AI技術が私たちの生活やビジネスに浸透する中、近年特に注目を集めているのがE資格です。E資格を取得することで、AI・ディープラーニングの専門知識を証明でき、市場価値の向上や年収アップが期待できます。
この記事では、E資格取得による年収の変化や、取得のメリット、活かせるキャリアパスについて詳しく解説します。
E資格を取ることでどのような可能性が広がるのかを知り、資格取得に向けた第一歩を踏み出しましょう。
E資格とは
E資格とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が認定する資格で、深層学習の理論や実装に関する専門知識を証明するものです。AI・機械学習分野の技術者にとって、スキルを客観的に示せる資格として注目されています。ここでは、具体的にどのような資格なのか、その特徴や取得のメリットについて詳しく見ていきましょう。
E資格取得の難易度と合格率
E資格は試験範囲が広く、数学やプログラミングの基礎知識、深層学習の理論と実装に関する深い理解が求められるため、難易度はやや高めとされています。
2024年の試験結果によると、第1回(2024年2月実施)の受験者数は1,194名、合格者数は867名で、合格率は72.61%でした。第2回(2024年8月実施)では、受験者数906名中600名が合格し、合格率は66.23%となっています。
参考:「E資格(エンジニア資格)2024 #2」結果発表|JDLA
他のIT系資格と比較するとやや高めですが、これは受験者が事前に認定講座を修了していることが影響しています。しっかりと学習すれば合格の可能性は十分にある資格ですが、範囲が広いため計画的な勉強が必要です。
E資格の合格率についてさらに詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
E資格を取得するメリット
E資格を取得することで、深層学習に関する専門知識やスキルを客観的に証明でき、AIエンジニアとしての市場価値を高められます。ここでは、E資格を取得することで具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
AI・ディープラーニングの専門知識が証明できる
E資格を取得する最大のメリットの一つは、AIやディープラーニングに関する専門知識を客観的に証明できることです。試験では数学、機械学習、ディープラーニングの基礎理論や実装スキルが問われるため、合格することで一定の知識レベルを持っていることが認められます。
特に、ディープラーニングの実務に携わるエンジニアやデータサイエンティストにとっては、業界標準の資格として信頼性が高く、企業側もスキルの指標として評価しやすい点が強みです。
就職・転職における市場価値が向上する
E資格を取得することで、AI・機械学習分野での市場価値が向上し、就職や転職の際に有利になります。特にAIエンジニアやデータサイエンティストとしてのキャリアを目指す人にとって、専門知識を客観的に証明できる点が大きな強みです。
近年、多くの企業がAI技術の導入を進めており、ディープラーニングのスキルを持つ人材の需要が高まっています。一方で、AI人材の不足が続いているため、E資格の取得者は企業にとって貴重な存在となります。実際、E資格を取得したことで転職活動がスムーズに進んだという声も多く、求人において「E資格取得者歓迎」と記載されるケースも増えています。
就活に役立つ資格について知りたい方は、こちらも参考にしてください。
実務に役立つスキルが身につく
E資格の取得を目指す過程で、数学(線形代数・微分積分・確率統計)、機械学習、ディープラーニングの基礎理論に加え、Pythonを用いた実装やモデルの最適化手法など、実務で求められるスキルを体系的に習得できるのもメリットです。これらの知識はAIエンジニアやデータサイエンティストとしての業務に直結し、即戦力として活躍するための大きな強みとなります。
また、E資格の受験にはJDLA認定講座の修了が必須であり、カリキュラムを通じて体系的かつ実践的に学習できるのも特徴です。資格取得を通じて得た知識や技術は実務の中で大いに役立ち、AI分野でのキャリアを大きく前進させるでしょう。
副業・フリーランスとしても活躍しやすくなる
E資格を取得することで、副業やフリーランスとしてAI関連の仕事に携わるチャンスが広がります。
近年、AI技術の需要が高まる一方で、専門的なスキルを持つエンジニアは不足しており、企業は外部の専門家に業務を委託するケースも増えています。特にデータ分析、モデル開発、AIシステムの実装といった業務は、リモートワークやプロジェクト単位での受注が可能なため、副業やフリーランスとしての働き方と相性が良い分野です。
E資格を取得していることで専門知識を証明できるため、クラウドソーシングやエンジニア向け案件紹介サービスなどでの案件獲得にも有利に働くでしょう。
E資格が役立つキャリアパス
E資格を取得することで、AI・機械学習分野における多様なキャリアパスが開けます。ここでは、E資格の取得によって具体的にどのようなキャリアパスが考えられるのか、詳しく見ていきましょう。
- AIエンジニア
- データサイエンティスト
- 機械学習エンジニア
- MLOpsエンジニア
- リサーチエンジニア
- ソフトウェアエンジニア
- データエンジニア
- AIコンサルタント
①AIエンジニア
AIエンジニアは、E資格取得者にとって最も一般的なキャリアパスの一つです。AI技術の研究開発やシステム設計、機械学習モデルの構築・運用を担当し、企業の課題解決に貢献します。
