新入社員教育の教育担当者になった方の中には、どのように教育していいか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。企業の理念やルールをはじめ、ビジネスマナーや個別の業務に至るまで教育の必要があり、困惑している教育担当者も多いでしょう。
この記事では、新入社員教育の概要や注意した方がよいポイント、新入社員教育におすすめの研修・セミナーについても解説します。また、教育担当者のよくある悩みへの対策も解説していますので、併せてご覧ください。
新入社員の教育とは

新入社員に対し、社会人としてのマナーや企業理念、業務に関する具体的な方法など、ビジネスパーソンとしての立ち振る舞いを伝える教育を指します。
教育の中心になるのが、ビジネスマナーとコミュニケーション能力の向上です。名刺交換の作法や電話応対といった基本的なマナーはもちろん、グループワークを通じた問題解決能力の育成まで、実践的なスキルを段階的に教育します。
また、組織への帰属意識を高める目的もあります。自社の歴史や経営方針を学び、自分の役割を明確に理解することで、仕事への責任感が芽生え、モチベーションの向上にもつながるでしょう。
新入社員教育を行うときのポイント

新入社員教育を行う際は、何に注意して教育したらよいのでしょうか。ここからは、新入社員教育を行うときに意識すべき3つのポイントを解説します。
企業の考え方を伝える
新入社員教育においてまず大切なのが、企業の考え方、すなわち企業の価値観や行動基準を伝えることです。
企業の考え方を理解できると、新入社員は日々の業務における判断軸を持てます。トラブルや失敗に直面した際も、社内で共有している価値観や行動基準に基づき次のアクションプランを実践しやすくなるため、社員として成長しやすい状態を作れます。
また、チーム・組織に一体感を生むためにも、企業の考え方の共有は重要です。社員同士が同じ価値観・行動基準を共有できると、円滑なコミュニケーションが可能となり、協力体制が自然に構築されやすくなります。結果、連携や社員同士のサポートが行いやすくなり、生産性の向上にもつながるでしょう。
ハラスメントに注意して指導する
新入社員教育を行う際は、ハラスメントへの配慮をする必要があります。特に新入社員は立場が弱いため、言動に注意して指導・教育しなければなりません。
厚生労働省「あかるい職場応援団」によるパワーハラスメントの定義について、以下の表にまとめました。
| 区分 | 内容 | 事例 |
| ① 優越的な関係を背景とした言動 | 業務を遂行するに当たって、当該言動を受ける労働者が行為者に対して抵抗や拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるもの |
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| ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動 | 社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又はその態様が相当でないもの |
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| ③ 就業環境が害されること | 当該言動により、労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなったために能力の発揮に重大な悪影響が生じる等の当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること | ー |
引用元:厚生労働省「あかるい職場応援団」
感情的な叱責や人前での過度な批判は、教育の範囲をこえハラスメントとなる危険性があります。また、攻撃的な言葉や無視するなどの態度もハラスメントに該当するため、例えイライラしたとしても言動に出してはいけません。
冷静な対話や新入社員の立場を考えたコミュニケーションを取り、パワーハラスメントにならないよう注意しながら教育を行いましょう。
定期的なフォローを忘れない
新入社員は社内のルールや業務でわからない部分も多いため、教育担当者の社員は定期的なフォローを行うようにしましょう。新入社員が抱えそうな不安や課題を先回りして考えておき、いつでもフォローできるようにしておくのが理想です。
フォローの具体的な方法としては、個人面談などの機会を設け、1対1で悩みを相談できる環境作りがおすすめです。対面で話を聞いてもらえると新入社員は安心感を得られるため、主体性を持って業務に取り組めるようになり、離職率低下にもつながります。
また、定期的にフォローしていると、新入社員に上司・先輩社員として信頼してもらえるようにもなります。信頼関係はチームワークで最も重要な要素ですので、新入社員教育を通じて高めておきましょう。
新入社員を教育する3つの方法

