LINEや企業のホームページで見かけるチャットボット、便利ですよね。
実はこのチャットボットは人工知能ではなく、人工無能(無脳)と呼ばれるものが多いのです。
人工知能はよく耳にしますが、人工無能はあまり聞かない言葉ではないでしょうか。
そこでこの記事では
- 人工無能とはなに?
- 人工知能と人工無能はどんな違いがあるの?
- 人工無能ってどうやって作るの?
という疑問を解決していきます。
人工無能について知りたい人や、人工無能の作り方を調べている人はぜひ参考にしてください。
人工無能とは?
人工無能とは、チャットボットの一種です。
あらかじめ登録されているデータベースから、問い合わせにマッチする回答を探し出して自動で会話を導き出します。
「Aという質問をされたらBという回答をする」というプログラムが設定されているわけです。
AIが搭載されているわけではなく、設定にない質問や日本語に特有のあいまいな表現にも対応しきれない愛らしいアプリが多いです。
知能と呼ばれるほど複雑な処理を行っていないことから、人工「無能」と皮肉交じりに呼ばれているわけですね。
ちなみに、必ずしもすべてのチャットボットが人工無能ではありません。
人工知能と人工無能のチャットボットの違いはどこにあるのか、見ていきましょう。
人工知能と人工無能のチャットボットの違い
人工知能と人工無能のチャットボットの違いはどこにあるのでしょうか。
結論から言うと、強化学習機能がついているかどうかで決まります。
- 強化学習機能のないチャットボット:人工無能
- 強化学習機能のあるチャットボット:人工知能
とざっくり分類することができます。
あらかじめ登録されたキーワードの中から、ルールに沿った回答をする人工無能型のチャットボットに対して、人工知能型のチャットボットにはどんな特徴があるのでしょうか。
人工知能型のチャットボットは、自ら学習することによって賢くなっていくという特徴があります。
大量に投下された会話データがビッグデータとなり、解析することでそれぞれの状況にマッチした回答や提案してくれるようになります。
まだまだ発展途上ですが、日本マイクロソフト社が開発した「りんな(元女子高生AIりんな)」は人工知能型のチャットボットで、強化学習機能が取り入れられています。
さらに詳しく違いを知りたい方は下記記事を読むと理解が深まります。
人工無能が”無能”ではないことがわかる活用事例
人工無能は皮肉で名付けられているからといって、決して無能なわけではありません。
シチュエーションによっては、人工知能型のチャットボットよりも有益です。
例えば、企業のカスタマーセンターやお問い合わせ窓口の場合、想定される選択肢を用意するなど、こちらが用意したシナリオ通りに進めることができれば自動化が可能になります。
チャットボットで人間の代わりに質問に答えてもらうことで、かなり業務が省力化されるのではないでしょうか。
よくある質問にはチャットボットが回答し、イレギュラーな質問には人間が対応するという仕組みを作り上げれば、だいぶコストが削減されそうですよね。
企業だけでなく、自治体も人工無能型のチャットボットの導入が進んでいます。
東京都をはじめとして多くの自治体が、ホームページに「新型コロナウイルスの相談チャットや窓口」を開設しました。
職員だけでは平日の朝9時から夕方の5時までしか対応できないところがほとんどですが、チャットボットを導入することで24時間の対応が可能になり住民の不安をやわらげることができます。
機械学習型の人工知能は、より人間の思考に近い判断ができるというメリットがありますが、その分管理する手間も時間もかかります。
回答がパターン化している人工無能型のチャットボットはスピーディーに事業に取り入れることができるのも強みです。
人工無能の作り方
人工無能は
- Ruby
- JavaScript
- Python
などのプログラミング言語で作成することができます。
オススメはPythonで実装することです。
Pythonだと、オープンソースの日本語形態素解析エンジンである「MeCab」と、マルコフ連鎖ライブラリ「markovify」を使うことができるので、人工無能を開発しやすいです。
マルコム連鎖とは、文章を形態素という意味の持つ言葉の最小単位に分けて、文章を文脈ごとに再構築して新たに文章を作成するやり方です。
簡単な人工無能アプリならすぐに作ることができますよ。
さらに詳しくチャットボットの作り方について知りたい方は下記記事を参考にしてみてください。
チャットボットについて学ぶならセミナー受講がおすすめ
チャットボットについてさらに知識を深め、実装をしたいという方は専門のセミナーを受講してみるのはいかがでしょうか。
「チャットボット講習」では、AIチャットボットの作り方と活用法を最速で学ぶことができます。
eラーニング形式なので、受講のタイミングは自分のペースに合わせて決められるところもおすすめポイントの一つです。
AIを未学習という方でも気軽に受けることができる講習ですので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
人工無能についてまとめ
この記事では人工無能の意味や、人工知能との違いなどについて解説してきました。
人工「無能」だからといって、決して役に立たないものではありません。
用途や目的によっては大きな効果を発揮します。
マッチしそうなITビジネスがあったら、ぜひ導入を検討してみてください。