テキストなどのコンテンツを配信するnoteは、今秋から投稿前のテキストの炎上するリスクを生成AIが検知し、利用者に注意喚起する取り組みを始めると公表しました。また、オンラインで法律相談できる「弁護士ドットコム」と連携してトラブルを回避する仕組みも構築するそうです。
今回はnoteで活用できるAI機能や使い方・使い方のコツを徹底解説します。
noteとは
noteはユーザーがテキストをメインにした様々な形式のコンテンツを投稿できるメディアプラットフォームです。noteは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションとしており、一般的なブログよりも機能がシンプルで、簡単に情報発信ができます。
例えば、記事や画像・音声・動画など、さまざまなコンテンツを手軽に発信・共有でき、無料での記事の公開はもちろん、有料の販売も可能です。noteはテキストを書くだけのツールではなく、Xのようなつぶやき投稿やYoutube動画を共有することもできます。
noteの3つの会員タイプ
noteには一般会員の他にnoteプレミアムとnote proがあり、会員タイプ別で使える機能の制限や以下のような利用回数の制限が設けられています。
会員タイプ | 金額 | 利用回数 | 機能 |
一般会員 | 無料 | 5回/月 | 基本機能(25種類) |
noteプレミアム会員 | 500円/月 | 100回/月 | 基本機能(25種類) |
法人向けプラン note pro | 80,000円/月 | 無制限 | 基本機能(25種類) + 限定機能(8種類) |
noteプレミアムは、クリエイター向けに予約投稿機能定期購読マガジン(審査あり)や容量の増加・販売価格の上限設定などができます。一方note proは法人向けで、利用制限もなく、多くの機能が利用可能です。
noteのAIアシスタント(β)機能
noteはChatGPTに搭載されているGPT-3.5と連携しており、様々な作品作りのサポートを行うことができます。GPT-3.5はOpenAIが開発した自然言語処理モデルです。
膨大なテキスト・コードデータで学習されており、文章生成や翻訳・要約・文章校正など様々なタスクを実行することができます。noteには、今回公表された炎上するリスクを生成AIが検知する機能以外にも様々なAI機能があります。
noteで利用できるAIはnote AI アシスタント(β)と呼ばれ、エディタに追加された以下のような新機能が利用可能です。
- 記事のアイデアを提案
- 記事の構成を提案
- 記事の切り口を提案
- テンプレート
- 書き換えの提案
- 用語の説明を追加
- 類語を提案
- 文章を要約する
- レビュー
- 翻訳
では、noteのAIアシスタント(β)機能を以下で詳しく解説します。
記事のアイデアを提案
ユーザーが入力したキーワードや文章に基づき、記事のアイデアを提案する機能です。入力された内容に関連する点や他の記事と差別化できるような視点・ユーザーの興味を引くような点からアイデアを出力します。
提案されたアイデアはそのまま利用することはもちろん、構成を作成するヒントにすることも可能です。
記事の構成を提案
ユーザーが入力した内容に基づいた構成を作成します。記事を書きたいものの何から書けば良いか分からない時や読まれる情報が分からない時に便利です。
また、プレスリリースの構成を作成することもでき、タイトルや概要・背景・ビジョンなどを提示してもらうこともできます。広報担当者がプレスリリースを作成する時の参考や告知文章の参考にもなるでしょう。
記事の切り口を提案
ユーザーが入力した文章から記事の導入文を作成します。読者の興味を引くような書き出しや読者の印象に残るような書き出しを提案してくれます。
書き出しの文章は、記事全体の印象を左右する重要な部分です。AI機能を活用し、魅力的な書き出しの文章を作成してみましょう。
テンプレート
noteのAI機能には様々なテンプレートがあります。一般会員でも利用できるテンプレートがプロフィール文章です。
プロフィールはユーザーに自身を知ってもらうための第一歩です。いくつかの質問に答えるだけで、簡単にプロフィール文章を作成できる機能になります。
また、note proになると以下のように様々なテンプレートが利用可能です。
- プレスリリースの構成
- メールマガジンの構成
- 求人募集
- 予定している会議のまとめ
- 会議の議事録
- FAQのひな形
- イベント告知
書き換えの提案
書き換えの提案とは、選択した文章をより読みやすく分かりやすく、表現豊かな文章に書き換える機能です。以下のような表現が可能です。
- やわらかく
- フォーマルに
- エモく
- わかりやすく
- 簡潔に
例えば、難しい言葉を使っている文章をより分かりやすく書き換えたい時などに良いでしょう。書き換えの提案機能は、ニュアンスを変更するだけでなく、文章表現の改善にも役立ちます。
より伝わりやすい文章を作成したい場合は、ぜひ活用してみてください。
用語の説明を追加
選択した専門用語などの難しい言葉に説明文を追加する機能です。例えば、文中にある「AI」という単語に説明を追加するとAIの概要などを分かりやすく作成できます。