新入社員教育には、大きく分けて以下の3つの方法があります。
- OJTを行う
- 生成AIで教育カリキュラムを書き出す
- 研修・セミナーを活用する|OFF-JT
ここでは、多くの企業が実践している上記3つの教育方法をご紹介します。
①OJTを行う
OJT(On-the-Job Training)は、上司・先輩社員がマンツーマンで指導を行い、実務経験を通じて必要なスキルと知識を教える手法です。OJTは新入社員教育にも適しており、大きく分けて以下の3つの効果があります。
①実務に必要なスキルを習得できる
業務を通して教育を行うことで、顧客対応や業務フローなど実務に必要なスキルを効率的に習得できます。手を動かしながら考えて学ぶため、座学より早くスキルを習得できます。
②職場の定着率が向上する
業務を通じた教育は職場環境への慣れも促進しやすく、新入社員の早期離職の防止にもつながります。環境への慣れは安心感にもつながるため、新入社員が居場所として認識しやすくなるでしょう。
③教育する側の社員も成長できる
実務を通しての教育は教育する側の社員も成長できます。指導力をはじめ、業務を客観的に見る視点や問題解決能力、コミュニケーション能力が向上し、企業全体のパフォーマンスの向上につながるでしょう。
②生成AIで教育カリキュラムを書き出す
生成AIを活用し、新入社員の教育カリキュラムを作る方法もおすすめです。生成AIを活用するやり方は、決まった教育を実施する方法に比べ、個々の新入社員の学習進捗や理解度に応じ、教育カリキュラムをある程度自由に調整できる点がメリットでしょう。
また、教育担当者の社員にかかる教育の負担を軽減できる部分も、生成AIを活用する利点です。教育カリキュラムや方針を生成AIで打ち出せるようになるため、新入社員へのフィードバックや現場指導に注力できます。
生成AIはあくまでもサポートツールですが、上手に活用できれば、新入社員の教育を効率的にできます。生成AIの使い方については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
短期間でAIを使えるようになる「ビジネス向けAI完全攻略セミナー」
AIを用いて新入社員教育を行う際、具体的なAIの運用方法がわからない方も多いのではないでしょうか。「ビジネス向けAI完全攻略セミナー」では、自社のビジネスでAIを活用するために必要なAIの基礎知識について詳しく解説しています。
AI初心者でも短期間で実践的な応用スキルまで学べるため、新入社員教育でもノウハウを活用できるようになります。活用事例も解説していますので、どなたでもすぐに実務にAIを導入できるようになるでしょう。
新入社員教育をきっかけに、AIを基礎から学んでみてはいかがでしょうか。
| セミナー名 | ビジネス向けAI完全攻略セミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 35,200円〜 |
| 開催期間 | 1日間 |
| 受講形式 | 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング |
③研修・セミナーを活用する|OFF-JT
OFF-JT(Off-the-Job Training)は、職場を離れて研修・セミナーを行う新入社員の教育方法です。職場外研修とも呼ばれており、多くの企業の新入社員教育で実践されています。OFF-JTの実施期間は短期・中期・長期によって異なり、一般的には1~3日の短期で実施されるケースが多くなっています。
自社で実践するほか、外部の講座・セミナーを活用するケースも多々あります。ビジネスの基礎知識やマナーをはじめ、リーダーシップやマーケティングなど特定のスキルを学ぶ場合もあります。
OFF-JTは大きく分けて以下の3種類の形式があり、それぞれ特徴が異なります。
- 集合型研修
- e-ラーニング
- ハンズオン研修
それぞれについて、簡単に見ていきましょう。
集合型研修
複数の新入社員が同じ場所に集まり講義を受ける形式です。ビジネスマナー研修、グループワーク、ディスカッションなどさまざまな講義が実施され、新入社員に学んでもらいます。
e-ラーニング
新入社員がオンラインで講義動画や教材を使用し、各自のペースで学習する形式です。ビジネスの基礎知識やマナーなどを学ぶほか、資格取得のための教育として実施されるケースもあります。
ハンズオン研修
実技指導を通して実践的なスキルを習得する形式です。プログラミングやソフトウェア操作などのトレーニングを目的としています。
新入社員教育におすすめの研修・セミナー7選

