Pythonでの機械学習プログラミングの必需品!Pythonをより便利に使うための必須ライブラリを紹介!

ライブラリはプログラム言語の力を強化する便利ツールです。
Pythonは解釈が比較的容易で非常に人気のあるプログラミング言語で、今やあらゆる開発シーンで使用されているポピュラーなプログラミング言語です。

この記事では、Pythonのライブラリに焦点を当て、ライブラリが一体何であるか、どのように使用されるか、そしてなぜPythonの開発者にとって欠かせないツールなのかについて詳しく説明します。

Pythonライブラリとはどのようなものか?

Pythonライブラリとはどのようなものか

Pythonは、その優れた柔軟性と豊富な情報(多数のドキュメントが存在します)により、プログラミングの世界で非常に人気のあるプログラミング言語です。
Pythonが特に素晴らしいのは、豊富なライブラリが提供されていることです。

Pythonライブラリは、Pythonプログラムを拡張し、特定のタスクを実行するための繰り返し利用可能なコードの集合のことをいいます。
このライブラリには、関数、クラス、モジュール、メソッドなどと呼ばれる車のパーツのような役割のものが含まれ、開発者はライブラリの中から、コーディングに必要なパーツを開発中のプロジェクトに組み込んで利用することができます。

Pythonライブラリは、主に次の2つのカテゴリに分けられます。

Pythonライブラリの大まかな種類

ライブラリは大きく2つのカテゴリに分けることができます。
それがPythonをインストールすると一緒にコンピュータにインストールされる標準ライブラリと、外部企業や大学などの団体が開発したサードパーティー制ライブラリがあります。

標準ライブラリ

Pythonは豊富な標準ライブラリを提供しており、これには基本的なタスクを実行するためのモジュールが含まれています。これには

  • ファイル操作
  • 文字列処理
  • 数学計算
  • データ構造
  • ネットワーク通信

などが含まれます。Pythonをインストールすると、これらのライブラリは自動的に使用可能な状態になります。

サードパーティ製ライブラリ

Pythonのコミュニティや個別の開発者によって作成された外部ライブラリのことで、Pythonの基本機能を拡張することができ、さまざまな用途に特化した機能を提供します。例えば

  • データ分析(Pandas)
  • ウェブ開発(Django、Flask)
  • 機械学習(TensorFlow、Scikit-Learn)
  • データベース接続(SQLAlchemy)

など、その種類と機能は多岐にわたります。

Pythonライブラリを使用する目的と利点

Pythonライブラリを使用する目的と利点

Pythonライブラリは、プログラマーがコードの再利用、機能の拡張、効率の向上を実現し、開発プロセスを迅速化し、品質を向上させるために使用されます。

以下に、Pythonライブラリを使用する、目的と利点について説明します。

Pythonライブラリを使用する目的

ライブラリを使用する主な目的です。

関数やコードの使い回せる

Pythonライブラリは、同じまたは類似のタスクを何度も実装する手間を省き、コードの再利用を可能にします。これにより、開発速度が向上し、エラーの発生率が低下します。
また、
コードがよりシンプルになり、サービスローンチ後の保守が容易になります。

開発効率を向上させる

 Pythonライブラリを使用することで、毎回ゼロからコードを書く必要はなく、プロジェクトを素早く進めることができ、生産性を向上させることができます。
開発者は自分でゼロからアルゴリズムを作り上げる必要がなく、ライブラリを利用してタスクを効率的に実行できます。

高度な機能を簡単に利用する

 Pythonライブラリは、高度な機能やアルゴリズムを提供し、特定領域での専門的なコーディングの熟練度がそれほど高くなくても、ユーザーのコーディング技術を補ってくれます
例えば、深層学習のような複雑な構造を持ったモデルを構築する場合も、専用のライブラリが用意されており、その中から必要なコードを呼び出すことで簡単に高度なコーディングができます。一からコードを書いていくのに比べ、とても簡単にAIモデルを構築することが可能になります。