AIエンジニアの業務には、データの前処理、特徴量エンジニアリング、ディープラーニングモデルの設計・最適化、推論システムの実装などが含まれます。E資格の学習過程で習得する数学的知識やPythonを用いた実装スキルは、これらの業務を遂行する上で大いに役立つでしょう。
最速でAIエンジニアを目指す方には、「AIエンジニア育成講座」がおすすめです。未経験からでも、わずか2日間でAIプログラミングについての基礎から応用までを実践的に習得できます。
②データサイエンティスト
データサイエンティストは、データ分析を通じてビジネス課題を解決する専門職であり、E資格で学ぶ知識が活かせる職種の一つです。統計学や機械学習、ディープラーニングのスキルを活用し、データから有益なインサイトを導き出すことが求められます。
具体的な業務は、データの収集・整理、予測モデルの構築、異常検知、レコメンドシステムの開発などです。E資格の学習過程で習得する数学やPythonのスキル、ディープラーニングの知識は、このような業務をこなす上で大いに役立つでしょう。
データサイエンティストとしてのスキルを短期間で習得したい方には、「データサイエンティストセミナー」がおすすめです。未経験者でも2日間でデータサイエンスの基礎から応用までを体系的に学べる内容となっており、実務で即戦力となる技術を習得できます。
③機械学習エンジニア
機械学習エンジニアは、AI技術の中でも特に機械学習モデルの開発や最適化に特化した職種です。データの前処理から特徴量エンジニアリング、モデルの選定・学習・評価、さらに運用環境へのデプロイまで、幅広い業務を担当します。
E資格の学習過程で得られる数学や統計学の知識、Pythonを用いた実装スキル、ディープラーニングの基礎は、機械学習エンジニアとしての業務に直結します。モデルの精度向上やハイパーパラメータの調整、クラウド環境での機械学習システムの運用といった高度なスキルが求められるため、E資格の取得が大きな強みとなるでしょう。
④MLOpsエンジニア
MLOpsエンジニアは、機械学習モデルの開発から運用・保守までのプロセスを効率化し、AIシステムを安定的に運用する役割を担うエンジニアです。近年、AIの商用化が進む中で、モデルの継続的な学習・更新やパフォーマンス管理の重要性が増しており、MLOpsエンジニアの需要が高まっています。
E資格の学習過程で得られるディープラーニングの知識やPythonを用いた実装スキルは、MLOpsの実務においても有用です。特に、モデルのデプロイやパイプラインの構築、クラウド環境での運用などに関する知識を持っていると、即戦力として活躍しやすくなります。
⑤リサーチエンジニア
リサーチエンジニアは、AIや機械学習の最先端技術を研究し、それを実用化する役割を担う職種です。新しいアルゴリズムの開発や既存技術の改良、学術論文の調査・実装などが主な業務となり、企業の研究開発部門や大学・研究機関で活躍できます。
E資格の学習過程ではディープラーニングの理論や実装を深く学ぶため、リサーチエンジニアとしての基礎力を養うことが可能です。特に、ニューラルネットワークの構造や学習手法、最適化アルゴリズムに関する知識は、AIの新技術開発に不可欠なスキルとなるでしょう。
⑥ソフトウェアエンジニア
ソフトウェアエンジニアは、システムやアプリケーションの開発を担う職種ですが、AIや機械学習に直接関わらないケースも少なくありません。しかしE資格を取得することで、AI・機械学習を活用したシステム開発にも対応できるスキルを身につけることが可能です。
E資格で学ぶディープラーニングの知識やPythonの実装スキルは、AI関連のソフトウェア開発において大きな強みとなります。特に、機械学習モデルの推論を行うAPIの開発やリアルタイムデータを活用したシステムの構築といった分野で役立ち、AIを組み込んだサービスの開発に携わる際に活用できるでしょう。
近年、多くの企業がAIを活用したサービス開発を加速させており、従来のソフトウェア開発スキルに加えて、AIを活用したアプリ設計や実装ができるエンジニアの需要は今後ますます高まることが予想されます。
⑦データエンジニア
データエンジニアは、大量のデータを収集・処理・管理し、AIや機械学習のモデルが効率的に学習できる環境を構築する職種です。近年、企業がデータを活用した意思決定を重視するようになり、データ基盤の整備を担うデータエンジニアの需要が急速に高まっています。
E資格の学習過程で得られるPythonのプログラミングスキルやデータ処理の知識は、データエンジニアとしての業務にも役立ちます。クラウド環境(AWS、GCP、Azure)やビッグデータ処理技術(Spark、Hadoop)と組み合わせることで、より高度なデータ基盤の構築も可能です。
⑧AIコンサルタント
AIコンサルタントは、企業のAI導入を支援し、ビジネス課題を解決するための戦略立案や技術選定を行う職種です。AIを活用した業務効率化や新規事業の開発を模索している企業に対し、AIの専門知識を活かして最適なソリューションを提案します。
E資格で学ぶディープラーニングの理論や機械学習の実装スキルは、AIコンサルタントとしての信頼性を高める重要な要素です。単なる技術的な知識だけでなく、ビジネスにおけるAIの活用方法を理解し、企業の課題に合わせた具体的な提案ができることが求められます。
AIの活用事例や作成方法を実践的に学びたい方には、「ビジネス向けAI完全攻略セミナー」がおすすめです。AI導入の道筋を明確にし、最短でビジネスに活用できるAIスキルを習得するための1日集中講座となっており、AI学習未経験者でもすぐに実務や事業に応用できます。
E資格取得で年収はどれくらい上がる?
