岐阜県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!【前半】

今日は、岐阜県にある株式会社イマオコーポレーション様にお邪魔して見学させていただいたレポートです!
社員の方々が自ら作り上げた最先端のIoT工場と、CAD/CAMとも連動した業務の効率化、これからの時代の働き方まで感じられた事例ですので、是非最後まで御覧ください。

株式会社イマオコーポレーションとは?
イマオコーポレーションさんは、製造業で使われる機械部品や、工作機械などで使う治具部品などを製作販売されている機械部品メーカーさんです。設計・開発された製品は自社で生産をし、組み立てやパッケージ作業を経て製品として出荷されています。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!前半
https://www.imao.co.jp/

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!前半

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!前半
製品の数々

工場を持って製品を作られていますので、自社で使われているCAD/CAMや、今回ご紹介するIoTの取り組み自体をサービスとして販売もされている、少しユニークな部署をお持ちの会社さんです。

最先端IoT工場のキーワード「改善活動」

今回ご紹介するのは、最先端IoT工場ですが、実はキーワードが一つあります。
「改善活動」です。

イマオコーポレーションさんでは、社員の方々の改善活動に非常に力を入れており、改善活動の内容もwebサイトで公開までされています。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!前半
https://www.imao.co.jp/kaizen_page_1.html

いろいろなところでこの「改善」が見られますので、注目して見てみてくださいね!

工場見学スタート

それでは早速工場内を見てみましょう。

まずは、製品の加工をされている大型の工作機械(マシニングセンタ)が置いてある第1工場です。
ここでは、工作機械上で製品を固定する治具の加工がされていました。
大きな機械ですね!

これが、イマオコーポレーションさんの作られている治具です。一番大きな製品は、1個買うのに軽く軽自動車位の値段がするそうです。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!前半

治具ベースと呼ばれるこの部品は、工作機械で部品を削る時に押さえとなるものです。
複数面(2面または4面)に削りたいブロックを取り付けておくと、土台が回転することで一気にたくさんの材料を切削加工することができます!

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人が少ない工場内

工場内を見学させていただいて私が驚いたのが、人の少なさです。通常は機械に1人は人が張り付いて作業していたり、準備のために人がいたりするのですが、ほとんどいらっしゃいません。

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それというのも、いかに少ない人数で作業ができるかという改善や、いかに作業者が快適に楽に作業ができるかという改善がおこなわれてきた結果、CAD/CAM/シミュレーションを使用してシステム化することで、人が張り付かなくても安全に加工をできるようになっているそうです。

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CAD/CAMを社内でカスタマイズし、今では
CADで設計⇒CAMで加工パス作成⇒シミュレーションで問題なく加工できるかを確認⇒シミュレーションでOKならば機械を動作させてOKというルール⇒スタートした瞬間に無人運転
という素晴らしい流れができているそうです。
このCAD/CAM/シミュレーションシステムは、「IMAO M/C SOLUTIONS」という名前で販売もされています。

IoT化された工場内

CAD/CAMによる効率化だけではなく、しっかりとIoT化もされています。
今まで写真の中にIoTデバイスがあったことに皆さん気づかれたでしょうか?工作機械が今稼働しているのか、緊急停止しているのか、止まっているのかを一元管理できる仕組みです。その機器がこちら。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!前半

こちらです!
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工作機械についている稼働状況を示すパトランプという信号灯から機械の状態を読み取り、隣の建物にある親機にその情報を無線で飛ばしているのです!

親機はこちら。

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信号灯に取り付けられた光センサー

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仕組みはこちら。

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https://www.imao.co.jp/factory-station.html

この機械を経由して、工場内にある工作機械の状態は、こんな感じで一目瞭然、可視化できています!

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これらの情報は、それまでは手書きの紙で管理されていたり、なんとなくの感覚でしかなかったそうですが、データを蓄積して見てみるだけでも発見が多くあったそうです。

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工作機械で使う工具も、ホルダーに埋め込んであるICチップによって一元管理されています。

第2工場に潜入

続いて第2工場にお邪魔しました。

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こちらでは、小物部品の加工がされていました。

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こちらの機械は一番稼働率が高いものだそうでして、ちょうど真ん中に見えている網の中にロボットがいて、材料の供給からワークの反転、排出まで自動で行ってくれています。
これも、一概に自動にすればいいというものではなく、自動にしたほうが効率が上がるのか、人が介入したほうがいいのかは現場から出てくる改善によって決められているそうです。

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また、機械を人が操作している時間は、なかなか計測しづらいですが、前述したような増員計画を立てたりするには必要な情報です。
以前は機械にセレクタスイッチを設置して運用をしていたそうですが、切替を忘れて、正しく運用できなかったそうです。
そのため、機械の制御装置のところにある工夫をされました。それが、キモとなる下に敷いてあるマットです。

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マットにはセンサーが埋め込まれており、自動的に人が作業しているのかしていないのかの情報を収集することができます。こうすることで、作業者の負担がなく状況を見える化することができます。
こういう仕組みがあると、監視されている気がして嫌だなぁと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には、逆だったそうです。見られている事によって作業者の方も意識が変わり、自分のデータを見ながら「思ったより機械の前で立って作業していることが多いな、もっと楽に作業するためには、こんな改善をしよう。そして、座ってできる作業を増やそう」という、改善の意識と行動が変わってきたそうです。

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工場内の風景

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もちろんここにも光センサー。

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第1工場と第2工場の間をつなぐのは・・・

大物を製作する第1工場と、小物を作る第2工場。
実はこの第2工場は、最初に見た第1工場から数百m離れた場所にあります。

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第2工場から見た第1工場(矢印のところ)

この間を、先にご紹介した無線電波が飛び、セキュアに工場内のありとあらゆる情報を送っています。

電波の到達はなんと8,000m!見通しが良ければ8km先まで飛んでいき、中継機を1台挟めば16kmも情報が送れる仕組みになっています。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!前半

IoT化のポイントとは?!

このように、工場全体がIoT化され、様々な情報が収集されていました。
しかし、IoT化して情報を集めるだけでは何の意味もありません。この部分のからくりは・・・

残念ながら後半の記事に続きます!

後半の記事では、第2工場にある組み立て工程での取り組みを見ていただき、それらを総合したIoT化のポイントをご紹介しますので、お楽しみに!

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