AWSの生成AIは、ここ数年で企業の間で一気に存在感を高めています。業務の自動化やコンテンツ生成だけでなく、データ分析や顧客サポートにもAWSの応用が広がっており、活用次第でビジネスのスピードは目まぐるしく変わるでしょう。
とはいえ、実際には「どんなAIサービスがあるのか」「どの種類のAIを選べばいいのか」と迷う人も少なくありません。そこで本記事では、AWSが提供する主要な生成AI関連サービスを整理しつつ、導入時のポイントまでわかりやすく紹介します。
AWSの概要
AWSは、クラウド上でアプリ開発やサーバー運用、データ管理ができる総合サービスのことです。必要な機能を必要な分だけ使える仕組みのため、企業規模を問わず導入しやすく、コスト面でも柔軟に運用できます。
以下の記事では、AWSの概要やできることについて詳しく解説しています。興味のある方はぜひお読みください。
AWSの生成AIとは何か
AWSの生成AIとは、クラウド上で生成AIモデルを利用し、文章生成・要約・翻訳・音声処理・分析といった高度な処理を行える仕組みです。
複数のAIサービスを組み合わせることで、業務に合わせた最適なAWS環境が実現できます。
AWSの生成AIサービス12選

ここでは、AWSの生成AIサービス12選として、以下を紹介します。
| AIサービス・カテゴリ | 位置づけ・役割 | 主な生成AI用途・機能 | 代表的なAIユースケース例 |
|---|---|---|---|
| Amazon Nova(基盤モデル) |
|
など |
など |
| Amazon Bedrock | 複数の基盤モデル(Claude、Mistral、Nova など)を API 経由で使えるフルマネージド生成AI基盤 |
など |
など |
| Amazon Q | ビジネス・開発向けの生成AIアシスタント(業務支援・開発支援) |
など |
|
| Amazon SageMaker |
|
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| AWS for Data | 生成AIの活用前提でデータを収集・統合・分析するためのデータ基盤(Redshift、Glue等の集合的な枠組み) |
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| インフラストラクチャ | 生成AIワークロード向けのGPU・AWS独自チップ(Trainium/Inferentia)や分散トレーニング基盤 |
|
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| Amazon Polly | テキストから自然な音声を生成するAI音声合成サービス |
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| Amazon Lex | 音声・テキストチャットボットを構築する会話型インターフェースサービス |
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| Amazon Transcribe | 音声からテキストを自動文字起こしするサービス |
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| Amazon Translate | 高精度なニューラル機械翻訳AIサービス |
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| AWS Lambda | サーバーレス実行基盤として、生成AIワークフローやAPI連携をつなぐ役割 |
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| Amazon Comprehend | テキストの構造化・感情分析・エンティティ抽出などを行うNLPサービス |
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Amazon Nova 基盤モデル
Amazon Novaは、AWSが提供する高性能な基盤モデル群で、テキスト・画像・動画などマルチモーダルな生成に対応しています。
高い推論性能とコスト効率を両立し、チャットボット、要約、コード生成、クリエイティブコンテンツ作成など、企業向けの高度な生成AIアプリケーションを短期間で構築することを目的としています。
Amazon Bedrock
Amazon Bedrockは、ClaudeやAmazon Novaなど複数ベンダーの基盤モデルを、API経由で安全に利用できるAWS生成AI基盤です。
モデル選定・切り替え、RAG、エージェント、ワークフロー機能を備え、インフラ管理不要で本番運用までカバーします。
Amazon Q
Amazon Qは、AWS上のシステムや社内データへアクセスして、質問応答・要約・手順書作成などを行う業務特化のAWS生成AIアシスタントです。
開発者向けにはIDE内でコード生成やリファクタリング、運用担当者向けには設定や障害調査のナビゲーションを行います。
Amazon SageMaker
Amazon SageMakerは、生成AIモデルを含む機械学習の開発・学習・デプロイを一貫して支援するAWSマネージドサービスです。
自社専用LLMの学習や、既存モデルのファインチューニングにも適しているほか、Bedrockと併用することで、汎用FMと独自モデルを使い分ける構成も可能です。
AWS for Data
AWS for Dataは、生成AI時代のデータ活用を前提としたAWSデータ基盤のコンセプトです。
これによって、RAGの知識ベース構築や分析向けデータマート整備など、AWSの生成AIアプリケーションの土台を効率的に整備できます。
インフラストラクチャ
生成AIインフラストラクチャは、GPUインスタンスやAWS Trainium / Inferentiaといった専用チップ、EFA を用いた高速ネットワークなどを組み合わせた生成AI向けAWS計算基盤です。
大規模LLMの学習や高スループット推論をコスト効率良く実行するのが目的です。
Amazon Polly
Amazon Pollyは、テキストから自然な音声を生成するAWSテキスト読み上げサービスです。
SSMLを用いて話速・抑揚・ポーズを細かく制御できるため、自然で聞きやすい音声コンテンツを自動生成するAWS基盤として活用されます。
Amazon Lex
Amazon Lex は、音声およびテキストベースの対話型インターフェースを構築するためのAWSサービスで、自然言語理解と音声認識を組み合わせたボット開発を支援します。
対話フローやスロットを定義することで、問い合わせ対応や予約受付、FAQ ボットなどを低コードで構築可能です。
Amazon Transcribe
Amazon Transcribe は、高精度な自動音声認識(ASR)を提供し、音声をテキストへ変換するAWSサービスです。
会議・通話・動画音声の文字起こしだけでなく、話者分離や専門用語辞書登録、リアルタイム認識にも対応しています。
Amazon Translate
Amazon Translate は、ニューラル機械翻訳によるスケーラブルな多言語翻訳AWSサービスです。
リアルタイム・バッチの両方をサポートし、Webサイトやアプリの多言語化、チャット翻訳、ドキュメント翻訳などに利用できます。
AWS Lambda
AWS Lambda は、サーバーを意識せずコードを実行できるサーバーレスコンピューティングAWSサービスで、イベント駆動のワークフローを構成するのに適しています。
Amazon BedrockやQ、Polly、Transcribeなどを呼び出す処理を簡潔に記述でき、チャットボットのバックエンドや、音声→文字起こし→要約→翻訳といった生成AIパイプラインを柔軟に自動化できます。
Amazon Comprehend
Amazon Comprehendは、テキストから感情、キーフレーズ、エンティティ、トピックなどを抽出する自然言語処理AWSサービスです。
レビューのポジネガ判定、問い合わせ分類、文書のタグ付けなどを API で簡単に実行できます。
AWSの生成AIを活用するメリット

