近年、生成AIを活用したイラスト作成が注目されています。誰でも簡単に高品質なイラストを生成できるツールやサイトが増えており、これから利用したい方もいるのではないでしょうか。そこで、本記事では生成AIでイラストを描く方法やおすすめのツール、使用時の注意点などを解説します。生成AIでイラストを描いてみたい方は、ぜひ参考にしてください。
生成AIでイラストが描けるツールやサイト5選
生成AIを活用したイラスト作成は、多くのツールやサイトで可能になっています。ここでは、特に注目したい5つのサービスを紹介します。
ツール名・サイト名 | 特徴 |
Canva | テキストプロンプトからイラストを生成する「マジック生成」機能が利用可能 |
Bing Image Creator | DALL-E 3の技術を採用し、高品質なイラスト生成が可能 |
AI素材.com | 多種多様なスタイルのイラストを生成可能 |
Illustrator | サイズに関係なく品質が落ちず、細かい編集も可能 |
Photoshop | Firefly AIを活用でき、既存の画像にイラスト要素の追加が可能 |
Canva
Canvaは、テキストプロンプトからイラストを生成する「マジック生成」機能を使えます。マジック生成では、ユーザーの指示にもとづき、さまざまなスタイルのイラストを数秒で作成が可能です。また、生成されたイラストは、Canvaの他のデザイン要素と簡単に組み合わせられます。アートスタイルや色調の指定も可能で、ブランドやイメージに合わせたイラスト作成も簡単に行えます。
Bing Image Creator
Bing Image CreatorはDALL-E 3の技術を採用し、高品質なイラスト生成が可能です。詳細な説明文を入力すると、リアルなイラストや抽象的なアートまで幅広く生成できます。さらに、画風や構図の指定も可能で、ユーザーのイメージに近いイラストを作成できるでしょう。ただし、無料利用の場合に生成速度を上げる機能を使うと1日の生成回数に制限がかかります。
AI素材.com
AI素材.comは、日本語のプロンプトに対応したイラスト生成サービスです。アニメ調やリアル調など、多種多様なスタイルのイラストを生成できます。また、人物や動物のイラストでは、顔や体型を細かく調整する機能を使うことも可能です。生成されたイラストは著作権フリーで、商用利用や加工も自由に行えます。
Illustrator
IllustratorのFirefly AIは、テキストからデータを数値化する保存形式であるベクター形式のイラストを生成します。生成されたイラストは拡大しても品質が落ちず、細かい編集も可能です。さらに、既存のIllustratorの機能と組み合わせることで、イラストをより洗練できます。ほかにも、ベータ版でなければ商用利用可能なイラストを簡単に作成できる点が特徴です。
Photoshop
PhotoshopもFirefly AIを活用でき、既存の画像にイラスト要素の追加が可能です。たとえば、「生成塗りつぶし」機能を使用すると、画像の一部をAIで生成したイラストで置き換えられます。また、写真をイラスト風に変換したり、イラストの背景を自動生成したりすることも可能です。これらの機能により、写真とイラストを組み合わせた独創的な作品を作成できます。
生成AIでイラストを描く流れ
ここからは、生成AIでイラストを描く流れを解説します。今回はCanvaを使った方法を紹介します。
- Canvaにログインする
- 新規デザインを作成する
- 「マジック生成」を選択する
- テキストボックスにイラストの説明を入力する
- 必要に応じてスタイルを選択する
- 「イメージを生成」ボタンをクリックする
- 生成された複数の画像から好みのものを選ぶ
- 必要に応じて画像を編集・調整する
1.Canvaにログインする

まずはCanvaの公式サイトにアクセスし、アカウントでログインします。アカウントを持っていない場合でも無料で登録できます。有料プランを選択すれば、使える素材やマジック生成の回数が大幅に増えるので、必要に応じて購入してみてください。
2.新規デザインを作成する
Canvaにはさまざまなテンプレートが用意されています。SNS投稿、プレゼンテーション、ポスターなど、目的に応じたデザインタブを選択しましょう。また、カスタムサイズで自由に設定することも可能です。
3.左サイドメニューから「マジック生成」を選択する
デザイン画面の左側にあるメニューバーから「アプリ」を選択し、「マジック生成」を選んでください。マジック生成では、画像やグラフィック、動画を選べます。イラストを作成するときは、グラフィックを選びましょう。
4.テキストボックスにイラストの説明を入力する
マジック生成のタブを開くと、テキストボックスが表示されます。このテキストボックスにどのようなイラストにしたいか、具体的に入力します。たとえば「オレンジ色の猫が青い空を背景に自転車に乗っている」など、具体的に記述してみましょう。
5.必要に応じてスタイルを選択する
Canvaではスタンプや落書き、手書きなど、さまざまなスタイルを選択できます。目的や好みに合わせて適切なスタイルを選びましょう。スタイルの選択により、生成されるイラストの雰囲気が大きく変わります。
6.「イメージを生成」ボタンをクリックする
全ての設定が完了したら、「イメージを生成」ボタンをクリックします。AIが数秒から数十秒で複数のイラストを生成します。ただし、生成にかかる時間は、入力した説明の複雑さやサーバーの混雑状況によって変わります。
7.生成された複数の画像から好みのものを選ぶ
