AWS(Amazon Web Services)を導入し、社内インフラなどを構築している企業も増えてきました。そのため、AWSに関して学ぶことも必要になっている方もいるでしょう。しかし、適切な流れや自分に合った方法を選ばなければ、効果を得られません。
そこで、本記事では、AWSを効果的に学ぶ流れや方法、そのメリットと注意点を詳しく解説します。AWSについて学ぶ方法を知りたい場合は、ぜひ参考にしてください。
AWSとは
AWSとは、Amazonが提供するクラウドサービスです。200以上もの多様なサービスを世界中に展開している点が特徴です。AWSを利用すれば、必要なときに必要なだけサーバーやストレージを利用できます。
さらに、AWSは高度なセキュリティ対策も備えている点も世界中の企業が安心して利用できる理由の一つでしょう。ほかにも柔軟性、拡張性、そして信頼性がAWSの魅力です。ITの専門知識がなくても、誰でも簡単に最先端のテクノロジーを活用できるのも強みです。
AWSを学ぶ流れ
AWSを学ぶときは次の流れに沿って勉強を進めてみましょう。
- クラウドの基礎知識を学ぶ
- AWSサービスの全体像を学ぶ
- AWSサービスを実際に使用する
- AWS Well-Architectedを活用する
- 継続的な学習と最新情報を収集する
以上の手順に沿って学ぶことで、段階的にAWSの理解を深めることが可能です。
①クラウドの基礎知識を学ぶ
まずは、クラウドコンピューティングの基本概念を理解しましょう。具体的には、クラウドとは何か、従来のオンプレミス環境との違いは何かを学んでください。
また、クラウドの特徴である柔軟性、拡張性、従量課金制などのメリットを把握します。この段階では、AWSに限らず、クラウド全般の知識を広く浅く学ぶのがおすすめです。
②AWSサービスの全体像を学ぶ
次にAWSが提供する多様なサービスの概要を把握します。ただし、200以上あるサービスを全て深く理解する必要はありません。
主要なサービスカテゴリーとその代表的なサービスを知ることが大切です。
カテゴリー | 代表的なサービス |
コンピューティング(計算や情報処理) |
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ストレージ |
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データベース |
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ネットワーク |
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セキュリティ |
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分析 |
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機械学習 |
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開発者ツール |
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上表のような勉強したいカテゴリーの主要サービスを学んでみましょう。なお、AWSでできることについて、次の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
③AWSサービスを実際に使用する
理論だけでなく、実践的なスキルを身につけることが重要です。そこで、AWSの無料利用枠を活用して、実際にサービスを使ってみましょう。
実際に使うときは、簡単なウェブサーバーの構築やデータベースの作成など、基本的な操作から始めてみてください。失敗を恐れずに、さまざまなサービスを試してみることで、理解が深まります。
④AWS Well-Architectedを活用する
AWS Well-Architectedフレームワークは、AWSでシステムを構築する際の指針となります。このフレームワークは、信頼性、セキュリティ、パフォーマンス効率、コスト最適化、運用上の優秀性などで構成されています。
これらの原則を学ぶことで、AWSを使った最適なシステム設計の考え方が身につきます。
参考:AWS
⑤継続的な学習と最新情報を収集する
AWSは常に進化し、新しいサービスや機能が追加されています。そのため、最新の情報を収集し続けることが大切です。AWS公式ブログやウェビナー、テックイベントなどを活用しましょう。
また、AWSコミュニティに参加することで、他の開発者や技術者と知識を共有できます。
参考:AWS公式ブログ
AWSを学ぶ方法5選
AWSを学ぶ方法は次の5つが挙げられます。
学ぶ方法 | メリット | デメリット |
動画コンテンツ |
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勉強サイト |
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公式サイト・資料 |
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書籍・本 |
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資格取得 |
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AWSを学ぶ方法として、それぞれの特徴を確認していきましょう。
①動画コンテンツを活用する
動画コンテンツは、視覚的に学べる点が大きな特徴です。そのため、複雑な概念も図解や実演を通じて理解しやすくなります。Udemyなどのプラットフォームでは、さまざまなレベルの講座が提供されています。
おすすめな人 | 費用感 |
| 1講座あたり1,000円~20,000円程度 ※YouTubeなど無料コンテンツの利用も可能 |
②勉強サイトを活用する