Pythonライブラリを使用する利点

また、Pythonライブラリを使用することには、多くの利点があります。

高品質なコード

 サードパーティ製ライブラリは多くの開発者によってテストと改良が施されています
そのため、信頼性の高いコードを再起的に利用することができます。

多様な用途

 Pythonライブラリは画像、テキスト、音声、データビジュアライゼーションなど、その用途は多岐にわたり、データ分析、ウェブ開発、機械学習、自然言語処理、データベース接続など、幅広い分野で活用できます。
何かやってみたいことがある時はほとんどの場合、必要なライブラリが存在すると言ってもいいくらい、ラインナップは充実しています。

開発コミュニティの情報を利用できる

 サードパーティ製ライブラリは、活発なオープンソースコミュニティによってサポートされており、問題の解決やアップデートの提供が日々行われています
パッケージに関する様々なドキュメントも充実しており、ユーザーはそうしたコミュニティから情報を得ることができるため、エラーが発生した時や新しい機能をコードに追加したいときに便利です。


このように、複雑かつ高度な機能を簡単に利用できるのがライブラリを使ったコーディングの利点です。

代表的なPython標準ライブラリ

ではここからは、Pythonの代表的な標準ライブラリをご紹介します。
また、いくつかのライブラについてよく使うメソッドも合わせてご紹介します。

メソッドとは関数のようなもので、変数や値に付けて呼び出します。
そうしたメソッドや関数のようなある処理のまとまりのことをモジュールといいます。

json

jsonモジュールは、JSON(JavaScript Object Notation)データのエンコードとデコードを行うためのツールを提供します。

JSONはデータの軽量な表現方法であり、Web APIなどでよく使用されます。
jsonライブラリを使うことで、PythonのデータをJSON形式に変換し、逆にJSONデータをPythonのデータ構造に変換することができます。

random

randomモジュールは、様々な乱数生成関数を提供します。

これはランダムな数値や要素を生成するのに役立ち、ゲームやシミュレーション、ランダムなデータの生成など、さまざまな用途で利用されます。
シャッフルゲームのように数値を変更したいときに便利です。

メソッド実装時の挙動
random()0以上1未満の範囲で浮動小数点数の乱数を返します
randint(a, b)a以上b以下の範囲で整数の乱数を返します
uniform(a, b)a以上b未満の範囲で浮動小数点数の乱数を返します
choice(seq)シーケンスからランダムに1つの要素を選択します
shuffle(seq)シーケンスをランダムに並び替えることができます

math/statistics

mathモジュールは、数学的な計算を行うための関数や定数などが集まったモジュールです。
三角関数、対数、指数、切り上げ、切り捨てなど、高度な数学操作が含まれています。

また、statisticsモジュールには、簡単な統計計算のための関数が用意されています。

よく使うメソッドを以下にご紹介します。

メソッド実装時の挙動
pi円周率の近似値を返します
sqrt()平方根の値を返します
factiorial階乗の値を返します
gad()2つの数の最大公約数を返します
radians()入力をラジアンに変換して返します
sin()正弦値を返します
cos()余弦値を返します
tan()正接値を返します

pip

pipは、Pythonのパッケージ管理ツールです。

Pythonのコードを共有するためには、開発者の間で同じ開発環境を用意する必要があります。
そのときコンピュータに同じバージョンのライブラリやモジュールをインストールする必要があります。

このとき利用するのがpipです。
pipはパッケージのインストール:、バージョン管理、ライブラリの依存関係の調整、パッケージのアンインストールに利用されます。

メソッド実装時の挙動
install package_nameパッケージをインストールします
uninstall package_nameパッケージをアンインストールします
listインストールされたパッケージを表示します
freezeインストールされたパッケージとバージョン情報を表示します

Pillow

Pillowは、Pythonで画像処理を行うためのライブラリです。

画像の読み込み、編集、保存、変換、リサイズなどの操作が可能で、グラフィックスアプリケーションやウェブアプリケーションで広く使用されます。
また、WEBから取り込んだ画像を表示させるときにも使用します。

