初心者はRubyとPythonどちらが始めやすい?違いとできることを徹底比較してみた

「未経験の初心者がプログラミングを始めるなら、PythonとRubyのどっちを選べばよいのだろう」と感じてはいないでしょうか。
PythonもRubyもともに人気の言語ですが、二つには根本的な違いがあります。
この記事では、二つの言語の特徴や将来性などをまとめるとともに、どのような人がどちらの言語を学ぶのがおすすめなのかについても解説していきます。

RubyとPythonの違い

RubyとPythonの違い

プログラミングの初心者にとって、RubyかPythonのどちらが始めやすいかという疑問を解決するために、まずそれぞれの言語の特徴を確認しておきましょう。

まずはRuby(ルビー)についてです。プログラミング言語といえば海外のものという印象を持たれがちですが、Rubyは日本人の手によって開発された国産のプログラミング言語です。そのため、日本語での説明が多く、初心者にとっては学習しやすいというメリットがあります。
Rubyは特にWebアプリケーションの開発に高い親和性を発揮しますが、それ以外にもスマホアプリやショッピングサイト・ゲーム・SNSなど、さまざまなコンテンツの開発にも汎用性があるといった点に特徴があります。
Rubyでは、コードの読みやすさ・書きやすさに重点が置かれ、Ruby on Railsと呼ばれる独自のフレームワークによって、手間なくスピーディーにプログラムを組み上げることなどが人気を集めています。Rubyを用いて開発されたサービスにはクックパッドなどがあります。

一方Python(パイソン)は、オランダで生まれた言語です。
Pythonの大きな特徴は、Rubyと同様にWEBアプリケーションなどの開発を手掛けるほかに、機械学習やデータ分析といった分野の開発も可能であるという点にあります。
そのため、Web上での情報の収集をはじめ、次世代の先進技術とされるブロックチェーンの開発などにも汎用性を発揮することができるようになります。
Pythonでは、やはりRubyと同様にコードの読みやすさや書きやすさを重視しているうえ、ライブラリも豊富に用意されて利用しやすいので、プログラミング言語に初めて触れるという人にも学びやすい言語の一つであるといえます。
Pythonを用いて開発された代表的なサービスといえばYouTubeをあり、小さいサイトから大きなサイトまで作り上げることが可能です。

初心者が始めるならRubyとPythonどっちがいいの?

RubyとPythonの特徴をまとめたうえで、初心者が始めやすいのはRubyであるといえるでしょう。RubyもPythonも、言語自体は読みやすく、書きやすく設定されており、その点ではともに初心者が取り組みやすい言語となっています。
しかし、Rubyは何といっても国産のプログラミング言語であり、解説も日本語で書かれている部分が多いので、取り組みやすさの点でまさっています。
さらに、Rubyは他の言語と比較してバージョンアップの頻度が少ないため、じっくりと取り組めることも勉強のしやすさにつながります。
ただし、Rubyが初心者に向いているというのはあくまでも一般論で、Ruby・Pythonともにそれぞれの強みがありますので、その特徴を詳しく踏まえたうえで、エンジニアとしてどのような将来を描いているかによって、学ぶ対象を絞っていくのがよいでしょう。

Rubyは、特にWebアプリケーションの開発に高い親和性を発揮する言語ですが、それは独自のフレームワークであるRuby on Railsを活用することにより、スピーディーで効率的な開発が可能になるからです。
Pythonのような他の言語でもWebアプリの開発は行うことができますが、Ruby on Railsを用いた開発力は群を抜いており、他の追随を許しません。
マーケティング手法が多様化するにつれて新たなニーズの掘り起こしを狙った各種のWebアプリケーションが次々と生み出されている中、特にその役割を担うスタートアップ企業やベンチャー企業などでは、アイデアの商品化から実際にサービスを立ち上げるまでの開発スピードを重視することから、時間を最大限に短縮できるRubyを採用する比重が高くなっています。