マジック生成では4枚のイラストが生成されるので、その中から最も気に入ったものを選択しましょう。もし満足のいくイラストがない場合は、テキストボックスに入力する内容を調整して再度生成することも可能です。ただし、無料で使う場合は月間50回までの生成に限定されるため、制限には注意してください。
実際に生成AIで作成した画像が、下記になります。
8. 必要に応じて画像を編集・調整する
選択したイラストは、Canvaの編集ツールを使ってさらに調整できます。色の変更、要素の追加や削除、テキストの挿入など、細かな編集が可能です。細かな編集や調整によって、より完成度の高いイラストに仕上げられるでしょう。
生成AIでイラストを描くときのポイント
生成AIでイラストを描くときは、さまざまなポイントを踏まえて実践する必要があります。ここで解説するポイントを確認し、実践しましょう。
プロンプトを工夫する
プロンプトは、AIへの指示文です。プロンプトを具体的で詳細に作成すると、理想のイラストに近づきます。たとえば、「猫」ではなく「オレンジ色の縞模様の猫が、緑の芝生の上で寝ている」といった具合です。色、模様、動作、背景など、できるだけ多くの情報をAIに与えましょう。そうすると、AIはより正確にイメージを捉えられます。
スタイルや雰囲気を設定する
イラストのスタイルや全体的な雰囲気を指定することもポイントです。「水彩画風」「アニメスタイル」「写実的」などの言葉を使うと、望むスタイルに近づきます。また、「明るい」「暗い」「幻想的」といった雰囲気を表す言葉も効果的です。これらの指定により、AIは適切な描画技法や色調を選択します。
否定的な指示を活用する
望まない要素を排除するために、否定的な指示を使うのも有効な方法です。「人物を含まない」「モノクロではない」などの指示を加えることで、不要な要素を除外できます。この方法は、特に複雑な構図や特定の要素を避けたい場合に役立ちます。ただし、否定的な指示は肯定的な指示と比べてAIが理解しにくい場合もあるので注意が必要です。
プロンプトを英語にする
多くの画像生成AIは、英語のプロンプトに対してより適切に反応する傾向があります。そのため、重要な指示は英語で入力すると、より精度の高い結果が得られやすくなります。そこで、日本語で考えたプロンプトを、翻訳サービスを使って英語に変換してみましょう。ただし、機械翻訳の精度には限界があるので、重要な部分は自分で確認してください。
人物の場合は顔や表情を詳しく指定する
人物イラストを生成する場合は、顔や表情の指定がポイントです。たとえば、「優しい笑顔」「困った表情」など、感情を表す言葉を使うと効果的です。また、「丸顔」「細い目」「高い鼻」といった具体的な特徴も指定するとよいでしょう。髪型や服装についても、できるだけ詳細に指示することをおすすめします。
生成AIでイラストを描くときの注意点
生成AIを活用すれば、思い通りのイラストを効率よく制作できます。しかし、注意点も押さえて、トラブルなどを防ぐ必要もあります。
ここからは、生成AIでイラストを描くときの注意点を解説します。
著作権など法的なリスクを確認する
生成AIは既存の画像データを学習しているため、著作権の問題に注意が必要です。AIが生成したイラストが既存の作品に似ている可能性があります。そこで、特に有名なキャラクターや商標を含むイラストの生成は避けましょう。
また、AIツールの利用規約をよく読み、許可されている使用範囲を確認してください。不明な点がある場合は、専門家に相談したり運営会社に問い合わせたりすることをおすすめします。
商用利用が可能か確認する
AIで生成したイラストを商用利用する場合も注意してください。利用するAIツールによって、商用利用の可否や条件が異なります。たとえば、一部のツールでは商用利用に追加料金が必要な場合があります。
また、商用利用可能でも、使用できる範囲に制限がかかることも考えられます。利用規約を慎重に確認し、必要に応じてツールの運営会社や提供元に問い合わせましょう。
オリジナリティや再現性には限界がある
AIが生成するイラストには、オリジナリティや再現性に限界があります。たとえば、同じプロンプトを使っても毎回異なるイラストが生成されることもあるでしょう。
また、細かい部分の制御が難しく、意図した通りのイラストにならないことも考えられます。特に人物の顔や手などの細部は、不自然になりやすい傾向があります。これらの特性を理解し、必要に応じて手動での調整や編集を加えることがポイントです。
生成AIでイラストを描くスキルや完成度を高める方法
生成AIでイラストを描くスキルや完成度を高めるには、体系的な学習が効果的です。そこでおすすめしたいのが「生成AIセミナー」です。
「生成AIセミナー」では、AIの基礎から応用まで2日間で集中的に学べます。講座は生成AIの概要や種類、仕組みについて学ぶところからスタートします。次にChatGPTやCopilotなどのツールを使った実践的な演習を行います。この実践演習では、指示文のスキルも習得でき、AIに意図した通りのイラストを生成させることが可能になります。
2日目はCanvaなどのツールを使った画像生成を実践したり、生成AIの業務活用における課題や注意点を学んだりします。なお、セミナーは会場受講、オンライン受講、eラーニングの3つの形式から選ぶことが可能です。超短期間のセミナーですが、受講することで生成AIの知識だけでなく実践的なスキルも身につきます。より高品質でオリジナリティの高いイラストを生成したいときは、「生成AIセミナー」を受講してみてください。
生成AIでイラストを描く方法のまとめ
生成AIを活用したイラスト作成は、創造力を大きく高められます。ただし、著作権や商用利用の確認、オリジナリティの限界など、注意点もあります。適切なツールを選び、スキルを磨くことで、より質の高いイラストを効率的に生成できるでしょう。生成AIの特性を理解し、上手に活用してください。
