AWS SimuLearn:生成AI学習プラン | ゲームベース | 有料 | 26時間 |
AWSクラウドクエスト: ジェネレーティブAI | ゲームベース | 有料 | 26時間 |
1. ジェネレーティブAIの紹介:可能性の芸術
生成AIの基礎を学べる入門コースです。「生成AIをビジネスでどのように活用すれば良いのか」をテーマに、生成AIの仕組み、ビジネスでのユースケース、メリット・リスクを学習します。
2. エグゼクティブのためのジェネレーティブAI
生成AI全般を学ぶ経営者向けコースです。生成AIが企業にもたらす可能性、経営層が懸念する課題点への対処方法などを解説し、その可能性や魅力を紹介しています。
3. ジェネレーティブAIプロジェクトの計画
上記コースの3番目にあたるコースです。こちらは、「ジェネレーティブAIの紹介」などの前段階となるコースを受講した方が、続けて学習するカリキュラムとなっています。
4. AWS SimuLearn:生成AI学習プラン
仮想顧客との会話形式で学習する中級者向けのコースです。26個のハンズオン演習の実践的な内容で、修了後は生成AIを使った解決策を促すスキルを習得できます。
5. AWSクラウドクエスト: ジェネレーティブAI
生成AIを使ったアプリ構築方法を学習するコースです。タスクの自動化・効率化を学び、すべての課題が修了するとAWS公式資格を得られます。
②初心者向けトレーニング
続いて、初心者におすすめのAWS公式のeラーニングをご紹介しましょう。
eラーニング名 | コース | 料金形態 | 学習時間 |
AWS Cloud Practitioner Essentials(Japanese) | デジタルコース | 無料 | 8時間 |
Cloud Quest:Cloud Practitioner(English) | ゲームベース | 無料 | 12時間 |
AWS Card Clash | ゲームベース | 無料 | 無制限 |
1. AWS Cloud Practitioner Essentials(Japanese)
AWSクラウドの基礎を日本語実写版で学べる入門コースです。AWSクラウドの基本的な概念を広範に学び、AWS認定資格「Cloud Practitioner」の試験対策としても活用できます。
2. Cloud Quest:Cloud Practitioner(English)
AWSのサービスをゲーム形式で学ぶ英語版コンテンツです。ロールプレイングゲームで学習を進めていき、すべての課題をクリアすると、デジタルバッジを獲得できます。
3. AWS Card Clash
AWSクラウドの仕組みやサービス同士のつながりを、3Dの仮想カードゲームで学ぶeラーニングです。学習期間の制限がないので、自分のペースで学習を進めることができます。
③実践シミュレーション
最後に、実践シミュレーションに対応するeラーニングを2つご紹介します。
eラーニング名 | コース数 | 料金形態 | 学習時間 |
AWS SimuLearn:Cloud Practitioner Learning Plan | 12 | 無料 | 平均12時間 |
AWS SimuLearn:Solutions Architect Learning Plan | 27 | 一部有料 | 平均27時間 |
1. AWS SimuLearn:Cloud Practitioner Learning Plan
AWSクラウドの基本をシミュレーションで学べるeラーニングです。12個の実践的な演習(ハンズオンラボ)を通じて、AWSクラウドコンピューティングの広範な知識、クラウド導入がビジネスに与える影響について学習します。
2. AWS SimuLearn:Solutions Architect Learning Plan
AWSクラウド上における安全で、可用性の高いソリューション構築スキルを習得するeラーニングです。このコースは予約が必要で、27個のトレーニングのうち、14個が有料のコンテンツとなっています。
AWS公式eラーニングを利用する方法
続いて、AWS公式eラーニングを利用する方法について解説します。
AWS公式eラーニング「AWS Skill Builder」利用手順
- AWS公式eラーニング「AWS Skill Builder」へアクセス
- 「無料アカウントを作成」をクリック
引用元:AWS Skill Builder - 「Create or Sign in」をクリック
引用元:AWS Skill Builder - ID作成画面でメールアドレスを入力したら「次へ」をクリック
- 名前を入力し「次へ」をクリック
- 登録メールアドレスに認証コードが送付
- 認証コードを入力
- パスワードを入力
- 画面上のCAPTCHA文字列を入力
- 遷移したアクセスポータルページのリンクを開く
これで、AWS公式eラーニングを利用できるようになりました。
サブスクの有料プランを利用する場合は、アカウント作成後、申し込み画面上の「個人サブスクリプション」の「今すぐ申し込む」をクリックし、サインイン後に申請へ進んでください。
AWS公式eラーニングを効果的に学ぶには?
AWSの公式eラーニングを効果的に学ぶには、基礎から段階的に進めていくことが重要です。
AWSの公式eラーニングは基礎コンテンツが充実
AWSの公式eラーニングは、基礎に対応するカリキュラムが多数含まれており、特にクラウドの基礎概念やAWSの主要サービスなどは無料で学べるコースが豊富です。まずはこれらの無料コースから学習を始め、基礎をしっかり固めましょう。
また、AWS認定資格も基礎から4段階に分かれているため、大枠を理解できたらFoundationなどの資格取得を目指すのもおすすめです。その後、シミュレーションに対応したハンズオン形式のeラーニングに進むと良いでしょう。ただし、シミュレーションに対応したeラーニングは有料が多いため、利用前にはサブスク料金や形態(月/年)を確認しておいてください。
学習に迷ったときは他の学習方法も活用
AWSの公式eラーニングは基本的に独学で進める形式ですが、学習中に迷った際は、他の教材を活用するのも効果的です。例えば、AWS関連の書籍を読む、ネット上の学習コンテンツを参考にするなど、異なる視点から理解を深めるのも良いでしょう。
ただし、体系的に学習を進めるためには、質疑応答ができる環境を備えておくことが大切です。独学で学習効率を向上させる手段として最も効果的なのは、つまずいたときに疑問をすぐに解消できるセミナーです。
AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー
ProSkilllのAWSで始めるインフラ構築基礎セミナーは、講師と直接コミュニケーションを取りながら学べるセミナーです。
受講スタイルは、会場での対面受講だけでなく、ライブウェビナー形式にも対応しており、どちらも講師がその場で質問に対応してくれます。AWSの基礎から応用まで幅広くカバーし、AWS公式eラーニングとの併用学習も最適なカリキュラムとなっています。
AWSを学べるセミナーは他にもあります。以下の記事では、AWS学習に対応したスクールを紹介しているので、複数のセミナーから比較検討したい方はぜひ参考にしてください。
AWS公式eラーニングについてまとめ
AWS公式eラーニングは、AWSクラウドサービスの基礎から実践まで幅広く学べる学習コンテンツです。無料コンテンツが豊富で、ゲーム形式の学習もあるため、気軽に楽しみながらスキルアップできるのも魅力といえるでしょう。
有料で学ぶ高度なAWS公式eラーニングは、セミナーと組み合わせることでスムーズに学習を進められます。
「AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー」では、AWSの基礎から応用まで2日間で効率的に習得できます。確かなスキルアップを実現したい方も、ぜひこの機会にセミナー受講を検討してみてください。
