みなさんは「Bing AI」を知っていますか。このBing AIは、Microsoft社の検索エンジン型AIチャットです。検索エンジンにチャット機能を付けることで、日常的な言葉でAIと会話しながら最新の情報収集など幅広い作業が可能になっています。この記事では、Bing AIについて、具体的な使い方などを紹介します。ぜひ参考にしてください。
Bing AIとは
「Bing AI」とは、Microsoft社の検索エンジンである「Bing(ビング)」に、OpenAI社が開発した高度な大規模言語モデル「GPT-4」を組み込んで作られたAIチャットです。正式名称を「Microsoft Copilot(マイクロソフトコパイロット)」といい、一般的にBing AI(ビングエーアイ)という名称で呼ばれています。2023年2月に実装され運用が始まると、一斉に100万人以上の登録があり話題になりましたが、そのうち日本人利用者は約10万人、検索数は日本からがトップとなっており、日本でも期待値の高さがうかがえます。
Bing AIは、前述した通り、検索エンジンにチャット機能を付けたことで、AIとの対話が可能になっています。Bingの画面上で「チャット」を選択することで、AIと会話をするようにリアルタイムの情報収集やストーリー作成、サイトの要約、イラストや画像の生成など様々なことすることができます。膨大なデータを学習している大規模言語モデル「GPT-4」が、普段私たちが日常的に使っている言葉での自然な受け答えを可能にしているほか、常に最新のデータをもとにしているため、コミュニケーションに限らず提供する情報の正確さも強みのひとつです。
会話のやり取りは、Microsoftのアカウントにログインしているユーザーは1セッションあたり30ターン(300回/日)、ログインなしのゲストユーザーは1セッションあたり5ターン(5回/日)となっています。また、Bing AIでは、オプションとしてAIによる回答のトーンを3パターンから選択することができます。自分の目的に合ったオプションを選択することで、回答の幅が広がりBing AIを使った様々な活用が可能になります。
3種類の回答オプションについて
Bing AIには、3種類の回答オプションが存在するため、シチュエーションによってオプションを変更すると良いでしょう。それぞれの特徴は以下の通りです。
More Creative(より創造的に)
独創性や想像力を加味した回答で、エンターテインメント性の高い情報やアイディアを提供します。クリエイティブな作業に向いているオプションです。
More Balanced(よりバランスよく)
正確さと想像力のバランスをとり、合理的で首尾一貫した回答を提供します。一般的な検索や、データ分析などに向いているオプションです。
More Precise(より精密に)
正確さや信頼性を重視し、詳細な情報や解決方法を提供します。事実や信頼できる情報源のみを元にした回答で、出典や根拠もしっかりと明示するため、詳細な回答を求める際に向いているオプションといえます。
Bing AIの順番待ちとは
Bing AIの試験運用開始直後は、Bing AIを利用するためには「順番待ちリスト(ウェイティングリスト)」にアカウントを登録して、招待メールが届くのを待つ必要がありました。その期待値の高さからリリースから48時間で順番待ちリストには100万人以上が登録し、実際にサービスを使えるようになるまでに1か月以上かかってしまうという状況でした。
しかし、2023年5月に順番待ちリストは廃止、オープンビューに移行したため、Bing AI対応の環境があれば誰でもすぐに使えるようになっています。(2024年1月時点)
Bing AI対応環境
- PC:ブラウザ「Microsoft Edge」「Google Chrome」(Windows、Mac)
- スマートフォン:「Bing:AI&GPT-4とチャット」アプリ(Android、iPhone)
Bing AIの使い方は?
