昨今のAI普及の背景もあってか、械学習の英語表記をよく見かけるようになりました。そんな中、「英語表記は本当に必要なのか?」と疑問を抱く方は少なくないでしょう。
結論、機械学習を学ぶなら英語の知識はあるに越したことはありません。英語の知識および英語表記を覚えることで、さまざまなメリットがあるからです。
今回の記事では機械学習の英語表記の必要性や代表例、学ぶメリットについてくわしく紹介していきます。より機械学習の知見を深めるために、参考にしてください。
機械学習を英語に訳すと「Machine Learning」
「機械学習」は英語に直訳すると「Machine Learning」です。そのままの意味ですがMachineが機械、Learningが学習ということになります。
機械学習は機械が自ら学習を行うデータ分析の手段の総称です。ニューラルネットワークやディープラーニング、強化学習と言った専門的な用語も、すべて機械学習技術が発展したものです。
機械学習の英語表記は「ML」
機械学習の英語表記は「ML」です。機械学習の英語訳「Machine Learning」の頭文字をとった言葉になります。
他にもディープラーニング(Deep Learning)ならDL、ニューラルネットワーク(Neural Network)ならNNなど、AIに関する専門用語はこのように英語訳の頭文字をまとめて表記されることが多いです。
機械学習とAIの違いは?
機械学習とAIの違いは「定義の広さ」といっていいでしょう。
AIとは人の脳の知性や思考回路をコンピュータで再現する「概念」の総称のことで、機械学習はそのAIを実現するための「技術」の総称のことです。参考までに、関係図は以下のようになります。
なお以下の記事では、「機械学習」と「AI」の違いについてより詳しく解説しています。その他ディープラーニングやニューラルネットワークとの関係性についても言及していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
機械学習に英語の知識は必要?
機械学習において英語の知識は必須ではありませんが、あるに越したことはないでしょう。後述でも詳しく紹介しますが、機械学習の文献や資料の多くは英語で提供されているので、最新の研究や技術動向に追随しやすくなるからです。
またAI実装のためのプログラミング言語はもちろん、フレームワークやライブラリのドキュメントも基本的に英語で提供されており英語が読めることでスムーズに習得できるようになります。
機械学習用語の英語表記の代表例
機械学習用語の英語表記には、じつにさまざまな種類のものが存在します。この章ではその中でも、とくに代表的な次の8つについて紹介していきます。
英語表記 | 意味 | 詳細 |
AI | 人工知能 | 人間の脳を模倣するための取り組み・概念 |
ML | 機械学習 | 人工的なトレーニングにより特定タスクをこなせるAIシステムの総称 |
NN | ニューラルネットワーク | 機械学習の一種で、コンピューター自身がトレーニングを行う |
DL | ディープラーニング | ニューラルネットワークの一種で、より複雑で繊細な処理が可能 |
Weak AI | 弱いAI | AIの種類のひとつで、人間が設定した特定の作業や役割のみ行える |
Strong AI | 強いAI | AIの種類のひとつで、人間が担当する幅広いタスクを実行可能 |
Narrow AI | 特化型AI | AIの種類のひとつで、コンピューター自身が特定のタスクや役割を自ら学ぶ |
AGI | 汎用型AI | まるで人間のような振る舞いや考え方、行動ができるAI |
AI(人工知能)
「AI」は人工知能の英語表記のことで、「Artificial Intelligence」の略称です。コンピューターシステムが人間の知能に匹敵する認知能力を再現する概念の総称を指します。
非常に曖昧で広い意味をもつ言葉でもあるので、一般的に浸透している画像認識、音声認識、自然言語処理、自動運転はすべてAIに該当します。
ML(機械学習)
「ML」は機械学習の英語表記のことで、「Machine Learning」の頭文字をとった略称です。コンピューターがデータから特定のパターンを自ら学習し、それをもとに将来のデータに対する予測や意思決定を行う技術の総称を指します。
主な機械学習のタイプとして教師あり学習・教師なし学習・強化学習があり、これらの技術は自然言語処理、画像認識、予測分析、パターン認識などあらゆる分野で活用されています。
NN(ニューラルネットワーク)
「NN」はニューラルネットワークの英語表記のことで、「Neural Network」の略称です。人間の脳の仕組みに着想を得た機械学習の手法のことで、複数の層からなるニューロン(ノード)が結合した構成となっています。