外部の講座やセミナーにはさまざまなものがあり、法人・個人向けに新入社員教育を提供しているサービスも複数あります。ここでは、外部の講座やセミナーの中でもおすすめの新人教育の研修・セミナーをご紹介します。
①生成AIセミナー

生成AIセミナーは、近年ビジネスの現場にも導入が進んでいる生成AIについて学習できるセミナーです。生成AI初心者でも学べるカリキュラムになっており、AIへの指示の出し方(プロンプト)や具体的な業務での活用方法など、実務で使えるスキルを短期間で学べます。
まず、生成AIの概要や操作方法を学び、ChatGPTやCopilotを用いた実践的なテクニックを学習します。生成AIを基礎から学習できるため、初心者でも安心して学ぶことができるでしょう。
そして、実際に生成AIを使ったハンズオンが行われます。ビジネス上で使う上での課題と解決方法、APIを利用した自社独自の生成AIの作り方など、応用テクニックを学習します。
使用する生成AIも幅広く、用途に合わせ以下の4つの生成AIを用いたカリキュラムが組まれている点が特徴です。
- 画像生成AI「Canva」
- 動画生成AI「Dream Machine」
- 画像・3Dモデル生成AI「Vizcom」
- コード生成「Claude」
生成AIの活用は現代のビジネスではマストスキルの1つですので、新入社員教育にも取り入れたい内容といえるでしょう。
②マイナビ研修サービス

引用元:マイナビ研修サービス
マイナビ研修サービスは、40年以上の採用支援実績を活かした新入社員教育プログラムを提供しているOFF-JTです。ビジネスマナーの基礎からビジネスに必要なロジカルシンキングまで、幅広いスキル開発に対応している点が特徴です。
研修形式は、集合研修・講師派遣型・オンライン研修があり、企業のニーズに合わせて選択できます。ロールプレイングやグループワークなど実践的なプログラムも用意されているため、すぐに実務で活用できるスキルを学べる環境が整っている点も魅力でしょう。
独自の取り組みである「Reflection book」では、新入社員が学びを振り返り、具体的な行動目標を設定することで、成長にフォーカスした教育効果を得られます。
③Schoo

引用元:Schoo
Schooは、オンライン上で生放送形式の授業を行う双方向性の学習プラットフォームです。受講者はリアルタイムで講師や他の参加者とコミュニケーションが取れ、オンラインでありながら主体的に学べる点が大きな特徴でしょう。
講座は、21カテゴリーで8,500本以上の内容が用意され、ビジネスの基礎をはじめ、データ分析やDXといった最新技術、デジタルリテラシーまで幅広い内容の学習が可能です。
講座はアーカイブにも対応しており、わからない部分を何度も見直せるようになっています。オンラインの特性が活かされた教育になっており、新入社員が自身のペースで学習できる点が魅力でしょう。
④グローイング・アカデミー

引用元:グローイング・アカデミー
グローイング・アカデミーは、サービス業に特化した研修を受けられるOFF-JTです。主に、飲食業・小売業・宿泊業といった業界の新入社員が参加し、ロールプレイングやディスカッションを中心とした実践的な研修を行います。
他社の新入社員とチームを組みながら研修を進める点が大きな特徴で、社会人としてのマインドセット形成を中心に学べます。
マインドセットは、基本的なビジネスマナーから実践的な接客スキルに至るまで幅広く、実践的かつ体系的な学習プログラムにより、新入社員は即戦力になるために必要なノウハウを習得します。
⑤リクルートマネジメントスクール

引用元:リクルートマネジメントスクール
リクルートマネジメントスクールは、「気づき」と「実践」を重視した研修プログラムを受けられるOFF-JTです。50年以上の実績に基づく専門的なノウハウと、経験豊富な講師陣による指導が特徴です。
研修プログラムは100以上のコースから選択でき、一人ひとりの課題に合わせた学習が可能です。グループワークや異業種交流も実施しているため、より実践的に新入社員の教育が行えるでしょう。
研修のコースには、3時間から受講できる短期集中型コースやオンライン形式の研修もあるため、状況に合せて新入社員教育を実施できます。
⑥インソース