そのため、あたためているアイデアをすぐにも商品化したいという人や、Web系の企業でアプリケーションをプログラムしてみたいという人がこれから学ぶとすればRubyがよいでしょう。
将来は独立して自分のアイデアで勝負したいという人もWEBアプリの開発に効力を発揮するRubyをおすすめします。さらに、フリーのエンジニアを目指したいという人にもやはりおすすめです。
それは、Rubyのコミュニティが非常に活発で情報交換しやすい環境にあるからです。
Rubyを介した交流圏は技術的な情報のやり取りだけでなく、ビジネスチャンスの拡大にも良い効果をもたらすでしょう。Web開発に力を入れている企業であれば、スタートアップの若い感覚を持っている経営陣も多く、リモートワークをはじめとした働き方全般に対して柔軟な理解が期待できるので、自由なスタイルで働きたいと希望する人にとっても、Rubyが学ぶべき言語であるといえます。

一方Pythonは、将来Webアプリの開発だけでなく、AI(人工知能)やデータ分析、IoT関連などといった機械学習、データサイエンスの分野の仕事をしてみたいという人が学ぶべき言語です。
これらの分野においてPythonは標準言語となっており、プログラム開発には必須の言語になります。
多くの企業はビッグデータを集めて分析するマーケティング手法を取り入れるようになり、データ分析はますます求められるスキルとなる一方で、日本のみならず世界的な規模で、次世代を拓く新技術とされるブロックチェーンもまた、このPythonなしには開発できません。

このような理由から、将来性のあるエンジニアを目指したい人や最先端技術に興味のある人、世界を舞台に仕事をしてみたいという人などはPythonを学ぶのがおすすめです。

初心者には難易度が高いかもと思ってもPythonを始めたい人は下記記事も参考にしてください。

Python初心者におすすめの独学方法4選!1人でも理解できるおすすめの独学術を紹介

PythonとRubyの将来性はあるの?

PythonとRubyの将来性はあるの?

プログラミングの業界そのものが時代に求められる職種であるという点で、RubyにとってもPythonにとっても、その将来性は非常に明るいものであるといえるでしょう。
両者の比較でいえば、求人面で見た場合、Pythonの方がRubyよりも需要が多い傾向にあります。
たとえば、求人紙「doda」のサイトでは、2022年9月現在でPythonの求人数が5332件であったのに対して、Rubyは2134件と約2倍の開きがありました。
さらに、求人サイト「Indeed」では2022年9月現在でPythonの求人数が72234件、Rubyは55586件とこちらもPythonが上回りました。
Rubyが主にWebアプリケーションの求人需要であったのに対して、PythonはWebアプリのほかにも、AI・機械学習・統計・解析など理工学全般の分野で幅広く人材が求められたため、その違いが求人総数の違いとして現れたものであると考えられます。

また、給与相場で両者を比較した場合でもPythonの方がRubyより、全般的に高給であるという傾向が見られます。
業界大手のエンジニア派遣サービス「レバテック」が2022年5月に発表した調査結果によると、Pythonエンジニアの年収帯が400~850万円であるのに対して、Rubyエンジニアの年収帯は300~650万円となっています。
これは、まだPythonエンジニア自体の数が少ないことや、AIやデータ分析など、時代の先端を走る幅広い分野でPythonを扱える人材が広く求められていることによるものです。

データ分析やIoT、AIといった分野は今後ますます需要が見込まれます。その意味ではPythonエンジニアに対する企業の引き合いはますます高くなるでしょう。
一方でスタートアップ企業の増加に伴い、Webアプリの開発にもますます拍車がかかることも予想されます。
それぞれの言語が描く未来像のうち、どっちが自分の進むべき方向なのか、しっかり比較検討してみることをおすすめします。

初心者がPythonかRubyを学ぶなら理想のエンジニア像を浮かべよう

プログラミング言語の中で、PythonもRubyもともに将来性のある人気の言語です。
PythonはAIやデータ分析などの開発などにも対応し、Rubyは特にWebアプリケーションの開発に威力を発揮します。
二つの言語のうち初心者がどっちを選ぶべきかは、将来なりたいエンジニア像を思い描いたうえで、自分がどちらの方向に進みたいのかをしっかりと自問して検討してみることをおすすめします。

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