この章では、AWSの生成AIを活用するメリットとして、以下をご紹介します。
- 自社仕様にあわせて仕組みを作り込める
- セキュリティ面で安心して運用できる
- 法令順守やリスク管理を進めやすい
①自社仕様にあわせて仕組みを作り込める
AWSの生成AIは組み合わせできるサービスが多いため、企業ごとに異なる要件にも対応できます。既存システムとの連携や小規模検証からの段階導入もしやすく、運用後の改善や拡張にも柔軟です。
業務にフィットした形で生成AIの価値を最大化できる点がAWSのAIの魅力です。
②セキュリティ面で安心して運用できる
生成AIを扱う際は情報管理が重要ですが、AWSはアクセス制御・暗号化・ネットワーク保護などの仕組みが整っています。
社内の機微データを扱う場合でも安全性を確保しながら運用できるので、AWSならクラウド利用にありがちな不安要素も低減できます。
③法令順守やリスク管理を進めやすい
生成AI導入ではコンプライアンスや責任範囲が課題になりますが、AWSはログ取得やガバナンス設計を支える仕組みが整っています。監査対応や安全性の確保もしやすく、企業利用に求められる基準に沿った運用がしやすい環境です。
ただ、AWSのこうした機能を十分に活かすには、社内で生成AIの理解度を揃えておくことも欠かせません。AWSの基礎的な概念やプロンプト設計の考え方、情報管理のポイントを共有しておくと、運用面でのトラブルを減らせるでしょう。
AWSの生成AIを戦略的に活用するなら、基礎から体系的に学べる生成AI無料オンラインセミナーを活用するのも有効です。AWSをはじめとする実務に結びついた知識を短期間で身につけられ、導入後の土台づくりにも役立ちます。
AWSの生成AIを円滑に導入するためのポイント
ここでは、AWSの生成AIを円滑に導入するためのポイントとして、以下を紹介します。
- まずは対象となる業務を洗い出す
- 利用ルールや運用フローを社内で固めておく
- 専門知識が必要な部分はAWSパートナーを活用する
①まずは対象となる業務を洗い出す
AWSの生成AIを導入する前に、AWSでどんな業務を効率化したいのか整理しておくことが重要です。たとえば手作業が多い箇所や判断が属人的になっている領域など、候補を具体的に列挙することで、AWS導入の目的が明確になります。
優先順位が見えると検証も進めやすく、AWS導入後の成果測定にもつながります。
②利用ルールや運用フローを社内で固めておく
AWSの生成AIは便利ですが、運用が曖昧だと不要なトラブルにつながる可能性があります。
情報の扱い方やアクセス権限、利用範囲などのルールを社内で共有し、AWSの運用体制を整えておくことが重要です。
③専門知識が必要な部分はAWSパートナーを活用する
モデル選定やアーキテクチャ設計など、専門的な判断が必要な場面ではAWSパートナーの支援が役立ちます。実績に基づいたアドバイスを受けられるため、無駄な試行錯誤を避け、AWS導入までの時間を短縮できるでしょう。
なお、AWSをより円滑に導入するなら、研修も1つの選択肢です。以下の記事では、おすすめのAWS研修を紹介していますので、ぜひご一読ください。
AWSの生成AIをより効率よく習得したいなら

AWSの生成AIは理解が深まるほど応用の幅が広がりますが、基礎となるAWSインフラ部分に不安があると実装でつまずきやすくなります。たとえばクラウドの仕組みからWebサーバー構築、ネットワーク設定までを体系的に押さえておくと、AWSの生成AIの導入や連携もスムーズに進められます。
AWSで始めるインフラ構築基礎セミナーでは、VPCによる独自ネットワーク構築やEC2でのWebサーバー設定など、AWSの土台となる部分を理解できます。そのうえで、ChatGPTをクラウド環境に実装する流れを体験するため、AWSの生成AIを実務レベルで使う感覚がつかみやすいのが特長です。
| セミナー名 | AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 38,500円〜 |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京)・ライブウェビナー |
AWSの生成AIについてまとめ
AWSは生成AIを扱うための基盤が整っているため、業務改善や新しいサービスづくりに有効です。小さな検証から始めて理解を深めていけば、自社ならではの活用アイデアも見えてきます。
もし基礎から実務レベルまでしっかり学びたいと感じたら、講座なども活用しつつ、ビジネスへの導入を検討してみてはいかがでしょうか。