メソッド実装時の挙動
open()画像を読み込みます
save()画像を保存します
resize()画像をリサイズします
rotate()画像を回転します
crop()画像をトリミングします
filter()画像にフィルタをかけます
Image.new()空の画像を生成します
paste()画像を貼り付けます

sys

sysモジュールは、Pythonのインタプリタや実行環境に関連する情報や機能を提供します。

コマンドライン引数の取得や、Pythonの設定を変更する機能などが含まれます。

datetime

datetimeモジュールは、日付や時刻を操作するためのモジュールです。

日付の計算、時差の処理意外にも、ユーザーの指定するフォーマットに合わせてデータを整形したり、タイムゾーンを扱うなど効率的にデータの属性を取り出して操作できるように作られています。datetime モジュールを使うことで日時に関する多くの操作が可能になります。

os

osライブラリは、オペレーティングシステムと対話するための関数を提供します。

ファイルの操作、ディレクトリの作成、パスの操作など、OSレベルの操作が可能です。

メソッド実装時の挙動
getcwd()カレントディレクトリを返します
sepディレクトリパスの区切り文字を格納します
path.split()入力したパスからパスとファイル名を分割して返します
path.join()パスとファイル名を結合します
path.splitext()ファイルの拡張子とパスを分割します
path.exists()ファイルやディレクトリが存在するかどうかの確認をTrueかFalseで判定します
mkdirディレクトリを新規作成します
system()渡された文字列をコマンドとして起動します
listdir()引数に指定したパスにあるファイルやディレクトリの一覧を返します
remove()ファイルを削除します

re

reライブラリは、正規表現(Regular Expressions)を使った文字列のパターンマッチングと操作のためのモジュールです。

正規表現は文字列の検索、置換、分割など、高度な文字列処理に使用されます。
ただし、扱いが少し難しいものです。
文字列表現のメソッドだけでは難しい処理が発生した場合は、正規表現の利用を検討します。

メソッド実装時の挙動
match()検索パターンと文字列の先頭が一致する箇所を検索します
search()検索パターンと文字列の先頭が最初に一致する箇所を検索します
findall()検索パターンが一致する箇所全てをリストとして返します
sub()検索パターンに一致する箇所を置換します
split()検索パターンに一致する箇所の文字列を分割します

pathlib

pathlibモジュールは、ファイルシステムパス(ディレクトリやファイルの場所)を操作するためのPythonのモジュールで、ファイルやディレクトリをPathオブジェクトとして扱います。

このモジュールはPython3.4以降で標準ライブラリとして提供されており、ファイルやディレクトリのパスを簡単に操作し、ファイル操作を行う際に非常に便利です。
osモジュールでのファイル操作に比べ、シンプルかつオブジェクト指向的に操作することが可能です。

以下に、pathlibモジュールの主要な機能と使用方法について説明します。

メソッド実行時の挙動
pathlib.Path()Pathを生成します。
Path オブジェクトを作成するには、ファイルまたはディレクトリのパスを文字列として指定します。
pathlib.Path().exists()ファイルやディレクトリの存在を確認します。
resolve()Path オブジェクトから絶対パスに変換します。
glob()ファイル名の一部を指定してファイル名やディレクトリ名を取得します。

tkinter

tkinterライブラリは、Pythonの標準GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)ライブラリです。

ウィンドウ、ボタン、テキストボックスなどのGUI要素を作成し、インタラクティブなアプリケーションを構築するために使用されます。

datetime/time

datetime/timeライブラリは、時間の計測や待機、時間に関する情報の取得など、時間に関連する操作のためのモジュールです。

日付と時間の計算以外にもプログラムの実行時間を計測するのに便利です。


これらのPython標準ライブラリは、Pythonプログラムをさまざまな分野で強力にサポートし、開発者が便利にプログラムを作成できるようにします。
適切なライブラリを使用することで、プロジェクトを簡素化し、高度な機能を実現できます。

Python必須外部ライブラリ3選

次に、Pythonを開発や作業効率化、データ分析や機械学習を行う上で必須のライブラリを3つご紹介します。

Python必須外部ライブラリ1.Pandas

Pandasは、データ解析や操作のためのPythonライブラリです。
Pandasという名前はpan(el)-da(ta)-sに由来しています。主に、

  • DataFrame(表形式のデータ構造)
  • Series(1次元のデータ構造)

