AIは膨大なデータの解析をして将来を予想することを得意としていますが、競馬の勝利を的中させることはできないのかと、競馬予想AIの研究が行われています。
AIでレース順位を的中させられるのでしょうか?
どのように競馬予想AIを開発するのでしょうか?今回は競馬予想AIについて詳しく解説します。
競馬予想AIとは
競馬予想AIとは、競馬レースの過去データを学び、番狂わせで勝利を収めそうな穴馬を見抜くAIです。AIに
- 競馬レース結果
- 競走馬
- 騎手
- 調教師
- コース情報
- タイム
- 天候
などデータを読み込ませて、競馬レースの順位を予想します。
競馬予想AIは、競馬情報サイト運営会社が競馬サークルや東京大学や京都大学と連携して開発しており、競馬番組で紹介されるなど注目を集めているサービスです。
さまざまな競馬予想AIが登場しています。
株式会社ドワンゴが、AIのデータ分析で競馬の予想はどこまで可能なのかを挑むイベント「電脳賞」を主催するなど賑わいを見せています。電脳賞は、独自ロジックを用いたソフトウェアでレースの結果を予想し、的中率を競い合う競技イベントです。
このイベントで優勝したチームの1日の回収率は1217.6%と驚愕の結果を出したことから、競馬予想AIで穴馬を見抜けると話題を集めています。
競馬予想AIの勝率・回収率
競馬情報サイトでも競馬予想AIによるレース予想がされています。
例えば、多くの競馬ファンに愛されてきた競馬予想サイト「競馬予想AIゆま牧場」は、競馬予想AIを公開して13,2000レースの予想し、回収率117%を記録しました。
的中率の高さが凄いと評判の競馬予想サイト「ウマくる」では回収率200%を超えており、信頼できる予想サービスだと話題を集めています。
サービス名 | 回収率 |
RINGO | 109% |
競馬予想AIゆま牧場 | 138% |
極ウマ | 220% |
AI-GALILEO | 112% |
ウマくる | 267% |
※各サービスの1日の回収率を表示しています。
※競馬予想AIゆま牧場とAI-GALILEOは、サービス提供が終了しています。
競馬サイトが提供している競馬予想AIなどで回収率は変動しますが、勝利を収めそうな穴馬を見抜くことができると言えるでしょう。
しかし、AIの予想は必ず的中するわけではないため、自己責任で楽しむようにしましょう。
おすすめの競馬予想AIサービス4選
競馬サイトには競馬予想AIを活用した競馬レースの順位の予想がされていますが、AI予想を楽しみたい方もいるでしょう。そのような方向けにおすすめの競馬予想AIサービスを厳選して4つご紹介します。
- 馬券の購入手配まで行える「RENA」
- 3連単、3連複の予想が得意な「極ウマAI予想」
- 無料トライアル体験ができる「RINGO」
- 驚異の回収率が話題「ウマくる」
ここでは、それぞれのサービスの特徴をわかりやすく解説します。
1.馬券の購入手配まで行える「RENA」
RENAは2017年10月にデビューした競馬予想AIの人型ロボットです。
利用者1,700万人を突破した国内最大級の競馬情報サイト「netkeiba.com」で働いています。
RENAは「競走馬の潜在能力」「騎手の特徴」「騎乗傾」を学習しており、勝利する馬を当てています。勝率の計算だけでなく、回収率のバランスを追求した安定収支型のローリスクな予想を得意としており、競馬ファンから「ローリスクだから始めやすい」と支持されているロボットです。
RENAは日程別、会場別(東京・京都・新潟)のレースの予想をしており、一覧で公開しているため、馬券を購入するときの参考になります。
自信がある予想に対しては「自信あり」のマークが付くなど、見やすさが魅力となっています。
RENAが予想した馬券の購入手配まで行えることが魅力となっているサービスです。
2.3連単・3連複の予想が得意な「極ウマAI予想」
極ウマAI予想は、日刊スポーツ新聞社が開発した競馬予想AIです。
日刊スポーツ新聞社が蓄積してきた競馬レースデータを機会学習しており、3連単、3連複の予想を得意としています。3連単、3連複の予想では回収率194%と脅威の数字を出しています。
極ウマAI予想の特徴は、過去の予想と結果が見れることです。1日の回収率まで掲載されているため、安心してサービスを利用できます。極ウマAI予想を利用するためには、1ヶ月800円~1,500円課金しなければいけません。
しかし、信頼できる競馬サイト運営会社のAI予想を参考にしたい方にはおすすめのサービスとなっています。
3.無料トライアル体験ができる「RINGO」
RINGOは東京大学工学部の卒業生2名が開発している競馬予想AIです。
中央競馬は過去10年、地方競馬は過去5年のデータで学習させたAIを用いて、競馬レース結果を予想しています。「順位予想」「AI指数」「勝率」「推奨買い目」の情報が閲覧でき、単一の馬券の回収率が高いため、的中させたいという方におすすめのサービスです。