Bing AIは、ブラウザ版では「Microsoft Edge」と「Google Chrome」、スマートフォン版(モバイル版)ではAndroid、iPhoneともに対応しています。いずれの場合も、Microsoftアカウントにログインしてなくても利用可能ですが、ゲストユーザーとして使う場合、前述の通り、AIとのやりとりは1つのセッションで5ターンまでに限定されます。それぞれの使い方についてみていきます。
ブラウザ「Microsoft Edge」での使い方
- Microsoft Edgeをダウンロード、インストールを行います。
- Microsoft Edgeを起動後、タスクバーから「プロファイル」を選択。「サインイン」へと進み、任意の方法を選択後、メールアドレスとパスワードを入力してMicrosoftにログインします。
- ホーム画面で最上部の「チャット」と表示されているタブをクリック、希望する回答のトーンを選択後、テキストボックスに質問を入力すると会話が始まります。
ブラウザ「Google Chrome」での使い方
- Google Chromeをダウンロード、インストールを行います。
- Google Chromeを起動後、ブラウザ上部の「拡張機能」をクリック、「拡張機能を管理」から「Chromeウェブストア」へと進みます。
- 検索窓に「Bing AI」と入力すると、Bing AIの拡張機能が出てくるので、選択後、「Chromeに追加」「拡張機能を追加」と進みます。
- 拡張機能に追加されたBing AIをクリックすると、Bing AIのウィンドウが現れます。ログイン後、希望する回答のトーンを選択して、最下部のテキストボックスに質問を入力すると会話が始まります。
スマートフォン版アプリの使い方
- Androidの場合はGoogle Playストアで、iPhoneの場合はApp Storeで、「Bing AI」で検索すると「Bing:AI&GPT-4とチャット」というアプリが表示されるのでインストールします。
- アプリ起動後、通知や位置情報取得を許可し、左上のアイコンからログインします。最下部の「チャット」もしくは「Copilot」をタップするとBing AIが開きます。
- 右上のアイコンをタップし、「すべてのトーンを表示」をタップすると回答のオプションが表示されるので、希望のものを選択します。なお、「GPT-4を使用する」のチェックはつけたままにします。最下部のテキストボックスに質問を入力すれば会話が始まります。
Bing AIで画像生成をするには
Bing AIには、「Bing Image Creator(ビングイメージクリエイター)」という画像生成の機能がついています。画像の生成には、OpenAI社のAI「DALL・E3」が使われ、作りたい画像のプロンプト(指示文)を入力するだけでAIが画像を作ってくれる機能です。前述したBing AIはゲストユーザーのままでも利用できますが、この機能を利用してBing AIで画像生成するにはMicrosoftへのログインが必須になります。
画像を生成する場合も、3つのオプションからトーンを選べるので、自分にあったものを選択してイメージに近づけてください。
Bing AIを使った画像生成の方法
- BingでMicrosoftにログインします。(必須)
- 3つのオプションから希望するトーンを選択します。
- テキストボックスにイメージを具体的に入力します。
例)「マンチカンの画像を作って」「青くて車高が低いスポーツカーの画像生成」「ゴッホっぽい風景画を描いて」 - AIが画像を複数枚生成し、イメージに似たフリー画像があればそれも紹介してくれます。
Bing AIが使えない場合の解決方法
様々な原因から突然Bing AIが使えなくなったり、エラーが出てしまうといったことがあります。そのようなトラブルの際に有用な解決方法について紹介していきます。
ブラウザ(アプリ)のキャッシュを削除する
一時ファイルであるキャッシュが貯まると大きな負荷がかかり、フリーズなどの原因になります。キャッシュを削除するとともに、「キャッシュの保存容量」に上限を設定することも事前にできる対策として有効です。
ブラウザ(アプリ)を終了して再起動する
通信状態が悪いとき、動作が重いときなどに特に効果的な方法が、ブラウザ(アプリ)の再起動です。メモリやプロセスがいったん初期化されるので、パフォーマンスが大きく向上するでしょう。
翌日まで待つ
1日あたりのチャット回数の上限に達するとチャット機能は一時的に使えなくなりますが、毎日0時にリセットされます。ゲストユーザーのまま利用している場合、アカウントを作ってログインすることで1日に300回まで使えるようになります。
BingのX(Twitter)公式アカウントを確認する
Bing側の技術的な問題でサーバーダウンなどが起こっている場合は、SNSの公式アカウントで発表があります。トラブル時は対処法などもあわせてお知らせされるので、それに沿って対応してください。
Bing AIの順番待ちとは?チャットの使い方や画像生成方法のまとめ
「Bing AI」は情報収集に限らず様々なことを実現できることから、Microsoft社はBing AIを単純なAIチャットではなく、その名の通りCopilot(副操縦士)のような位置づけをしています。非常に人気ながら、現在は順番待ちもなくなり初めての人でもすぐに使い始めることができる体制が整っています。
Bing AIに興味がある方は、ぜひこの機会に導入し、新しい体験をしてみませんか。