入力層から情報が伝播し、重みやバイアスを調整しながら中間層を通過し、最終的に出力層で結果を出力します。この過程でニューラルネットワークはデータの特徴を学習し、分類や予測などのタスクを遂行します。
DL(ディープラーニング)
「DL」はディープラーニングの英語表記のことで、「Deep Learning」の略称です。前述のニューラルネットワークのアップデート版といった認識でおおまか問題ありません。。
ニューラルネットワークを超える多層を用いた手法であり、膨大なデータから高度な特徴を学習事が可能です。従来の機械学習手法よりも多層の隠れ層を使うことで、特に画像認識や音声認識などの分野で驚異的な成果を上げています。
Weak AI(弱いAI)
「弱いAI」を英語表記にすると「Weak AI」になります。こちらはAIの種類のひとつで、人間が設定した特定の作業や役割のみ行えるものです。
ひとつのタスクに特化しているもののそれ以外のことは何もできず、自ら学習していく知能などもないことからこの名称で呼ばれます。主に単純作業の自動化で役立てられています。
Strong AI(強いAI)
「強いAI」を英語表記にすると「Strong AI」になります。こちらもAIの種類のひとつであり「自ら考えて処理を実行し、分析や改善を繰り返して賢くなっていく」という知能があることから、このような名称で呼ばれます。
人間が行うタスクを幅広く実行できますが、実装や導入に膨大な時間とお金がかかるのがネックです。
Narrow AI(特化型AI)
「特化型AI」を英語表記にしたものが「Narrow AI」です。
おなじくAIの種類のひとつであり、用途は特定のタスクに限定されているものの、コンピューター自身分析・解析を繰り返してどんどん精度を上げていくことが大きな特徴です。
AGI(汎用型AI)
「AGI」は汎用型AIの英語表記のことで、「Artificial General Intelligence」の略称です。ドラえもんのようなまるで人間のような振る舞いや考え方、行動ができるAIのことを指します。
2024年5月現在では実用化はされておらず、実現もまだまだ遠いとされています。
機械学習の英語表記を学ぶメリット
機械学習において英語を学ぶことには、以下のようなメリットがあります。
- より新しく新鮮な情報が入手できる
- 機械学習プログラミングの理解が早まる
この章では、上記それぞれくわしく解説します。
メリット①より新しく新鮮な情報が入手できる
機械学習における英語を学ぶと、より最新かつ新鮮な情報にアクセスしやすくなることがメリットです。機械学習に関する資料や文献はだいたいが英語で提供されているためです。
また英語で書かれたブログや論文、技術文書などから世界中の専門家や研究者が発信する新しいアイデアや知見を得ることもできます。
メリット②機械学習プログラミングの理解が早まる
英語を学ぶことは、機械学習プログラミングに対する理解を早めることにもつながります。世界中のすべてのプログラミングコード、そして機械学習ライブラリやフレームワークのチュートリアルも英語で提供されることがほとんどだからです。
それに加えて英語で書かれたコードやコメントを読むことで、他の開発者がどのように機械学習を実装しているかも理解することが可能になります。このように英語を読めるか否かで学習の進捗度合いに圧倒的な差が生じることは事実です。
なお、機械学習プログラミングを学ぶならもっともおすすめの言語はPythonになります。その理由や学習手順について詳しく知りたい方は以下の記事もぜひご一読ください。
機械学習プログラミングを効率よく学ぶならAI研究所
完全未経験者から機械学習プログラミングを効率よく学びたいなら、AI研究所が運営するセミナー「Python基礎セミナー講習」がおすすめです。機械学習に必須となるプログラミング言語「Python」のプロレベルの知識を2日間で習得できる内容になっており、基礎文法はもちろんスクレイピングや各種フレームワークの使い方まで学べます。
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まとめ
以上、機械学習に関する英語の知識、および英語表記の重要性や学ぶメリットについて紹介してきました。
機械学習を英語に訳すと「Machine Learning」、略称は「ML」です。その他にもディープラーニング(DL)やニューラルネットワーク(NN)、特化型AI(Narrow AI)などさまざまな専門用語に英語表記が存在します。
機械学習において英語の知識は必須ではないものの、やはりあるに越したことはありません。AIや機械学習に関する最新情報は英語のものが多かったり、AI実装プログラミングの際にも重宝するためです。
大変かもしれませんが、機械学習分野に関連の深い最低限の英語は同時進行で学習しておくのがおすすめといえます。