AIとはなんの略?主な技術や活用例、未来のビジネスについて解説!

その驚くべき汎用性の高さから、医療や金融、製造業など幅広い分野での進化を続けている「AI」。すでに私たちの生活の一部としても積極的に取り入れられ、徐々に浸透しつつある技術です。

そんな中で「AIってそもそもなんの略なの?」「ひとえにAIといっても、どんな種類があるかわからない」と疑問に思う方は少なくありません。結論、AIとは「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の頭文字をとった言葉です。

今回の記事では、AIの意味や主な種類と技術、活用例および未来のビジネスの変化について言及していきます。

AIとは何の略?【Artificial Intelligence】

冒頭でも述べていますが、AIは「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の頭文字をとったものです。

直訳するとArtificialは「人工的」、Intelligenceは「知性・知能」という意味になります。この2つを合わせた結果、よく耳にする「人工知能」という名称で呼ばれているというわけです。

一般的なAIの定義は「人間の脳の学習機能を取り入れた技術」とされています。とはいえ、研究者や企業それぞれに解釈が異なり、じつに幅広い意味合いで使われることが増えていることから、明確な定義は存在しないのが現状です。

なお、詳しい概要については、以下の動画が参考になります。

 

AIの主な種類

AIの種類は、大きく以下の2つに分類されます。

  1. 特化型AI(弱いAI)
  2. 汎用AI(強いAI)

それぞれ順を追って見ていきましょう。

①:特化型AI(弱いAI)

ある分野にとことん特化したAIのことを指し、別名で「弱いAI」とも呼ばれています。具体例を挙げると、以下のようなものです。

  • 将棋ロボット
  • けん玉ロボット
  • 全自動掃除ロボット
  • 自動運転システム
  • 医療診断システム
  • 不良品検知システム

ひとつの分野にとことん特化しているため、生活の利便性、そしてビジネスの生産性を大きく向上させています。いま現状で世の中に出ているAIは、一般的にこの「特化型」のことを指すと考えていいでしょう。

もはや私たちの生活に欠かせない「特化型AI」ですが、逆にその分野以外のことは何もできないのも特徴のひとつです。

②:汎用AI(強いAI)

前述の特化型AIとは真逆で、ひとつの分野に特化せず、どんなことでもひととおり汎用的に行える人工知能のことを指します。つまり「プログラムに存在しない状況下でも自ら学習して解決する能力をもつ、まるで人間のような振る舞いができる人工知能」ということで、別名で「強いAI」とも呼ばれています。

この汎用AIについては、現段階では現実における具体例が存在しません。まだ開発・実験が進められている途中だからです。

架空のキャラクターで例えるなら、ドラえもんや鉄腕アトム、ディズニーのベイマックスなどが挙げられます。

AIを構成している主な技術2種類

AIを構成している主な技術2種類

現代におけるAIを作り上げている技術は、大きく以下の2種類です。

  1. 機械学習
  2. 深層学習(ディープラーニング)

それぞれ順を追って解説します。

①:機械学習

機械学習とは、データを読み込んでパターンや傾向を学習し、適切な回答を抽出する技術の総称です。

たとえば自動運転では人間や動物などの形状や動き、また縁石や電柱、壁などの障害物のサイズや色といった特徴を細かく数値化し、検知しています。機械学習はこのように、人間が学習していくようなロジックで学習を繰り返すことによって、認識の精度をどんどん上げていくのが特徴です。

さらに機械学習は、以下の3つの手法に分類されます。

  • 教師あり学習
  • 教師なし学習
  • 強化学習

教師あり学習

教師あり学習は、機械学習の手法のひとつです。正解となるデータパターンをいくつか用意し、成否を判断するのが特徴です。

たとえば製造業における「不良品の検知システム」などがいい例になるでしょう。出荷OKな製品を画像や3Dなどのデータで用意し、それと合致しない製品は不調品とみなすというロジックです。

正解となるデータを「教師」と見立てていることから、このような名称で呼ばれています。

教師なし学習

機械学習の手法のひとつとして「教師なし学習」というものもあります。こちらは前述の教師あり学習とは真逆で「正解となるデータを用いない手法」です。

具体例としては、YouTubeやAmazonにおける「レコメンド機能」が挙げられます。レコメンド機能とは、ユーザーの興味や嗜好に合わせ、最適なコンテンツや商品をトップページに表示する技術をいいます。

決まりきった正解はなく、与えられた特徴や類似パターン、傾向や規則性をもとに、自ら学習・提案を行うのが特徴です。

強化学習

強化学習は、ひとことでいうと「利益やメリットを最大化するための、最適な行動や提案」を促してくれる手法です。たとえば将棋やオセロのロボットは勝利という利益のために、動かせる駒の中から何千通りもの選択肢を分析し、最適な一手をあぶり出します。

「重要な判断が求められる局面で用いられる」というところが、教師あり・なし学習とは異なる点となっています。そのため現代では、ビジネスにおける重要な意思決定の局面などでも、活用が進められています。

②:深層学習(ディープラーニング)

深層学習(ディープラーニング)

深層学習(ディープラーニング)は「ニューラルネットワークを使って、より複雑なパターンや特徴の学習に対応できるようになった技術」です。

ニューラルネットワークとは、音声や画像の認識で用いられる技術のひとつで「人間の脳とおなじロジックで、パターン認識や解析を行える技術」のことです。このニューラルネットワークをより高度化したものが、ディープラーニングです。

なおディープラーニングのさらに詳しい概要を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ディープラーニングとは簡単にいうと何?主な手法や活用例、メリットをご紹介!