という2つのデータ構造に対応していて、データのフィルタリング、集計、変換、表の結合、クレンジングなどのデータ処理タスクを簡単に実行することができます。

統計的なデータ分析、機械学習、機械学習に用いるデータの前処理などに広く使用されます。

Python必須外部ライブラリ2.NumPy

NumPyは、数値計算のためのPythonライブラリで、多次元の配列や行列を効率的に操作できる機能を持ったライブラリです。

型やサイズが等しい複数の要素を格納する多次元の入れ物のようなものが ndarray で、ここから値を取り出して計算に用いたり、複数の要素を指定して切り出すことなどができます。
これにより、数学的な計算や科学技術計算を高速かつ効率的に行うことができます。

多くのデータサイエンスおよび機械学習ライブラリもNumPyを基盤としています。
Numpy を使いこなすにはまず ndarray への理解を深めることが重要です。

Python必須外部ライブラリ3.Matplotlib

Matplotlibは、データ可視化のためのPythonライブラリで、グラフやプロット図の作成に特化した機能を持っています。

様々な種類のグラフ、プロット図、チャートを描画でき、データの可視化を通じてデータが持つ傾向やトレンドを理解しやすくします。
Matplotlibは静的なプロット図から動的なデータの視覚化まで、多くのデータ形式の可視化に対応します。また、SeabornというラッパーライブラリもMatplotlibをベースに、より美しく洗練されたプロットを作成するために使用されます。


これらの外部ライブラリは、Pythonのデータ分析、数値計算、データ可視化の領域で広く使用され、機械学習には欠かせないものになっています。
データサイエンスプロジェクトや科学的な研究において非常に重宝されるツールです。

機械学習&ディープラーニングライブラリ

機械学習&ディープラーニングライブラリ

最後に機械学習やディープラーニングで使われているライブラリをご紹介します。

scikit-learn

scikit-learn(またはsklearnと略記)は、Pythonの機械学習ライブラリで、シンプルで効果的なツールセットを提供しています。scikit-learnは

  • 教師あり学習
  • 教師なし学習
  • クラスタリング
  • 次元削減
  • モデル評価

などの機械学習タスクをサポートしています。
豊富なアルゴリズムと使いやすいAPIを提供し、初心者から専門家まで広く利用されています。

TensorFlow

TensorFlowは、Googleが開発したオープンソースの深層学習ライブラリです。
ディープラーニングモデルの構築、訓練、デプロイメントをサポートしています。

TensorFlowは柔軟性がとても高く、リアルワールドデータを用いた機械学習プロジェクトにも適しており、大規模なデータセットを使った高性能な計算を実行することができます。
また、Kerasという高レベルなニューラルネットワークラオブラリもTensorFlow上で動作し、非常に使いやすいインターフェースが提供されています。

OpenCV 

OpenCVは、コンピュータビジョンと画像処理のためのオープンソースライブラリです。

  • 画像とビデオデータのキャプチャ
  • 画像の前処理
  • 解析
  • フィルタリング
  • 特徴抽出
  • 物体検出
  • 画像認識
  • データ拡張

など、さまざまな画像系のタスクをサポートしています。
OpenCVはコンピュータビジョンの研究者、画像系のAIモデルを使ったAIエンジニア、画像処理エンジニアなどに広く利用されています。

PyTorch

PyTorchは「パイトーチ」と読み、2016年1月に、Facebookの人工知能研究グループにより開発された、オープンソースの深層学習ライブラリです。

Pytorchも柔軟性と使いやすさにすぐれ、非常に多くのタスクをサポートしています。
PyTorch はテンソルと呼ばれる独自の多次元の数値配列を演算に利用しています。
そのため操作は NumPy と似ていて、短時間で慣れることができ、実装を直感的に理解することができます。

また、CUDA が有効な Nvidia のGPU上での演算も可能になっているため、大きなデータを高速に計算学習させることができ、ディープラーニングに適しています。

まとめ

この記事では、Pythonの標準ライブラリと外部ライブラリについて詳しく説明しました。

Pythonのライブラリは、プログラミングタスクを効率的に実行し、コードの再利用性を高める強力なツールです。それぞれのライブラリには、得意なことや特徴があるため、シーンによって使い分けることで効率的に開発や分析を行うことができるでしょう。
各種のライブラリはPythonのプログラマーにとって必要不可欠であり、様々なプロジェクトや分野で活用されています。また、新しいライブラリも次々登場していますので、ご自身のやりたいことにあったツールを見つけてみてはいかがでしょうか。

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