2週間の無料トライアルサービスが提供されているため、競馬予想AIの精度がどれぐらいなのだろうと興味がある方も気軽に試せます。
4.驚異の回収率が話題「ウマくる」
ウマくるは、情報収集に注力してAIに読み込ませており、高い回収率を記録し続けている競馬予想AIです。過去15年間分の競馬レース情報以外にも、レースの特徴や馬の実力など、あらゆる情報を数値化してデータ収集しています。
これらのデータを解析して、当たる馬券を的中させています。
267%の回収率を記録するなど、当たる競馬予想AIとして注目を浴びているサービスです。
競馬予想AIの作り方・開発方法
競馬予想AIの作り方は以下の通りです。
- AI開発の目的を決める
- 必要なデータを収集する
- データを加工する
- AIモデルを開発する
- AIモデルのテストをする
- システムAIモデルを組み込む
ここでは、各手順について詳しく解説します。
1.AI開発の目的を決める
まずは、AI開発の目的を決めます。競馬予想AIを開発する場合は「的中率が高い競馬予想ができるAIを作りたい」「配当率が高い競馬予測ができるAIを作りたい」「穴馬を見つけられるAIを作りたい」などがあるでしょう。
目的を定めておくことで、「どのようなデータが必要であるか」「それらのデータを収集できるか」「AIを開発するコストがあるか」を確認していけます。
また、競馬予想AIに投資した分の利益が取れたかどうかを確認するための指標も決めておくと、プロジェクトが成功したいかどうかを判断できます。
2.必要なデータを収集する
競馬の勝敗を的中させるAIを作るために必要なデータを収集していきます。
過去数十年分のレース結果、競争馬、騎手、調教師、コース情報、タイム、天気、馬の状態などのデータを収集していきましょう。
AIの精度はデータによって変わるため、慎重にデータを収集していきましょう。
3.データを加工する
データが収集できたら、AIが機械学習できるようにデータを加工していきましょう。
データを加工する作業をアノテーション作業と呼びます。
アノテーション作業によって、タグ付けされたデータに加工することで、AIが学習できるようになります。
4.AIモデルを開発する
次にAIモデルを開発していきます。AIモデルの学習方法には「教師あり」「教師なし」「強化学習」があるため、適切なものを選ぶようにしましょう。
教師あり学習 | 正解ラベルが付いたデータを学習して正解パターンを見つけていきます |
教師なし学習 | 正解ラベルがついていないデータを学習してデータの関係から規則性を見出していきます |
強化学習 | 理想の結果に近づくように、自己学習をさせます |
データを機械学習させたら、パラメータの調整やチューニングをして、的中率を上げていけます。
5.AIモデルのテストをする
AIモデルの開発を終えたら、テストを実施して精度を確かめていけます。
もし精度が悪い場合は、AIモデルに再学習させましょう。
時代に合わせたデータを読み込ませることで、より高い精度のAIモデルが作れるようになります。
6.システムAIモデルを組み込む
AIモデルが完成したらシステムに組み込んでいきます。
システムに組み込むことで、競馬の予想サービスが提供できるようになります。
Webサイトとシステムを連携することも可能です。
AI予想を組み込んだ競馬サイトは人気を集めています。
また、競馬予想の補助に便利なBing AIに関しては下記記事で解説しています。
競馬予想AIを開発する上での注意点
競馬予想AIを開発する上でデータ収集が欠かせません。
競馬レースのデータ収集するために馬券を購入することもあるでしょう。
競馬予想AIを開発するために馬券を購入した場合でも、経費で落とすことは控えてください。
なぜなら、競馬予想AIを開発した会社が馬券の購入費を経費として扱っていたことがあり、裁判になったことがあるためです。
この裁判では、競馬予想AIを開発する上で購入した馬券は経費として認められました。
しかし、裁判に発展してしまう恐れがあるため、トラブルを避けたい方は馬券を経費で落とすのを控えるようにしましょう。
競馬予想AIについてまとめ
競馬予想AIを提供している競馬サイトの回収率は100%を超えることもあるようです。
どの競馬サイトも高い回収率を叩き出しています。
この結果を見ると、競馬予想AIを活用することで的中させやすくなることがわかりますが、必ずしも当たるわけではなことを理解しておきましょう。
また、自分で競馬予想AIを開発していくことも可能です。
実際に予想競馬AIを開発している会社が続々と登場しています。
ここでは、どのようなサービスが登場しているのか、どのように作るのかを解説したため、競馬予想AIの活用をしてみてください。