専門的な内容の記事を分かりやすくするために役立つため、より多くの人に読んでもらいたい場合などに便利です。
類語を提案
選択した単語に類似した意味を持つ言葉を提案する機能です。例えば、「美しい」という単語に似た「綺麗」「麗しい」「華麗」などの単語を提案することができます。
文章表現の幅を広げるのに役立つため、単調な表現を避けたい場合や的確な表現を探したい場合に良いでしょう。
文章を要約する
選択した文章を簡潔で分かりやすい文章に要約する機能です。要約には以下のような種類があります。
- 3行にまとめる
- SNS投稿用にまとめる
- 文末のまとめ
- 段落の見出し
例えば、300文字の文章をSNS投稿用に合う文章の長さに要約することや3行にまとめることもできます。長い文章を短くまとめたい場合に役立つでしょう。
記事の冒頭やSNSで共有する場合などにおすすめの機能です。
レビュー
AIが文章の具体性に乏しい点や分かりづらい点などを指摘し、より魅力的な文章に仕上げる手伝いをする機能です。レビュー機能は以下のような指示を出し、評価や改善点・アドバイスを求めることができます。
ちなみに、今回ニュースになっていた炎上リスクの確認はレビュー内の機能になります。
- もっと読まれるようにする
- 間違いを見つける
- 反対意見を聞く
- 炎上リスクの確認をする(note proのみ)
レビュー機能は、文章の質を高めることが可能です。多くの人に読んでもらえるような文章を目指したい際は、ぜひ活用してみてください。
翻訳
noteのAIアシスタント(β)には、翻訳機能があり、英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語の文章を翻訳できます。今後、対応言語はさらに増えていく予定のようです。
日本語で書いた自分の文章を海外の人にも見てもらいたい時に便利でしょう。しかし、AIによる翻訳は進歩を遂げていますが、完璧な翻訳を提供することはまだ難しいのが現状です。
特に、専門用語や固有名詞・複雑な文章や言い回し・曖昧な表現などが含まれる文章は翻訳精度が低くなる可能性があります。翻訳機能を利用する際は上記の点に注意し、必要に応じて翻訳結果を修正してください。
note AIアシスタント(β)の使い方
①noteのエディタの「+」で「AIアシスタント(β)」を選択
noteの新規作成を選択し、「+」を選択すると一番上にAIアシスタント(β)が表示されます。
②AI機能一覧から利用したい機能を選択
AIアシスタント(β)を選択すると一覧で様々なメニューが表示されます。希望のメニューを選択してAIアシスタント(β)に生成を依頼すると右側に反映される仕組みです。
③AIアシスタントへ依頼したいことを入力したらOKを選択
今回は記事のアイデアの提案を選択し、AIについてのコンテンツを作るために、キーワードに「AI」を入れています。
④数秒で結果が反映されるので内容を確認
すると数秒でAIに関する記事の文章が作成されました。
note AIアシスタント(β)を効果的に活用するコツ
AIアシスタント(β)に限らず、AIが生成した情報は正確性に欠けることがあります。AIアシスタント(β)のベースになっている大規模言語モデルのGPT-3.5なども同様に、生成する情報や文章に誤りが含まれる恐れがあるのです。
そのため、AIアシスタント(β)を活用する際は、以下のポイントに気をつけて活用することをおすすめします。なお、AIアシスタント(β)が生成したコンテンツは必ず自分で確認し、修正を加えてください。
生成された内容を鵜呑みにせず、自分で確認・修正しながら活用することが大切です。
文章作成の補助と活用する
note AIアシスタント(β)は記事作成の強力なサポーターになるツールです。記事を執筆する際のテーマについて、まだ何も情報がない状態であれば、AIアシスタントに書きたいキーワードを入力するとAIが考えて提案してくれるでしょう。
また、AIアシスタント(β)はnoteの文脈にそったアイデアを出すため、文章作成の補助としての活用が有効的です。
提案はあくまでも参考にする
先述したようにAIアシスタント(β)の提案は、表現のニュアンスや情報を完璧に表現できるわけではありません。提案された内容を鵜呑みにするのではなく、自分の言葉で言い換えるなど、あくまで参考として活用しましょう。
また、note AIアシスタント(β)は、今後も機能の追加や精度が向上することがあります。note公式の情報ページなどをチェックし、最新情報を把握するようにしてください。
note AIアシスタント(β) の活用で創造性を広げる
今回はnoteで活用できるAI機能や使い方・使い方のコツを徹底解説しました。note AIアシスタント(β)は、記事作成の効率化が図れるだけでなく、創造性を広げる可能性も秘めています。
AIによる提案はあくまでも参考にし、著作権侵害などに触れないよう、必ず自分の言葉で文章をまとめましょう。また、事実関係や内容の正確さは自分で確認することが重要です。
note AIアシスタント(β)でAIの力を借りながら、オリジナリティの溢れるコンテンツ作りを目指しましょう。