AI(人工知能)とロボットは大きく異なります。
ロボットはプログラミングされたことだけを実行できる形のある機械ですが、AIは自分で意思決定できる形のないコンピューターです。
近年では、AI搭載のロボットが続々と開発されています。
AIが加わることで、ロボットは自ら学習して賢くなれるのです。
SF映画のように、AI搭載ロボットが人間を助ける日々がすでに訪れています。
AIとロボットの違い
AIとロボットはよく混同されがちですが、全く違うものと認識しましょう。
AIとロボットの大きな違いは、自ら行動を起こせるかどうかです。
ロボットはプログラミングで教えられたことしかできませんが、AIは未知の課題や問題に直面しても答えを導き出せるのです。
簡単に言うと、ロボットは動作するための形が必要が、対してAIはコンピューターなので形は必要不可欠ではなく、ロボットのような身体はいらないのです。
AIとは
AIの定義はまだ決まっておりませんが、一般的にコンピューターに人間の知能と同レベルの働きをさせる技術・学問のことです。
ちなみに、AIは”Artificial Intelligence”の略語となります。
AIと普通のプログラムの違いですが、普通のプログラムは事前に教えられたことだけできます。
つまり、人間に分かることしかできないのです。
プログラム開発の際、人間が一から十まで丁寧に書く必要があります。
一方、AIならこれまでの学習データから法則を導き出し、人間にさえ分からない予測を立てることができるのです。例えば、過去10年間の天気と美術館入場者のデータを学習させることで、来月の利益の推測を行えます。
AIは人間よりもずっと情報処理と分析が得意なので、あらゆる場面で活躍しています。
リクエストに対する適切な回答をするSiri、ネットフリックスやアマゾンのレコメンド機能などもAIのおかげで実現できた技術です。
ロボットとは
ロボットとは、自動的に行動できるプログラミングされた機械のことです。
プログラミングされたことは正確に行えますが、それ以外のことはできません。
単純作業に特化しているので、工場などで活用されることが多いです。
AI搭載のロボットとは?
最近では、AIを搭載したロボットが続々と開発されています。
つまり、ロボットが人間のように考えて、行動できるようになるのです。
AI搭載ロボットの多くにはコンピューター・ビジョンが適用されています。
コンピューター・ビジョンとは、人間の視覚と同じスキルをコンピューターに与えるためのトレーニングです。例えば、コンピューター・ビジョン搭載の防犯カメラなら、映像から特定の人物を瞬時に見つけ出すことが可能になります。
ロボットにAIを搭載することで、ロボットは動作しながら情報収集と分析、学習ができるようになるのです。
今後は、医療や介護、製造、サービス業などでAI搭載ロボットが活躍すると予想されています。
AIが搭載されたロボット6選
ここでは世界で活躍するAI搭載ロボットをご紹介します。
- RoBoHoN(ロボホン)
- LOVOT(ラボット)
- Romi(ロミ)
- Qoobo(クーボ)
- Palro(パルロ)
- BOCCO emo(ボッコエモ)
①RoBoHoN(ロボホン)
RoBoHoNは、スマートフォンとロボットの機能を融合したヒューマノイド型ロボットです。
会話や音声認識・自然な動きなどの機能を持っていて、コミュニケーションに特化しています。
カメラやプロジェクターも搭載されており、さまざまな用途に活用できるでしょう。
②LOVOT(ラボット)
LOVOTは、可愛らしい外見を持つコンパニオン型のロボットです。
人間とのコミュニケーションを重視し、愛着を持って扱われることで成長します。
センサーやカメラを利用して周囲の状況を把握し、自律的に動くことができます。
③Romi(ロミィ)
Romiは、ソフトバンクが開発した自律移動型ロボットです。
店舗や施設での案内や接客、情報提供などの用途に活用されています。
マッピング技術を活用して環境を理解し、効率的に移動できるというメリットもあります。
④Qoobo(クーボ)
Qooboは、ペットのような感触としっぽを持つ癒しのロボットです。
愛らしい見た目としっぽを持つことで、ペットのような存在感を持つとともに、触れると心地良い振動を感じることができます。
また、Qooboに触れたり抱きしめたりすることで、ストレスを軽減する効果もあります。
日々の癒しやリラックスに役立ちそうですね。
さらに、単なる癒しのアイテムにとどまらず、ペットを飼えない環境やペットアレルギーのある方にも適しています。
⑤PALRO(パルロ)
PALROは、介護施設や高齢者向けに開発されたコンパニオンロボットです。
対話や運動支援などの機能を持ち、ユーザーとのコミュニケーションを通じて心の支えを提供します。また、環境やユーザーの動きを感知するためのセンサーが搭載されており、自律的な行動が可能です。
さらに、PALROはカスタマイズが可能ですので、施設やユーザーのニーズに合わせて機能を拡張することができます。
⑥BOCCO emo(ボッコエモ)
BOCCO emoは、家庭向けに開発されたコミュニケーションロボットです。
専用アプリに繋ぎ、スマホアプリにメッセージを入力すると、遠く離れたBOCCOが代わりにお話してくれます。
また、2023年7月よりChatGPTを活用したコミュニケーションロボットBOCCO emoが、さまざまなキャラクターになりきって会話してくれる新機能「変身エモちゃん」の提供を開始しています。
AIロボットの活用事例
AIロボットはさまざまな分野で活用されています。
以下では、いくつかの具体的な活用事例について紹介します。
サービスAIロボットの活用
Pepper(ペッパー)や配膳・運搬ロボット Servi(サービィ)などのロボットは、店舗や施設での案内・接客業務を行っている事例です。
顧客とのコミュニケーションを通じてサービスを提供し、顧客満足度の向上を図っています。
産業用AIロボットの活用
自動車製造工場では、UR5eなどのロボットアームが自動車の組み立てラインで活躍しています。
これにより、生産効率の向上や作業員の負担が軽減されるというメリットが挙げられます。
医療用AIロボットの活用
Da Vinci Surgical Systemなどのロボットが、手術室での手術を支援しています。
高精度な動作や3Dビジョンを活用することで、より正確な手術が可能となり、患者の治療に貢献しています。
コンパニオンAIロボットの活用
LAVOT(ラボット)などのコンパニオンロボットが、高齢者施設での介護に活用されています。
ロボットとの交流を通じて、高齢者の生活の質の向上が図られています。
教育用AIロボットの活用
Cozmoなどの教育ロボットが、学校でのプログラミング教育に活用されています。
ロボットを通じてプログラミングの基礎を学ぶことで、子どもたちの理解を深めることができます。
AIロボットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
AIとロボットの違いについてまとめ
AIとロボットの主な違いは、自分で意思決定できるかどうかです。
ロボットの場合は、プログラミングしたことしか行えないので、想定外の事態に対応できません。
また事例を見てきたように、AI搭載ロボットが続々と開発されています。
かつては遠い未来の話だった人間とコミュニケーションをとれるロボットですが、数年後にはAI搭載ロボットと共存する日が来るのかもしれません。