引用元:インソース
インソースは、企業のニーズに応じた研修プログラムが組める柔軟性と、新入社員に必要な実践的なスキルを習得できるOFF-JTです。グループディスカッションやロールプレイングを中心とした教育により、実務ですぐに活かせるスキルを習得できます。
「島型レイアウト」を採用した少人数グループでの演習では、「やってみてできる」「感覚的に納得できる」を実施し、座学だけでない体験を通じた研修を行います。研修前後の準備・フォローも充実しており、学習内容の定着をしっかりとサポートする体制が整っている点も魅力でしょう。
⑦企業向けDX・AI人材育成研修サービス

企業向けDX・AI人材育成研修サービスは、新入社員の教育にも使える便利な研修サービスです。
自社のカルキュラムによって研修内容を変更できるので、新入社員に覚えて欲しいことや知見を深めたいジャンルで研修を外注することができます。
新入社員の教育担当者のよくある悩みと対策

新入社員教育では、教育担当者の社員も悩みを抱えてしまうものです。新入社員によって能力や性格も異なりますし、教育がスムーズに進まない状況もあるでしょう。ここでは、教育担当者が抱えるよくある悩みと対策を解説します。
イライラしたら周囲に相談する
新入社員が教育したように行動できなかったり、コミュニケーションがうまく取れない場合、教育担当者の社員がイライラするケースがあります。そんな時は感情的になるのではなく、同僚・上司など周囲の人に相談し、一人で抱え込まないようにしましょう。
同僚・上司に相談すると客観的な視点が手に入り、気づかなかった新入社員の長所を発見したり、新たなアプローチが見つかる場合が多々あります。
また、つらさを吐き出せばストレス発散にもなり、心身にも良い影響があります。可能であれば、週1回の教育担当者会議など、指導する社員同士が進捗を話せる場を設けることをおすすめします。
新入社員の悩みはSNSで理解する
日本国内で約8,270万人が利用するSNSは、新入社員の悩みを理解する手段として活用できます。新入社員は上司や教育担当者に相談することへの抵抗感から、SNSで本音を出しているケースも少なくありません。
例えば、同業種の新入社員のSNSの投稿から、職場での不安やストレスについて傾向を把握できます。どんな指導を望んでいるのか、コミュニケーションの問題点、世代間ギャップなど、SNSには新入社員の悩みを理解するための情報が多々あります。投稿を鵜呑みにする必要はありませんが、新入社員の悩みの傾向を理解するために活用するとよいでしょう。
新入社員との信頼関係は話を聞いて築く
新入社員を指導する際、話を聞かず一方的に指示するだけでは信頼関係は築けません。新入社員は悩みや不安を抱えながら指導を受けているため、信頼関係を築くには話を聞く姿勢が重要です。
具体的には、個々の新入社員と定期的に1on1ミーティングを行い話を聞く方法があります。ミーティングの形を取れば話をしやすくなりますし、本音を話せる場を設けることで悩みや不安が減り、職場環境にもなじみやすくなるでしょう。
他にも、休憩中にコミュニケーションを取り、さりげなく新入社員の本音を聞いてみるのも有効です。強引だとハラスメントになるため注意が必要ですが、リラックスした雰囲気でコミュニケーションを取り、本音を言いやすい空間を演出してみましょう。
新入社員の教育は目的を理解して取り組もう
新入社員教育で最も重要なのは、企業の価値観や行動基準をしっかりと伝えることです。新入社員が企業の考え方を理解することで、日々の業務における判断軸を持つことができ、トラブルや失敗に直面した際も適切なアクションを取れるようになります。
OJTやOFF-JTなどの方法を組み合わせながら、自社に合った教育プログラムを実践していきましょう。教育担当者は大変な部分もありますが、新入社員の成長は必ず会社の未来につながります。