AI技術の需要が急速に高まる中、AI人材の市場価値も上昇しています。E資格を取得することで、AIや機械学習の専門知識を証明でき、年収アップを目指すことが可能です。
以下に、E資格が役立つ主な職種の正社員・フリーランスそれぞれの年収レンジをまとめました。
職種 | 正社員の年収レンジ | フリーランスの年収レンジ |
---|---|---|
AIエンジニア | 390万円〜1,064万円 | 60万円~2,424万円 |
データサイエンティスト | 427万円〜1,246万円 | 240万円~2,400万円 |
機械学習エンジニア | (データなし) | 240万円~2,184万円 |
システムエンジニア | 333万円〜968万円 | 48万円~2,040万円 |
コンサルタント(AIコンサルタントを含む) | 478万円〜1,560万円 | 120万円~4,740万円 |
※正社員の平均年収は「求人ボックス給料ナビ」(2025年2月時点)のデータを参照、フリーランスの平均年収は「フリーランススタート」(2025年2月時点)の「月額単価」×12ヶ月の数値を算出しています。
これらの職種では、E資格の取得が専門性の証明となり、キャリアアップや年収アップに大いに役立ちます。特にAIエンジニアやデータサイエンティストは高い需要があり、経験やスキル次第でさらなる高収入も期待できるでしょう。
E資格取得のための勉強方法
E資格の受験にはJDLA認定講座の修了が必須であり、体系的に学ぶ環境は整っていますが、それだけでは資格試験に合格できません。講座で学んだ内容をしっかり復習し、試験範囲を網羅的に対策することが重要です。ここでは、E資格取得のための効率的な勉強方法をご紹介します。
①JDLA認定プログラムを受講
E資格を受験するためには、JDLAが認定するプログラムを修了することが必須条件となっています。認定プログラムでは、ディープラーニングの基礎理論や数学、Pythonを用いた実装など、試験に必要な知識を体系的に学ぶことができます。
E資格の試験範囲は広いですが、認定プログラムを受講することで効率的に学習を進められます。まずは自分に合った認定講座を選び、基礎をしっかり固めることが合格への第一歩となるでしょう。
ProSkilllが運営する「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は、JDLAの認定プログラムです。最短でE資格の合格を目指すために設計されており、集中4日間で、ディープラーニングの理論から実装までを網羅的に学ぶことができます。E資格合格を狙う方は、ぜひ受講をご検討ください!