AI技術で実現したイノベーションの例

現代ではAI技術の応用によって、次のようなイノベーションが続々と実現しています。

  • 音声認識による会話内容の言語化
  • 画像認識によるテキスト生成
  • 画像認識による物体識別
  • 膨大なデータを用いた未来予測
  • 画像や音楽などクリエイティブ作業の自動化

それぞれ解説します。

音声認識による会話内容の言語化

音声の認識で会話内容を言語化する技術は、まさしくAIの技術の発展によるものです。

具体例としてはiPhoneに搭載された音声認識機能「Siri」や、Googleアシスタントが挙げられます。ほかにもスマートスピーカーや対話式カーナビなど、音声認識は現代ではすっかり私たちの生活に浸透しています。

ビジネスシーンでも、会議の文字起こし自動化など作業効率化に大きく貢献しています。

画像認識によるテキスト生成

AI技術の応用によって、音声のみならず、画像認識によるテキスト生成も行えるようになりました。

具体的には、画像内のテキストを識別し、それを自動的に文章に変換するということ。たとえば英語で書かれたポスターなどを写真に収めるだけで、日本語訳してテキスト生成を自動で行ってくれるということです。

この技術はビジネスにおいても、手書きの会議資料やメモをテキスト化するシーンで活用され、生産性向上に寄与しています。

画像認識による物体識別

画像認識による物体識別は、AI技術の進展によって生まれた革新的な例といえます。中でも代表例となっているのが「自動運転」です。

車に埋め込まれたセンサーやカメラが、画像データから人や物体を認識し、適切な運転アシストを行うことで、大きな安全性の向上を実現させています。

なお、自動運転の詳しい仕組みについては、以下の記事で解説しています。

自動運転の仕組みとは?概要説明から事例まで徹底解説!

膨大なデータを用いた未来予測

AI技術の進化によって「膨大なデータを用いた未来予測」もできるようになりました。過去のデータを分析して傾向や同一パターンを抽出し、より実現の可能性が高い結果をあぶり出すロジックとなっています。

具体的な活用例としてビジネスにおける需要予測、医療現場における疾病の発生予測や治療法の最適化、また天気予報などが挙げられます。今後もスポーツの勝敗予想など、娯楽などでも活用シーンを拡大していくでしょう。

画像や音楽などクリエイティブ作業の自動化

AIはテキスト生成や判断だけでなく、画像や楽曲、さらには映画の制作といった、クリエイティブな作業を行うことも可能になっています。具体例を挙げるなら、画像を自動生成できるツール「MyEdit」、音楽の自動生成ソフト「Ecrett Music」、動画生成アプリ「RunwayML」などがあります。

近い将来クリエイティブ業界は、画像や映像作品において撮影が一切不要になる可能性も高いでしょう。

AIによって未来のビジネスはどう変わる?

AIによって未来のビジネスはどう変わる?

AIによって未来のビジネスは、より効率性と生産性を極めるでしょう。具体的には、ある程度パターン化されて決まりきった業務は、すべてAIが代替する可能性が高いです。

その結果、従業員はよりクリエイティブな業務に注力できるようになり、世の中の企業はさらに競争が激化していくとされています。そして、このAIの進化によって、新たに生まれる仕事となくなる仕事が分かれていくでしょう。

AIによって新しく誕生するとされる業務

AIによって新しく生まれる、また今後も需要が伸びていく業務としては以下が挙げられます。

  • AIエンジニア
  • プロンプトエンジニア
  • データサイエンティスト

現状でも専門知識をもったIT人材は需要が高く重宝されていますが、この流れはさらに続くでしょう。さらにAIやデータ関連の高度な技術をもつ人材となれば、今後も幅広い土俵で活躍できることは間違いありません。

AIによってなくなる可能性が高い業務

一方、AIによってなくなる可能性が高い業務も存在します。具体的には、以下のとおりです。

  • タクシー・バス運転手
  • コールセンター・問合せ窓口業務
  • レジ係員

自動運転の技術の進化は目まぐるしいものがあり、無人化が着実に進むでしょう。現状、東京でも無人バスの実証実験が行われています

また現代では、コンビニをはじめとする「無人店舗」が続々登場しているため、レジ係員も将来的に自動化される可能性が高いです。

AIとはなんの略? まとめ

AIは「Artificial Intelligence(人工的な知能)」の頭文字をとった略語で、これまでも数々のイノベーションを実現し、わたしたちの私生活やビジネスを劇的に変えてきました

単なる条件判断のみならず、イラストや音楽、動画といったクリエイティブな作業すらもAIが担いつつあるのが現状。さらなる進化に今後も注目し、細心の動向をキャッチアップすることが大切です。

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