勉強サイトは、体系的なカリキュラムに沿って学習できる点が魅力です。一部のサイトでは、実際に手を動かす形式の演習も含まれており、実践的なスキルも身につきます。
おすすめな人 | 費用感 |
| 月額3,000円~10,000円程度 ※無料サイトを使うことも可能 |
③公式のサイトや資料を活用する
AWSの公式サイトや資料は、最新かつ正確な情報を得られる点が最大のメリットです。AWS公式の資料は、詳細な技術情報の宝庫といえるでしょう。
おすすめな人 | 費用感 |
| 基本的に無料 |
参考:AWS
④書籍や本で学習する
書籍は、じっくりと腰を据えて学習したい人におすすめです。通勤時間や寝る前のひとときなど、インターネット環境がない場合でも学習できる点がメリットです。
おすすめな人 | 費用感 |
| 1冊あたり2,000~5,000円程度 |
なお、AWSについて学べる本を次の記事で紹介しています。どの本がいいのか迷っている場合は、ぜひ参考にしてください。
⑤資格取得を目指す
資格取得を目指すことで、明確な目標設定ができます。また、AWS認定資格は、クラウドエンジニアとしてのキャリアアップにも役立つでしょう。
ただし、受験料の他にも先に紹介した学習方法における費用もかかる点には注意してください。
おすすめな人 | 費用感 |
| 受験料として15,000~40,000円程度 |
AWS認定について、次の記事でも解説しています。資格取得を目指している場合は、あわせてご覧ください。
AWS初学者向けの勉強方法
AWS初学者向けの勉強方法として、セミナーの受講は非常に効果的です。特に体系的に知識を習得したい方にはおすすめです。こちらのセミナーは、AWSの基礎を学べる講座です。未経験者でも無理なく理解できるようなカリキュラム構成が特徴です。
また、受講形式は会場受講、ライブウェビナーから選べます。会場周辺にお住まいの方以外でも受講できる点も特徴です。
会場受講やライブウェビナーは講師に直接質問もでき、すぐに疑問点を解消できるのも強みでしょう。短期間で集中的にAWSを学びたい方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
AWSを学ぶメリット
ここからは、AWSを学ぶメリットを解説します。
- 需要の高いスキルを習得できる
- 効率的なインフラ構築ができる
- フリーランスなら案件受注の可能性が高まる
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
①需要の高いスキルを習得できる
AWSのスキルは、現代のIT業界で求められる技術の一つです。これはクラウドサービスの普及に伴い、AWSの専門知識を持つエンジニアの需要が急速に高まっているからです。
また、多くの企業がクラウド環境への移行を進めており、AWSエンジニアの市場価値は今後も上昇すると予想されます。そのため、AWSに関する知識やスキルを習得すれば、キャリアアップの可能性が大きく広がるでしょう。
②効率的なインフラ構築ができる
AWSを使いこなせば、自前でサーバーなどを構築するオンプレミス環境と比べて、迅速かつ柔軟にインフラを構築できます。加えて必要なリソースを必要なときに利用できるため、初期投資を抑えられるでしょう。
また、AWSの豊富なサービスからさまざまなソリューションを同じプラットフォーム上で実装できます。その結果、開発から利用開始までの時間を大幅に短縮できるのです。
③フリーランスなら案件受注の可能性が高まる
フリーランスエンジニアにとって、AWSスキルは大きな武器になるでしょう。なぜなら、クラウド環境の構築や運用に関する案件が増加しており、AWSの専門知識を持つエンジニアの需要が高まっているからです。
特にAWSの認定資格を取得すれば、スキルを客観的に証明できます。そして、より多くの案件を受注できる可能性が高まり、フリーランスとしての活躍の場が広がるでしょう。
なお、AWSの知識やスキルを習得してキャリアアップを目指したい場合は、次の記事もぜひご覧ください。
AWSを学ぶときの注意点
AWSを学ぶときは、次の点に注意して取り組みましょう。
- サービスを適切に選ぶ
- コスト管理を徹底する
- セキュリティ対策の意識を持つ
以上の注意点に気をつけることで、効率よくAWSについて学べます。
①サービスを適切に選ぶ
AWSには200以上のサービスがあり、初心者には圧倒されがちです。しかし、全てを学ぶ必要はないので、EC2、S3、RDSなどの主要サービスを学ぶことをおすすめします。
サービスの選択には、AWSの公式ドキュメントやホワイトペーパーを活用しましょう。また、無料利用枠を使って実際に触れてみることで、各サービスの特徴や使い方を体感的に学べます。
参考:AWS
②コスト管理を徹底する
AWSの利用には費用が発生するため、コスト管理は重要です。無料利用枠の範囲を把握し、予算アラートを設定しましょう。また、AWS Cost Explorerを活用すれば、利用料の分析や可視化が可能です。
そして、不要なリソースは速やかに削除し、コスト最適化の方法を学びましょう。これは実務でAWSを扱う際にも非常に重要なスキルとなります。
③セキュリティ対策の意識を持つ
AWSのセキュリティは、ユーザー側の責任も大きいです。たとえば、IAMを使った適切なアクセス権限の設定や多要素認証の導入は基本中の基本です。また、AWS CloudWatchやCloudTrailを活用して、システムの動作やユーザーの活動を常時監視しましょう。
セキュリティに関するAWSの公式ガイドラインを確認し、対策を学ぶことも大切です。セキュリティ意識を持つことで、安全なAWS環境の構築や運用についての知識を習得できます。
AWSを学ぶのまとめ
AWSを学ぶ際は、クラウドの基礎知識から始まり、主要サービスの理解、実践的な使用など、段階的に進める必要があります。また、学習方法は動画や勉強サイトなど幅広いので、自分に合った方法を選べます。
AWSスキルは高需要で効率的なインフラ構築やフリーランスの案件獲得にも有利です。AWSを学び、スキルアップやキャリアアップにつなげてみましょう。これからAWSについて学ぶ方は、次のセミナーを受講し、基礎から応用まで学習してみてください。
