近年ではあらゆる業種ですっかり在宅ワーク化が浸透してつつありますが、それはAI業界においても例外ではありません。どんどん盛んになっていく在宅ワークに挑戦してみたいものの、「在宅ワークはどんな人や業種が向いている?」と疑問を抱く方も多いでしょう。
在宅ワークは一見ラクで華やかに見えるかもしれませんが、向き不向きがはっきり分かれる働き方でもあります。今回の記事では、在宅ワークが向いている人やメリット・デメリット、必須スキルやトラブル対処法について詳しく紹介します。
本記事を読むことで在宅ワークの向き不向きや必須スキルを理解できるため、スムーズに在宅ワークを行えるようになるでしょう。ぜひご一読のうえ参考にしてください。
在宅ワークが向いている人
傾向として、在宅ワーク向いている人の特徴は以下のとおりです。それぞれご紹介していきます。
- 一人で黙々と作業に集中できる人
- 自宅の在宅ワーク環境が整っている人
- 自己管理に自信のある人
一人で黙々と作業に集中できる人
一人で黙々と作業に集中できるタイプの方は、在宅ワークが向いているでしょう。在宅ワークは基本的に「孤独」だからです。
メールやチャットなど文章でのやりとりや最低限最低限のWebミーティングなどはあるものの、誰かにちょっとした質問すらできなかったり休憩中に話せる人もいません。人と会話していないと苦痛を感じる方は、向いていないでしょう。
一方、周りの環境が気になって集中できない方だったり作業に没頭している中で話しかけられることを嫌う方などは、在宅ワークによって高い生産性を発揮しやすい傾向があります。
自宅の在宅ワーク環境が整っている人
「作業に集中できない自宅環境下の方」では、なかなかスムーズに在宅ワークを遂行できません。気の散る要素のせいで作業がはかどらないためです。
集中力を継続させられる騒音の少ないスペースや在宅ワークに適した机と椅子、安定したWi-Fi環境など、まず作業環境を整えることが第一です。それだけでなくWebミーティング用のカメラ、イヤホン、マイク、また業務によってはプリンターなど、設備的な作業環境の構築も大切になります。
家庭をもっている方であれば、家族や同居人との調整、生活空間と仕事空間の区別をする必要も出てくるでしょう。
自己管理に自信のある人
在宅ワークは、働く時間も休憩する時間もすべて自分の裁量で決めることができてしまうため、向き不向きを大きく左右します。
たとえば朝起きるのが遅いことから昼夜逆転してしまう人、小休憩のつもりがSNSを長時間眺めてしまう人などが挙げられます。決められた時間の中ですべて終わらせるつもりで集中したり、スマホなど気が散るものを手の届く場所に置かないなどセルフマネジメントを意識しましょう。
とはいえ「周りの目を気にせず好きなスタイルで休憩できる」ことは在宅ワークの特権。時間を決めてリフレッシュを楽しむなど、バランスが重要です。
在宅ワークが向いている業種
在宅ワークが向いている職業として、以下のようなものが挙げられます。
- ITエンジニア
- Webデザイナー
- Webライター
- マーケター
- 一般事務
それぞれ見ていきましょう。
ITエンジニア
ITエンジニアはシステムやアプリケーションの開発・保守が主な仕事ですが、一般的に業務の9割をパソコンでこなせる働き方です。
スタッフやプロジェクトメンバーとの打ち合わせが必要になる機会もありますが、それもWebミーティングで済ませることが可能です。
Webデザイナー
グラフィックやUI/UX、Webサイトやパンフレットなどのデザイン考案・作成を担当するWebデザイナーも、在宅ワークに向いた代表的な業種として挙げられます。
デザイナーも業務のほとんどをパソコンでこなせること、またデザイナーに必須の「Illustrator」や「Photoshop」といったデザインツールさえパソコンに入っていれば、場所を問わず仕事ができるからです。
Webライター
Webライターはウェブサイトやブログ、SNSなどに投稿するためのテキストを作成するのが主な仕事です。在宅ワークに適している理由は、主な作業ツールである「Googleドキュメント」や「Word」が自宅で使える環境にあれば、おおよそ9割の作業が可能だからです。
さらに文章自体の作成や修正であればオフラインでも行うことが可能なため、場所にとらわれずに仕事を進めることができます。
マーケター
マーケターは、商品やサービスの市場調査や顧客分析を行い、それに基づいてマーケティング戦略を立案・実行するのが主な仕事です。
コンピューターやオンライン調査ツールが自宅にあれば作業が可能であることが、在宅ワークに適している理由です。また、データ分析やレポート作成などの作業もオンラインで行えるため、場所にとらわれずに仕事を進めることができます。
ただしマーケターはユーザーニーズの汲み取りや市場動向のリサーチが必須なので、自宅で作業するだけでなく現場に足を運んで情報収集することも大切です。
一般事務
一般事務もExcelやWord、PowerPointや経理関連ソフトなどが揃っていれば、どこにいても問題なく業務を遂行できるでしょう。
