ビッグデータとはなに?概要や活用事例、取り扱う際のポイントも解説!

ITイノベーションが次々と登場する現代「ビッグデータ」という言葉を耳にする機会が増えてきました。IT業界に限らず、じつにさまざまな職種で必須となっているビッグデータですが、具体的にどのようなもので何ができるのか、理解していない方は多いでしょう。

今回の記事ではビッグデータの概要やできることを、身近な具体例をふまえてわかりやすく解説します。またビッグデータを扱う際のポイントも言及していますので、社内への導入を検討している方もぜひ参考にしてください。

ビッグデータとは?

ビッグデータとは「膨大な量のデータ群」のことを指します。ここでいう「膨大」とは、従来の手法やデータ管理ツールでは到底扱いきれないほどの規模や量のことです。

また、ビッグデータという言葉は上記の他に「あらゆる種類や性質をもった、型にはまらないデータ」という意味も含んでいます。

ただ現状、定義は明確ではありません。すなわち、まとめると「膨大かつ多種多様な形式のデータ群の総称」となります。

ビッグデータの5要素

ビッグデータは主に「5つのV」という特徴をもっています。具体的には、以下のとおりです。

Volume(量)日々、大量のデータが生成・蓄積されること。
Variety(種類)あらゆる形式や種類が存在すること。
・構造化データ(テーブル形式のデータ)
・半構造化データ(XMLやJSONなど)
・非構造化データ(テキスト、画像、音声など)
Velocity(速度)データが高い速度で生成・変化・蓄積されること。
Veracity(正確性)データの信頼性や精度が高いこと。
誤情報や異常値、エラーが多いと分析や解析の結果に悪影響を及ぼす。
Value(価値)ビッグデータそのものでなく、それを分析・活用して得られる価値のこと。

ビッグデータの定義は明確ではなく幅広いですが、世の中のデータをすべてビッグデータと呼べるかというと、そうではありません。上記のような特徴を備えてはじめて「ビッグデータ」として扱われます。

ビッグデータを構成する2種類のデータ

ビッグデータは、主に以下の2種類のデータで構成されています。

構造化データ表計算ソフトのように行と列で区切られたデータ。
または表形式への変換がかんたんにできるデータ。
(例)Excel、Googleスプレッドシート、CSV形式ファイルなど
非構造化データ行と列で区切られていない、規則性のないデータ。
または表形式への変換するのが難しいデータ。
(例)テキスト、画像、音声、動画ファイルほか

おなじビッグデータでも、構造化データは解析や集計がかんたんですが、非構造化データは難しいという特徴があります。

ビッグデータでできること

ビッグデータの活用によって、主に次のようなことが可能になります。

  • 高精度な未来データ予測
  • 必要なデータを必要な形式で抽出

それぞれご紹介します。

高精度な未来データ予測

活用することで、高精度な未来データ予測を行えるようになります。実際にビッグデータは、ユーザーのニーズや来客予想に役立てられているのが現状です。

また、社内の過去データとの参照や一般公開されたデータとの照合によって、品質・在庫管理などの観点でも活用され、業務効率化に貢献しています。

必要なデータを必要な形式で抽出

ビッグデータは、形式を問わないさまざまなデータの集合体です。シーンに応じて必要なデータを必要な形式で取り出せることから、さまざまな職種において作業効率化や生産性向上に大きく貢献しています。

たとえば、マーケティング業務などでは

  • ユーザーの購買行動やニーズ分析結果は、構造化データで整理・保管
  • 新サービスのプレゼン資料は、画像や動画などの非構造化データを用いて作成

といったように、ケースに応じたデータの使い分けが可能です。

代表的かつ身近なビッグデータの事例

この章では、身近な活用例を以下のトピックでご紹介します。

  • SuicaなどのICカード
  • Web広告やECサイトなどのレコメンド機能
  • 天気予報の精度向上
  • リアルタイムでの交通状況の通知
  • ウェアラブルデバイスでの健康管理

SuicaなどのICカード

Suicaをはじめとする交通系ICカードは、代表的な活用例のひとつです。電車やバスを利用する際のみならず一般的な商品の支払いにも利用できます。

乗降パターンや利用履歴・頻度を把握はすべて管理会社でデータとして保存され、かつユーザー自身も確認することが可能です。蓄積されたデータを分析することで、交通需要の予測やサービス改善に活かしています

Web広告やECサイトなどのレコメンド機能

YouTubeやAmazonなどで、以前に閲覧した動画や商品がトップページに表示される仕組みである「レコメンド機能」は、まさにビッグデータによるものです。ユーザーが閲覧したコンテンツの内容、クリック率、閲覧時間などをすべてデータとして管理することで、個々のユーザーに適したコンテンツや商品を提案しています。