②公式のシラバスで試験範囲を確認
E資格の試験範囲は広いため、学習を進める前に公式のシラバスを確認し、どの分野が出題されるのか把握することが重要です。シラバスはJDLAの公式サイトで公開されており、試験に必要な知識が体系的にまとめられています。
シラバスには、数学(線形代数・微分積分・確率統計)、機械学習、ディープラーニングの理論や実装など、試験範囲の詳細が記載されています。特にニューラルネットワークの仕組みや学習アルゴリズムに関する問題は頻出のため、重点的に学習しておきましょう。
③公式テキスト・参考書を使って復習
E資格の学習内容をしっかりと定着させるためには、公式テキストや参考書を活用した復習が不可欠です。認定講座の受講だけでは理解が浅い部分もあるため、試験範囲を網羅した書籍を使いながら、知識を補強していきましょう。
また、E資格では理論だけでなく実装スキルも問われるため、参考書を活用して実際にコードを書きながら学ぶことが重要です。講座で学んだ内容を振り返りつつ、手を動かしながら理解を深めることで、知識が定着しやすくなります。公式テキストや信頼できる参考書を使い、計画的に学習を進めることが、合格への近道となるでしょう。
E資格のおすすめ参考書について詳しく知りたい方は、こちらも参照してください。
④過去問・模擬試験に挑戦
E資格の本番で高得点を狙うためには、過去問や模擬試験を活用し、試験形式に慣れることが重要です。試験本番では時間内に多くの問題を解く必要があるため、実践的な演習を重ねることで解答スピードや正確性を向上させることができます。
過去問はJDLA公式からの提供はありませんが、市販のE資格対策問題集や、認定講座で提供される模擬試験を活用するとよいでしょう。また、試験本番を想定して時間を測りながら取り組むことで、より実践的な対策が可能になります。
ProSkilllが無料で提供する「E資格模擬テスト AIスキルチェック」は、全23問の模擬問題を通じて自身の理解度を測ることができ、試験本番さながらの形式で数学や機械学習などの例題に挑戦できます。約20分程度で取り組める構成となっているので、興味のある方はぜひ試してみてください。
E資格を活かした転職活動のコツ
E資格を取得することで、AI分野でのキャリアアップや転職のチャンスが広がりますが、資格を持っているだけでは十分ではありません。ここでは、E資格を強みにした転職活動のコツについて解説していきます。
AI導入を進める業界・企業を狙う
E資格を活かした転職を成功させるためには、AIの導入が進んでいる業界や企業をターゲットにすることが重要です。AIの活用が進んでいる分野では、AIエンジニアやデータサイエンティストの需要が高く、スキルを活かせる環境が整っています。
AIの導入が活発な業界の例としては、次のようなものがあります。
- 製造業(品質管理、予測保全、自動化)
- 金融業界(不正検知、アルゴリズム取引、信用スコアリング)
- 医療・ヘルスケア(診断支援、創薬、個別化医療)
- 小売・EC(レコメンドシステム、需要予測、在庫管理)
- IT・ソフトウェア(AI SaaS開発、クラウドAI、画像・音声認識)
また、大手企業だけでなく、AIスタートアップやAIコンサルティング企業も積極的に採用を行っています。AI技術の実装や研究開発に携わる機会が多く、E資格の知識を活かしやすい環境が整っているのが魅力です。
転職活動の際には、これらの業界や企業の求人をリサーチし、どのようなスキルが求められているかを把握することが成功のカギとなります。E資格を取得したことをアピールしつつ、実務でどのように活かせるかを具体的に伝えることで、より魅力的な候補者として評価されるでしょう。
GitHubやKaggleで成果を公開する
E資格を活かした転職を成功させるには、資格の取得だけでなく実践的なスキルを証明することが重要です。特に、GitHubやKaggleを活用して自身の成果を公開することで、採用担当者に具体的な技術力をアピールできます。
GitHubでは、機械学習やディープラーニングを活用したプロジェクトのコードを公開し、どのような技術を使い、どのように問題を解決したかを示すことが可能です。企業の採用担当者がスキルを確認する際、整理されたコードや適切なコメントが記載されたリポジトリがあると、技術力をアピールしやすくなります。
Kaggleは、データ分析や機械学習のスキルを競う世界的なプラットフォームです。企業や研究機関が提供するデータセットを使い、分析モデルを作成・投稿することで、スコアやランキングによって実力を証明できます。上位入賞すると転職市場での評価が上がるため、積極的に挑戦するとよいでしょう。
「E資格+実践経験」のセットでアピールする
E資格を取得することで、AI・ディープラーニングの知識を持っていることを証明できますが、それだけでは実務で活躍できる人材として評価されにくい場合があります。転職活動では、「E資格+実践経験」のセットでアピールすることが重要です。
企業の採用担当者は、理論的な知識だけでなく、実際にAI技術を使ってどのような成果を出せるのかを重視します。そのため、個人プロジェクトや副業、ハッカソンへの参加、オープンソースへの貢献など、実務に近い形でAIを活用した経験を積んでおくと、転職市場での評価が高まります。
E資格取得でキャリアアップを目指そう!
E資格は、AI・ディープラーニングの専門知識を証明し、年収アップやキャリアアップ、転職、独立にも役立つ資格です。しかし、資格を取得するだけでなく、実践的なスキルを身につけて成果を示すことが重要になります。GitHubやKaggleでのアウトプット、副業やプロジェクトへの参加など、実務経験を積むことで、市場価値をさらに高められるでしょう。
「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は、E資格の取得を目指す方におすすめのJDLAの認定プログラムです。E資格合格を狙う方は、ぜひ受講をご検討ください!