ただ、一般事務の業務で使用する数字データは機密情報に該当するものが多く、何らかの原因で流出してしまえば大問題です。そのため、社内でのセキュリティ対策および安全なコミュニケーション手段が求められます。
在宅ワークのメリット・デメリット
在宅ワークの主なメリットとデメリットを一覧にまとめると、以下のようになります。
メリット | デメリット |
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この章では、メリットとデメリットそれぞれ詳しく解説します。
メリット
在宅ワークの代表的なメリットを、以下の3つに絞ってご紹介します。
- 対人の人間関係から開放される
- 移動時間を削減できる
- 自分の裁量で作業・休憩ができる
対人の人間関係から開放される
対人の人間関係から開放されることは、大きなメリットといえるでしょう。在宅ワークでは合わない人の顔色を伺いながら仕事をしたり、冷たい目線を浴びたり理不尽な叱責などを受ける必要がなく、淡々と業務に集中できます。
仕事上では人と距離を置きたいと考える人にとっては、メリットになります。
移動時間を削減できる
実際に作業を始めるまでには、本来、朝起きてから身支度をして会社に移動する必要があります。たとえば移動時間は片道20分だとしても往復で40分、5日間で200分にものぼります。
しかし在宅ワークができるようになると、その移動時間を削減できます。大きな時間短縮を図れるうえ、満員電車のストレスを軽減できることもメリットです。
自分の裁量で作業・休憩ができる
在宅ワークは作業開始、休憩、終了の時間をすべて自分の裁量で決めることができます。脳が活発な朝に作業をしたり、集中力が切れてきたと思ったら散歩をしたりなど、自分のペースで作業を進められるのがメリットです。
また、一般的な企業では許されていないものの、脳の活性化や疲労回復などさまざまな効果のある「パワーナップ(積極的仮眠)」なども実践できます。
デメリット
在宅ワークのデメリットは、大きく以下のとおりです。それぞれ見ていきましょう。
- 集中力が長く続かない
- 文章だけで作業内容を理解するのが困難
- 孤独感や寂しさを感じやすい
集中力が長く続かない
集中力が長く続かないことは、在宅ワークのデメリットともいえます。自宅で自分ひとりで作業するとなれば、ネットサーフィンやSNS、ゲームや漫画など誘惑も多いためです。
一人で在宅ワークを遂行してみると、「他人の目線」には大きな効果があることを実感するでしょう。
文章だけで作業内容を理解するのが困難
在宅ワークの場合、基本的には業務内容を文章で理解する必要があります。この指示がわかりにくかったり、読解力に自信がなかったりすると、ストレスを感じることはデメリットになります。
やはり「会話」は細かなニュアンスも加わるので、伝わる情報量は圧倒的に多いです。どうしても理解ができないなら、Webミーティングなどを依頼する必要があります。
孤独感や寂しさを感じやすい
在宅ワークのデメリットに、孤独感や寂しさを感じやすいことも挙げられます。在宅ワークは基本的に一人での作業なので、仕事のことを相談したり、話せる仲間が周囲にいないためです。
慣れの問題でもありますが、誰かと会話していないと苦痛を感じるタイプの方には完全に不向きなのは事実です。
在宅ワークに必須のスキル
在宅ワークには、以下のスキルが必須です。
- PCスキル
- セルフマネジメントスキル
- 文章力
それぞれ見ていきましょう。
PCスキル
必須となるのはPCスキルで、これがないと在宅ワークは困難です。もはや「在宅ワーク=PC作業」と考えて差し支えありません。
PCスキルとは具体的には以下のようなものです。
- 業務に必要なツールを満足に扱えるスキル
- 生産性を向上させるショートカットキーの使用
エンジニアであれば各種IDE、デザイナーであればIllustrator、事務職であればExcelやWordなど、業務に必須ツールのスキルを磨くことが大切です。
セルフマネジメントスキル
いわゆる「自己管理スキル」のことを指します。より具体的にいうと、以下のようなものです。
- 規則正しい生活を実践する力
- 時間を決めて作業に集中する力
- 自宅にあるゲームや漫画、スマホなどの誘惑に負けない力
自己管理ができないとスマホなどに時間をとられ、結果的に昼夜逆転したり、健康に影響をきたす可能性もあります。
文章力
文章力も、在宅ワークに必須のスキルとなります。在宅ワークは文章でのやりとりがメインになるためです。
作業内容が書かれた文章を読解する力、また不明点をわかりやすく伝える文章力によって、円滑な業務が実現します。文章力を高めるために、日頃から読書をしたり文章を書く練習を行うのがおすすめです。
まとめ
在宅ワークは傾向として、一人で黙々と作業することに苦痛を感じない人や、自己管理をしっかりできる人が向いています。それだけでなく、自宅の作業環境や設備環境を整えることも重要なポイントです。
また在宅ワークは対人や移動によるストレスが軽減できるメリットがある一方で、集中力の維持が難しく孤独感を感じやすいデメリットがあります。自分を律して淡々と作業する忍耐力も問われるでしょう。
向き不向きや良し悪しから「自分に合っているか」見極めを行い、在宅ワークでの成功を収めてほしいと思います。