ユーザーの購買意欲の促進に役立つだけでなく、コンテンツを閲覧する体験を楽しいものにしてくれることから滞在時間の向上にも役立っています。

天気予報の精度向上

天気予報はまさしく代表的な活用例といえるでしょう。気象庁や気象サービスは、大気圏の観測データや人工衛星の観測結果など、膨大な情報をビッグデータとして管理し、収集・解析しています。

また、このデータは24時間365日絶えず蓄積しているため、日に日に正確性を増していくことも大きな特徴です。

リアルタイムでの交通状況の通知

テレビやラジオ、スマートフォン、またカーナビなどでわかる「リアルタイムの交通状況」も、代表的な事例です。

高速道路や国道などに設置されたGPSやセンサーデータ、交通カメラなどから現在の状況を取得します。それを過去に蓄積された膨大なデータと照らし合わせ、ユーザーに混雑状況や最適な経路を提供しているわけです。

これによりユーザーは混雑状況や遅延を早急に察知し適切な対策を迅速に行えることから、移動時間および燃費の節約やストレス軽減に大きく役立てられています。

ウェアラブルデバイスでの健康管理

スマートウォッチをはじめとするデバイスでの健康管理にも活用されています。具体的には心拍数、歩数、睡眠パターンなどのデータを収集し、クラウド上に蓄積させています。

ユーザーの健康情報が膨大になるほど、これらのデータは集合的に解析されて正確性を増していくものです。これにより、個々の健康状態や傾向を正確に把握することが可能となります。

リアルタイムな健康状態が正確にわかることで、疾病の早期発見や予防の促進に役立てられています。

ビッグデータを扱う際のポイント

ビッグデータを事業で扱う際、次のようなポイントを抑えておくことをおすすめします。

  • ビッグデータのための社内環境を整える
  • セキュリティやプライバシーへの配慮を怠らない
  • ビッグデータ活用に長けた人材を確保する

それぞれ見ていきましょう。

ビッグデータのための社内環境を整える

有効に扱うためには、社内環境を整えることが重要になります。社内環境とは、主に以下のようなものです。

  • 十分なデータ収集・蓄積が行えるシステムやハードウェアの導入
  • データの品質保持のための分析・調査の時間の確保
  • ビッグデータ管理ツールのトラブルに対する、修繕の手間・費用の確保

また、ビッグデータの知見に長けた企業に外注するという選択肢も賢明ですが、相応のコストがかかります。このようにビッグデータの能力を最大限に引き出すためには、時間やお金をかけ、環境を整えることは必須です。

なお、AIシステムを導入する際に必要なビッグデータ量は、以下の記事でも言及しています。

【2024】AIのビッグデータとは?便利なビッグデータサイト10選や使い方

セキュリティやプライバシーへの配慮を怠らない

セキュリティやプライバシー対策は、有効活用のために避けて通れません。個人情報や機密情報を含んでいるものも、ビッグデータに該当するためです。

こういった重要な情報を何の対策もせず利用すると、個人情報の漏洩や悪用による被害につながってしまいます。その結果、企業の信頼が失われる可能性もゼロではありません。

個人情報や機密情報のセキュリティ対策について十分に理解すること、そして活用する際はもちろん、収集の段階から慎重な取り扱うことが求められます。

ビッグデータ活用に長けた人材を確保する

ビッグデータをより効果的に扱うには、ビッグデータに精通した人材を確保することも大切なポイントになります。具体的にはデータサイエンティストやデータエンジニアといった専門性をもつ人材が協力し合って、ビッグデータを活用できる環境があることが理想です。

専門性とスキルをもつ人材の募集や採用には相応のコストがかかりますが「詳しい人がいない中での運用の大変さ」を考えると、費用対効果は高いでしょう。

またビッグデータの管理ツールや技術は絶えずアップデートを繰り返すものです。専門性の高い人材でも、その都度学習することが求められるので、社内の教育環境を整えることも重要になります。

AI人材、および教育環境については、以下の記事を参考にしてください。

AI人材とは?業界の現状やAI人材に必要なスキル

データ活用技術を学ぶ方法は?

ビッグデータ活用の技術に長けた人材を目指すためには、データサイエンスや統計数学、プログラミングを学ぶ必要があります。それらを学ぶための主な方法として、次のようなものが挙げられます。

  • 書籍を用いて独学する
  • インターネットや動画教材で学ぶ
  • ITスクールを活用する

中でもとくにおすすめなのが「ITスクールを活用する」ことです。

書籍およびインターネットでも習得は不可能ではありません。しかし、データサイエンスや統計は難しく一人で行うにはハードルが高いことから、挫折の可能性が高くなってしまうためです。

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まとめ

ビッグデータはあらゆる形式、かつあらゆる種類の、型にはまらないデータ群のことです。いまや業界問わず、多くの企業があらゆるシーンで有効活用しています。

ただ、ビッグデータ活用には環境や人員、セキュリティ対策にコストがかかるものです。必要なコスト、そして活用のためのポイントを把握しつつ、ビジネスに役立ててほしいと思います。

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