プロンプトエンジニアリングとは?できることやChatGPTについても解説

プロンプトエンジニアリングとはどのような技術なのかが気になっている人もいるでしょう。
ChatGPTに代表される自然言語処理技術をの中でもプロンプトエンジニアリングは注目されています。この記事ではプロンプトエンジニアリングの概要と特徴的なサービスを紹介します。

プロンプトエンジニアリングとは

プロンプトエンジニアリングとは

プロンプトエンジニアリングとはAI(人工知能)を活用する技術の一つで、言語モデルのパフォーマンスを上げるためにAIを使用するのが特徴です。

プロンプトエンジニアリングのプロンプトとはAIに対する指示、エンジニアリングとは工学を意味します。AIに対する指示内容について研究し、実用できるレベルの技術を作り上げていくことがプロンプトエンジニアリングです。
プロンプトエンジニアリングはAIによって構築した自然言語処理のモデルに対して、インプットをとして質問を投げかけると、回答をもらえるという仕組みを作り出しています。

人は質問をされたときに、質問の意図を考えて内容を汲み取り、適切な回答を返すという処理をしています。
例えば、「今日の夕飯は何が良いですか?」と質問されたとしましょう。

  • 「昨日の夕飯はカレーだった」
  • 「今日の昼食はうどんだった」
  • 「明日の夕飯は外食の予定で和食を食べに行く予定だ」

といったことを頭の中で考えて、今日食べたい夕飯のメニューを考えるでしょう。
「今日はたくさん動くからしっかり食べたい」「今はダイエット中だからカロリーを抑えたい」などといった点も考慮し、回答として

  • 「焼肉が食べたい」
  • 「ヘルシーなサラダにしたい」

といった回答をします。AIの自然言語処理モデルを活用することで、このような回答を導き出すのがプロンプトエンジニアリングの特徴です。

特にプロンプトエンジニアリングではAIに対するプロンプトの最適化を目指して研究しています。人が使用している言語をAIに理解させて、正しい回答を引き出せるようにするかが大きな課題だからです。
同じ自然言語処理モデルを使用していても、インプットの質問が違うと回答が変わります。
例えば、「今日の夕飯は何が良いですか?」と「今晩は何を食べたいですか?」で回答が変わることがよくあります。
ただ、全社の場合には客観的に夕飯のメニューにしたいもの、後者の場合には主観的に夕飯に食べたいものという意味の違いがあると解釈することもできるでしょう。
このような質問の仕方の違いによって回答を変化させるべきかどうかも加味して、精度の高いアウトプットを実現するシステムを作り上げるのがプロンプトエンジニアリングです。

プロンプトエンジニアリングでできること

プロンプトエンジニアリングをすればAIの能力を生かしてさまざまなことを実現可能です。
ここではプロンプトエンジニアリングでできることを詳しく解説します。

正誤の判定

正誤の判定はプロンプトエンジニアリングによってできることの中でも最もわかりやすいでしょう。例えば、

「『ひどい』はポジティブな意味ですか」

という質問に対して、

「ポジティブな意味ではない」

という回答をさせることができます。また、

「富士山の高さは3776メートル」

というインプットに対して

「○」

という回答を導き出すことも可能です。

項目の分類

プロンプトエンジニアリングでは項目の分類ができます。例えば、

「トマトは果物、野菜のどちらですか?」

という質問をインプットとしたときに

「野菜」

と回答させるモデルを構築することが可能です。さらに複雑にして

「メロン、米、イチゴ、小松菜、大豆を食品のカテゴリで分類してください」

という指示を出すことで、

「メロンとイチゴは果物、米は穀物、小松菜は野菜、大豆は豆類です」

という回答を引き出せます。

例示に基づく処理

例をインプットとして入力して質問することにより、例に従って回答を導き出すこともプロンプトエンジニアリングでできることです。例えば、

「5+5=10、20+15-10=25、8-1=7です。3+8-1はいくつですか?」

というインプットをすると、

「3+5-1=7です」

という回答を導き出せます。

「庭:漢字、サマータイム:カタカナ、すす:ひらがな、燃やすを分類すると?」

と入力することで

「燃:漢字、やす:ひらがな」

といった回答を出すことが可能です。

文脈に基づく処理

文脈処理はやや高度なプロンプトエンジニアリングですが、点在では比較的簡単にできるようになってきました。例えば、

「母が病気で薬を飲み始めて毎月1万円の医療費がかかっています。
来月から薬代が2倍になると医師に告げられたのですが、3年間の医療費はどのくらい上がりますか?」

と質問したとしましょう。適切にトレーニングをしたモデルを使用すれば

「今後3年間の医療費は36万円です」

という回答が返ってきます。推論をして

「医療費が薬代だけなら毎月2万円がかかり、これから3年間で36万円の医療費になります」

というアウトプットにするモデルも構築可能です。

知識生成

プロンプトエンジニアリングでは知識を新たに生み出すことも可能です。十分なデータ量を与えて学習させたAIを用いると、わずかなインプットから大きなアウトプットを引き出せます。
例えば、

「カリフォルニアにはアメリカの国際空港がありますか?」

という質問に対して、

「カリフォルニアはアメリカ合衆国の西海岸に位置している州です。サンフランシスコ国際空港、ロサンゼルス国際空港、オークランド国際空港、サンディエゴ国際空港、オンタリオ国際空港、フレズノ・ヨセミテ国際空港、パームスプリングス国際空港、サクラメント国際空港、サンバーナーディーノ国際空港、ノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港があります。日本の空港からの直行便が多いのはサンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴです。」

といった回答を出力することができます。

プロンプトエンジニアリングが活用されているサービス

プロンプトエンジニアリングが活用されているサービス

プロンプトエンジニアリングは生成AIで幅広く活用されるようになってきました。
ここではプロンプトエンジニアリングを生かしている典型的なサービス例を紹介します。

ChatGPT

ChatGPTはプロンプトエンジニアリングが活用されている典型例です。
ChatGPTは対話形式でアウトプットを引き出せるのが特徴で、複雑な質問に対して、ボリュームのある回答も引き出すことができます。自然言語処理におけるAI活用の集大成とも言える仕上がりになっていて、ビジネスでも活用が進んでいるサービスです。
プロンプトエンジニアリングの先駆けとして有名です。

SAKUBUN

SAKUBUNはライティングに特化してプロンプトエンジニアリングによるコンテンツ作成をサポートするサービスです。
テンプレートを選んで必要項目の入力をするとテキストが完成する仕組みになっています。インプットをテンプレート化することによって精度を高めるデザインをしているのがSAKUBUNのプロンプトエンジニアリングの特徴です。
マーケティング指向でターゲットベースでのアウトプットを得ることもできます。

プロンプトエンジニアリングについてまとめ

プロンプトエンジニアリングとはAIに対するプロンプト(指示)の最適化をする工学の技術です。ChatGPTに代表されるさまざまなサービスが利用できるようになっています。
エンジニアとして対応できるようになると今後の自然言語処理分野で活躍できるようになるでしょう。

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